2022年1月17日

シンハイ島散策日記 ~タイからのレポート~

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  • こんにちは。タイ・ラノーンから髙木です。
    今日は、ラノーンの活動地の一つ、シンハイ島へご案内します。

    実は私も最近初めて村を一周しました!
    昨年4月に赴任して以来ず~っとコロナ禍で出来なかったんです。特にシンハイ島は長い間ロックダウンしていたので、訪問しても島の人たちを不安がらせないために集会所への直行直帰。島の中を歩けると分かった日は、ワクワクしちゃいました。

    マレー系の独自の文化を守る島

    シンハイ島はラノーン市から15㎞ほど沖合にある面積約3.2平方㎞の小さな島で、ミャンマー国境のすぐ近くにあります。ラノーン市内の桟橋からボートで約40分。マングローブの林やミャンマーの島の町を遠くに眺めているとあっという間ですが、雨期には船が出せなかったり、出せても船の上でカッパを抑えて水しぶきをじっと堪えたりしていると、結構遠くに感じます。

    シンハイ島の家並みと漁船

    みなさん、タイといえば仏教の国というイメージですよね。外務省のHPにも95%が仏教徒とあります。でもラノーンはイスラム教の人もたくさんいて、仏教の人たちと打ち解けて暮らしてます。
    タイのムスリムのルーツは様々ですが、シンハイ島は島全体がマレー系のムスリムで、「マラユー(ジャウィ語)」と呼ばれるマレー語の方言を話します。ラノーンのスタッフでも「解かんない~」というほど、タイ語と違う言葉だそう。私も初めて訪れたとき「スラマットパギ」と挨拶してみたら、にこやかに「スラマット」と返してくれてびっくりしました。ちょっとした会話でも言葉が通じて距離が縮まると、嬉しいですね。

    村の女性たち。腰に巻いたバティック(ろうけつ染め)はとても鮮やか

    シンハイの人はとってもフレンドリー

    良く晴れた昼下がり、案内役は島の若きリーダー、ジョングラックさん。「いつかシンハイ島を多くの人が訪れる観光地にしたい」と夢を描いています。村の魅力はやっぱり人々が大切にしている素朴で伝統的な暮らし。そしてどこでも交わされる挨拶と、気さくな笑顔。癒されます!
    東側の内海に面して高床式の家が建ち並び、浅瀬に停泊するたくさんのロングテールボートは圧巻。
    すぐ背後はジャングルが広がり、水場には山から引かれた澄んだ水がキラキラと輝いていました。

    桟橋で干物づくり
    漁船を修理する船大工。板の合わせ目に撚糸を詰めてから塗装する
    貝殻で作られた蛸壺
    太陽光発電所。島の全世帯の電力はここで賄われている。風力発電もあるが、送電線が壊れたまま使われてないのだとか

    “ままごと”のクオリティーにびっくり

    大人たちの昼寝の時間も、子どもたちは元気いっぱい。投げ独楽、ままごと、鬼ごっこなど、懐かしい遊びも見られます。

    私が特に目を引いたのは「ままごと」のクオリティーの高さ!廃プラをきれいに並べた“台所”で、いろいろな“お料理”を作る様子はまさに食堂風景です。包丁の使い方も器用で、廃材の使い方は実際の台所でも代用できそうな工夫ぶり。それに、周りに散乱しているゴミと同じ物がゴミに見えなくなるから不思議です。

    ままごとのようす。ココナツの殻のすり鉢に空き瓶のすりこ木を使って“ソムタム”作り?
    投げ独楽を競う。紐が飛ばないようペットボトルの蓋を付けて、投げる威力倍増?

    子どもたちの遊びの輪に会うたびに、こうやっていろんな知恵や体力、社会性を身に着けていくんだろうなーと、見とれてしまいました。すごいぞ、子どもたち!

    シンハイ島では、漁師さんや魚を加工する女性たちが組合組織を立ち上げたのを皮切りに、ゴミ問題の啓発活動や、マングローブの植林活動を進めていきます。日増しに活気づいてきたシンハイ島の活動に乞うご期待!

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