2013年4月1日

オイスカ・パプアニューギニア女性の活躍に期待!熱帯林保全プロジェクト

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  • 住民のジョセフィンさんが家族と取り組む野菜の苗づくり

     2002年に始まったパプアニューギニアでの熱帯林保全プロジェクトは、森林の破壊・劣化の主な原因である移動式焼畑耕作の転換と、もう一つの要因である業者による伐採を抑えることを目的とし、定置型有機農法の研究・普及を推進しています。その一環として、3年前からニューブリテン島北東部のサンバム村でパイロット事業を行っており、成果が少しずつ出てきています。

     昨年度から、村では養魚や囲いの中での養鶏などをスタートしました。これにより住民は、タンパク源の確保を年々減少する野生動物の狩猟からシフトできるほか、糞などを堆肥に利用できるようになり、それぞれが循環する有機農業の形が整ってきました。また、現地でも商業価値があるランの栽培にも挑戦。今ある熱帯林の資源を有効活用できるようになれば、業者に伐採権を売る必要性も低くなります。

     さらに注目すべきは女性のエンパワーメントです。プロジェクトでは、農業はもちろん石鹸づくりなど保健衛生に関する研修も女性を対象に実施してきましたが、すでにリーダーが誕生し、生活改善のコーディネーターとして活躍するまでになりました。

    付加価値を高めるための研修で、デザインを施した石鹸を製作したリティアさん(いずれもサンバム村)

     同国の農村部では一般に女性の社会的地位が低く、業者に村の森林伐採権を売るなど、権限の多くは男性が持っています。将来は、サンバム村の事例のように、同国各地の農村において女性が村の発展の鍵を握る存在となり、森林保全への発言力も高まることを期待して今後もプロジェクトを推進していきます。

    ※本プロジェクトは、コスモ石油エコカード基金のご支援により進められています

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