広報室の林です。
小さな溝の両脇にあるクロマツが
菜の花かタンポポのように見えるのは私だけでしょうか?
ほら、なんだか下の葉が緑で
上が黄色で……。
ここは、背の低い雑草に覆われていたのですが、溝を掘った時の土を
クロマツの周囲に置いたため、その雑草が見えなくなったところ。
でも、マツの根本の部分から少しだけ草が顔を出している状態。
拡大するとこんな感じ。
マツの葉が黄色くなってしまっているのが花に見えたのです。
中央の写真、土が黒いヘドロのような状態なのが分かりますか?
これを見て指導員の佐々木勝義さんが言いました。
「ここのマツが苦しんでるのは、水が多いだけじゃないんだな。
ヘドロになっちゃってる。臭いもするでしょ。
普通、山砂は無機物なんだけど、ここは有機物があってヘドロ化してる。
酸素もない状態だから苦しいんだな」と。
そこで作業をしていた方からは
「うん。作業してる時、臭かった~」との声が。
臭いは別として、海岸の乾いたさらっさらの砂浜に育つ
クロマツにとっては、本当につらい状況なのだろうと思います。
国内外で長く農業指導に携わるオイスカの先輩方は
土づくりに長け、土の改良・改善のために働く微生物なんかにもとても詳しい。
でもそうした勉強・経験をしてこなかった私には、この土をどうしたら
改善できるのかといった考えがまったく浮かばず、
かれこれ四半世紀もオイスカにいるのに情けない限りです。
(長くフィリピン、バングラデシュ、ミャンマーなどで指導をされている
80代のO先生が「微生物を扱う人は精神を整えることが大事」と話をされたメモを発見。
私の精神状態では微生物に正しく働いてもらえそうもありません……)
それでも皆さんが水を抜いてくれたことによって
花のような黄色になってしまったクロマツも少しずつ元気になることでしょう。
皆さん、ありがとうございました!
今年の保育は、植栽開始の2014年以来、最速のスピードで進み、
下刈りは2巡目に入っています。プロ、ボランティアともに充実した
戦力を投入できたことが最大の要因です。
そのおかげで、溝切りの進捗も、予想を上回っています。
約4haに対し、2Lサイズ本線だけで450m。支線はその倍以上。
ですが、下刈りが順調だったもう一つの要因は「日照不足」と「低温」。
これによって雑草の成長スピードが遅かったのでは。
北東からの冷たい風「やませ」の日も、雨の日も多かった。
降水量は平年並みながら、少雨だった去年と比べれば倍。
フタモンアシナガバチも巣を作ろうとしていない。
今年のキノコは、種類・発生量ともに明らかに増加。
ツルマメは、いつも通り6月から抜き取り。2ヵ月弱で相当駆逐できました。
7月22日午後~23日午前、サミット・レイバー・ユニオンの40名は、
小雨の中、2日ともツルマメ。3.6ha・18,360本のクロマツの周りで
ゆっくり芽を出し、のんびり成長しているツルマメを
一掃してくれました。
お盆明けは、またものすごい草になるでしょう。
ところで、来年の今ごろはオリンピック。
ボランティアは減、天候は酷暑、草は増ってことがあるのかも?
リピーター巽さんのブログ② ~10回目のボランティア~
今回の作業は、ツボ刈り+ツル豆抜き15名、残りは溝切り(およそ140名!!!)。
簡単な注意事項と各社紹介の中で、今回トヨタさんの環境事業取組みの一環でドローン撮影があることを聞く。
あの早朝からの打合せは、撮影の最終調整だったようです。朝早くからご苦労様でした。
その後、大型バス2台を含む6~7台に別れて現場に向かう。
車内で自身が着用していた霞ヶ浦マラソンTシャツに端を発しマラソン談義となる。
昨年の大阪マラソンにもオイスカのチャリティーランナーとして参加したこと、
今年も一般枠抽選に漏れたためチャリティランナー参加を検討していることを話す。
(参加した場合は、みなさまご支援願います。)
ほどなくして現場に到着。朝は晴れていたが雲り空になってきた。
溝切り作業はとてもハードなので冷凍麦茶2本を持ってきたが、曇り空は大歓迎!
3組に分かれ、まずは6名ずつ防風柵を「せーの!」で持ち上げ4~5メートル移動。
防風柵の持ち位置やクロマツを踏まないよう注意喚起したら吉田さんに褒められた。
約20個の防風柵を移動して溝切り開始。幅1メートル×深さ70センチ溝をみんなが並んで掘る様子は壮観でした。
作業中、何度もドローンが近寄っては上昇・ホバリングを繰り返して撮影していく。
開始30分、ペースが落ちてきたころ、東京から「柿崎組」の40名が合流。
社長の「素人に負けるな!」の檄が効いたのか怒涛のペースで溝が掘られていく。
昼休みを挟んで、午後からは本側溝に交わる支側溝(60×50センチ)をクロマツの並び2列おきに掘っていく。
午前午後含めておよそ3.5時間。密度の濃い作業内容となりました。
(予想150メートルに対して結果270メートルで、防潮堤まで残り40メートルでお盆までには完成しそう)
わたくしも終盤に左手のマメを潰すアクシデントがありましたが充実の作業。
作業終了に合わせて雨が降りだし、「たそがれタイム」はほどほどに事務所に帰還。
事務所に戻ってみんなでスコップや鎌をスイスイ洗浄し倉庫へ。
最後のあいさつでは、スタッフは成果に大満足。参加者もとても充実した雰囲気でした。
今回お子ちゃまが数名参加していましたが、その姿にも和まされました。
ドローンの映像は、遅くても秋にはトヨタさんのWEBサイトで見れるようです。
仙台空港に着陸する際に右手に見える大迫力の「クロマツの絨毯」が色んな角度から見れるなんて楽しみですね。
オイスカのサイトにドローン映像が公開されたらお知らせが掲載されるようです。
次回(8月24日)も頑張るぞ!
リピーター巽さんのブログ① ~10回目のボランティア~
リピーターの巽さんからブログが届きました!
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10回目のボランティア 奈良市 巽 剛
7月20日 本年度2回目(延べ10回目)のボランティアに参加しました。
昨年11月に千葉から奈良に転居し、ボランティア参加が軽~い旅になりました。
関空→仙台へは、LCCを早めに予約して出費を抑えることも抜かりなし。
ご存知の通りLCCは格安ですが制約があります。
1つ目は持込み荷物の重量制限(7.5キロ)。
今回の3泊4日の日程分と、雨予報に備えての長靴と百均カッパを加えると制限を超えてしまった。
そこで着替えを1組減らしてコインランドリーを使うことで課題をクリアしました。
2つ目は搭乗口が離れていること。
関空第2ターミナルは、鉄道駅からシャトルバスに乗り継がないといけない。
その時間を加えると自宅から3時間弱なので、14時過ぎには自宅を出発したい・・・。
18日夜、自宅のWifi環境が不調となり、ちょっぴりゴネて19日昼過ぎにサービスマン派遣を約束。
19日早朝の仕事を終え正午に帰宅。タイミングよくサービスマン到着。
「遅くても14時半には出たい」とゆる~く圧力をかけ、自身は最終準備を行いつつネット接続復旧を待つ。
なんと戸外ケーブルの銅線露出部分にゴミが付着していたことが不調要因と発覚。
復旧後に急いで親会社への報告書類を作成。昼食&シャワーして駅に向かう。
駅まで汗だくでダッシュし電車を乗り継ぎ、定刻25分前にLCCチェックイン機に並ぶと、
「仙台便のお客様は優先チェックインしてます」との案内にカウンターに直行、機内へ滑り込む。
仙台空港に定刻到着。予約した「××レンタカー」のプラカードを持つ係員に合流。
もう一組が5分経ってもなかなか現れない。「〇んこか?」
しばらくして係員の携帯が鳴る。目の前にいたおばさま3人からだった。
「おいおい」と思いつつ、笑顔で「こんにちは」と挨拶し、送迎ワゴンでレンタカー事務所へ。
5月は小型車をレンタルし窮屈な車中泊であったが、今回はフルフラットになる軽ワゴンにした。
「バタバタだったけどこれで安眠」とオイスカ事務所前に駐車して快適な眠りについたのであった・・・。
ところが当日早朝4時。オイスカ事務所前に3台の車が来てガサガサと準備を始める。
「何事?」と眠い目をこすって見ると、オイスカの吉田さんを含む5~6名が大声で打合せをしている。
「あと3時間は寝たいなあ」と別の場所に移動して再び夢の中へ。
その後、美田園のセブンイレブンで朝飯を食べているとオイスカ集団に遭遇。(恥)
ブログ2に続く…
サミットレイバーユニオン 村松副事務局長から感想が届きました!
2019.7.22~23 東北復興支援ボランティア「海岸林再生プロジェクト」
今回で3年連続3回目の実施となりました。昨年までは新幹線で現地入りしていましたが
今年からはバスでの移動に変更となり、移動時間が増えた分、現地到着までの時間に
名取市のことや復興状況、ボランティア内容等について参加者に説明することが
できました。結果、ボランティアの意味や目的を参加者全員が理解した上で作業に
取りかかることができ、有意義なボランティア活動となりました。
3年連続の参加者も複数いて、ツルマメ取りの精度もかなり上がっていると感じました。
その他、ゴミ拾い活動も実施させていただき、日常生活についても色々と考え直す
良い機会となりました。
復興の道のりは果てしなく長く険しいものですが、微力ながら支援することができたと
自負しています。
今後も様々な形で、東北に限らず、ボランティア活動を積極的に実施していきたいと
強く思っています。
吉田さん浅野さんをはじめ、2日間ご協力いただいたボランティアスタッフの皆様に
衷心より御礼申し上げます。
3年連続のボランティア
こんにちは、浅野です。
7/22-23の2日間、サミットレイバーユニオン41名がボランティアに来てくれました!
今年で3回目のボランティア、リピーターが8割だそうです。
(3年連続で参加してくれている方が3分の1)
今回の作業は植栽地の1番北のエリアでのツルマメの抜き取りでした。
全体に繁茂しているわけではなく、探しながら歩くという作業…。
昨年来ていただいたときはツルマメだらけ!!というような箇所で作業してもらったので、
今回はリピーターでも難しかったみたいです。
あるところはある、ないところはないという作業だと見逃しが増えるのですが、
行ったり来たりして取り残しを減らす工夫をしながらツルマメを探してくれました。
いつもだと成長の早いところを見たり現場でのプロジェクト説明の時間があったりするのですが、
今回の作業場所はいつものゲートから入らない場所だったため、担当の方と相談をすると
「作業優先で行きましょう!」と即決。参加者の皆さんからも異論なく…。ありがとうございます!
2日とも小雨の中の作業となってしまいましたが、懲りずまた来てくださいね!
子ども係レポート 「大人にありがとう」編
昨日に続き、子ども係のレポートです。
この日、吉田が報告した通り、見事な溝が完成しました。
こ~んなに長く立派な溝です。
子どもたちが堤防を越え、海からど戻ってくると、
溝を掘っていた人たちから「早く早く~」と手招きされました。
その後の写真がこれ。
皆さん、何やらカメラを構えて撮影しています。
実は、支線から大きな溝に水が流れるのを堰き止めていて、
そこを開通させるのを子どもたちに体験させてくれたのです。
埼玉トヨペットのOさんが、スコップを手にする子どもを抱えて
溝の中に入って子どもの作業をサポート。
みんなあたたかく見守ってくれています。
子どもたちにはこの溝切り作業が、クロマツの育成にとって
大事なものだとは、今は理解できないかもしれません。
(そういえば、このI君。「チクチクするから嫌い」と
クロマツのことはあまり好きになってくれませんでした)
でも自分がやったことに、大人が拍手をして喜んでくれるのは
なんだか楽しい体験だと感じてくれたはず。
そんな子どもたちの体験をサポートしてくださった
大人の皆さん、どうもありがとうございました!!
子ども係レポート 「子どもにありがとう」編
広報室の林です。
20日のボランティアの日、私は子ども担当を命ぜられました。
この日、最年少4歳~9歳の子どもたちが参加しており、
彼らが安全に活動できるように目を光らせる?係です。
何でもやってみたい最年少、4歳のI君は、
スコップで穴を掘るといって、お父さんに連れられ
大きなスコップを片手に溝切り部隊に加わりました。
……が、当然子どもには難しく
すぐにツボ刈り部隊へ。
子どもたち、鎌を手に、しっかり働いています!
でもよく見ると、みんなで頭を突き合わせて
虫を探していました~~~!
I君のお兄ちゃん、一番右の少年は虫博士。
虫を見て、「あ、これは足が2本取れちゃってるなぁ」と言ってみたり
「節足動物っていうのはね……」と小さな子たちに教えてみたり。
女の子たちも虫を怖がったりすることなく、
草が茂ったところにもどんどん入っていきます。
たくましい!
午後は、キツネの巣穴探検に行きました。
うっかり写真を撮り忘れてしまいましたが、
草で覆われた巣穴はもうキツネが住んでいない様子。
それでもたくさんある巣穴に子どもたちは大興奮。
でも、遊んでいただけではありません。
周辺に生えているツルマメをせっせと抜いてくれました。
みんなでしばしツルマメと格闘。
子どもたちもすぐに見分けられるようになり
競って、根っこから抜く努力をしてくれました。
子どもたちは海で遊んだことがないというので、
防潮堤を越えて海に行くことに。
それまで虫などを怖がらなかった子どもたちが
「でも海って怖いんだよね~」と急に言い出しました。
津波が来たことを周囲の大人から聞いているから?
波にさらわれるのではないかと怖いのかな??
そんなことを思っていたら
「海には危険生物がいっぱいいるんだよ。
カツオノエボシは海に入らなくても海岸に打ち上げられている
こともあるからすごい危ないんだよ」と虫博士。
子どもたちは図鑑などでたくさんの知識を得ているのですね。
すごいなぁ~。
きれいな貝殻を拾いながら波打ち際へ。
長いこと波と戯れていました。
この後、大きな波が来た時、逃げ遅れた何人かは
長靴の中に水が入ってしまいます(笑)
海水が入った長靴でもなんのその!
一番のちびっこは、海の大きな落とし物と力比べ。
何でも楽しいってすばらしい!
この日、終わりの会で彼に感想を言ってもらいたくて
事前に「みんなの前で今日楽しかったこと、お話しできる?」と
確認すると、ちょっと困った顔になったので断念。
しかし、各社の皆さんがみんなの前で感想を述べているのを見て
自ら前に歩いてきてお話をしてくれました。
「一番好きな遊びは、海で遊ぶことです!!」
溝切りやツルマメ取りに汗を流した
大人の皆さんから笑いがもれました。
子ども係、長靴は濡らしましたが、
迷子を出すことなく、ケガをさせることもなく
「もう来たくない」と言わせることもなく
無事に任務終了!
最後までずっと楽しそうな笑顔を振りまいてくれた
子どもたちに感謝です。
溝切り ~7月20日参加者と、これから来てくださる皆様へ~
7月20日のボランティアの日、約160名の参加者。
つぼ刈り隊、ツルマメ抜き取り隊も編成し、70haの2巡目の草刈りも始めましたが、
多くの方に「溝切り」に当たっていただきました。ありがとうございました。
詳しくは続報されますが、掘った排水路の総距離を測り間違えたかもしれないので、
7月21日に確認に行きました。
結果は、2Lサイズ本線270m!
*2Lサイズ=堀上1m×深さ70㎝×堀底50cm
*Lサイズの支線も同じぐらいの距離を掘ったでしょう。
一日でこんなに掘ったことはありません。
「花壇自動車大学校98名の150mには届かないだろうね」と思っていましたが、なんのなんの。
それにしても、年1回来てくださる東京の建設業「柿崎組」チーム40名の力は大きかった。
惚れ惚れしてしまう、怒涛のような仕事っぷり。
あと35m北まで掘り進めると、当初工事で掘り、その後、埋まってしまった
2Lサイズの東西溝「跡」40mにつながり、
それを掘りなおすと、遊水地につながる排水の大動脈としてつながります。
お盆前には必ずそこまで完成させ、9月からの多雨に間に合わせたいです。
日曜日なのに、指導者で松島森林総合の佐々木勝義さんも確認に来てくれました。
「その次は、防潮堤裾の作業道沿い、3Lサイズ排水路跡の掘りなおしだね」
「ほとんど堀だから、橋も架けよう」などと確認しました。
*3Lサイズとは堀上1m×深さ70㎝×堀底60㎝クラスを予定。
まずはそこまで完成すると、一番最近の2018年、約4haの多湿地に植えられ苦しんでいる苗木
約2万本は、目前の難から逃れることになります。
ここでの3月からの溝切りボランティアのバトンリレーは、まだ続きます。
われわれは「降った雨の8割は林床から排水する」という考え方で仕事を進めています。