トークイベントを通じて、支え合い、育み合う人間関係のありがたさを感じました

オイスカ東京本部のグラゼンです。

ここ数週間、11月23日に大阪で行われた「【地球環境を考えるトークイベント2023 秋】「災害のデパート」フィリピン北部での37年間の挑戦とこれから」の準備に追われていました。オイスカアブラ研修センターのデルフィン・テソロ所長、オイスカ関西研修センターの清水利春所長との40分間のトークセッションの事前打ち合わせのため、11月21日から大阪の関西センターに滞在しました。

トークイベントでモデレーターを務めることに決まったのは、8月ごろでした。

それからは、デルフィンさんと清水所長にどんな質問をすれば、聞いている方に伝えたいことが伝わるのかをイベントの直前まで考えました。

私は、尊敬するデルフィンさんの偉大さや、地域住民や行政機関などとの協力がアブラ州と近隣州の持続可能な地域社会づくりのために、いかに大切かを理解してもらいたいと思いました。

トークセッションの中で、デルフィンさんにいくつか質問した中で、「どのようにして村人の信頼と信用を得たのか」といういう質問にどう応えてくれるのかをとても楽しみにしていました。デルフィンさんは慣れない日本語での回答でしたので、彼の言葉を汲むと、日常から地域の人々とコミュニケーションをとり、彼らが困ったときにはすぐに手を差し伸べ、きめ細やかに対応する能力が、アブラ州でプロジェクトを遂行できた大きな要因なのだろうなと思いました。

プロジェクトが現地で成功しない最大の要因のひとつは、非協力的な村だと何かで読んだことがありました。日頃からのきめ細やかなコミュニケーションを続けて村全体の協力を得ていくことがプロジェクトが成功する秘訣なのだと理解することができました。

40分間のトークセッションで、正直なところ、狙い通りの結果を出せたかどうか自信はありませんが、デルフィンさんが質問に冷静に応えてくれたことにがとてもありがたく、さらに、清水所長がデルフィンさんのコメントに対して的確にフォローしてくださったことにも感謝しています。

デルフィンさんと清水所長の仲の良さはいつも感じていましたが、トークイベントの前日からお二人と一緒に行動していて、特に清水所長が幸せそうにしているのに気づきました。ふたりを一緒に見ることはめったにありませんが、長い年月で育まれた、お互いを信頼し、尊敬する関係はとても感動的です。

所長とデルフィンさん — 関西研修センターの清水所長（左）とアブラ農林業研修センターのデルフィン所長（右）

大阪にいる間、TEDトークのYouTubeの動画を思い出しました。それは、親密な人間関係や社会的なつながりがいかに健康や幸福にとって重要かについてのハーバード大学の研究結果についてです。この研究の責任者によると、支え合い、育み合う人間関係を持つことは、人生のストレスに対する緩衝材となり、健康を守るということでした。デルフィンさんが困難なことがあっても37年間続けてこられたのも清水所長の存在が大きいのだろうなと思いました。

トークイベントには青森県、広島県、和歌山県から、はるばる私の友人たちが参加してくれました。彼らはオイスカを長く支援してくださっている電力総連の一員として、フィリピンのヌエバ・ビスカヤでの植林ボランティアに参加した方たちで、私は10日間、オイスカの引率スタッフとして彼らと一緒に行動しました。文化的な背景も職業も違いますが、植林と地元コミュニティや学校との文化交流を一緒にするうちに打ち解けることができました。一緒に行ったメンバーとは、ソーシャルメディアを使って、居場所を報告し合ったり、結婚式（私の結婚式ではない）に出席したり、時々お互いを訪問する仲です。そんな彼らが遠方からトークイベントに出席してくれたのは、とても嬉しく、心強く、植林ボランティアが育んでくれた人間関係に感謝しています。