2021年12月16日から17日にかけてフィリピンを直撃した台風22号は、同国中南部を中心に甚大な被害をもたらしました。フィリピン国家警察は死者数375人(20日)と発表。オイスカの活動地でも、ネグロス島にあるバゴ研修センターの敷地内で大木が倒れて建物が損壊するなど、深刻な被害を受けました。
しかし、皆さまのご理解とご支援のおかげで「2021オイスカ冬募金」を通し、多くのご支援をいただくことができました。スタッフ一同、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、さっそく現地にその一部(約100万円相当)を送金いたしました。今回は、現在の修復の様子をお伝えしたいと思います。
(バゴ研修センター)
・大木が屋根に直撃したボイラー建物は、まず損傷を受けた屋根を取り外し、新しい鉄筋を組みました。ボイラーは養蚕事業の製糸過程に欠かせません。そのため、パナイ島アクラン州の機屋さんなど、フィリピン国内の生糸の需要に応えるため、ボイラーの修理を優先的に行い、先週から再稼働しました。そして現在は、製糸を行い、生糸を生産出来るようになりました。
・台風の影響で倒木が屋根部分に直撃した、木造のゲストハウスは、損傷部分を取り除き、屋根の張り替えを行いました。天井や部屋の内装はこれから修繕に取り組みます。
・小教室の屋根の修理も始まりました。教室が修繕されれば、養蚕農家に対する養蚕研修や日本に訪日予定の学生に対する日本語授業も開催できるようになります。
小教室の屋根修理の様子
(養蚕農家)
・ネグロス島内の養蚕農家は、地域別にそれぞれマビナイ地域12軒、サンカルロス地域15軒、カラトラバ地域16軒の養蚕農家が大きく被害を受けました。マビナイ地域は、特に被害も大きく蚕室(蚕が育つ建物)の立て直しが必要なため、建設計画を進めていますが、建設が行われるまでにはもう少し時間がかかりそうです。一方、サンカルロス地域とカラトラバ地域は、新しい建設ではなく、既存の蚕室の修理を行う予定です。農家ごとに材料や必要な資材をチェックし、一部修理資材を届け始めています。
トタン板など修理のための資機材を養蚕農家に配布する様子
引き続き、現地ではバゴ研修センタースタッフが中心となり、日本の皆さんからの善意を養蚕農家の方々や被災した方々へ届けるため奮闘しています。今後も現地からの活動の様子をお伝えいたしますので、引き続き皆さまからの応援をよろしくお願いいたします。