実施日:2025年5月24日(土)
実施団体:株式会社関電工
活動:シカ害対策ネット補修、除伐
この日は事前の週間天気予報ではずっと雨のマークがついていましたが、関電工の皆さまの思いが通じたのか当日は空一面に雲があるものの、富士山が見える絶好の活動日よりとなりました。本社、東京駅、そして地元山梨県の山梨支店からも参加者が集まり、82名での活動参加となりました。
開会式では参加者を代表して、常務執行役員 グリーンイノベーション本部グリーンイノベーションユニット長の座馬様より「富士山は過去何度も噴火していて、最後に噴火したのは1707年の宝永大噴火。その年の火山灰が降り積もって森になっており、森の特徴としては普段では見られないような植生が見られると聞いています。今日はこの森に皆さんで手を入れていただいて、次世代に富士山の美しい森を残していきたいと思います」とご挨拶いただきました。
活動地では普段この地域で林業に従事する皆さん(指導者)に説明を受けて作業に入りました。班によっては移動距離が長かったり、作業する場所の傾斜がきつかったりと大変な状況も。そんな中でも安全管理をしながら、参加者同士で声を掛け合いながら作業されていました。また活動に参加した子どもさんも、林業指導者の指示を受けながら除伐を体験、ノコギリで木を倒す作業に真剣に取り組んでいました。
作業時間の後半には、作業が終わった方がまだ作業が終わっていない班を手伝いに行く様子も見られ、「ようやく慣れてきたから、せっかくだし手伝いにいこうかな」と、またきつい斜面を降りていってくださいました。予定よりも作業時間が長くなってしまいましたが、最後まで協力しながら予定していた220本のシカ害対策ネットの補修を完了、そして活動場所で使わなくなったネットについた土や草も丁寧に落とし、肩にかかえて運んでもいただきました。「いや~きつかった。でも、ボランティアをしに来たからね」と言いながら記念に写真を撮られている様子が印象的でした。
参加者からは「昨年も参加して、その場所に比べて、斜面がきつかったが、木が成長している様子を見ることができて嬉しかった。」「森の中に入ると地面がフカフカとしていて、普段、都会では味わえない感触が楽しい。」「以前活動に参加して以降、富士山を見た時にはその麓で(森を再生する)活動をしている事や鹿がいることなどを思い出すようになった。」などの感想が聞かれました。その日限りの活動にとどまらず、普段の生活の中でもふとした時に富士山を思い出し、その森のことに思いを馳せていただけることをとても嬉しく思います。
活動終了後の閉会式では、オイスカ山梨県支部会長代行の田中より、「活動を始めたころ、研究者からは、広葉樹を植えて森にしていくという事は初めてといわれた。そのような中、これまでのところは植栽した苗木が5割ほど生き残っていて、成功事例と言われています。今、県と次の契約を結ぶことを考えていますが、お互い未知の世界で手探りです。山梨県森林総合研究所の研究者にも協力いただき、統計を取りながら、現在までの成功事例を記録に残してくれています。この未知の世界で私たちが環境保全をしているという事に誇りを持ちながら、興味を持っていただいて、向こう10年の森づくりにご一緒いただき、100年の森づくりが本当に100年もつのかを見届けていただけたらと思います。」とご挨拶。また関電工山梨支店の業務部長 丹野様より「今回初めて参加させていただきました。富士山の姿を見て美しいな、ありがたいなと思っていますが、足元でこういった地道な活動で森が守られているという事に感銘を受けます。また、自分の手を動かして森林の保護に関心を向けるきっかけとなりました。今後も、活動の参加を通じて環境保護・森林保護に関心を向ける人の輪が広がっていければと思っています。私自身もまた参加したいです。最後に指導いただいた指導員の皆様、準備いただいたオイスカ、事務局の皆様ありがとうございました」とお言葉をいただきました。
継続していくこと、その重要性や意義をご理解いただいている関電工の皆さま、大変な作業でしたが今年もご対応いただきありがとうございました。森林整備から国産材の活用まで、引き続き連携の輪を広げていければと思います。