お久しぶりです!国ボラの大垣です。今回は3週間ほど、福岡県にある西日本研修センターに行ってまいりましたので、その感想をレポートしたいと思います。
以前から、環境保全型農業とオイスカの人材育成事業への興味が止まらず、是非ともセンターに行ってみたかったため、今回の滞在はとても有意義な体験となりました。本部での国ボラを始めて以来、萬代人材育成部長によるオイスカの“人づくり”についての熱血講義を聞いていたため、どんな研修生達に会えるかとても楽しみでした。実際にセンターで出会った研修生達は目を輝かせながら日々の研修に取り組んでおり、忙しい課業の合間を見つけては日本語を熱心に勉強していた姿が印象に残っています。
対面で交流することを通じて、彼らから「日本の農業を学んで自分の村で広めたい。」、「私の家庭は貧乏で大学には行けなかったから、オイスカで勉強できるのが嬉しい。」、「外国で生活するのは大変だけど、自分の国には必要な勉強だから頑張る。」等といった言葉を聞くことができ、改めてオイスカ活動の意義深さを実感することができました。
日々の農作業では収穫・販売準備、播種、間引き、草刈り、マルチ張り、ぼかしづくりなどを行いました。毎日、一緒に汗を流しながら作業する中で、研修生達の母国での野菜栽培方法についても彼らから聞くことができ、アジア太平洋地域の農業事情についても理解が深まりました。
人材育成の観点からの学びとしては、生活面における点呼や掃除、時間を厳守するという習慣が農作業に見事に反映されている様子を観察できました。研修生達は手間のかかる有機栽培でも、消費者に品質の良い野菜を届けるために、細部にも気を配り、丁寧な管理を心掛けていました。資源をほったらかしにしたら産業としては成り立ちませんが、規律のある人間が手を加えることで収益を得る産業発展につながると思います。
そういえば、私が青年海外協力隊としてボリビアの市役所で働いていた時を振り返ってみても、組織にプランやリソースがあったとしても、チーム内で規律がないため仕事がなかなか進まないという場面にほぼ毎日遭遇しました。規律というしっかりとした基盤の上に知識が積み重ならなければ、真にそれらを生かすことはできないのかもしれません。オイスカが“畑づくりは人づくり”と謳うように、農業技術だけではない、人としての心の涵養が産業人材を育成し、結果として良い農業に繋がることを現場で垣間見ることができたのは大きな学びです。
センターではイベントも盛りだくさんで(全てコロナへの十分な配慮をした上で)、保育園児との芋掘り体験教室、長崎への農園見学、オイスカ会員企業様との交流会、収穫感謝祭なども開催されました。どのイベントにおいても、オイスカ会員の皆さまが理念に共感し、研修生達を心から応援して下さる様子が伝わってきました。NGOということもあり、心暖かいオイスカサポーターの方々の有難い存在があってこその活動ですので、常に務めさせていただくという意識を持ちながら、感謝の気持ちを忘れずに、誠実にオイスカ業務に取り組んでいかねければならないと身が引き締まる思いでした。
短いセンターでの研修期間ではありましたが、オイスカの人づくりの現場、近い将来協働してオイスカ仲間として働くであろう研修生達と交流を持てたことは、本当に貴重な体験です。なにより福岡の豊かな自然に囲まれながら、農作業後にみんなで一緒に食べる有機野菜の味は格別でした。またいつか訪れてみたいです。