タイ駐在代表の春日智実です。
オイスカタイの活動地は主に5県。南部のラノーン県、東北部のスリン県とコンケン県、北部のチェンライ県、そして中部のアユタヤ県です。それぞれの県に担当者がいて、活動や地域との調整は彼らに任せています。
アユタヤ県はバンコク事務所スタッフのオッブさん(四国研修センターOG 2005年研修修了)に任せていて、しっかり活動をしてくれているので、私は一歩下がって見守っているのみです。
6月23日に一年以上ぶりにアユタヤを訪れ、スック寺での植林活動をしてきました。
数ヵ月前、オッブさんから「アユタヤのお寺で、まとまった面積での緑化を進めたい」と相談がありました。
オイスカとお寺のお坊さん、地域住民とのコンセンサスも取れていて、木のない敷地を緑にしたいと地域全体で考えているのだといいます。
植林予定地は、確かに、木もない、建物もない、何もない土地が広がっていました。
アユタヤは都市部に近いこともあり、通常はこうした広い面積での植林ではなく、環境教育プログラム「子供の森」計画の活動として学校の敷地などわずかな場所に植えて、環境教育をすることをメインの活動としています。
そんなこともあり、これほどの面積での植林活動は予算に組み込んでいませんでした。
特別に予算は確保していないものの、これまでの経験上、お寺のお坊さんや地域住民の機運が高まっているこの時を逃しては、機会が失われてしまうかもしれません。そこで、とりあえず「子供の森」計画の活動としてスタートし、徐々に予算を集めようと考えました。
内心、「資金はどこから集めようか……」と不安になったものの、せっかくの住民たち、スタッフたちの思いを無駄にはできません。
この地で活動をスタートする日、大勢の住民や子どもたちが集まりました。
近隣4つの学校から60人ほどの生徒や先生。
そして地域住民たち、自治体や警察、お寺の方々…。
プログラム実施の代表者として郡長も出席する大きな植林イベントとなりました。
100人はゆうに超え、150人くらい出席していたような気がします。
地域一丸となって森にしようとしている意気込みが感じられました。
子どもたちも…お坊さんも…オイスカタイのアリ会長も…みんなで広い敷地に植えていきました。
決して良いとはいえない土壌。
酸性土壌ということで白い石灰を入れ、植林後には消防車で水撒きをしています。
固くてほぐれにくい土も消防車からの水で根元で馴染むと言っていました。
支柱を差し、紐でくくり、丁寧に作業を進めます。
全部で300本以上の苗木を準備し、植えられていきました。
チョンプーパンティップชมพูพันธุ์ทิพย์(キダチベニウゼン)やインタニンอินทนิล(オオバナサルスベリ)など、ピンクや紫の花を咲かせる美しい木々を中心に大きな道路沿いに植え、スック寺のお寺の名前にちなんでスックという木など、色々な木が植えられていきます。
大きな森になった時が楽しみです。
こうした植林活動でのオイスカの役割は、啓発活動、そして植林を一過性のものにせずに維持管理を続けていくように伴走していくこと。
今日の植林イベントも大事ですが、ここからがもっと大事になっていきます。
お寺や住民、学校とともに長くこの地を見守っていきます。
作業の後はかき氷!
自治会が参加者に振る舞ってくれました。
暑い中での作業後にこれはありがたいです。
お寺からはタイラーメンが振る舞われ、美味しいと大評判でした!
こうしたことからも地域全体の協力度がうかがえます。
こんなにカピカピに乾いてひび割れた大地ですが、地元の人たちの協力体制があればきっと大丈夫!
これからも少しずつ緑化を進めていき、みんなが集い、憩い、お坊さんが瞑想できるような森ができる!
そんな予感を感じました。
地元の人たちの「やりたい」を最大限に尊重し、植えるだけでなく、「森」ができるまで長期にわたって活動を継続するのがオイスカ流。
オイスカタイは、植林活動をつうじて、「心に木を植える」ことを大事にしてきました。心に育った木がやがて大地にも森を育んでくれることでしょう。
世界遺産アユタヤが緑豊かな街となり、後世に遺していけるよう、ぜひ、一緒に取り組みましょう。
ぜひ夏募金で応援してください!