暑中お見舞い申し上げます。四国支部の池田と廣野です。
炎暑という言葉がピッタリの毎日ギラギラお日様で、地球と太陽との距離が近くなったように感じますが
先日環境省の「長期低炭素ビジョン」説明会~2050年の未来を考えように参加したので、感想など綴ってみます。
当日は、環境省の担当者からボリュームたっぷりの
資料を使った説明にはじまり
愛媛県今治市のタオル会社と徳島県神山町より
二酸化炭素など温室効果ガス排出削減の
取組みに関して事例発表と質疑応答がありました。
環境省の資料では、先ず初めに、IPPC(国連気候変動に
関する政府間パネル)等の科学的知見に基づいた
温室効果のメカニズムや現状そして今後の予測等が
示されていますが、海面水位が1901年から2010年の間に19㎝上昇したことや、20世紀半ば以降の地球温暖化の
原因は人間活動による影響が支配的な要因だということ、そして世界レベルで様々なリスクが増大中であること
などが紹介されており、万物の霊長である人類(学名
ホモ・サピエンス=知恵のある人(ラテン語))の責任は
重いことを強く再認識しました。
資料では続いて、気候変動問題を巡る国際動向や
脱炭素社会と再生可能エネルギーの開発などに
ついての国際社会と日本の取組みが紹介されて
いますが、目を引いたのは、米国トランプ政権の
動向についてです。
気候変動問題に関する2020年以降の新たな国際間の法的枠組みとして歴史上はじめて、
すべての国が参加する公平な合意「パリ協定」が2015年12月12日に採択されましたが、
今年6月1日にトランプ大統領は協定からの脱退を表明したことは記憶に新しいところです。
注目したのは、資料中の同政権の主張の一つ、
・各国が削減目標を完全に履行しても、2100年までに平均気温は0.2度しか下がらない。
です。1880年から2012年までの132年間に0.85℃上昇したとされる気温ですが、2020年から
2100年までの80年間に下降するのは0.2℃。厳しい予測ですが、だからと言って
温室効果ガス排出削減の努力を止める理由にはならず、低炭素社会の実現に向けて、
産業・ビジネス、エネルギー、生活などの分野で取組みを強化していかなければ、ますます将来世代が
厳しい生存状況となってしまいます。
と、ここまで考えて、それでは既に大気中にある二酸化炭素を何らかの方法で吸収できれば
地球温暖化を止めることが出来るのでは?二酸化炭素の吸収と言えば植物!その中でも、
「森林」は大きな吸収源としての役割を果たしていると聞いたことがあったので、
オイスカが活動の柱の一つとして取組んでいる植林やサンゴ礁保全は、どのくらい
温暖化防止に貢献しているのか?調べてみたのですが、数値化されているものが非常に少なく、
答えを見つけることができませんでした。
私達は森林の専門家ではありませんが、地球温暖化問題が報道等で取り上げられる
機会が増えたにも係わらず、解り易い資料を探すことに苦労しました。その結果、
情報としては少し前の物ですが、京都議定書第一約束期間(2008年~2012年)の
データがありました。それによると、日本における2008年~2012年の五年間の
森林等吸収量は4,870万トン(☞http://www.dowa-ecoj.jp/naruhodo/2014/20140501.html)
だったそうです。
(と書いたところで想像し難いので、解り易い表現あればブログ読者の皆さま教えて下さい。お願いします。)
また、面白かったのは、森林面積と吸収量の割合についてです。カナダとロシアの森林面積は、
それぞれ日本の10倍以上と30倍以上であるにも拘らず吸収量は日本の3倍程度だということで、
国や地域により吸収量は違い(=森林整備の在り方が見えてくる)、改めて育成林の整備や
植林の重要性を感じることができました。
なお、サンゴ礁については、現在は研究段階のようで、数値的に証明されているデータを
探すことができませんでしたが、サンゴ礁がCO2を吸収していることは間違いなく、
今の青く美しい母なる地球になったのは、遥か昔に生きていたサンゴ礁がCO2を吸収したお陰だそうです。
さて、オイスカが活動の柱の一つとして取組んでいる植林やサンゴ礁保全が、
どのくらい温暖化防止に貢献しているのか?この問いへの答えは既に書いたとおり
見つけることはできませんでしたが、今後の研究に期待します。
オイスカでは、ただ植林やサンゴ礁保全をしているわけではなく、このかけがえのない地球を
人々が慈しむよう、人間の精神へ働き掛けることにも重きを置いて活動しています。
母なる地球が緑豊かなものであり続けるため、未来の子どもたちのため、今後ますます
オイスカ活動が理解され賛同の輪が広がって欲しいと強く感じています。