マレーシアでは、2018年5月に総選挙が行われ、マハティール・ビン・モハマド首相が誕生、独立以来初の政権交代が行われました。
マハティール首相は汚職の撲滅、緊縮財政などの政策を矢継ぎ早に打ち出し、前政権の打ち出した計画の見直しを実施、 政府各省庁に対しても実施中のプロジェクトの見直しを求めています。そうした中、オイスカの現地カウンターパートである地域開発省傘下のマラ公団においても執行部が刷新されたほか、各種計画の再調整が迫られる状況となりました。オイスカ・インターナショナルでは、マラ公団との連携強化を図るため、11月24〜29日、中野利弘副総裁と永石安明事務局長をクアラルンプールに派遣。これまで同国で開催したビジネスマッチングフォーラムなどを通じ、マレーシアと関係の深いオイスカ会員企業の代表者らと共に、政府指導者らと懇談を行いました。
一行は26日にマラ公団を訪問し、新しく会長に就任したハスニタ・ハシム博士と面会、オイスカとマラ公団との今後の協力関係について懇談を行ったほか、ダト・アズハル理事長をはじめとする執行部と意見交換を行いました。さらには高等技術教育分野における人材交流について、同公団管轄下にあるクアラルンプール大学、パハン・マレーシア国立大学などを訪問し、相互連携について各大学の学長と協議の場が持たれました。27日には、地域開発省のリナ・ハルン新大臣を訪ね、オイスカとマラ公団との長きにわたる人材育成分野の協力関係とその成果を説明し、理解を求めました。
28日にマハティール首相を表敬訪問した折には、首相よりオイスカが長年行ってきたマレーシア青年の育成に対する謝意が示されるとともに、政府として全面的に協力するとの力強い言葉を述べられました。マハティール首相は、13年にオイスカがマレーシアで開催したビジネスマッチングフォーラムで講演を行うなど、さまざまな形でオイスカ活動に関わってきている理解者の一人。これまで地域開発大臣がオイスカ・マレーシア総局の会長を務めてきた経緯を理解したうえで、リナ・ハルン大臣に会長を引き受けるよう自ら伝えるなど、積極的な姿勢は首相になった今も健在です。
マレーシア政府やマラ公団からは、現在行っている技能実習生の受け入れの充実に加え、大学を卒業した若い高等技術者の受け入れなど、日本の大学や企業なども広く巻き込んだ幅広い人材育成に期待が寄せられています。オイスカでは引き続き会員企業の協力を得ながら、マラ公団を通じた青少年の受け入れ、育成に取り組んでいきます。