本部・海外事業部の林です。
だいぶ古い話題になりますが……。2月8日に入国したフィジーの研修生の出迎え、高松行きの国内線への乗り換えのサポートのため成田空港に行ってきました。空港で過ごしたラファエレさんとの半日をレポートします!
朝6時過ぎのフライトのため、私は成田空港近くのホテルに前泊。
6時半頃外を見るとフィジーエアラインズの飛行機が!
あれに乗ってきたのかな??
ラファエレさんは、インドネシアやスリランカからの研修生と共に、これから12月まで四国研修センターの地域開発コースで勉強をします。
現地スタッフからサイクロンの影響でフライトが変更になるかもしれないと聞いて心配していましたが、問題なく到着。7時過ぎにはゲートで合流しました。
大きなスーツケースで来日する研修生が多い中、ラファエレさんの荷物は機内持ち込みサイズの荷物のみ。
「それだけ??」ときくと
「小さいけど必要なものは全部入ってる」と。
成田空港第2ターミナルに到着後、午後2時過ぎの高松行きの国内線に乗るため第3ターミナルに移動。
外に出るゲートに近づくとブルブルっと震えて小さなバッグから上着を取り出して早速羽織っていました。
「寒いね」
「サムイ??Cold??」
「そう、寒い!」
「サムイ、サムイ」
日本で最初に覚えた日本語は「寒い」でした。
飛行機の機内食では足りなかったであろうラファエレさんに確認するとやはり空腹だというのでフードコートへ向かいます。その移動中、聞きたいことがあると。
「どうして日本人はみんな走ってるの?」
これまでも何度も研修生から聞かれた質問です。空港なのでチェックイン時間に遅れないよう急いでいる人もいれば、スタッフさんたちも忙しそうに動いていて、彼の目からは「みんな走っている」ように見えるようです。
「日本人は時間に厳しくて、時間を守ることは大切なことなの」
「タイムマネジメントがしっかりしてるんですね」
「フィジータイムと違うからね」
多くの研修生が来日して驚いたこととして「5分前行動」をあげます。そしてそれはとても良い習慣だと感じるようです。
ラファエレさんもこれからの研修でしっかりタイムマネジメントを学んでもらいたいと思います。
フードコートでいろいろ選択肢がある中、彼が選んだのは「スープがあるヌードル」。
日本で最初に食べたのは「ちゃんぽん」でした。
箸に苦戦していたのでフォークを借りることに。プラスチックの箸で麺を食べるのはちょっとハードルが高かったか……。
「おいしい?」
「オイシイ??」
「Tast good??」
「Yes,オイシイ!」
日本で2番目に覚えた日本語は「おいしい」でした。
実は彼は彼個人の問題で入国が延期されていたので、すでに基礎研修を始めている同期から遅れをとらないよう、自分でひらがなを勉強してきたのだと、ノートを見せてくれました。
国内線の時間まではたっぷり6時間。私もひらがな、カタカナの練習プリントを準備していたのでそのままの流れで練習がスタートしました。
しかし、夜行便の飛行機で寝られなかったというラファエレさん。ひらがなを終え、カタカナの練習に移った頃、お腹も満たされ、次第に集中力が切れてきました。そこで少し仮眠をとってから再開することに。
多くの外国人が靴を履いたままベンチに足を乗せていましたが、「ちゃんと靴を脱いでね」と伝えると素直に従ってくれました。
1時間ほどの仮眠後、彼から出た質問は
「タバコを吸える場所はありますか?」
それなら自分で聞いてみよう!ということで
「キツエンジョ ハ ドコデスカ?」を練習。
これから先、どこに行っても使う日本語だからね~~と。
「キツエンジョ ハ ドコデスカ?」をブツブツ繰り返しながらインフォメーションカウンターへ。
カウンターの目の前まで来ると怖気づいたのか
「やっぱり先生がきいて!」と。
「私はタバコ吸わないから、吸う人が自分で質問しなよ~~」
日本で最初の日本語での会話は
「キツエンジョ ハ ドコデスカ?」
となりました。
親切なお姉さんの丁寧な日本語での説明は理解できるわけもなく。
でもまずはちゃんと質問することが大切だと思ったので満点!
そのままキツエンジョへ。
先輩からもらったという硬貨を取り出し、
「これでタバコは買えますか?」と。
タバコとお昼のお弁当を買いにコンビニへ。
日本で最初の買い物はタバコでした。
焼きそばとチャーハンのお弁当は割りばしで上手に食べていました。
チャーハンは難しいのでは?と思ったのですが
「練習です」
といってチマチマチマチマ少しずつ口に運んでいました。
高松行きのフライトまであと1時間。
ゲートまで送り届けここでお見送り。
周囲の人たちの様子を見ながらウロウロウロウロ。
なんとか荷物検査を終え、姿が見えなくなるまでを見届けました。
高松空港で出迎えてくれたスタッフによると「ゲートを出てくると脇目も振らず、すぐ横にいるオイスカジャケットを羽織っている私には目もくれないまっすぐな歩み」で出口へと直進していったそうです(笑)
入国の遅れを取り戻すべく頑張ってもらいたいものです。
そして8ヵ月の研修を終える頃には、たくさんの日本語を覚え、しっかりとした農業の技術を身に付け、フィジーでの活動を支える人材となっていてほしい。
日々彼の研修を支える四国研修センターのスタッフと連携しながら、研修生の学びを見守っていきたいです。