8月9日、ミャンマーの中央乾燥地帯にあるマンダレー地域ピョーボエ郡チャウマジ村で、ミャンマー農業指導者研修センター(以下、センター)の完成式典が行われました。同センターは、同じく中央乾燥地帯のマグウェ地域で1997年に開所したミャンマー農村開発研修センター(以下、第1センター)に続き、同国で2ヵ所目となる研修施設です。
式典には中央政府のアウン・トゥ農業畜産灌漑大臣、ゾー・ミン・マウンマンダレー地域首席大臣をはじめセンターの建設・活動を支援する三菱商事㈱の村越晃常務並びに井土光夫ミャンマー総代表ら関係者が来賓として出席、日本からはオイスカ・インターナショナルの中野良子総裁、渡邉忠副総裁、永石安明事務局長が駆け付け、研修生や地域住民など合せて250名と共に新センターの完成を祝いました。
式典ではアウン・トゥ大臣が、オイスカがこれまで年にわたりミャンマーで行ってきた農業分野での人材育成や農村開発協力に触れ、こうした活動の拡大に向けた新センターの設立に深い感謝の意を表しました。また、三菱商事の村越晃常務は、同社がミャンマーで取り組んできたさまざまな社会貢献活動について紹介するとともに、センターがマンダレー地域を中心とした農村地域の発展の広がりを担う拠点となるよう期待の言葉を述べました。
今回完成したセンターは、15年4月にオイスカと三菱商事との間で中央乾燥地帯における農業人材育成のための覚書が、また翌年3月にセンター設立支援に関する覚書が交わされた後、農業畜産灌漑省と連携して建設工事が進められてきました。センターの敷地は約13ha。同省が種子を採取するための試験農場として活用していた場所の一角で、農業研修を実施するための環境が整備されています。完成式典を前に入所した記念すべき第1期研修生は男女11名ずつ計22名、その半数以上がマンダレー地域出身の青年で、修了後は地域の農業の発展に寄与することが期待されます。
中野総裁は式典で「オイスカは96年にミャンマー政府と協約を結んでから今日まで、人づくりや安全な農産物を生産するための農法の普及といったさまざまな経験を蓄積している。新センターではこうしたノウハウと人材を活かしながら、国の発展の基盤となる人づくりにさらなる貢献をしていきたい」と決意を表明しました。ミャンマー政府も農業分野の発展とそのための人材の育成には高い関心を示しており、ゾー・ミン・マウンマンダレー地域首席大臣からも、オイスカの取り組みを全面的にサポートするとの意向が示されています。今後もオイスカでは政府との連携を深めながら、第1センターと新センターの両輪で活動を進めていきます。