9月13日、マレーシアサバ州テノムにあるKPD/オイスカ青年研修センター(以下、センター)で研修事業に関する協約書更新の調印式が行われ、ダト・ユソフ農業・農業関連産業省副大臣とオイス
カ・インターナショナルの永石安明事務局長が協約書に署名を行いました。協約は3年ごとに更新されるもので、センターの運営、農業技術移転、訪日研修生の派遣などに関する内容となっています。
サバ州農村開発公社(KPD)とオイスカが共同で運営するセンターでは、近年、オイスカ独自の研修カリキュラムを、同国教育省の基準に合わせた学術的なものに改編、同省公認の卒業資格(専門学校レベル)が授与される教育機関に認定されました。これは、天然資源に恵まれ、観光産業が盛んな反面、若者の農業離れの顕著化が問題となっている同州において、若者の就農率を上げようという政府の取り組みの一環だと考えられます。
当日は研修修了式も行われ、研修生98名がユソフ副大臣から修了証書を授与されました。大臣は挨拶の中で、「1年間、センターで学んだ農業技術と規律正しい生活の中で身につけたさまざまな能力を活かし、自らの生活の向上を目指すとともに、地域の発展、さらにはマレーシアの発展のために力を発揮してほしい」と研修生を激励しました。
また、翌14日には永石事務局長がサバ州のダト・シャフィ・アプダル首席大臣と面会、意見交換を行いました。首席大臣は、同州の米自給率はわずか20%に過ぎず、野菜栽培分野においても農薬の多用が健康被害を引き起こしている現状を指摘。オイスカに対し、農業分野を担う青年の育成、州全体の農業の発展へのさらなる協力要請がなされるとともに、ビジネスマッチングフォーラムの実績を活かした日本企業からの投資促進にも、強い期待が寄せられました。
センターは昨年30周年を迎えたのを機に、新旧のOBらが結束を深め、オイスカ活動を推進しようといった機運が高まっています。オイスカではOBや現地政府との連携を密にし、サバ州の発展に貢献していきます。