2015年11月21〜24日、オイスカ・インターナショナルとオイスカ・南インドの共催で、「アジア太平洋青年フォーラム(APYF)」がケララ州カリカット市で開催されました。APYFは、アジア・太平洋地域の青年たちの若い力を、地球規模の課題への解決や持続可能な地域開発について共に取り組む力へ導こうとスタート。1976年のタイでの開催から17回を数え、今回は南米アルゼンチンからの出席も得て、世界8ヵ国・約300名が議論を深めました。
周辺の学校に通う学生をはじめ1500名が参集した開会式は、主賓に馬場誠治駐チェンナイ日本国総領事を迎え、潘基文国連事務総長、安倍晋三内閣総理大臣よりメッセージが寄せられるなど盛大なものとなりました。あいさつに立ったオイスカ・インターナショナルの中野良子総裁は「対話と共同作業を通じ、国籍、民族、宗教、地域の違いを乗り越え、若いエネルギーと情熱、叡智を共有し、そこから持続可能な〝果実〞を引き出すことを楽しみにしている」とエールを送りました。
22日のセミナーセッションでは、持続可能な開発目標(SDGs)へ向けてどのように活動を展開していくかの呼びかけや、各国からの代表が「生物多様性」「ふるさとづくり」「地球環境課題」をテーマに発表。オイスカ・南インドのラーダー・クリッシュナン会長の進行による意見交換の場では、20名の青年が参加したマレーシアから深刻化する廃棄物・ゴミ問題への対処法について提起されたり、環境保全と経済発展のバランスについて議論されるなど、活発なものとなりました。23・24日は、日本の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の支援を受け09年に設立されたワヤナッドエコリソースセンター(WERC)をはじめ、各地域にあるオイスカの活動拠点を訪問。循環型農業や持続可能なふるさとづくりを担う若者育成の現場を視察しました。また、会期中は地元ライオンズクラブや商工会議所、地域住民など、さまざまなセクターとも交流を図りました。
第17回APYFの成果として、セミナーでの話し合いを通じ宣言文を採択。この「カリカット宣言」では、同地に集結した世界各地の青年が、持続可能な社会の発展に向けてリーダーシップを発揮していくこと、情報を共有し理解を深め協力しながら取り組んでいくことなどが記されています。加えて、それらの協働関係を世界中で広めていく必要があるとして、今後フォーラムの名称を「グローバルフォーラム」とするよう提案がなされています。
アジア太平洋からグローバルへ。今回のフォーラムは世界の若者たちが未来へ向かって共に歩むための新たな一歩となり、さらに「低炭素社会の未来に向けて若者の声が極めて重要な役割を果たす」という潘国連事務総長の期待に応える結果ともなりました。