ツルマメも食べればマツも食べる!
広報室の林です。
先日、学生ボランティアさんがツルマメを食べたことを報告していました。
2年ほど前、地元ボランティアの三浦さんがレポートしてくれた
ツルマメのお味をブログで紹介したこともありました。
私もなかなかおいしいと思いましたが、
やはり、小さすぎて食べた気がしないのが難点でしょうか。
ツルマメは「マメ」ですから食べようと思うのも分かりますが、
実はマツまで食べてしまう体験をしました。
(だいぶ前の話ですが……)
これまた貴重なものを差し入れてくれたのは
地元ボランティアの三浦さん。
以前から聞いていた「松皮餅」。
パッケージに確かにそう書いてあります。
食べてみましたがマツを食べている感じはせず
普通のおいしいあんこ餅でした!
パッケージの裏を見ると……ホントだ!
松皮と書いてあります。
アカマツの皮なのだとか。
秋田県で食べられているのだそう。
たくさん買ってきて冷凍しておいて持ってきてくださった三浦さん。
しかもこの日は午後からしか活動に参加できないとおっしゃっていたのに
朝この餅を届けるためにわざわざ現場まで来てくださいました!
いつもありがとうございます!
クロマツは食べられないのかなぁ~。
時々ネズミ?ウサギ??がマツの幹をかじった跡がありますが、
被害が広がらないのは彼らにとってあまりおいしいものではないからかも。
味に期待はできないかもしれませんが、ちょっとだけ味見をしてみたいものです。
滞水改善のため、大阪ガス労組20名による溝補修
10月20日、宮城県名取市にて東日本大震災復興海岸林再生プロジェクトを担うオイスカの現場に参加しました。 黒松は地中に水が多すぎると根腐れをするということで、排水溝を整備されています。 土壌は砂ですので、雨で崩れたり、草で目詰まりが発生するということで補修作業をしました。 作業自体は3時間程度で短かったのですが、体力が持たずたびたび休憩もかさね何とか、 100m?程度の補修ができました。 少しでも未来のクロマツ林再生に役に立てていればいいです。 大阪ガス労働組合 姫路支部 内海皆さん、ありがとうございました! 溝補修総距離数は短くても、少なくとも1.5ha、7,500本に対する直接的なお世話。 10月12・13日の台風19号で304㎜降り、18日に49㎜降り、 皆さんがいらした2日後に41㎜、25日に119.5㎜・・・ 雨が降ったあと、勾配が上手についていて、水がスイスイ流れていました。見せたかったです。 やっぱり、ガス会社は穴掘り上手! 「募金11,293円」もありがとうございました。 大阪マラソンチャリティーランナー募金から入金いたしました。
解体 ~市内最後の仮設住宅も、育苗場の防風ネットも~
2011年6月から2019年3月まで使われた、美田園第一仮設住宅の解体が始まっています。
市内・近隣では、最後に残った仮設住宅と理解しています。
部材は丁寧に解体され、可能な限りリサイクルしているように見えました。
今年は2012年2月に耕起を開始し、名取市海岸に35万本のクロマツ苗を出荷した
育苗場も、この12月末で返還予定。いま、防風ネット用の単管パイプを解体中。
育苗場の支柱がなくなると、残るは第一育苗場の看板とトイレだけ。
「(海沿いの重塩害ゾーンなので)錆がすごく、KURE-550使っても、なかなか外せない」
「ボルトが錆びてるので、途中で折れることもある」
「(普段にない姿勢で難儀な仕事するから)腰が痛い・・・」と再生の会の皆さん。
この防風ネットは、2012年の3月2・3日、積もった雪の中、再生の会とともに
前田建設社員30名がボランティア活動で、資機材一切も同社の協力で設置しました。
ボランティアとしては、記録的にエキサイティングな作業でした。
約2ヵ月後、育苗場のお披露目式に来てくださった小原社長の第一声、
陣頭指揮した秋山課長を横に、一目見て・・・
「曲がってる!!」
これも忘れられない一言。
私にとって、この8年半の名ゼリフの一つです。
「10年後は解体して更地にする」と社員さんに説明しながら作業しましたが、
とうとうこの日が来ました。解体した部材で使えるものは、
いまの事務所でも引き続き使っています。
来年は津波から10年目。国の復興支援事業も終わりです。
10月のいきもの ~なんだ?このキノコは~
この秋、たくさん見かけるキノコ。ホコリダケ??でしょうか??
先日の踏査では、名取市海岸林の北半分、2016~18年植栽地全域で見つけました。
ホコリダケだとしたら、毒キノコではないようですね。
「成熟すると色が褐色に変色し、頭部の中央部に穴があいて、そこから胞子が飛び出します」と書いてあります。
たしかにその通り。成熟したものを2.3個見つけ、突っついてみたら黄色っぽい胞子を出しました。
この1か月、2014年・2015年の現場は林内を縫うように歩く・・・というのはやっていません。
ここは樹高もあり、キノコの種類も豊富。
今週末以降、11月はモニタリング調査や、年1回の写真管理の時期。縫って歩く時間が増えます。
引き続き、キノコにも注目します。みんなにも協力願って。
ところで、11月16日のボランティアの日、ぜんぜん人が足りません・・・
リピーター限定としていますが「2回目以降はリピーター」(笑)
モニタリング調査やゴミ拾いなどをと考えてます。ぜひ、ご参加ください。
立役者 ~UAゼンセン本部の浅山さんについて~
UAゼンセン本部の「海岸林担当」として頑張ってくださった浅山さんが静岡県支部に異動となりました。リーダー一人の考え方、説明力、行動ってどういうことか、考えさせられる人でした。私にとって、海岸林の仕事の最大の財産は、人間味と感性にあふれる多くの方との出会い。その一人一人、多くの力のおかげで、いまがあります。
振り返ってみると、はじめてお目にかかったのは3年前。当時まで、UAゼンセンのボランティアは募集定員割れが多かったです。しかし、激変。即刻倍増させた理由は何だったのか考えてきました。彼は自分がやっている仕事は一体何なのか、ニコニコと笑顔で嫌味なくサラッと語っていました。自分事としてモノをとらえる姿に理由があると思っていました。各単組の人とのコミュニケーション力、本部内職員を巻き込む力、様々なことを自分事ととらえる資質・・・一人の力って大きいとつくづく思います。UAゼンセンって何? 労働組合って何? なんのためにあるの? 「助け合い」という言葉が日常会話によく出てきました。 彼のやっていることをじっと見ているだけで、わかる気もします。本当にすごい人だなあと思います。彼が率いるチームが来ると、メンバーもメンバーですから、我々の雰囲気にも変化があります。なにせ明るい。類は友を呼ぶ。
「団結」とドデカく背中に書いてあるTシャツが似合っていました。私自身は、「大同団結」という言葉を高校時代に日本史で習って以来、事あるごとに思い出します。また、あの団結Tシャツを現場で見る日が来るとイイなと願います。新天地でも頑張ってください!まずは、静岡駅前で夜に会いましょう!
たくさん水を吐き出す排水口はどこ? ~透水性の悪い盛土箇所を考えてみた~
10月22日、オイスカ四国支部綾川推進協議会10名の視察対応前、
オタクの休日に、意図して雨の中で踏査するのは初めて。
「今月は過去10年の月間最多降水量更新」を前夜に確認して、
話し相手は誰もいないし、休日の使い方は、侘しく、あっさり決まり。
10月12日に台風19号の大雨が降り始め、10日経っても水が抜けない排水路は多数。
表面上は空堀でも、土の中は飽和状態と思われる盛土もある。
排水口まで水が来ないのは、水路の途中が崩れて詰まっているからという箇所もある。
台風19号の名取の総降水量は304.5㎜(10月12日だけで240㎜。1日雨量はデータがある過去17年の1位と僅差)そして、10月19日に48㎜。すでに、土の中は雨で飽和状態かもしれない。
まずは、「たくさん吐き出しているのは、どこの排水口なのか」を知りたかった。
とくに2014年のとくに成長が悪い箇所(名取3・4区)と、とくに成長が良い箇所
(1・2・5・6区)を比較したかった。ここはすべて公共工事による排水口です。
10月22日、夜明けから雨が降り始め、12時から実査開始。この時点で降水量17㎜。
三和ゲートから入ってすぐの2016年植栽地では、すでに音を立てて流れている。
問題の箇所へ向かう。
一つはっきりしたのは、成長が悪い場所では、この程度の雨でも、
音を立てて流れ出ているという共通点でした。
一方、成長も、透水性も良い、礫交じり土壌の場所では、排水口に流れはない。
成長の悪い場所と言うのは、多湿のほかにも要因はあると思う。
草すら生えない。倒伏も多い。落葉量が非常に多い。葉の色がパステルイエロー。
行政当局や、森林総研東北支所の人たちと来月以降も顔を合わせるので、意見交換します。
2時間見回って、スタート地点に戻ってきたら、作業道が遊水地化してきた・・・
溝切り、完成まで何年かかるかな・・・
そういえば昨日、ある場所で、水がらみのマニアックな工作物を見つけた。
逆サイフォン系??これを考えるのはあの人しかいないな。
*10月22日の降水量は41㎜でした。
オイスカ綾川推進協議会(香川県)10名の視察
仙台と四国には空路の直行便はなく、時間的に「遠い」県です。
「香川は災害がない」と言いますが、いやいや。渇水がよくありますね。
「四国は4%経済」と聞きますが、オイスカ内に関しては別。
会員数の全国シェアは25%近く。海岸林寄附者数は全国上位。
(宮城は寄附者数は全国一ですが、会員数は倍増も、いまだシェアは5%・・・)
10月11日にはオイスカ「四国のつどい」で小林省太アドバイザーと
浅野さんが活動報告をしたばかりです。私も2012年にマイクを持つ機会をいただき、
その後も2度、3度と四国巡業させていただいています。
四国支部は7つの支局的存在を持っています。そのなかのオイスカ四国研修センターの足元を
支えてくださっている、「綾川町推進協議会」10名が、5年ぶりに視察に来てくださいました。
普段から本当に一生懸命、国際協力をやってくださっている方たちばかり。
いつも宮城のことまで気にかけていただいて。本当にありがたい。
強い雨。農村地帯の方たち。どんな経路にしようか・・・
お昼前から現場にいましたが、足元は最悪。雨風ともに止む気配なく、
バスの運転手さんにスローで走ってもらうようにお願いし、完全車中からの見学に決定。
復興事業で作られた「1町歩田んぼ」など農地ど真ん中を通って、閖上にも足を延ばし。
今日は即位の礼。最後は、天皇皇后両陛下の名取訪問の際の御歌の石碑へ。
閖上の慰霊碑前に新しく建てられました。
一部で倒伏を確認 ~台風19号の影響を調査~
10月20日~22日、雨続きでもあり、朝駆け夜駆けの細切れの時間を駆使しながら、
100haのほぼ全域を見渡しました。
台風通過後の吹き返しによる北風が強かったと思われます。
作業道は「風道」になりますね。佐々木勝義さんがハギの木が好きで残しているのですが、
そのうち何本かは、決まって南側に向かって根元で折れていました。
2017年植栽地の西側低地約10haで、まだ樹高1mに達しないクロマツの、南側への倒伏が目立ちました。
その際、根が切られた模様。緑色の葉が白色化。ですが、生き残る可能性はあると思います。
去年の台風後も2014年植栽地の名取3・4区で、南に向いて倒れる例が多かったことを思い出しました。
台風来襲の降り始めは当然南方向からの風。まだ土壌は安定しています。
しかし、多湿地帯では根が十分な量育っておらず、大雨でゼリー状になると強風に弱いのでしょう。
と言っても、仕様書より100本多い5,100本/haの植付から考えると、大勢に影響なし。
たとえ、もう少し倒れていたとしても、まったく大丈夫というレベル。
今度雨が降っていないとき、スス病の調査と合わせてもう少し調べてみます。
何より多湿を改善することが、すべてに通じると思いました。
ここはまだ溝切りを着手できていない場所です。
台風19号後の初実踏(10月20日)~被害調査と溝切りの効果確認など~
大崎市のオイスカ会員さん何人かと電話で話しましたが、宮城県内の被害は知れば知るほど大きなものとなっています。台風で被害にあわれた多くの皆様に、心からお見舞い申し上げます。
台風前日に東京の自宅に急いで帰って以来、1週間ぶりに名取に戻りました。再生の会メンバーの皆さんはとくに被害はなく、まず、美田園駅のホームにいた職員さんから、「この近所では刈り取った稲わらが水路を防いで冠水した道がある」(名取事務所から5分もかからない場所)と伺い、オイスカ会員の大槻さんは、ご自宅がほんの少し浸水したと聞きました。「うちの横はちいさ~い水路なんだよ。それなのに・・・道路の泥掻きが大変だった」と。一方、駅からの道や名取事務所は異常なし。
翌10月20日の朝、現場北半分をざっと概観し、冠水しそうな場所や、台風の後、防風垣が倒される場所を見に行きましたが、問題なし。クロマツの先端の折れもなし。南半分は今日このあと見に行きますが。
台風で300㎜降った後、10月19日にも雨が降りました。その翌日に見たのに表面上の滞水箇所がない。やはり、溝切りの効果です。しかし、問題は土の中。2,3週間排水溝に水があるとなると、その水面の高さまで土の中に水があるということ。まだまだ溝切りは、まったく道半ば。2年、3年とかけて、排水路づくりを進めます。去年はクロマツが浮かぶ池だったことを思えば、今期の成果は道半ばとはいえ、上出来。
ところで、今年は何m掘ったのだろう。名取の現場では、ヘクタールあたり何mの排水路が妥当なのだろう。土壌にもよります。時間を見つけてこつこつ計ってみたいと思います。論文を書くのではないので、あくまでも現場ベースで必要なことだけ、正確に調べます。あらためて、雨から2,3週間後の排水路の滞水状況に注目してみようと思います。また、掘る前と掘った後の成長具合は、現物を見ればわかるし、測ればいい。
11月のボランティアの日、みんなで調べてもらうのも良いかも。
考えておきます。
cf. UAゼンセン静岡県支部に転勤した浅山さんへ。過去最大サイズの溝の「浅山堀」、台風に対して完全に機能していました。浅山堀は、愛知県の大啓建設役員・社員の皆様はじめ、多くの皆さんが2年がかりで掘った箇所でしたが、名前が付くほど「トドメ」をさしたのが浅山さんをはじめとする8月3日のUAゼンセンチーム。約15,000本を守る、要の場所です。


10月20日、UAゼンセン大阪ガス労組20名が来てくれて、名取北高校野球部溝など300mぐらい補修してくれました。お帰りになった後、見に行ったら、浅山堀まで、ずっと流れてました。ありがとうございました!
10月5日のボランティアの日、ツルマメ繁茂エリアを
探して歩いている時のこと。
新しいキツネの巣を発見!
Eco-DRR研修に参加中の海外スタッフもいたため、
まずはメキシコのマルティンさんに「見たい?」と声をかけ、
見に連れていきました。戻ってくるとフィリピンのデルフィンさんから
「何サボってるの! ちゃんと仕事してください」と叱られたので
キツネの巣穴を発見したから、後でみんなを案内するのに
まずは2人で下見をしてきたことを伝えると、ニヤリ。
「デルフィンさんも見たいですよね」というとさらにうれしそうな顔に!
作業が終わってからグループの皆さんを案内することに。
さっきは気が付かなかったけど、同じ区画にもう一つ穴がありました!
中でしっかりとつながっているのでしょうね。
周囲の草の根っこが、あまり乾燥してなかったので
掘って間もない巣なのかなぁと思ってみたり。
海が近いから鳥が魚やカニなどを食べ、その食べ残しが
防潮堤などにもよく落ちているから、
キツネたちにとってはえさには困らない場所だと思うと
説明をすると、「生物の多様性が育まれてるね~」との声も。
もちろん、この日キツネの姿は見られませんでしたが、
海外から来ているスタッフにも、この森が減災・防災機能を持った
インフラとしてだけではなく、動物の住処としても機能していることを
見てもらえたし、リピーターの方の中にも「初めて見た!」と
喜んでくださる方もいて、ちょっとうれしい発見となりました。