皆さん、こんにちは。海外事業部のマスドメです。
インドネシア ロンボク島で7月末より大規模な地震が発生し始めてから1ヵ月以上が経ちました。
依然として余震が続いている中で、アクセスの悪い地域においては物資などが十分に届いていないなど混沌とした状況が続いているようです。そんな中、より詳細な被災地の状況把握とニーズ調査のため、8月21~25日、現地スカブミセンター所長で、このロンボク島出身のハリッド所長が現地を訪問しました。
今回、対象を主に同島在住のオイスカ研修生OB・家族とその周辺住民、以前日本からの訪問団が緑化活動を行った植林地周辺、またオイスカを通して校舎の建設・補修支援を行った学校とし、調査を実施いたしましたので、ご報告します。
今回調査を実施した地域 ↓
①西ロンボク県ラブアピ郡ベンケル村【ベンケル第3小学校】
②西ロンボク県ナルマダ郡レバ・スンパガ村【レバ・スンパガ第1小学校】
③西ロンボク県ナルマダ郡レンブアック村【レンブアック第1小学校】
④西ロンボク県グヌンサリ郡タマンサリ村【タマンサリ第3小学校】
⑤西ロンボク県グヌンサリ郡タマンサリ村
⑥西ロンボク県グヌンサリ郡ドパン村
⑦北ロンボク県プメナン郡マラカ村
今回訪問したのは地図の①~④、ロンボク島のある西ヌサ・トゥンガラ州の州都マタラムに近い場所に位置する4つの学校です。
①~③の学校は、香川県の坂出白峰ライオンズクラブにご支援いただいた学校で、比較的被害が軽微だったこともあり、校庭や教室の一部が地域の人々の避難所として機能しています。特に高齢の方にとっては、校内のトイレが良好な状態で使用できるので助かっている、という声もあり、またムスリムの人々の集団礼拝の場として、被災したモスクの代わりも果たしていました。
しかしその一方、④タマンサリ第3小学校のような学校も確認されました。
2010年に静岡県浜松市の民間ボランティア団体YES30(国際先天教育援助会)によって一部の校舎のご支援をいただいた同校では、8月5日に発生した2回目の大地震によって校内の多くの建物の屋根と壁が倒壊し、またそれを免れた校舎でも、壁に亀裂が入り、天井の一部が崩落するなど、被害の度合いは地区によって全く異なります。同校周辺では多くの家屋も倒壊するなど被害は大きく、地域住民の方々は家の中に入ることも恐れてしまっています。いつもニコニコと明るく接してくれる現地の方々を思うと、人々に与えた心への傷に胸が痛むばかりです。
また、当初同校では被災後も校庭にテントを設営し授業を継続しようと試みましたが、残った校舎がいつ倒壊するかわからない恐れがあり、やむなく休校となっています。
8月25日、インドネシア政府は被災後のロンボクにおける緊急支援の時期は終了し、復興プロセスの時期に突入したと発表。現在、被災地には大量の国軍兵士が動員され、崩壊した建造物の撤去作業を急速に進めていますが、幹線沿いの村役場などには、全国から送られた支援品が山積みにされている一方、十分に物資が行き届いていない状況が発生しているようです。
オイスカは引き続き現地の状況と合わせながら、住民の方々と共に復興を目指して活動に取り組んでまいります。現在まで多くの方々にロンボク震災募金にご協力いただきまして誠にありがとうございます。引き続き募金活動(こちら)も実施して参りますので、皆さま温かく見守っていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
*次回は、現地OB達が住む地域の調査状況をお伝えいたします。