中部日本研修センターの筑田明生です。
先日バングラデシュのレポートをしましたが、そのままダッカ(バングラデシュ)⇒ハイデラバード(インド)⇒バラナシ(インド)と移動して「ガンジス河流域村における水・土・森の自然資源共生型の農業技術普及による持続可能な生計向上支援プロジェクト」に従事してまいりました。長くて欲張りなネーミングですが、オイスカが得意とする分野です。私は今回で5回目の渡航になります。
乗り換えで空港を利用したハイデラバードは南インドの大都市です。空港もデリーに負けない規模の立派さでした。夜の便でバラナシへ向かったので上空からの写真を撮りました。我々が活動するバラナシとの発展の違いが街の明かりで分かります。
ハイデラバード夜景
バラナシ夜景
プロジェクトでは3つの村に炭窯を建設し、竹炭を焼き、焼いた炭を田畑へ散布し土壌改良、農産物の品質向上と増産、農家の生計向上を目指します。各村の若者がプロジェクトの推進役としてコーディネーターになっています。炭窯が完成した村では、コーディネーターの製炭技術も向上してきました。今回の渡航は、植林の意味も兼ねて植えられた果樹535本の生育状況の確認と、今後我々の取り組みに協力して下さる農家の皆さんとのミーティングが主な目的でした。
農家の皆さんとのミーティング後の集合写真
植えられた果樹は12種類。マンゴやパパイヤに加え、アムラやジャムンといった初めて聞く名前の果物もありました。2025年3月に植えて、現在70%程度の活着率だそうです。大体の農家が自宅の庭先に植えてあり、野菜と一緒に家庭菜園に植えられている家もありました。数件の農家を訪問させて頂きましたが、見慣れない植物が多く、飽きる事がありませんでした。たまに見慣れた植物(コンニャクがあった!)を見つけると嬉しくなります。
協力農家は広い庭を持っている方が多く、牛などの家畜も飼っている。プロジェクトで提供した果樹も植えられていた
稲作農家のコーディネーター、アシシュ氏(手前・左)育苗中の水稲苗場で生育状況を確認。昨年は竹炭を散布した圃場で収量が増えた
粉砕した竹炭
100kg/10aの炭を散布
田植えをしている田んぼもありました。作業していたのは女性のみ
野菜、米、果樹で竹炭を活用して頂いています。現在の所、炭の生産量が十分ではないので100㎏/10a施用を目安にしていますが、目標は3t/10aです。長年かけて蓄積する必要があります。しかし、竹炭だけで良い土壌は出来ませんし、コストも時間も掛かるので、籾殻燻炭や家畜堆肥も同時に施用する事を奨励しています。現地の州政府からはミミズ堆肥や緑肥を使う事が奨励されています。
普段竹炭は車で踏みつぶして粉砕しますが、不十分だったので人力で粉砕しました
グアバ畑に粉砕した竹炭を散布。このまま田んぼにして、水稲を栽培する予定。「グアバは水に強いので大丈夫」と農家は言う
コーディネーターの畑。日本とは違い、畝を立てる事はありません。豆(フラットビーンズ)を植える準備では穴を掘って牛糞堆肥を入れ、土を被せて苗を植えるそうです。竹炭も使います!
コーディネーター(左)とオイスカ北インド総局のランジット氏とで、竹林を観察しながら、竹の活用法を考え、意見交換していました
村で焼いた竹炭の販売先を見つけるべく、サンプルをオイスカ北インド総局のあるデリーに持ち帰りました。
今後は3村での炭窯稼働を実現し、更なる竹炭の増産と普及を目指します。
プロジェクトメンバー、農家の皆さんと協力して、少しでも理想に近づけるように残りの期間も努めて参ります。
続きはまた、ご報告致します。
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