①の続き
インドネシア駐在員の大垣です。
出張の最初の目的地であるパティ県では、3つのマングローブ植林サイトを視察しました。コロナ禍の影響で、近年植林活動が困難になっていたものの、海岸2kmにわたって植えられたマングローブが既に海の森と化している姿に感動しました。他にも、地元行政による支援や植林グループのアイデアで観光地化が進むなど、マングローブの恵みを活かした取り組みが展開されていました。
元々はマングローブが生えていなかった海岸で、支援企業様のご協力の下、オイスカが20年以上にわたって地道な取り組みを続け、目に見える成果が生まれたことで、現在では、地域住民や行政も海岸保全に協力的になっています。
一方、マングローブ林が無い地域では、やはり高潮やうねるような強い波の被害は深刻でした。漁村の基盤産業を担う養殖池の場合、満潮時には養殖池に海水が侵入して水が溢れ、魚が逃げてしまい、一つの養殖池あたり約20万円の経済損失を与えたケースが報告されています。
Eco-DRR(生態系を活かした防災・減災活動)の観点から、漁村の経済を守る上でもマングローブ植林活動の必要性を痛感しました。ここ数十年間でインドネシア国内のマングローブ林面積は100ha以上が伐採や養殖地への転換などで失われたと言われています。植林活動によって生み出されたマングローブ生態系の価値を認識し、国内外の関係者含め、地域経済と両立できるよう保全活動が進められることが大切だと感じました。
③へ続く…