「のんびり遊ぼう」
8月4日と8月17日の計2回、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟の那須野営場で行われた「~のんびり遊ぼう~ニコニコキャンプ」で、「森のつみ木広場」を行いました。このキャンプは、「子どもの心と身体の成長支援ネットワーク」が主催するキャンプで、それぞれ4日間にわたり、主に福島県相馬市の小学生を招待して行われたものです。
震災で被災した子どもたちに、今回の震災の記憶が将来にわたって深い傷とならないよう、子どもの心と身体のすこやかな成長のために、医学、心理、青少年育成団体などがネットワークを立ち上げ、子どもたちの癒しとリフレッシュのために企画されたのがこのキャンプでした。4日間、子どもたちは自然の中で探検したり、何かを作ったりしながら、さまざまなことに挑戦し、成長していきます。「森のつみ木広場」も子どもたちが思いっきり遊び、楽しみ、癒される場として開催の依頼がありました。
8月4日、「漁師町の子どもたちは、とっても元気ですから、覚悟しておいてくださいね」と、主催者の方に言われていた私たち。元気いっぱいの子どもたちに会うために、気合い十分で乗り込みました。意気込んで始めようとすると、意外にも、「つみ木やらな~い」と、絨毯の外で見ているだけの子どもたちも。そんな子どもたちも、元気に、楽しそうに遊ぶ友だちの姿を見て、少しずつ少しずつ、つみ木の輪の中へ。最終的には全員が絨毯の中で遊び始め、エネルギー溢れる元気いっぱいの彼ららしい、ダイナミックでのびのびとした作品を作ってくれました。主催者の一人は「つみ木には全員の子が参加してくれました。強制はしていないので、ほかのプログラムには参加しない子もいるんですよ」と嬉しそうに話してくれました。
8月17日、オイスカ四国研修センターのスタッフと、以前インストラクター養成講座を受講した、高松大学の教授と学生さんにもお手伝いいただきました。四国版「森のつみ木広場」に、高松大学の教授と学生さんのアイデアが加わり、オリジナルの「森のつみ木広場」にがスタート。伝言ゲームで始まり、木の名前を当てるクイズに会場はいっきに盛り上がりました。最後の紙芝居まで、一生懸命遊び、夢中で作品づくりをしてくれた子どもたちの中には、名残惜しそうに、片づけまで手伝ってくれる子もいました。
小児科医や心理士の方たちからなる「心のケアチーム」の方と事前に打ち合わせをしている際に聞いていたのは、「突然泣き出したりする子もいるんですよ」、「心理面の不調から、身体の不調を訴えているように見受けられる子もいます」といった、いまだ不安定な子どもたちの様子でした。落ち着いてきたように見える子どもたちの中にも、まだまだケアを必要としている子たちがいるということを改めて認識しました。「森のつみ木広場」を実施している間、幸いにも泣きだす子や、突然具合が悪くなる子がいなかったことに安堵すると同時に、安心しておもいっきり遊び、楽しく笑える場を作ることの大切さを再確認した時間でした。
(報告:本部啓発普及部 石原真弓)