※オイスカ誌2022年10月号に掲載した国内ニュースをまとめてご紹介します
■「海岸林再生プロジェクト」
アイベックスエアラインズと協働し 未来の海岸林リーダーを育成中
今年度、「海岸林再生プロジェクト」では、法人会員のアイベックスエアラインズ㈱(以下、アイベックス)との協働で、「未来の海岸林リーダー発掘プロジェクト」(以下、企画)を展開しています。
その一環として、7〜9月に宮城県内在住・在学の高校生と大学生を対象に読書感想文コンクールを実施。海岸林再生の10年のあゆみが綴られた『松がつなぐあした』を課題図書とし、本を通じてより多くの若者に活動を知ってもらい、松林保全の重要性への理解を深めてもらうのが狙いです。 著者の小林省太氏をはじめとする審査委員により入賞者を選出し、海岸林リーダーに任命。今年の12月にはアイベックスのフライトで九州地域の海岸林に招待し、研修を行う予定です。
「海岸林再生プロジェクト」のボランティアに、これまで延べ150人以上の社員が参加してきたアイベックスでは、より広がりのある社会貢献活動を地域で展開したいと考えており、この先何十年と続く海岸林の保育管理には、 地域の若者が主体的かつ継続的に参加できるような仕組みづくりが必要との思いから、 今回の企画が始まりました。
※本企画はサントリー東北サンさんプロジェクト「みらいチャレンジプログラム」の助成を受けて実施されるものです
■関西支部
関西のつどいを開催 オイスカ活動の重要性を再確認
9月3日、関西支部では、國民會館武藤記念ホールにて「オイスカ関西のつどい2022」を開催し、オイスカの評議員を務めるペマ・ギャルポ氏(拓殖大学国際日本文化研究所客員教授)を講師に迎え、講演を行いました。
「大きく変わりゆく世界、日本とオイスカへの期待」と題した講演では緊迫する世界情勢の中、日本人は正しい情報を得て、正しく歴史を認識し、自分自身の頭で考えて行動することが重要であると強調しました。また、オイスカの長きにわたる取り組みにも触れ、このような活動がますます求められる時代になってきていると述べました。
また、オイスカの活動報告として、海外事業部の浅野奈々穂が国内外における取り組みについて紹介したほか来年2月に開催される大阪マラソンについても説明。オイスカが寄附先団体として参画していること、これまでも開催地である大阪からは多くの支援企業・団体からチャリティランナーを送り出してもらっていることを紹介し、チャリティランナー募集についての協力を呼びかけました。集まった約100名の参加者の中には、オイスカのイベントに初めて参加する人も多く、 オイスカの歴史や現在の取り組みについて理解を深めてもらう機会となりました。
■中部日本研修センター
サマースクール開催 小学生が元気に夏を満喫!
8月11〜15日、オイスカ中部日本研修センターを会場に、修養団主催のサマースクールが開催されました。小学生とお世話役となる高校生・大学生リーダーらが、センターの施設を活用して、 特設プールでの水遊びやスイカ割り、キャンプファイヤーなどを楽しみました。
オイスカは施設の提供と運営のサポートを担いました。オイスカスタッフの案内で養鶏場に行き、それぞれ自分で選んだたまごをセンターに持ち帰り、朝食時にご飯にかけて味わうといったオイスカならではのプログラムも体験。
残念ながら、コロナ対策の観点から、研修生や技能実習生たちとは極力接触をしないようしていたため、交流は存分にできなかったものの、 一部のプログラムには研修生らも参加することができました。太い竹を切り出してつくった特設の流しそうめん会場では、慣れない箸を使って、 そうめんやセンター産のミニトマトを懸命につかもうとする研修生の笑い声が響きました。
サマースクールでは、子どもたちが8つのグループに分かれ、リーダーの指導のもと規律正しく活動。最終日の夜には、常に行動を共にして仲良くなった友だちとの別れを寂しく思い、 涙をこぼす姿も見られました。夏の楽しい思い出づくりにとどまらず、集団生活の中で時間を守ることや整理整頓などを身につけたり、食べ物の好き嫌いをなくしたり、 自己を律することを求められる場面も多くありました。受け入れを担当したスタッフは、「家庭での生活とは違う成長の機会を提供できたのではないか」と話し、子どもたちの頑張る姿を見守っていました。
■オイスカ開発教育専門学校
ウクライナ避難学生教育支援募金を開始 日本での自立を目指す学生を受け入れ
外国人の日本語教育機関としての機能も持つオイスカ開発教育専門学校(静岡県浜松市)では、7月よりウクライナ避難民の女性1名を受け入れ、日本社会への適応力の養成や就労支援を行っています。同校で学ぶヴィーラさんは、キーウ国立大学文学部在学中に、日本語や日本文学を専攻していたこともあり、古今和歌集や百人一首などにも関心があるほか、将来は弓道の指導者を目指しているという親日家。一方、若者らしく、日本のアニメなどへの関心も強く、最新の流行の音楽にも親しんでいます。
現在は、12月に実施される日本語能力試験のN2合格を目指して日本語を学んでおり、同校の日本語科の教師らが指導を担当。最終的にはN1取得を目標としています。
同校の中野與一郎校長は「非常に明るく意欲的な学生。地域の皆さんの協力もあり、弓道の稽古や就労体験としてのアルバイトなども少しずつできるようになってきている。今後も自治体や市内の各種団体と連携しながら彼女の生活をサポートしていきたい」と話しています。
同校では、ウクライナ学生支援チームを立ち上げ、支援募金の呼びかけを行っています。 ヴィーラさんに続き、3名の女性の来日が内定しており、10月末までに入国予定です。自立の目途が立つまでの1〜2年間、学費を全額免除で受け入れる予定で、今後も助成金や各種支援を活用しながら年間3〜5名程度の受け入れを目指します。ウクライナ避難民の方々が安心して学生生活を送り、日本での自立を目指せるよう、ご協力お願いします。