啓発普及部の鈴木です。
卒業生の門出を祝い、3年間や6年間、着慣れた制服に華を添えるコサージュ。
静岡県浜松市にあるオイスカ高等学校でも、先日、卒業式が行われ、卒業生の胸元に素敵なコサージュが添えられました。
フィリピンのネグロス島から運ばれてきた、繭で作られたコサージュです。
このブログでも何回か取り上げていますが、ネグロス島は、2021年12月16日から17日にかけて、フィリピン中南部を直撃した台風22号で大きな被害を受けました。
被害と復旧の様子はこちらをご覧ください
22年2月15日続報<フィリピン>台風22号被害修復について(2022年2月15日)
<フィリピン 台風22号被害>多様な支援のカタチ(2022年2月24日)
大きな木が倒れ、屋根に直撃した建物が数棟。
中でも、生糸生産の要ともいえるボイラー設備がある建物に大木が直撃し、生糸生産はストップ。
それでも、フィリピン国内の生糸の需要に応えるため、ボイラー棟の修復を最優先にし、2月中旬、約3ヵ月ぶりに再稼働することができました。
教室棟や食堂棟の屋根の修理、養蚕用の施設に被害を受けた養蚕農家さんへの支援など、バゴ研修センターのスタッフは、この3ヵ月間、精神的にも体力的にも相当しんどいだろうと思います。
そのような状況の中で、海を渡って届いた卒業生へのコサージュ。
想像するに、コサージュを作る時間を作ることも大変だっただろうと思います。
この2年はコロナ禍のため実施できていませんが、オイスカ高校の2年生が毎年、このバゴ研修センターで研修をうけており、
コロナ禍が収束したら、またネグロス島に来て欲しい
毎年訪れてくれる高校生の門出を祝いたい
センターの復旧のために募金をしてくれたお礼に・・・
など、バゴ研修センタースタッフの色々な想いや感謝の気持ちがこのコサージュに込められているのだと思います。
「高校生たちは、今はこのコサージュを作ってくれた方の気持ちがわからないかもしれないけれど、いつかきっとわかってくれると思います」と、オイスカの理事長であり、オイスカ高校の理事長でもある中野理事長がおっしゃいます。
コサージュがつなぐ絆、
大切なものを気づかせてくれている気がします。