1999年にスタートしたラノーン・植林プロジェクトでは、日本をはじめ世界各国からのボランティアを受け入れながら、マングローブ植林を20年にわたり続けてきました。現在では、約2千haものマングローブ林が広がる見事な景観が広がり、この地を世界自然遺産に登録しようとラノン県が動き出すまでになりました。こうした長年の取り組みが評価され、タイ王国天然資源環境省よりオイスカ・タイが表彰されました。8月16日に行われた表彰式には、プラヤット事務局長が出席し、同省大臣より盾を授与されました。
また、プロジェクトでは8月20日より福岡県のラブ・グリーンの会の一行28名を受け入れ、2日間で6千200本を新たに植林しました。メンバーには、現役時代からチャリティによる支援を続け
ている元福岡ソフトバンクホークスの松中信彦氏の姿も。松中氏による支援が今年10回目を迎え、 現地での歓迎もひときわ大きく、地域住民との植林も盛り上がりを見せました。
駐在代表の春日智実は、「表彰は、ただひたすら努力を続けてきた結果であり、こうして支援をしてくださっている皆さんのおかげ。誇りを持ってこれからも活動を続けていく」と語り、世界自然遺産への登録に期待を寄せています。
一方、7県、211校に広がる「子供の森」計画(以下、CFP)でも新たな挑戦をスタート。3月にミャンマーで開催された国際コーディネーター研修に参加したスタッフから「タイのCFPは活動の広がりにより、焦点が絞れていないのではないか」との問題提起を受け、活動を担う全国のコーディネーターや教員らが5月にアユタヤに集まり、会合を持ちました。「これまでは、計画・実施が単発活動の連続になっていた」との反省に立ち、今後は目的達成に向けた道筋をつくり、一つひとつの活動への意義づけを徹底できるようにしようと、プランづくりに始まり、テキストやパンフレットの制作にも取り組んでいます。
8月3日に開かれたフォローアップ会合では、各地での取り組みの進捗が確認されたほか、スマートフォンのアプリ「E Tree」を利用したデータ集積についても学びました。これは、天然資源環境省が各地の植林記録をデータ化するために導入しているアプリで、オイスカでの利用が特別に許可されたもの。アプリでは、植林記録の集積・整理のほか、二酸化炭素の固定量の計算も可能なことから、植林による成果を客観的なデータで示すことで、タイ国内におけるさらなる啓発活動や支援者獲得を目指そうと、スタッフらが一丸となって取り組んでいます。