首都圏支部の藤田です。
今年は東京のソメイヨシノの開花宣言が、1953年の統計開始以来、(2020年、2021年と並ぶ)最も早い3月14日となりました。その後、横浜(15日)、大阪(19日)など関東以西の開花宣言が続き、現在は東北地方まで桜前線が北上して、日本列島が桜の春色で染まっています。
日本の春を象徴する桜。1965年4月の東京都立の某高校で、校庭を囲む桜が満開のなかで入学式が行われたのを鮮明に覚えています。60年近く前のことですが、昔は学校の入学式の頃(4月上旬)にソメイヨシノが満開を迎えて、春を実感させてくれた風物詩でした。
ところが近年は、桜の開花が年々早まっているニュースが目立ちます。地球温暖化の影響ともいわれていますが、季節の移ろいと人の営みがズレてきている感じがします。
早咲きの河津桜、次に咲く枝垂れ桜、そして本命のソメイヨシノと、毎年、定点観測のように春を体感している「桜だより三題」を紹介します。種類の異なる桜ですが、共通しているのは「開花・満開が早まっている」という実感です。皆さんは、桜にどんな思いを持っていますか?
◎オイスカ本部のソメイヨシノ(3月28日)
東京都杉並区和泉にあるオイスカ本部の敷地には、樹齢30年ほどの大きなソメイヨシノが南・東・北の三方を囲んでいます。毎年見事に咲き誇りますが、今年の満開は3月25日頃(自分の感覚)で都心(22日満開宣言)より2日~3日遅れという感じです。
このところ寒い日が続いて開花を迷っているのか、28日に撮った桜はまだまだ見ごたえがあり、見た目は満開状態です。本部前を通る人も、しばし桜に見とれている人やスマホを取り出して撮影する人など、春を実感しているようです。
オイスカ首都圏支部の事務局長として迎えた5回目の春。本部前のソメイヨシノの開花・満開は、少しずつ早まっている感じがします。
◎多磨霊園(府中市・小金井市)の枝垂れ桜(3月19日)
東京都府中市と小金井市にまたがる都立多磨霊園に、祖父母と父が埋葬されているお墓があります。この多磨霊園は1923年に開設され、四季折々を和ませてくれる樹木や草花に恵まれた日本初の公園墓地として設計されたそうです。
1998年に父が亡くなってから20年余。春と秋のお彼岸には墓参をかかさずにしておりますが、春の墓参を迎えてくれるのはやはり桜です。ソメイヨシノもたくさんあるのですが、彼岸の中日(21日)頃はまだつぼみの状態。少し早く咲く“枝垂れ桜”がやっと咲き始めというのが、これまでのお墓参りでした。
でも今年は違いました。霊園裏門から我が家のお墓までは歩いて15分ほどかかりますが、その途中にある枝垂れ桜の並木が見事に満開。初めて、滝のように流れる枝垂れの桜を観ることができました。
さて、来年はどんな咲き方を見せてくれるのか?散りゆく桜にならないよう、願うばかりです。
◎松田町(神奈川県)の河津桜(2月28日)
早咲きで有名な河津桜の名所として、全国お花見スポットの人気度10位にランクインしているのが神奈川県松田町の「松田山ハーフガーデン」。2月中旬~3月上旬に行われる「まつだ桜まつり」に、7年程前から夫婦2人で出かけています。
今年の桜まつりは2月11日~3月12日ということで、2月28日(火)に行ってきました。小田急線の新松田駅からハイキング気分で歩いて20分ほど。天気は快晴で抜けるような青空の中で、松田山の中腹に河津桜が広がっています。松田名産のミカンの樹の緑と菜の花の黄色が、桜色とコントラストを成している景色はなんとも言えず素晴らしいものです。また、桜越しに富士山がバッチリの映えスポットもあり、平日なのに大勢の人(高齢者が目立ちました!)が訪れて、絶好の景色の写真を撮ろうと場所取りの列があちらこちらにできています。順番待ちをしながらも、皆さん楽しそうにアングルを試していました。
この「まつだ桜まつり」には昨年も同じ2月28日に訪ねましたがちょうど満開状態。しかし今年は満開が過ぎて、麓の桜は葉桜になりかけている姿が見られました。これでは、まつりの最終日までに桜花が散ってしまいそうです。桜の開花・満開の時期が徐々に早まっていることを考えると、桜まつりの期間を早めることが必要になりそうです。