2022年2月18日

スポーツを通じた国際交流のカタチ〜将来はモンゴルの冬季オリンピック選手に?〜

  • モンゴル
  • 本部スタッフ
  • 海外事業部の藤井です。

    【北京オリンピックがいろいろと盛り上がってますね】

    現在、お隣の国の首都、北京で第24回オリンピック冬季競技大会が開催されています。時差がほとんどない国での開催、並びに多くの日本選手が活躍する姿に、連日テレビやネットで応援されている方も多いのではないでしょうか?

    今回は、冬季オリンピックに関連し、モンゴルと日本とのスポーツを通じた国際交流の話題をご紹介します。

    【モンゴルから招待された子供達が日本の大会で大活躍】

    モンゴルは日本より緯度が高く、真冬にはマイナス40度になる地域もあります。オイスカは、モンゴルで2006年から人材育成や緑化、学校での環境教育などの活動を続けています。その活動の一環で、国際交流を目的に、モンゴルからの要請を受け、日本の個人や団体の皆さまからご寄附頂いたスキーやスケート靴など冬季スポーツの道具寄贈を続けてきました。

    冬季スポーツと言っても、大半の競技で道具がないと参加することもできません。今回の冬季オリンピックを見ていても、伝統的に競技が強いのは欧米諸国なのも理解できます。

    モンゴルでは、国内に雪や氷はあるけれど、道具が高級品で買うことが出来ず、冬季スポーツに取り組めない子どもたちも多いと聞いていました。

    これまで日本からモンゴルへ寄贈した道具は、オイスカの活動地域などの子どもたちに利用してもらい、その中には、モンゴル国内の大会で上位に入るような選手も出てきています。

    そして、2019年2月、日本の支援者のご招待により、道具の寄贈を受けたモンゴルの子どもたちなど4名が、「第39回札幌国際スキーマラソン」に参加し、活躍をしました。

    ここでは、以下に、当時の記事から抜粋してご紹介します。

    (以下、朝日新聞2019年2月4日配信記事から抜粋)


    モンゴルから4選手初参加/日本が贈った板で練習

    今年は、大会初となるモンゴル人選手が4人参加した。さっぽろ健康スポーツ財団がモンゴルにスキー板を贈ったことがきっかけだった。選手たちは息を切らしながらも、コースを力強く駆け抜けた。 4人は12~35歳の男性で、いずれも3キロの歩くスキーに参加した。モンゴルの全国大会に出場し、優勝した経験があるフスレン・トモルチョウドルさん(14)は2位でゴールし、他の選手たちも後に続いた。 モンゴルは貧富の差が大きく、日本で3万~4万円するスキー板は高級品。雪は降るが、地方ではあまりスキーが普及していない。そうした事情を知った札幌観光協会前会長の星野尚夫さんが普及を図ろうと呼びかけ、財団が昨年10月、歩くスキー用の15セットを北部のブルガン県など3県に寄贈した。札幌市と財団が支援し、4人の出場が実現したという。 ブルガン県のセレンゲ村には、これまでスキーをする人がいなかったが、寄贈を受けて中学校にスキー部を創設した。入部したバトゾリグ・バヤラさん(13)は昨年10月以降、毎日3時間練習し、今大会に臨んだ。教師らが雪を集めてコースを作り、練習環境を整えてくれたという。 バトゾリグさんはゴール後、「板をもらってから、札幌に行くことを目標に練習してきた。もっと練習して、モンゴル代表としてオリンピックに出場したい」と夢を語った。

    朝日新聞のリンク👉:http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20190204010200001.html

    【これからもスポーツを通じた国際交流を】

    「札幌国際スキーマラソン」は、モンゴルの4名が招待を受けた翌年の2020年、2021年、2022年と3大会連続で、コロナの影響で中止となりました。コロナの影響が、すでに3年にも渡っている事実を考えると、この大会の関係者の方や、モンゴルから参加に向けて練習に取り組んできた選手もとても無念だと思います。ただ、今回の北京オリンピックを見ていても、スポーツには国際的な連帯や協調を促進する貴重な役割があると思います。今後もオイスカは、モンゴルへのスポーツ道具の寄贈や、関係者間のスポーツ交流を通じた国際交流に取り組んでいく予定です。

    最後に、札幌市は、2030年の冬季オリンピック・パラリンピック大会の招致を目指した活動を続けています。今後はまだ分かりませんが、もし2030年に札幌への招致が実現したときに、これまでの国際交流に参加をしたモンゴルの子どもたちが、今度は正式なモンゴルのオリンピック選手として札幌に来てくれるという夢が実現することを期待しています。

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