オイスカでは、各国のプロジェクトで日本から多くのボランティアを受け入れ、植林をはじめとするさまざまな活動への参加機会を創出しています。今年度も全国のオイスカ支部や支援組織、会員企業などがボランティアツアーを企画し、上半期に10ヵ国で約250名の参加者がオイスカの現場での活動を体験しました。
静岡県支部では7月30日~8月3日、「第23回地球環境再生フォーラム」を開催、県内の中高生をはじめとする22名がカンボジアを訪問しました。日本人駐在員を派遣していない同国での活動は、研修生OBの手による「子供の森」計画(以下、CFP)が中心です。今回は隣国タイの日本人駐在員が同行し、ボランティア受け入れのサポートと、長年CFPを実施してきた経験の共有が行われました。カンボジアでは、近隣諸国同様、急速な発展に伴う森林破壊が問題になっており、また20年以上続いた内戦による森林の劣化も看過できない状況にあります。そのような中で進められているCFPは森林の回復だけではなく、次世代の育成を目指しているプログラムであることから国内での注目度も高く、今回のような日本人の訪問によりさらに国民の関心が高まることが期待されています。
関西研修センターが企画して今年21回目を迎えた「フィリピン植林フォーラム」では、第1回の開催からアブラ州を継続的に訪問しています。関西支部賛助会員のネクスタ㈱は2002年より従業員を同フォーラムに派遣し、植林に参画してきました。本年7月、活動地であるアブラ州に“ネクスタの森”を設置し、これまで以上に積極的に活動を展開していくことを決定。参加した従業員からは、「現地を訪れて、日本での生活がいかに恵まれているかを知ることができた」「世界の平和、発展のためにもっと自分たちにできることがあるのではないかと考える機会となった」といった声が聞かれました。また、同社の担当者は「従業員が自分の子どもが通う小学校でフィリピンでの体験を語り子どもたちへの環境教育につなげている事例なども報告されており、フォーラム参加の意義を強く感じている」と話しています。
夏以降、ボランティアツアーのピークは過ぎましたが、下半期もインドで開催される「第17回アジア太平洋青年フォーラム」(10月30日まで受け付け)など、各種プログラムが企画されています。今後も日本人が駐在する海外拠点を中心に、現地との調整を進め、より多くの皆さんにオイスカの国際協力活動に肌で触れる機会をつくり、その輪を広げていきます。