6/29、ツボ刈りビフォーアフター
広報室倉本です
6月29日のボランティアの日、私も行ってきました。
前々から雨の予報があったので、半ば雨中の作業を覚悟しながら迎えた当日でしたが、午前と午後前半は曇り空に涼しい気候と活動するには汗もかかず割と良き天気。
作業は終日ツボ刈りとツルマメ草の抜き取りです。
マツが半分ほども隠れるほどの一面のシロツメクサや、その他雑草諸々をマツの力枝をそこねてしまわないよう慎重に刈っていきます。
この日、海岸林でのボランティア活動が初めてという方の多い中、みなさんテキパキと丁寧に作業をされていて、ベテランのような仕事ぶり。
皆さんあまりに綺麗に草を刈っていくので、私も写真を撮る仕事を一瞬忘れて、草刈りに没頭してしまっていました。(ボランティアに参加していたある小学生兄弟に、叱られてしまいました・笑)
さらに、午前、午後の作業通して集中を切らすこと無く、休憩時間すら自ら切り上げて引き続き作業される方もいて、指導員が「休憩してくださいね」と念押しする場面も。気持ちのこもった作業は、きっとこれからのマツの元気につながっていくだろうと思います。
そして、今回作業をしつつ感じたことは、やはり水はけの悪さ。
草を刈ると、前日の雨がそのまま残っているかのよぅな水たまりが出現。
この日は不安定な天候で溝切りはできませんでしたが、今後の活動においても溝切りがまだまだ必要そうだなあとあらためて実感しました。
また、ツルマメも一見無いように見えてちょこちょこと伸びてきていました。
他の草の多いところでは、見つけるのに苦労するかと思いますが、これからのボランティアの日で、ツルマメをしっかり見つけられるように特訓すると、瞬時に四葉を見つけられるようになる能力も開花するかも。
排水路、崩れずに日々流れています
名取の6月は、過去数年と比べ平均並みの降水量。去年は明らかに少雨。植えたばかりの苗木にとっては幸運。根腐れがほとんどなく活着率は99.8%でした。
仙台空港降水量
今年3月から2018年植栽地の溝切りには、ボランティア615人が頑張ってくれました。
6月末、あらためて様子を見てみると、崩れもせずに、流れてる、流れてる。
ありがたいです。汗をかいてくださった人の顔が次々に浮かびました。
東北の7月は多雨との長期予報。
まだまだ、溝切りしたい場所は山ほどありますが、焦っても仕方ない。
無理せず進めていきたいと思います。
プロチームも会心の進捗(宮城中央森林組合と松島森林総合)
6月のボランティアは390名。雨続きで下刈りメインでした。
一方、プロチームは例年以上の人数を早々から投入し、そろそろ70haの下刈り1回目を終える勢いです。宮城中央森林組合は2016年~2019年植栽地を担当し、6月5日から下刈りを開始。今年の植栽は残存林の林間植栽わずか2ha3,000本。施肥の必要がない箇所でした。今年は暖冬の影響か、草の出足も早かったですが、毎日5人から15人投入。
また、松島森林総合は、内陸防風林と、2014・2015植栽地を受け持ち、5月23日には最も草の激しい内陸防風林の下刈りに着手。6月は樹高2m~4mの海岸林植栽地内のマツをかき分け、部分的に繁茂している雑草をつぶしています。それと並行して、クズ・ニセアカシアの繁茂地を把握しています。7月中旬からは、満を持して薬剤枯殺にかかります。
ボランティアもプロも、すべて前倒し。明らかにこれまで最速の進捗。10月の第1週には2回刈りゾーンを含め、例年通り、プロ・ボランティアが一丸となって、しっかり仕上げたいと思います。
再生の会は、来週から2020年植栽用45,000本の苗木を現事務所地内に引っ越しします。 こちらも1年前倒しで育苗場の返還準備です。
JR連合の中山部長が、6/29~30の感想を寄せてくださいました
JR連合 組織・政治部長 中山耕介
6月29日3度目の「海岸林再生プロジェクト」のボランティア活動は、あいにくの雨模様の中で行うこととなりました。
JR連合は、労働組合のモットーでもある〝助け合い・支えあいの精神〟のもと、東日本大震災の被災地への連合救援ボランティア活動やカンパ活動に取り組んでくるとともに、2007年から「富士山の森づくり」で連携してきたオイスカの同プロジェクトに対して寄付をおこなってきました。2015年からは自分たちが寄付したものがどの様に活かされているのか、また、東日本大震災からの復旧復興がどのように進んでいるのかを、体感して知るために、全国のJRから数名ずつ参加者を募り、隔年で現地でのボランティア活動を行ってきています。
私自身は、2年ぶりの作業となり、前回見たクロマツたちがどのくらい成長しているのか、現地入りする前から楽しみにしていました。2年前に〝つぼ刈り〟や〝つる豆抜き取り〟を行ったクロマツたちを見ると、確かに20~30cmほど背が伸び枝も増えて育ってはいたものの、正直、2年でこんなものなのか、とも思いました。しかし、後から、津波の被害を免れ所々に残存するクロマツの樹齢が120年と聞き、立派に育つまでは相当時間がかかることを改めて実感したように思いました。
他の植物らに負けないくらい育つように手間暇かけなければならいし、成長したクロマツを間伐する作業も膨大にあると伺いました。まだまだ気の遠くなるような作業が残っているなかで、同プロジェクトの取り組みが持続され、かつ、何よりも、地元地域の関与が欠かせないと感じました。
今後も、主体性をもった地元住民、地元自治体などの連携・協働が行われることを切に願うとともに、私たちの組織としても、私個人としても微力ながら支援させていただきたいと思います。
最後に、今回、作業後に仙台市の震災遺構「荒浜小学校」を見学した際、震災前の荒浜地区にあった海岸林の写真や模型で元々あった壮大な海岸林の姿を目にし、同プロジェクトの意義だけでなく、その難しさをも改めて感じました。
広報室の林です。
かわいそうなほど枯れているマツが多数。
ここにも、あそこにも。
これ、実はある人たちが移植したもの。
それは市のサイクリングロード拡幅に伴い、一部のクロマツの
移植を委託された業者のお兄さんたち。
先月のボランティアの日、私がお兄さんたちに声をかけた時
前日から移植をしていた彼らは「飽きたっす」と口にしていました。
一ヵ月後、彼らの植えた苗はご覧の通り。
仕事への姿勢はこんなはっきりと結果に出るんだなぁと。
しかも、移植時期は決定的にダメな時期。場所の選び方も、下刈りなどの
後の管理を全く無視した適当な場所。
「本当に残念」と吉田。
お兄さんたち、この現場を見たらどう思うかなぁ。
明日(6/29)のボランティアについて
雨の予報が覆りませんが、予定通りボランティアを開催します。
作業内容は今のところ、溝切りを予定。
一部、ツルマメ抜き取り作業の部隊も結成予定です。
ただし、当日の天候、現場の状況を見ながら変更の可能性もあります。
気温も低く、雨が降るとさらに寒さを感じます。
雨対策(雨具や着替えをご持参ください)とともに防寒対策もお忘れなく。
体調に不安のある方は、参加を見送るなど、どうぞ無理のないようにしてください。
広報室の林です。
前回のボランティアの日の翌日、あちらこちらの視察の途中
海岸で遊んでいる馬(ポニー?)たちに出会いました。
そう高くはない堤防に登っては見たものの、怖くて降りられない
馬の様子が何ともかわいくて……。その後、移動用のトラックに
乗せる前にこんなふうに囲ってクローバーなどの草を食べさせていました。
その勢いのすごいこと!
私が馬を見ながら考えていたこと。
それは、「この子たちが現場の草を食べてくれないかなぁ~」ということ。
スタッフさんにきいたら一日中食べているそうです。
毎日みんなで食べても食べてもなくならない程あるよ~と教えてあげたい!
今までも「うさぎを現場に放ったらどうか」とか
「ヤギに草を食べさせたらどうか」とかいう声を聞くたびに
やってみたい! と思いながら、私の妄想にとどまっています。
この度馬も妄想の仲間入りをしました!
うさぎ・ヤギ・馬の“草はみ部隊” いつか結成したいなぁ~。
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余談ですが、この時、写真右の白黒の馬を見て
「なんだか模様が牛みたいだなぁ~」と思いながら
口をついて出たのが「なんだか馬みたい~!」
「ええ、馬ですけど(笑)」とスタッフさんに
笑われてしまうという出来事が……。
頭と口が連動しないことってあるんですね。
全積水労働組合連合会の大熊会長よりコメントが届きました!
被災後、当グループの多くの従業員の方々が生活している東北の拠点を視察し、
変わり果てた現地を確認した時、何か力になりたいと思ったことが全てのスタートでした。
その後、内部での検討を始め3年後の2014年6月、化学総連の一員として初めて海岸林再生プロジェクトへ
参加し、オイスカの吉田さんと出会いました。その時は作業がメインでお話はあまりできませんでしたが、
吉田さんをはじめオイスカの皆さんの真剣な取り組みや我々を本気で戦力と捉えて下さるスタンスに共感し、
後日、全積水労働組合連合会(全積連)としてこのプロジェクトに本格的に参画すべく打合せを重ねてきました。
タイミング的にも2014年(10月)は、積水化学労組結成60周年、全積連結成50周年の節目の年ということもあり、これを機にこれまで全国の各拠点にて輪番で行っていたボランティア活動を海岸林再生プロジェクトに統一し、参加者も組合役員のみならず組合員の皆さんまで対象を広げることにしました。
当初はどれだけの方に賛同頂けるか、プロジェクト終了まできちんと戦力になることができるか、不安もありましたが、1回目から定員をオーバーするほどの応募を頂き、組合員の皆さんの温かい気持ち触れ、大変うれしく感じたことを思い出します。
第3回目(2017年)からは化学総連と合同で実施することになったのですが、我々(日帰り組)が
引き上げる時間が化学総連(1泊2日組)より早く、「もっと一緒に作業するべきではないか」
「せっかく一緒に作業しているのに交流の場がないのが寂しい」など、前向きなご意見を多く頂戴したことから、
4回目(2018年)以降は、終了時間を合わせ、近隣のサッポロビール園で合同の懇親会を行うまでに至りました。
振り返るとこの交流会も含めて、リピーターの方々には海岸林再生プロジェクトのボランティア活動を高く
評価いただいているのではないかと思います。日常では、職場が異なり、仕事や家庭生活など、
それぞれが慌ただしく過ごしている中、年に一回仙台の地に集合し、現地で暮らす方々に思いを馳せ、
汗を流し、語り合い、繋がりを広め、強くしていくこの活動は、決して仕事だけでは得ることができない
多くの感動や気付きを与えてくれる貴重な場であると感じています。
私自身も(ほぼ)毎年参加させて頂き、オイスカの吉田さんをはじめとする関係者の方々、化学総連の方々、
全積連の方々とボランティア活動を行うことで、微力ではありますが復興に貢献できているという実感が得られ、
気持ちが一つになることの心地よさを感じており、組合活動の原点を改めて確認するよき学びの場となっています。
改めまして、オイスカはじめプロジェクト関係各位に感謝申し上げます。
今後も継続的にお力になりたいと考えておりますので引き続きご指導の程よろしくお願い致します。
化学総連さんから感想が届きました!
化学総連では6回目となる公益財団法人オイスカ様の海岸林再生プロジェクトのお手伝いに
6月14日(金)~15日(土)と参加してきました。今回は化学総連加盟組織18単組総勢54名に加え、
14日(金)は例年同様に全積水労働組合連合会の皆さんと合同で総勢98名の大所帯となりました。
14日(金)の初日は、まずオイスカの吉田様・浅野様と合流し、津波に被災した鈴木さんの家を見学しました。
鈴木さんは、津波の悲惨を語り継ぐために被災した自宅をそのまま残しているとのことです。
建物の一階部分は津波によって大打撃を受けており、二階はかろうじて残された柱の上に乗っているだけで、
ひと目で津波の脅威を感じ取ることができます。
このような場所で、吉田様より津波の脅威、海岸林の歴史や意義についてレクチャーを受けました。
参加者の皆さんは被災した自宅に圧倒されながらも、吉田さんの話に熱心に聞き入っていました。
レクチャーを受けた後は、いよいよ作業です。
作業場所を移動して、作業内容の説明を受けます。今年の作業は昨年と同じ「溝切り」でした。
元々の作業予定も溝切りでしたが、実際に「溝切り」という言葉が告げられると、
リピーターの方々から「ええーっ?!」「マジかー…」などと歓喜とため息が混じり合った声が上がりました。
初参加の方々はその声に「どれだけ大変な作業なんだろう」とおののいていました。
現場に到着し、指導員の佐々木さんからこの溝切り作業の必要性や重要性について説明を受け、
リピーターの方々は再認識し、初参加の方々は真剣な顔つきに変わっていきました。
溝切りは、その名の通り溝を切る作業です。クロマツは厳しい環境でも育つ樹木ですが、多湿には弱く、
また地下水位が高いと深くまで根を張ることができません。
海岸林として機能させるためには深くまで根を張ってもらう必要があるので、その対策の一つとして
水がはけるための水路を一定間隔ごとに設ける作業がこの溝切りです。
ひたすら穴を掘って水路を作るという重労働でありながらも、クロマツの成長を左右する大変重要な作業です。
作業してみると確かに重労働ではありましたが、作業が終わった後、辺りを見渡してみると、
我々が掘った溝が辺り一帯に広がっていました。作業時間は休憩時間を差し引くと
2時間もなかったように感じますが、「全員で力を合わせれば、こんなにも溝を掘ることができるのか」と
私自身、とても感心してしまいました。
作業終了後、充実感と達成感(そして疲労感?)の中、集合写真を撮影しました。
集合写真の縦に3本走っている溝が、今回我々が作成した溝の一部です。この溝を縦横無尽に
走らせることによって、クロマツが成長しやすい環境を実現することができます。
我々が行った溝切りによって、多湿に苦しみ成長が止まっていたクロマツが成長を再開して、
大きく育ち、海岸林として機能してくれることを願うばかりです。
15日(土)の二日目は、あいにくの雨で作業することができませんでした。
ですが、作業の代わりに震災遺構「荒浜小学校」をご紹介いただき、全員で見学させていただきました。
アポイントなしで訪問したのですが、バスを降りるなり係員の方が近づいてきて
「幹事の方はいますか?この施設についてぜひ説明したいのです!」と声を掛けてきました。
こちらとしては願ったり叶ったりの申し出なので「ぜひお願いします!」と即答し、説明していただくことにしました。
係員の方が熱心に説明する姿や、「ぜひ説明したい」という姿勢を目の当たりにして、
津波の被害を受けたこの場所で生活される方々の熱い想いを強く感じた次第です。
この震災遺構「荒浜小学校」では、被災した校舎がありのままの姿で保存されており、
いたるところに津波が残した爪痕が鮮明に残っている他、被災直後の生々しい写真等も展示されており、
津波の脅威や悲惨さを痛感すると同時に、津波にも負けない海岸林を再生することの意義を改めて強く感じました。
私自身は今回初めて参加させていただいたのですが、正直言いますと、何気なく生活している中で
震災や復興はつい遠い昔のことのように感じてしまっていました。
しかしながら、震災のあった場所で生活される方々にとって復興は遠い昔のことではなく、
今現在の日常だということに改めて気付かされました。その復興に対して、我々の活動が少しでも
お役に立てたのでれば幸いですし、組織としても個人としても海岸林再生を始めとした復興に
関わっていきたいと想いを新たにしました。今後も引き続き、よろしくお願いいたします。
(化学総連 事務局次長 白石雅秀)
7月28日(日)14時~ 大阪で太田猛彦先生にご講演いただきます
重版が続いている「森林飽和」(NHKブックス)著者で、東京大学名誉教授、 オイスカ顧問の太田猛彦先生に、大阪でご講演いただきます。
詳細はコチラ
「オイスカ関西の集い2019」講演会
日本の森と自然 ~学術と文化の両面から森の重鎮二人が語る~
【日 時】7月28日(日)14時~16時50分 場所:国民会館武藤記念ホール(天満橋駅下車)
・「自然災害にみる森林の機能と限界」 太田猛彦 東京大学名誉教授
・「神話から学ぶ森の文化」 中東弘 枚岡神社宮司
*17時20分から別会場で交流会がありますが、講演会のみ参加の場合は、聴講費無料です。
*申し込み方法などは、上記詳細をご覧ください。