広報室倉本です。
先月、パプアニューギニア駐在代表の荏原さんと、少しお話をする機会がありました。
その際に、同国ならではの風習や、ラバウル・エコテック研修センターの様子など興味を引かれる話題が多くあり、今回ブログ用のお話をせびったところ、さっそくテキストをいただいたのでご紹介します!
今は、なかなか外出もままならない状況が続いていますが、知識の旅ならどこででも、どこにでも行けていいなあ~と改めて思う今日この頃です。
以下、荏原さん
パプアニューギニアは800以上の部族があり、それに相応するように800以上の言語があります。方言ではありません。言葉が違うのです。パプアニューギニア国家として伝統文化習慣も異なる人々が集まってできている社会ですので、日本とは大分違う多種多様な社会だと思います。
この様な中、ラバウル地方には主にトライ部族が人口のほとんどを占めていて、治安が良くないパプアニューギニアの中に於いても、ラバウルの治安は群を抜いて良いと言われています。私は1993年以来既に27年ラバウルに住んでいますが、ひったくりや、強盗、空き巣等怖い目に会った事がありません。きっと彼らも私から取るものがないことを知っているのでしょう(笑)。
さて、今回はトライ部族で今も部族の習慣として大切に守っている貝のお金のお話をします。この貝は直径約4~6㎜、長さ約7㎜という小さな巻貝です。トライシェルマネー:Tabu(タブ)と言ってパプアニューギニアの中ではトライ部族のシンボル的な存在として広く知られています。
このタブは冠婚葬祭の他、問題を起こした後の和解金として、学費、土地の売買、卒業式のお祝い、新築祝い、歓送会に使われたり、村の店で砂糖や塩、ラーメン、アイスクリーム等を買うこともできます。
私の場合ですが、現地の女性との結納金として、貝のお金約340mと現金1,000キナを準備して花嫁の家族親戚に渡しました。現在約17mの長さのタブですが大体2,000円出すと町のマーケットで買うことができます。最近は現金だけでもトライ部族の女性と結婚する事はできますが、私の場合は現地の習慣に倣ってタブを準備して結納の時に渡したので大変喜ばれました。今でもタブをきちんと嫁さんの親族に渡した事が言い伝えられていて、トライ部族の習慣を尊重してくれた外国人として尊敬されています。
その2につづく