1月14・15日に宮城県気仙沼市の保育施設で「森のつみ木広場」が開催されました。本来「森のつみ木広場」は遊びを通して創造性や協調性を育み、木や森に興味を持ってもらうことを目的として行うものですが、今回の開催は、東日本大震災からこれまでの3年間、子どもたちや保護者の心のケアにつなげることを目的に、被災地の避難所や保育施設などで実施してきた復興支援活動のひとつです。
東日本大震災を境に、子どもたちを取り巻く環境はめまぐるしく変わっています。大きな喪失経験や不安など、言葉ではうまく伝えられない思いをつみ木を使って表出することで精神的な負担を少しでも軽減し、心から楽しんでもらうことを目指しています。
震災直後は避難先の体育館などを訪問していましたが、現在は保育施設や自治体からの依頼を受けて、「森のつみ木広場」を開催しています。今回が同地訪問4回目となる担当者は「訪れるたびにがれきが整理され、新しく建物や家が建っていく様子が見られるが、教育施設の再建などは予定よりも大幅に遅れている。つみ木に触れることが、変化の中で生活している子どもたちの助けになればうれしい」と話し、今後はつみ木の配備拠点を東北地方に複数設け、「森のつみ木広場」を開催できる人材を育成するインストラクター養成講座を開催するなど活動の発展に意欲を示しています。
こうした継続的な活動は、オルビス㈱の「いつもプロジェクト」によって支えられています。同社では、資金面での支援にとどまらず、社員を「森のつみ木広場」にボランティアとして派遣し、子どもたちの作品づくりを手伝うなど、人的支援にも積極的に取り組んでいます。
また、同県名取市で進められている「海岸林再生プロジェクト」では海岸林の土地所有者である国、宮城県および名取市と協定を締結し、本年いよいよ植栽を迎えます。4月には2016年の植栽に向けたクロマツおよび広葉樹の播種と昨年播種をした1年生苗の移植を行い、5月にはこれまで約2年にわたり、同プロジェクトの育苗場で管理された苗が海岸に植栽される予定です。
被災地では12年半ばぐらいから、それまで復興支援を行っていた団体の撤退が始まり、継続的に活動する団体は少なくなってきています。そのような中、オイスカでは震災を〝風化させない〞という思いで、被災地の今を伝えながら、心のケアにつながる取り組みや海岸林の再生といった長い時間がかかるプロジェクトを今後も継続していきます。