3月26日、国連が定めた国際森林デー(21日)の中央記念行事として「国際森林デー2016みどりの地球を未来へ」主催:同実行委員会)が東京都の海の森で開催され、オイスカも実行委員会のメンバーとして参画しました。3回目を迎える本行事は年を追うごとに輪が広がり、一般公募の親子連れなどのほか国際機関や在京12ヵ国の大使館関係者、日本語学校で学ぶ留学生ら約450名が参加しました。
第一部の植樹会場となった海の森は、ゴミや建設現場で発生した土などで埋め立てた東京湾の一角。現在も整備のための工事が進み、普段は立ち入りができないエリアですが、2020年の東京オリンピック開催時には「海の森クロスカントリーコース」となり、馬術競技会場として活用される点でも注目が集まっています。今回植えられたのはクロマツ、スダジイ、ウバメガシなど8種の苗木約1500本。海を隔ててスカイツリーをはじめとした東京の街並みを望みながらの植樹活動となりました。中国やベトナムからの留学生からは「ゴミの埋め立て地だと聞いて驚いた。そこを森にしようという活動に参加できてうれしい」「日本人は自然を大切にする気持ちが強いと感じた」といった感想が聞かれました。
第二部の交流会は日本科学未来館の会議室で行われ、林野庁の今井敏長官の挨拶や会場で読み上げられた国際熱帯木材機関(ITTO)のスティーブン・ジョンソン事務局長代理のメッセージでは、人類の共通の財産である森林の保全を世界が団結して取り組んでいく重要性が強調されました。また、着任間もないというエチオピアのチャム・ウガラ・ウリヤトゥ大使が、「我が国は非常に森が少ない。日本は国土の3分の2が森林と聞き、今日のような植樹の取り組みなど日本での学びを活かして緑豊かな国づくりを目指したい」と感想を述べ、国を超えた体験の共有が世界の森林保全につながる可能性が示されました。
海外でも国際森林デーにちなんだ行事が開催されており、インドネシアのマドゥラ島では同21・22日に、昨年に続いて2回目となるエコキャンプがスメネプ県のドゥンケック中学校で開催され、10の学校から児童・生徒および教員ら193名が集まりました。205本の植林に加え、「子供の森」計画のコーディネーターや同県の環境局スタッフによる講義では、22日が「世界水の日」であることから、生活の糧としての水や海と山のつながりについても触れられました。ゴミ分別の手法といった誰もがすぐに実践できる内容も盛り込まれており、参加者が所属校でリーダーシップを発揮し、環境保全活動をスタートさせることが期待されています。