2022年6月1日

オイスカマニラ日本語幼稚園 子どもたちの笑顔を取り戻す! クラウドファンディングで支援集まる ほか【オイスカ誌ニュース】

  • 海外ニュース
  • ※オイスカ誌2022年6月号に掲載した海外ニュースをまとめてご紹介します


    オイスカマニラ日本語幼稚園
     子どもたちの笑顔を取り戻す! クラウドファンディングで支援集まる

    日本と同じ環境で幼児教育が行われている

     オイスカの関連団体、オイスカカレッジでは、中国やタイ、インドネシアなどに駐在する日本企業の社員の子どもたちを対象に9つの日本語幼稚園を運営、日本式の幼児教育を実践しています。海外では、日本人学校がある小中学校と違い、公立の幼稚園はありません。そのため日本式の幼児教育を希望する保護者にとって、オイスカ日本語幼稚園はなくてはならない存在となっています。

     フィリピンのオイスカマニラ日本語幼稚園では、コロナ禍前には70名以上いた園児が、各社の駐在員の帰国に伴い、10分の1にまで減少。園の存続が困難となったため、昨年12月から今年の2月にかけて、クラウドファンディングを通じた支援の呼びかけを行いました。卒園生やその保護者、オイスカ会員を中心とする多くの方から支援が寄せられ、昨年度は6名が無事に卒園、今年度は新たな入園生を含め、9名の元気な声が園に響いています。

     ご支援くださった皆さま、ありがとうございました。

    フィリピン・ネグロス島
     大型台風被災地での復旧進む 養蚕農家による繭生産も再開

    再稼働している製糸工場
    建設途中の蚕室にて

     昨年12月に大型台風による甚大な被害を受けたフィリピン・ネグロス島では、多くの皆さまから寄せられたご支援により復旧作業が続いています。養蚕普及活動の拠点となっているオイスカ・バゴ研修センターでは、製糸機械を稼働させるためのボイラーの復旧を最優先に進め、2月には製糸を再開させることができ、各地からの需要に応えられるようになりました。

     また、家屋や養蚕のための設備に被害を受けた養蚕農家への支援も継続し、建物の修繕にあたっています。特に被害が大きかったマビナイ地区では、蚕室(蚕を飼うための部屋)を新たに立て直す必要がある農家が多く、建築計画の策定や着手に時間がかかっていましたが、3月下旬には建物の基礎となる砂利やセメント、トタンなどの資機材を養蚕農家に届けることができました。これは、マニラにあるJICA(独立行政法人国際協力機構)・フィリピンからの支援で実現したものです。

     すでに蚕室の修復が終わり、蚕の飼育を再開できた農家からは「台風で畑の野菜やトウモロコシなどが被害を受け、農産物による収入が見込めなくなってしまったが、桑は順調に育ち、よい繭が生産できた」といった喜びの声が聞かれ、養蚕普及の重要性を改めて認識することとなりました。

     現地において新年度がスタートする6月には、研修センターの建物の修繕を終える予定になっていたものの、台風による被害に加え、建物の老朽化といった課題もあり、一部の建物においては完全復旧を終えたとはいえない状況です。それでも3月には養蚕農家を受け入れてのセミナーを実施するなど、センターの研修機能はほぼ台風被害前にまで戻っています。

     こうした復旧支援をしている中、4月11日には台風2号が同国イロイロ州を直撃、オイスカが活動するアホイ町でも甚大な被害が発生しました。これまで現地での取り組みにご支援をくださった方々から寄せられた寄附金で、食糧支援などの活動を行っています。皆さまからのご支援に感謝申し上げます。

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