2023年12月6日

タンパク質危機の解決策(*虫の嫌いな人は注意!)

  • ウズベキスタン
  • 海外スタッフ
  • ウズベキスタン沙漠緑化プロジェクトを担当しているOISCA College LTD.の冨樫智です。

    突然ですが、皆さんは小さい時にアリを食べたことがありますか?
    実は、私はオオアリを捕まえてはこっそりと食べていました。酸っぱいのがたまらなく美味しかった思い出がありますが、のちにそれが蟻酸というもので、あまり体に良くないと知りました。
    今年、中国で初めてセミを食べました。これまでも、「日本にはたくさんセミがいるのに、誰も食べないのか?」と、中国の人に聞かれていました。中国の人にとってはセミは日常の食べ物のようです。味はといいますと、見た目とは裏腹に、揚げたものは、香ばしくて美味しかったのです。特に美味しいのは、地面から出てきたばかりのセミだと教えてもらいました。

    厳しい環境のアラル海ですが、あまり目には見えないけれども生態系はしっかり残っていて、いろいろな昆虫がいます。今回のウズベキスタン滞在で、アラル海に行き、サクサウールの種子を集めてきました。種子を事務所に保管していたのですが、翌朝、事務所に行くと、たくさんの虫が床にいました。

    サクサウール種子とり
    サクサウールの種子採り
    ジバンムシ
    カーペットに出てきたジバンムシ
    ジンサンジバンムシ
    ジンサンジバンムシの一種

    室内は暖かいので卵が孵ったのでしょう。この虫は、日本ではジンサンジバンムシとよばれる種類のもので、人参死番虫と書きます。ニクジュヨウにも付き、漢方薬によく付くため薬屋泣かせともいわれています。

    不思議なことにカーペットの下を抜けて、皆、同じ壁の下に集まっていました。このジバンムシを見たときに、普通の人なら気持ち悪いと思うでしょう。でも、私は、「もしや食べられるかも?」と思い、ウズベキスタン人スタッフに聞くと、イスラム教では昆虫は食べないとのことで、虫を嫌う日本人と同じような反応でした。ただ、プロジェクト調整員の青山さんだけは興味津々でした。

    「これを鶏の餌にするのはどうですか?」と聞いてみると、OKとのこと。昨今、コオロギのパウダーとかの昆虫食が出てきていますが、世界では、人口増加により早ければ2030年にもタンパク質危機が来るだろうといわれています。大豆タンパクを増やせばいいことなのですが、カラカルパクスタンでは水問題もあり、水が制限される中、他にも桑のカイコやサクサウールのジバンムシは、新しいタンパク源になるかもしれません。

    プロフィール

    ↓↓ ウズベキスタンでの沙漠緑化プロジェクトの概要はこちらの動画をご覧ください ↓↓

    アーカイブ