2015年8月3日

感動!光り輝く祈りの島スリランカ!!①

  • 国内スタッフ
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     アーユーボワン!(こんにちは)、四国支部の池田です。

     縁あって先日、富山県支部・首都圏支部・四国支部など31名の方々とスリランカを初めて訪問し、「子供の森」計画支援校での植樹活動や研修センター視察等を中心とした、一週間のプログラムに参加しました。数回に分けて、現在の社会情勢なども交え、レポートしたいと思います。

    スリランカ2スリランカ3 

     先ずはスリランカと日本との関係ですが、今年は1945年の敗戦より70年の節目に当たることから、戦中・戦後の日本の歩みを振り返る行事や報道等が例年に比べて多いようなので、ブログ読者の皆様は既にご存知と思いますが、戦後の日本が1951年のサンフランシスコ講和会議で国際社会へ復帰するに当り、当時のスリランカ初代大統領ジャヤワルダナ氏が「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む(Hatred ceases not by hatred, but by love)」という仏陀の言葉を引用した演説を行い、対日賠償請求権の放棄(コロンボとトリンコマリー港の爆撃他)を明らかにするとともに、日本を分断統治することなく一つの国として国際社会に復帰させることを真っ先に求め、国家間の礼節と寛容を鋭い理論で声高く説いて会議の雰囲気を一変、日本国独立への道筋を作って下さったことは日本は兎も角、スリランカでは知られている歴史の一つです。

    ※連合国(主にはアメリカ軍の内部組織)では日本の占領方法について、北海道と東北地方をソ連邦、関東と中部地方をアメリカ、関西地方をアメリカと中国の共同管理、四国地方を中国、中国地方と九州をイギリス、それぞれ分割統治する案が有力でした。

     その後の吉田茂首相(当時)の発言「我が国、日本は後世まで、この大恩を忘れてはならない」という言葉を知る人は現在の日本に殆ど居ないようですが、このジャヤワルダナ大統領の演説は日本にとって本当に有難く救いの言葉。然しながら、国民の7割が仏教徒というお国柄であるとしても何故?という疑問を、私は抱き続けていたのですが、その答えを、今回の訪問に参加された方から教えていただいたので紹介させていただきます。

    「ジャヤワルダナ氏が演説にいたるには、スリランカで仏教の復興を図った先駆者で建国の父とも呼ばれるダルマパーラという方の存在があります。ダルマパーラは僧侶ですが、初来日した明治22年は大日本帝国憲法が発布された年であり日本の近代化を目の当たりにしたそうです。当時、スリランカは他のアジア諸国と同様に西欧の植民地だったので「日本がアジアの中で唯一の希望だった」と語っています。
    この後ダルマパーラは3度来日しますが、この間に日本は大国ロシアとの戦争に勝っていた事もダルマパーラに更なる希望を与え、「日本人によってアジアはまさに死の淵から生還した」と語り、日本との共通点でもある仏教による国造りへの想いを、より強く抱くようになったそうです。また、中国や朝鮮なども視察し、日本の植民地ではありましたが、あまりの発展ぶりに「植民地を搾取の対象としか見ない欧米なら50年はかけることを2・3年でやり遂げている」と言って日本に対する尊敬の念を隠さず、晩年は「今度生まれる時は日本に生まれたい」とも話していたとのこと。ダルマパーラはスリランカで独立運動を続けましたが、独立の日を見ることなく昭和8年に69歳で亡くなりました。
    そんなダルマパーラと日本を見ていた少年がジャヤワルダナ氏で、大正10年に当時皇太子だった昭和天皇がヨーロッパに向かう際に巡洋艦でスリランカへ立ち寄りましたが、15歳のジャヤワルダナ氏はいつかスリランカも日本のようになりたいと、尊敬の念をもって皇太子が乗る巡洋艦を一目見ようと港に向かったと言われています。そのジャヤワルダナ氏がスリランカの代表となり日本を助けてくれたのでした。
    日本とアジアの関係は戦中・戦後だけでなく明治初期から育まれ、少なくともスリランカからは尊敬の目を向けられていたという事実を、日本人は知っておかなければならないと思います。また、ジャヤワルダナ氏は自身の死後、角膜を「右目はスリランカ人に、左目は日本人に贈る」との遺言を残され、左目は日本人に移植されました。この事もスリランカでは知られています。」

     オイスカで働いていると自分の勉強不足を痛感することが多く、いろいろな方から教えや刺激をいただきますが、今回の訪問にも、実に様々な職業や経歴をお持ちの方が参加されたので、大いに学ばせていただきました。冒頭に記したように、これから数回に分けて、教えていただいたことや気付いたこと等を記してみたいと思います。それでは、また。

    ストゥーティ!(ありがとう)

     

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