明けましておめでとうございます。海外事業部の山本です。
オイスカは日本国内に4つの研修センターがあり、毎年、海外から研修生が学びに来ています。今回はそのうちの1つ、四国研修センターの研修生が帰国するため、見送りに行ってきたときの様子をお伝えします。
昨年12月24日の夜、四国研修センター近くの高松空港から成田空港へ移動してきたナンシーさんを迎えに行きました。ナンシーさんは翌25日に母国のメキシコへ出発します。
ナンシーさんは、2024年の1月31日に来日し、約10ヵ月の研修を終えて帰国します。実は、私は来日時にも、成田空港へ迎えに行っています!★★入国時のブログはこちら★★
ナンシーさんも、そのときのことを覚えてくれていて、荷物の受け取りカウンターから出てくる前から、私を見つけるとすぐに手を振ってくれました。本部勤務の私は、普段研修生と関わることがほとんどないので、今回、会うことができてとてもうれしかったです。
特に、来日時と帰国時に会えたので、ナンシーさんが経験を重ね、成長したことをものすごく感じました!
第一に感じたのは、日本語がとても上達したことです。来日時は概ね英語での会話でしたが、今回はすべて日本語です。しかもナンシーさんは流暢にいろいろなことを話してくれます。
研修センターには、さまざまな国から研修生が来ます。そのため、最初は英語で意思疎通をしていましたが、2ヵ月経つころには、基本は日本語で話すようになり、次第に英語よりも日本語の方が話しやすくなったと言っていました。
四国研修センターでは、12月7日に研修修了式が行われ、それ以降、順次研修生が帰国しており、ナンシーさんは最後でした。やはり、一人だけになった研修センターはさみしかったと話していました。「みんな家族みたいになったのに…」と別れを残念がっていました。
一方、「これまで毎日農作業を研修生と先生たちと一緒にやってきたのに、自分が帰ったら先生たちだけで作業しなければならないので、本当に大変だと思います」と残される先生たちのことも心配していました。
帰ってからは何をしたいかと聞くと、森林保全をやりたいと話してくれました。メキシコにしかない植物がありますが、こうした植物は減少しているそうです。そうした植物がなくならないようにしたいと言っていました。
このような帰国後の活動計画を研修センターでは「アクションプラン」と呼び、研修の終盤に作成し、発表します。このアクションプランづくりも大変だったと言っていました。特に、簡単な日本語で説明するのが難しかったと話していました。
母語で考えるときには何気なく使っている言葉でも、それをそのまま日本語にしようとすると、日本語ではまだ知らない難しい言葉なので、どう言えばいいかわからなくなってしまい、自分がわかる日本語にかみ砕いて表現することに苦労したそうです。そこを先生と一緒に考えながらつくったと話してくれました。
日本で一番おいしかった食べ物は? という質問には、「うどん!」と即答。四国研修センターのある香川のうどんはやはりおいしかったようです。
ほかにも、メキシコでナンシーさんが住んでいる地域では、魚をあまり食べないそうで、日本では魚をよく食べたと言っていました。サバやサケなどはおいしくて好きだったけれど、頭や尻尾までまるごと食べる魚はちょっと苦手だったようです。初めに食事で出たときには、頭まで食べるとは思わず、先生たちが食べているのを見てびっくりしたと言っていました。
たこ焼きもおいしかったというのを聞いて、内心ニヤリとしてしまいました。来日時にたこ焼きの話をしたからです。メキシコにもあるけれど、メキシコのよりも、日本のたこ焼きの方がおいしいと言っていました。
「メキシコに帰ったら、自分のお腹が心配です。10ヵ月間、日本の食事をしてきたので、急にメキシコの食べ物が来たら、お腹がびっくりすると思います」というくらいに、すっかり日本の食事に慣れたようでした。
書き切れないくらいにいろいろな話をナンシーさんはしてくれて、別れるのが本当にさみしかったです。
けれども、こんなに元気で、明るくて、前向きなナンシーさんは、メキシコでもきっと活躍するだろうなと、とてもわくわくした気持ちにもなりました。
また会えるのを楽しみにしています!!