海岸林担当の鈴木です。

ご近所の家のジャスミンがとても芳しい香を放っていました。
1週間前には固いつぼみだったのですが、淡いピンクの花を咲かせ、心を和ませてくれました。

 

ジャスミン

ジャスミン

先日、NHKラジオの「子ども科学電話相談」を聞いていたところ、
「花はどうしてきれいな色をしているの?」
という男の子からの質問がありました。
改めて、「どうしてきれいな色をしているの?」と言われて考えた答えは
「人の目を楽しませるため」と思ったのですが、植物学的には、

「きれいな色をしていることで、虫に見つけてもらいやすくなり、花粉を運んでもらうため」

植物専門の先生がそう回答していました。子孫を残すためなのですね。一方で、ブタクサなど緑色で目立たない花は風で花粉を運んでもらうため、目立つ色でなくていいのだそうです。

では、クロマツはどうだろう?

在宅勤務で名取のクロマツの写真がなく、近所で撮りました。

いま頃、名取でも頂芽が伸び始め、こんな風になっているでしょう。在宅勤務で名取のクロマツの写真がなく、近所で撮りました。


風で運んでもらっているのかな?
風で運んでもらっているならば、雌花は頂芽のてっぺんについていて、雄花は離れた下の方についているのはなぜだろう?
雄花が上にあった方が飛びやすいのではないだろうか・・・??

ネットの画像をお借りしました

ネットの画像をお借りしました


手前が雌花。下の茶色が雄花。ネットの写真より。

手前が雌花。下の茶色が雄花。ネットの写真より。

緑化技術顧問の清藤先生に伺ってみよう!すぐにお返事くださいました。

*************

「樹木はほとんど風です。風を利用して花粉を飛ばし受粉受精しています。マツの花粉は2つの羽根(花粉胞)を持っていて、かなりの距離を稼いで受粉します。なぜ雌花が上で、下に雄花か、その理由は、自家受粉による自家不稔を防ぐためです。花粉の落下で受粉しないように。樹木はほとんど他家受粉、すなわち他の花粉をもらって受精して種子をつくります。
もちろん、自家受精でごくわずか種子も出来る場合がありますが、中身のない種子、発芽して枯れる、以上な形態の苗・樹木ができます。マツは99%が他家受精で子どもをつくっています。ですから、樹木は自由恋愛をかなり謳歌している植物ということで、貞淑なカップルの植物ではありませんね。ちなみに、男知らずの植物もあるのですよ。セイヨウタンポポ、ドクダミなどは処女生殖です。でも、日本のカントウタンポポなどは虫媒で他家受粉させてもらってゴールインです。
紹介お見合い結婚ですね。」

*************

おぉ!
マツは自由恋愛をかなり謳歌している植物なのか!!
こんな見方をしたことがなかったので、かなり新鮮でおもしろいです。

樹木がほとんど風で花粉を飛ばすということは、風の強い海岸沿いに植えられるということは、マツが子孫を残すという意味ではかなりプラスということになるのでは?6月ごろになると、あの海岸林の一帯は、結婚相手を探してさまよう花粉だらけなのか~

マツオタクには程遠いなぁと改めて思います。

雌花

雌花


ネットの写真より

ネットの写真より

新入りの捕物を拝見

2020年4月26日( カテゴリー: いきもの, オタクの休日 )

4月11日の宮城出張最終日、オタクの休日。

新入り

新入り

お手並みをのんびり拝見できました。

こっちに来ました

こっちに来ました


口からなんか垂れてます(笑)

口からなんか垂れてます(笑)

彼女も我々の作業道を利用。両脇の溝に注意が行っています。

ネズミを探しています

ネズミを探しています


耳を澄まして

耳を澄まして


溝の上から狙ってます

溝の上から狙ってます


キジがびっくりして逃げました。(そんなに近くにいたのか。こっちもびっくり)

キジがびっくりして逃げました。(そんなに近くにいたのか。こっちもびっくり)


なにやってるの?

なにやってるの?


寝てます

寝てます

こんな繰り返し。僕が2mぐらいの距離にいても逃げない。

ビデオに切り替えて目の前で撮影したとき、捕物を撮影できましたが、失敗。

我々にはわからなくても、盛土下の溝にネズミがたくさんいることが今回よくわかりました。

育苗場のいま

2020年4月25日( カテゴリー: 現場レポート )

名取市海岸林再生の会のみなさんは、変わらず元気です。

春の育苗場の管理を粛々と進めてくださっています。

20200407_151348

今年の10月には、ほとんどなくなります


枯損苗の処分。今年はこれだけ。

枯損苗の処分。今年はこれだけ。


雨と雨の間を見計らって散水

雨と雨の間を見計らって散水


DSCN3969

ぶれない皆さんです。


鈴木会長。ご自身が関わる会社「名取北釜ファーム」にて。このカブ、お土産にいただきました。

鈴木会長。ご自身が関わる会社「名取北釜ファーム」にて。 このカブ、お土産にいただきました。

昨日、一昨日のブログに関連して報告します。

北釜集落の一部、旧宅地・乗馬場跡が新たに保安林として指定されたのに伴い、

今春は1.57ha、秋は2.18ha植栽します。

北釜地区工事図面。上が北。2015年植栽地に続きます。右は東、太平洋。左は空港方面。中央の白抜きがクロマツ残存林。今期の植栽地は赤。A~Gブロックに区分されています。

北釜地区工事図面。上が北。2015年植栽地に続きます。右は東、太平洋。左は空港方面。中央の白抜きがクロマツ残存林。今期の植栽地は赤。A~Gブロックに区分されています。

下記が秋の植栽地です。

ブロックG:0.05ha

ブロックG:0.05ha


昨日お伝えした残存林から、空港方面を望む。緑のフェンスの手前の盛土工事個所が再生の会副会長のご自宅跡。ブロックF:0.1ha

昨日お伝えした残存林から、空港方面を望む。緑のフェンスの手前の盛土工事個所が再生の会副会長のご自宅跡。ブロックF:0.1ha


ブロックE:0.16ha

ブロックE:0.16ha


ブロックD:0.53ha

ブロックD:0.53ha

ブロックB:1.34ha

ブロックB:1.34ha

ブロックがたくさんでややこしい説明ですみません。

現実はそんなに難しくありません。

先日、鍵をイタズラされた空港真東の北釜ゲートの近くのクロマツ残存林2haには、2019年5月に樹下植栽のため密度を落とし、3,000本/haとして合計6,000本植えてあります。篠竹がびっしりで、オイスカの予算で地拵え。地力は十分ありすぎと見て、施肥はせず。

津波に耐えた、あの大きなマツの下です

津波に耐えた、あの大きなマツの下です


「できたらあそこ、調査プロット作ってみて」(清藤参事)、「人工盛土でもなく、haあたりの本数を減らしてみたしなぁ」(佐々木統括)、「自然砂丘は根の生育も良い」「宮城は自然砂丘の調査地が少ないかも」(某専門家)→あちこち聞いてみたら、その通りでした。
「調査も大変だから、これ以上調査地を増やしたくないなあ・・・」(吉田)と思いながらも、3月28日の有志による軽作業として、No.27のプロットを作りました。そのすぐ東は、2020年5月植栽予定地。コロナ明け、No.28を設置します。これで最後でしょう。
杭打ち、樹高・根元径の計測、記帳などを手伝ってもらいました。

杭打ち、樹高・根元径の計測、記帳などを手伝ってもらいました。


ここは数年の間、プロによる年2回刈り必須。篠竹ですから。放置したら3mになります。

ここは数年の間、プロによる年2回刈り必須。篠竹ですから。放置したら3mになります。


この自然砂丘は、2011年9月末、清藤参事をはじめオイスカ調査隊で計測したところ、一番高いところで6m。震災前は、マツクイムシ被害などで「かなり疎林」だったと思います。おそらく合計1,000本(2ha)以下だったのでは。本来は合計2,000本(2ha)程度が妥当ですが。自然砂丘ゆえ根がしっかりしていますから、津波が来ても半分は残ったと思います。しかし、その後、海水を被ったことにより赤枯れ、弱体化し、病虫害にも犯され続けました。今も生きている残存クロマツは合計200本(2ha)。強い個体かもしれませんね。
以前、森林簿を見たところ所有者は個人多数。樹齢もまちまち。100年あまり。いまは、復興税で買い上げられ、市有林になりました。去年6,000本を植えた結果、いま2,3本しか枯れていないと思います。
ここは、海砂自然砂丘と人工盛土との比較や、3,000本/ha植えと5,000本/ha植えとの比較ができます。また将来、地中レーダでの「根」の調査にも良いと思います。
この残存林を360度ぐるっと囲むように2020年度の植栽を春秋で行います。

この残存林を360度ぐるっと囲むように2020年度の植栽を春秋で行います。


マツと一緒にこれも

マツと一緒にこれも


ゴミをまとめて捨てる人はここに来ます。産廃も。

ゴミをまとめて捨てる人はここに来ます。産廃も。


猛禽類はここに来ればすぐ見れます。

猛禽類はここに来ればすぐ見れます。

和み

2020年4月22日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
しばらく出勤を控え、おこもり生活のため、外に出るのは子ども達と家の前でバトミントンや縄跳びをする時と食料品を買いにいく時くらい。
バトミントンの羽根がご高齢のご夫婦でお住まいのお隣の敷地内に入ってしまいました。
ピンポンを押すと出てきてくださり、
「あなたたちが外で遊んでいる声がすると嬉しくなるのよ!誰も来る人はいないし、外にも出られないから」
と言って喜んでくださっていました。
ワイワイ言いながらバトミントンをしているのがカーテン越しに見えるのでしょう。
こんな姿が元気を与えることになっていたとは思わず、あたたかい気持ちになりました。
食料品の買い物は短時間で一度にと思い、開店直後の空いている時間を狙って行くも、すでに50人ほどの開店待ち;
買い物をするのにも覚悟が要ります。
家の中では、仕事の傍ら、趣味のお菓子づくり、大量の出番待ちの布を使って洋裁などをして楽しんでいるので、全く苦ではありません。
もともと家で過ごす時間が好きなのです。
そんなこんなで、近所を散歩することもなく、ごくごく狭い範囲で生活していました。
が、個人情報を扱う仕事をしなければならず、久しぶりに出勤しました。
家から出るのは覚悟が要ります;
歩きなれている徒歩通勤の途上、久し振りに歩いてみると、芽吹きの季節を感じさせる花々に出会いました。

ナニワイバラ

ナニワイバラ


銀杏の芽吹き

銀杏の芽吹き


サツキ

サツキ


モッコウバラ

モッコウバラ


コデマリ

コデマリ


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ナニワイバラ、サツキ、モッコウバラ、銀杏の芽吹き、大好きなコデマリ・・・
春の花の季節に明るい気持ちになりました。人間たちの騒動には無縁の植物にほっとします。
東京本部で育てているクロマツの苗も春の暖かさで頂芽を大きいものは8センチほど伸ばしています。
この春、名取の海岸林に植栽する予定でしたが、移動が制限されている状況のため、秋まで植栽の時を待つことになりました。
もうしばらくここで成長を見守っていきます。
KIMG1150
植物たちは本当に健気ですね。
ご夫婦で医療関係に従事する友人が
「週末に家族で笑顔で食卓を囲めることが本当にありがたい」と言っていました。
出勤を制限することができる仕事であることは本当にありがたいことで、この情勢下でお仕事してくださっている方々に感謝の気持ちです。
感謝の気持ちを行動で示すには「家にいること。人との接触を避けること」だと思います。
そして、感謝の気持ちを表現すること
「心からのありがとう」

今春の植栽地は、空港の真東の北釜地区1.57ha。

もともとは乗馬場。今回、新しく保安林になるため、協定面積に新規追加されます。

空港横のゲートの手前左側です。右側はまだ工事中。秋に植えます。

空港横のゲートの手前左側です。右側はまだ工事中。秋に植えます。


右は2018年植樹祭。左がブロックA:1.47ha。

右は2018年植樹祭。左がブロックA:1.47ha。


奥は2015年植栽地。広葉樹も近くに植えてあります。手前はブロックC:0.08ha

奥は2015年植栽地。広葉樹も近くに植えてあります。手前はブロックC:0.08ha

連休明けには始まりますし、数日で終わりますが施肥もします。(東京本部はコロナで立ち会えないかも)

工事の方たちの中には2014年植栽地の盛土工事以来、知っている人もいます。

丁寧に仕上げてくださりました。周囲のゴミも拾ってくれていました。

よく出来た法面と排水口。奥は2015年植樹祭の場所。

よく出来た法面と排水口。奥は2015年植樹祭の場所。


なんとなく、雑草はあまり出てこない気がします

なんとなく、雑草はあまり出てこない気がします

ご尽力いただいた皆様、ありがとうございます!引き続きよろしくお願いします。

馬も人も犠牲になった場所ということ、忘れないようにします。

3月末のオタクの休日、「愛林碑」がどうなっているか確かめに、しばらく遠慮していた高潮対策護岸工事現場に入らせていただきました。普段は毎日工事で入れる雰囲気ではありません。場所は名取市海岸の中央、内陸側。貞山堀の赤い水門の近く。再生の会の櫻井副会長の畑から50m。今年もスイカ栽培の準備を始めていました。

工事関係者の方たちが、きちんとトラロープで囲って、管理してくださっていました。

DSCN3749

久しぶりにちゃんと見ました

久しぶりにちゃんと見ました


国有林内。地盤沈下もしているので、海岸林としての復旧は断念されています。

国有林内。地盤沈下もしているので、海岸林としての復旧は断念されています。

この石碑については、元日経新聞論説委員の小林省太さんの「よみがえれ!海岸林」でも重きを置いて記述され、我々のブログでも過去多数。

「よみがえれ!海岸林」(2020年3月発行)

海岸林ブログ(2012年10月):「愛林碑」が見つかった時

今年は、広浦沿い海岸林の盛土下に、県の自転車道工事が本格化する模様。「愛林碑」とともに、閖上に近い広浦沿い海岸林盛土の下に水に浸かって倒伏したままの「大正天皇即位記念植林碑」を修復する機会になるといいですねと、3月末、4月初旬の市農林水産課職員の皆さんとともに、リマインドしました。

海岸林ブログ(2016年8月):大禮(大正)記念植樹碑 津波で流された先でようやく発見

海岸林ブログ(2016年4月):名取市海岸林の歴史調査について(東北学院大学 菊池慶子教授)

左上が三和ゲート。これが「愛林碑」当時の造林の跡。説明すると長くなる・・・ここは昔から高潮の被害地だったそうです

左上が三和ゲート。これが「愛林碑」当時の造林の跡。説明すると長くなる・・・ここは昔から高潮の被害地だったそうです

来年の5月頃、再生の会の皆さんは、どこに令和の愛林碑を建てるのかな?

ことしの冬は記録的暖冬と言われていますが、降水量は例年と比べ、特徴的なものはありません。

例年のように乾燥続きだったにも関わらず、4月1日に32㎜という大雨が降った結果、10日たっても全長1㎞の遊水地はまだ水が残っています。巡視一つとっても、作業道として使えません。でも、掘り下げてくださっていなければ相当枯れたと思います。

サイクリング道内遊水地

サイクリング道内遊水地


もう一本の遊水地。何かがいます。

もう一本の遊水地。何かがいます。


望遠で見ると。

望遠で見ると。


DSCN4293

大はしゃぎしています


子どもかな?

子どもかな?

3月28日のボランティアの日、じつは、ごくごく内輪で軽作業しました。その一つがゴミ拾い。
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実質1年で100袋になりました。あんまりたくさんやると申し訳ないので短時間を何回も。もう慣れてきました。拾った後も、市のクリーン対策課の若い方(この春、異動してしまいました)や清掃公社の方たちがが、いつも迅速に対応してくださります。
盛土工事をやってる地元建設業者の職人さんたちも、自主的に拾ってくれています。聞かなくても、事務所の裏なんかにまとめてあるのでわかります。個人で一人で拾っているのも見たことあるし、大学生からどうすれば清掃活動ができるか、問い合わせもありました。浜ではいろんな団体も拾っています。
拾った後、10日間ぐらいはきれいです。でもすぐに・・・
4月7日には、名取市海岸林再生の会の櫻井副会長の旧宅(現在盛土工事中)から20m先には、まだ使えそうな洗濯機など家電3台が投げられてましたし、甘酒缶と栄養剤セットも50本以上。
DSCN3782
 

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