2026年2月9日

【フィリピン・アブラ州】植林サイトが一部焼失 デルフィン所長の再起に向けた強い思い

  • フィリピン
  • 本部・海外事業部のグラゼンです。

    フィリピンの植林プロジェクトにおける森林火災と、プロジェクト責任者の格闘について報告するのは3度目となります。今回はアブラ州に関するレポートです。

    <これまでのブログ>
    「消火隊は環境のヒーロー」~山火事を命がけで消火するヌエバビスカヤの取り組み~2024年4月2日
    フィリピン ヌエバ・ビスカヤ州 山火事から水源林を何としても守り抜く2023年4月4日

    先日、アブラ研修センターのデルフィン・テソロ所長から、2月1日にアブラ州リクアン・バアイ町と、ラガンギラン町にまたがる植林プロジェクトサイトが焼失したとの連絡が入りました。このサイトは、2023年から地元の人々や研修生、学生、日本人ボランティアと共に森林再生を始めたばかりで、3,000本以上の在来種(主にナラ、モラベ、チークの苗木)を植樹した10haもの現場のほとんどが被害にあったということです。

    火災後の写真

    地方政府の調査では、小規模畜産農家が隣接する山で、雨季の新芽の成長を促すために古い草を焼き払う焼畑を行ったことが原因の一つだとされています。さらに、その日は風が非常に強かったため、プロジェクトに携わる現地住民が構築・維持していた防火帯では火の広がりを防ぎきれず、植林地は炎に飲み込まれてしまいました。

    私は、デルフィン所長(私はデルフィン所長を「マノン」と呼んでいます。お兄さんという意味です)を15年以上前から知っており、マノンを不屈の精神を持つ強靭な人物だと認識していました。その精神は、きっと40年以上にわたる現場経験で培われてきたものだと思います。

    マノンはこれまで、研修センターで若者たちを育成し、「子供の森」計画を通じて多くの子どもたちに環境の重要性を伝え、アブラ州とイロコス州の農家や漁民の生計向上プロジェクトを主導してきました。

    しかしそんなマノンが、皆で育んできた植林地が焼失してしまい、眠れぬ夜を過ごしたと聞いた時、私もとてもショックを受けました。マノンが故郷の森林改善に注いだ想いや時間、労力を思うと、本当に心が痛みます。

    フィリピン北部(アブラ州)では、乾季は水不足、雨季には洪水や土砂崩れに悩まされ、台風被害も頻発しています。この地域で人々が安心して豊かに暮らせるよう、マノンや地元の人々は、『災害から地域を守るために健全な森の存在がいかに大切なものか』を理解し、苦労しながら森づくりに取り組んでいました。火災は夜に発生し、火災を止める余地もなく急激に広がっていったそうです。森を守る機会も得られず、地元の人たちにとっても、とても辛いことだった思います。

    火災前のプロジェクトサイト

    今後についてマノンは、3月に地元の学生を対象としたサマーキャンプを企画していると話しています。イベントでは生徒たちを動員し、雨季にすぐに再植林できるよう苗木を準備する予定とのことです。

    さらにマノンは話しています。

    「日本からの支援と、実際に植林のために遠くアブラ州まで足を運んでくださった日本人ボランティアの方々に、私も地元住民も深く感謝しています。どんなことがあっても、アブラ州の森づくりへの決意は揺らぎません。たとえ大きな火災であっても、これからもあきらめず尽力していきます!」

    現地では苦難に立ち向かいながら、前を向いて活動が続けられています。フィリピンの森づくりをこれからも応援お願いします。

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