広報室の林です。
今日は、ボランティアの日にいつも来てくれる
IBEXのみなさんをご紹介。
と、その前に……
昨年6月、海外で森づくりに取り組む子どもたちが
「子供の森」計画こども親善大使として現場を訪れた際、
IBEXのご厚意で、子どもたちは航空教室に参加させてもらいました。
これがその時の写真。
左の2人がパプアニューギニア、右の2人がスリランカの子どもたち。
(親子ほど体の大きさが違いますが……)
お世話になったIBEXのTさんにパプアニューギニアの
子どもたちが帽子をプレゼント。
以来、Tさんはボランティアに来る時に必ずその帽子をかぶってくるようになりました。
その帽子というのは、パプアニューギニアの国旗をモチーフにしたもの。
極楽鳥が描かれたこの国旗、パプアニューギニアの人たちは
ありとあらゆるものにこのデザインを使います。
シャツ、ブラウス、ワンピース、バッグ等々。
そして今回も、パプアニューギニア帽子をかぶってやってきたTさんを
パプアニューギニアの荏原駐在代表親子と引き合わせ記念撮影!
ご実家がある愛知県からIBEX機で現場にきたミャンマーの小杉駐在代表とも
現場で写真撮影をしていた皆さん。
この日、皆さん長靴を履いていなかったのですが、
すてきなスニーカーが泥だらけになるのもいとわず、
溝切りに汗を流してくれました。
IBEXの飛行機が着陸態勢に入り、松林の上を飛んでいきます。
みんな作業の手を休め、「お~い」と飛行機に向かって手を振っていました。
溝が完成!!
水が流れ出したのですが、ほかの溝より水の勢いがないことを知り
スコップで水を押し出して流しています……
ラジオの取材を受けたTさんが
「離着陸時に海からの強風が吹くと航空機の安全な運航にも影響がある。
海岸林を育てることは自分たちの仕事にもつながっている」と
ボランティアに参加し続ける理由を語っていました。
以前、海霧のことを話してくれた副操縦士さんもいました。
IBEXのボランティアの皆さんは、
海岸林の存在意義を最もよく理解してくれているチームの一つ。
午前中に仕事をして、午後はお休みを取って駆け付けてくれる皆さん。
本当にいつもありがとうございます!!
以下、写真を張り付けるだけ貼り付けましたが、鳥のMさんに続き、以前ボランティアに来てくださったS化学のOさんが「種類を見分けてくれる」と名乗りを上げてくださりました。労組のTさん、仲立ちをありがとうございます。名取の海岸林は運のよいことに国の生物多様性調査が行われていますが、キノコは調査対象外で、各研究機関などが周辺で調査している情報も入らないため、せめて簡単な記録だけは残したいと思いました。
名取市海岸林再生の会の育苗場の近くにはマツ林がかつてあり、津波で菌根菌は死滅せず、苗畑のクロマツには自然とたくさん菌根菌が付着しました。したがって、名取の海岸林の無機質土壌の人工盛土に菌が広がりクロマツの生長を助けると思います。
今年は「キノコをしっかり調べよう」と思っていたのにコロナ渦。張り切って本も買ったのに。オイスカ海岸林チームには「表と裏の写真を」と頼んだら、やはり複数の目。たくさん見つけました。買った本で「同定」に挑戦しましたが、下記キャプションをご覧の通り、「不明」連発。ご多忙だろうOさん、急ぎませんので、お付き合いいただきますよう、よろしくお願いします。それにしても思うのは、もっと探したい・・・
いま現場踏査で徹底したいことは盛りだくさん。①葛発生地図面化、②土壌のph調査(酸性化傾向にないか確認したく)、③名取3・4区排水溝増設プラン(大雨直後がよい)、④マツツマアカシンムシ・マツカレハなど害虫調査、⑤キノコ調査(もうまもなく春の発生シーズンが終わる)・・・もっと歩きたい! ですが、これから10日ほど東京本部です。
チチアワタケは、何者かに一口だけかじられていることも多かった。
新人職員、初の現場体験
皆さんこんにちは。
今年の4月にオイスカに入職しました、本部・海外事業部の碇谷です。
7月2日~7月4日の3日間で、今回初めて海岸林再生プロジェクトの現場に同行させていただきました。
今回は特に印象的だった溝切の作業について記載したいと思います。
7月4日(土)ボランティアの皆さんとの作業当日。
浅野さんのブログにも記載されているように、当日はあいにくの雨で活動は午後から行うことになりました。
午前中に吉田さんの現場視察に同行させてもらうと、大きな水たまりがあちらこちらに…。
「一部の盛土は排水が悪く、マツは水が多い場所と相性が悪いから改善が必要」
まさに言葉通りの光景に、早くなんとかしてあげたいという思いがこみ上げました。
当日の現場の様子を見て、今日何を最優先で行うべきかを最終的に判断する。
もちろん、“参加者の安全第一”で。
現場を視察しながら、午後に行う作業内容をあれこれと相談しながら的確に決めていく吉田さんと林さんの会話からは、そんな思いが強く感じられました。
視察を終え事務所に戻り、ボランティアの方々と顔合わせ。
ほとんどがリピーターの皆様。大先輩です。
足元の悪い中でもゴミ拾いと広葉樹の施肥を手際よく終え、いざ溝切の現場へ。
水たまりを見た瞬間に「あ~こりゃすごいなあ~」と、皆さんすぐさまスコップが動く動く……。
事前に打ち合わせでもされたんですか!?と思ってしまうくらい、各々が配置について掘り進めていきます。
あまりの手際の良さとスピード感に手を出せない新人職員。
色々ご指導いただきながらなんとか作業に参加。
自分の掘った部分にも水が流れてくるともう何とも言えない達成感。
「溝切作業を始めてからリピーターが増えた」という吉田さんの言葉にも大いに納得。
大変だけど、成果が目に見えて嬉しい……
「雨のおかげで、水の流れがわかってやりやすいね~」と、悪天候さえプラスにとらえる参加者の皆さん。
雨も強くなってきたため、この日の作業は終了。
車に乗り込む前に、溜まった雨水を利用して長靴や道具をしっかり綺麗にする姿を見て、皆さんにとっての「当たり前の習慣」でさえ、私からするとどれも本当に新鮮でした……。
木を植えて終わりではなく、ちゃんと生長させるために、苗木1本1本の状況や周りの環境を見て管理し、育てるということがこんなに大変だったなんて、いくら書面で読んだって映像を見たって、やっぱりやってみないとわからないんだな……と改めて実感することができた本当に貴重な機会でした。
今までこのプロジェクトに関わった多くの方々への感謝の気持ちを忘れることなく、私もオイスカの職員としてこれからできることを考え続け、取り組んでいきたいと思います。
広報室の倉本です。
昨年の8月24日のボランティアの日を最後に(この時、大阪マラソンの寄付を募りました)、久しく現場入りしていなかったのですが、ようやく今回7/2~4の日程で名取市を再訪することができました。
あいにく、楽しみにしていた7月4日(土)のボランティアの日は、雨のため、午後だけ半日の活動になってしまいましたが、宮城県内の参加者の中には、大阪マラソンの応援&ご支援をしてくださった方や、マラソンを走ったことを覚えてくださっていた方もいらっしゃって、とても嬉しかったです。当日、実はマラソンの時に着ていたチャリティランナーのTシャツを着ていたのですが、ヤッケで隠れてしまい少し残念に思っていたので、なおさら嬉しかったです。
久しぶりの現場はといえば、やはり全体的にマツが成長しているのを間近に感じることができ、場所によっては、以前より大きくなったというのもありますが、少し密度がみっちりしてきた気がする、という印象でした。近くに立つとさらに迫るように大きく感じるマツもたくさんあり、前はこんなに威圧感があったっけ、と驚くような気持ちにもなります。やっぱり写真や映像で見ただけでは分からない……

7月3日、オイスカスタッフだけで、成長の悪い広葉樹に施肥。後ろのマツが壁のようにぬっとした存在感でした
さて、この日の作業は、先日の浅野さんのブログにもある通り、ゴミ拾いと広葉樹エリアの草刈り・施肥、溝切。心配していた雨も昼過ぎにはほぼ止み、午後からしっかり作業に入ることができました。
そのような中でも、作業をすると、やはり手や足もとはびしょびしょになってしまいます。普通の綿の軍手だったら大変だったなあと思い、さくさくと作業を進める周りの方々を見てみると、さすが何度もボランティア経験のある方々は違いました。
前回のボランティアにも来て下さったというSさんは、通常の軍手でなく、今日のために用意したというゴム手袋を着用! 加えて雨がぱらつきはじめると、ランニング用のポンチョもさっとかぶっていました。
また他の方も、軍手の上に透明のビニール手袋をつけて簡易的に防水仕様にされていたりと、2016年のブログにもあった『雨の日の装い』のように、あちこちに工夫が見られました。
特に、私が気になったのは、オイスカの小杉ミャンマー駐在代表のキャップについていた洗濯ばさみ。

ゴミ拾い中のひとコマ。左端の小杉ミャンマー駐在代表のキャップのつばに洗濯ばさみがついています
何に使うのだろうと思い尋ねてみると、上着のフードを被る時、キャップのつばに止めて脱げないようにするためだそうです。確かにせっかくフードをかぶっても、風などですぐに取れてしまい、気が散ってしまうことがよくあります。なるほど、こんなにシンプルな方法で解決できるんだなあ…
何気ない工夫ではありますが、こうした準備は、作業に集中し、安全に行うためにも、また、自分自身のコンディションを保つためにも大事なことだと感じました。
雨の日だけでなく、真夏の暑い中での作業も同じですが、まずは自分の準備を万全にして、マツのお世話に取り掛かることが大事ですね。
次回の現場入りに活かそうと思います。
7月4日 ボランティアの日レポート
こんにちは、浅野です。7月2日~4日まで名取に出張していました。
今回の出張で3週連続のボランティアの日が終わりました!
7月4日の天気は雨…。前日の予報で午前は土砂降りとなっていたので、
参加予定者に連絡を取り午後からの開催となりました。
午後も小雨が降ったりやんだりの中、約20名のボランティアが作業に取り組んでくれました。
作業はまたしてもゴミ拾い。他には広葉樹の施肥と久々の溝切でした!
今回は前回までとは違い、植栽地南側のゴミ拾い。結果は燃えるゴミが18袋、燃えないゴミが⑦袋。
大量の甘酒の缶や花火のゴミも捨ててありました。まるでいたちごっこですね…。
広葉樹の施肥は成長の悪いものにだけ。
先週のブログにも書きましたが萌芽更新を繰り返すだけで全く上に伸びていないものもまだまだあります。
これで少しは植えに伸びてくれるといいのですが…。

施肥終了後、場所を移動して溝切へ。
今回、溝切をした名取4区という場所は2014年に植栽されたものの水はけが悪く、
ほとんど成長していないマツが多くあるところです。
元々水はけが悪いということもあり、ここ最近の雨で大量に水が溜まっていました。
溝切りの説明の後、初めての方には作業箇所を指示した吉田。
そのあと「リピーターの人は必要そうなところを考えて掘って!」との指示とも言えない指示があり、溝切開始。
さすがリピーターの皆さん。それぞれ必要そうなところに散っていきました。笑

今回のボランティアの日はオイスカミャンマー駐在代表の小杉氏とオイスカパプアニューギニア駐在代表の荏原氏とそのご子息、東京本部から広報室の倉本さんと新人の碇谷さんも来てくれていたので、詳しいことはそれぞれがブログに書いてくれるはずです!乞うご期待!!
本部・広報室の林です。
7月3日、ボランティアの日を前に震災遺構などを訪問。
仙台市荒浜小学校は、近くに県の海岸林植栽地があり、
以前そこを視察した時に小学校が見え、
その際に聞いた話をブログに書いたことがありましたが、
見学したのは初めてのことでした。
津波の恐ろしさや避難された方の当時の様子など
多くを知り、多くを学べる場所です。
その中でも私があらためて感じたのは、地域の人にとって
松林、クロマツは本当に身近だったのだということ。
展示の中にあった「ハッピーあらはま」の中にも
それが感じられるものが多くありました。
写真のA~Dを拡大し、紹介していきます。
まずAから。このハッピーあらはまの説明があります。
2014年度に荒浜小学校の5年生が荒浜の復興のために
アイディアを出し合って作ったものだそう。
C:こちらは松林アスレチック。
私にはない発想!! 楽しそう!!
子どもって頭が柔軟だなぁ~。
そして、自分たちで独り占めしない精神。
「子供も大人も遊べます」と書いてくれました。
大人も遊んでいいんだね、うれしいなぁ。
D:松林の機能についても書いてくれてありました。
「きのこを取ったり、海からの風や波を防ぎます」
子どもたちにとっても、「かつてあったもの」ではなく、
「これからの未来にもあり続けてもらいたいもの」なんだと嬉しく思いました。
それから、こんな展示も。
「夏の海水浴のにぎわい」
「美しい松林の風景」
拡大しても見えにくいのですが
「いつまでも残そう この松林」
と書いてあるようです。
子ども会の歌がありました。
「朝日をあびた 荒浜の 松の緑の 美しさ」
歌詞にも「松」が出てきますし、
そもそも会の名前に「若松」とついています!
昔の荒浜の様子を紹介した展示の中にもありました!
「松林の思い出」
地元の人からは必ず聞く「キノコとり」!
キンタケ、アミッコ(アミタケ)は特によく聞きます。
震災前の写真がありました。
荒浜のまちの部分を拡大してみます。
こんなに海の近くまで家が並んでいること、
そして家があるところは松林の幅が狭いことに驚きました。
海側から撮影した写真を見ても住宅のところは
海岸林が薄くなっているのが分かります。
それでもやっぱり松林に親しみを持って生活していたこと、
そして、地域の復興のためには欠かせない存在だと思っていることが
展示の中から感じられました。
私たちは海岸林の再生に取り組んでいますが、
コロナ禍の中、「再生」について考えさせられます。
コロナが落ち着いても、アフターコロナの社会は
変容を求められ「元の生活」にはきっと戻れないし、
もっとよくしていかなければいけないのだと思います。
海岸林の再生も「元の状態」にするのではなく
より強靭にしていかなければならないし、
そのためには地域の人たちの松林との付き合い方も
変容が求められるのかもしれない。
「再生」は「元通り」よりもっといい状態にすること。
さらには新しい価値観を創造することも必要なのかもしれないと
そんなことを考えさせられた震災遺構見学でした。
ボランティア再開も、すでに定員に達し、締め切らざるを得ない日が多数・・・
7 月 18 日 (土) 50名 つぼ刈り、ツルマメ草抜き取り、溝切り、ゴミ拾い 締め切りました!
8 月 1 日 (土) 50名 つぼ刈り、ツルマメ草抜き取り、溝切り、ゴミ拾い 募集中!※公募日追加しました
8 月 22 日 (土) 50名 つぼ刈り、ツルマメ草抜き取り、溝切り、ゴミ拾い 募集中!
9 月 12 日 (土) 50名 つぼ刈り、ツルマメ草抜き取り、溝切り、ゴミ拾い 締め切りました!
9 月 26 日 (土) 50名 つぼ刈り、ツルマメ草抜き取り、溝切り、ゴミ拾い 募集中!
10 月10 日 (土) 50名 、溝切り、ゴミ拾い 締め切りました!
11 月14 日 (土) リピーター50名 モニタリング、ゴミ拾い 募集中!
毎年年末年始に公募開始し、その直後から申込みいただいています。この盛況、ありがたいやら、申し訳ないやら・・・
コロナ対策として上限50名という縛りを設けたため、申し訳ないという気持ちが強いです。県外からのボランティア受け入れを再開したにもかかわらず、公募日の半分がすでに定員に達し、締め切らざるを得ない状況です。去年までは120人でも180人でも受け入れていたのですが。今年は異例の状況。大勢参加する法人支援者には、単独で別日実施をお願いしていますが、先々から予定して備えていた場合は変更してもらうわけには参りません。
そんな我々を応援してくれているのが難敵「ツルマメ」。今年は随分のんびりしています。待ってくれたみたいです。探さないと見つけられません。きっと、後半勝負となるんでしょう。
小林省太さんの出版計画について
「よみがえれ!海岸林」Vol.12の初稿が届きました。
私はいつも真っ先に拝見する機会をいただきますが、赤字を入れるような読み方をする必要はまったくありません。元日本経済新聞社論説委員の小林省太さんが、「あくまでも自分の責任で」という気持ちで書いてくださっています。これがプロという姿を間近で拝見しています。2018年7月以降、これまで11回の連載、初稿はいつも一人になって一気に拝読します。泣きはしませんが、毎回込み上げてくるものがあります。当時を思い出すのはもちろんですが、ご縁をありがたく思って。
「よみがえれ!海岸林」バックナンバー
小林さんとの出会いについては本文に記述がありますが、「海岸林再生プロジェクトの記録を残すということに力を貸していただきたい」とお願いをするなかで、相互理解に何度も時間をいただきました。佐々木統括を口説いた時と同じです。お願いの主旨は初っ端にお伝えしたと思いますが、神田小川町の居酒屋では、「吉田君は随分時間をかけるねー」と言わせてしまったり(笑) そして新聞社退職後の2016年4月、週1・2回東京本部で取材準備などの仕事をし、現場に年10回以上足を運んでいただく「海岸林チーム」に加わっていただきました。以後、最初の2年間は、先々を見据えた取材の積み重ねと、我々とまったく一緒に現場実務の日々。「僕はこのプロジェクトの正しさを証明したい」と言ってくださったことも覚えています。つい先週は「いろいろな所に行かせていただいたけど、その機会が役に立ったと思うねー」と小林さん。ただただ、光栄です。
今秋のVol.13が最終号になります。そして、小林さんは「将来を担う中高生にも読んでいただきたい」というコンセプトで、今年11月末ごろ出版を予定しています。「印税を寄付してもらったら」と言われたことがあります。ですが小林さんは「印税不要。その分定価を下げて、出来るだけ多くの方に手に取っていただきたい」とおっしゃっています。チーム海岸林一同、感激しています。したがって、オイスカへの寄付システムもありません。我々はそれを出来るだけ買い取り、少なくとも宮城県内の公共施設などに寄贈するなど、全国の海岸防災林の存在意義を伝え続けることに役立てたいという気持ちです。
先日のブログで浅野さんがお伝えした通り、東京本部では彼女はもちろん、鈴木和代さんが才能を遺憾なく発揮して、マツクイムシのメカニズム、海岸林の防災効果・・・など、およそ出版社編集担当並みの「名アシスタント」を務める日々が続いています。授業の参考図書にも使ってもらえるようなものになるでしょう。
震災から10年目。ありのままの事実と経過、確かな裏付けをもとにした、半永久的に役に立つ傑作になると思います。どうぞご期待ください。
出版後も、オイスカ拠点のほか各地でのご講演、活動報告会を続けていただきたいと思います。もし、機会があれば、オイスカ本部海岸林チームまでご相談ください。
広報室の林です。
先日、大日本山林会発行の会報『山林』の6月号に
東京大学名誉教授の太田猛彦先生が
「平成時代における治山事業の変遷」を
寄稿されているのを拝見しました。
http://www.sanrinkai.or.jp/bulletin/ (目次のみ)
治山事業における専門家の見解の違いから勃発した
バトル(笑)を太田先生らしい切り口で紹介しており、また、当プロジェクトを
評価してくださっている先生の言葉にも強く励まされました。
そのバトルの一つが東日本大震災後の海岸林再生における
樹種の選定でした。現在編集中の「よみがえれ!海岸林 Vol.12」
の中でも小林省太さんが触れていますが、当時は、「タブノキ」を
推す声があり、国の方針に則り、クロマツを植える準備をしていた
オイスカにもずいぶんいろいろな質問や意見が寄せられました。
(と、柔らかく表現しましたが、吉田は夢に見るほどストレスだったようです)
吉田も当時のことを、「振り返りブログ」に記録しています。
http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=2796
別にタブノキが悪いわけではないのですが、
私たちはやはり海岸にまず植えるのはクロマツと思っています。
オイスカでは、いずれクロマツが成長し、海岸林となったら
内陸側に広葉樹が自生することを想定し、その母樹となるよう
一部だけ広葉樹を植栽していています。
先日、ボランティアさんに草刈りをしてもらう前の下見の際、
吉田がこんなものを発見!!
広葉樹植栽エリアのタブノキの根元からクロマツが
ニョキニョキと伸びてきているのです!
もっと近づくと……
タブノキの根元に落ちた
クロマツの種子が伸びてきたのですね。
『山林』や『よみがえれ! 海岸林』でタブノキ論争を思い出していた
タイミングだったので、思わず浮かんだのが
「タブ VS クロマツ」対決
繰り返しますが、タブが悪いわけでも憎いわけでもありません。
ただ、「クロマツがんばれ~~~!」と
心の中で思っているのはなぜだろう(笑)
2本がどんな成長をしていくのか楽しみです。
いろいろなものに遭遇します。これが巡視の楽しみです。
でも、楽しいと思って共感してもらえないでしょうね・・・後々のため、生き物の記録も都度ブログに残すよう心がけているので、淡々と写真報告します。
林室長と現場にいるときに「あ、ハヤブサだ」と思って真剣万剣に叫んだら、カッコウでした。それ以来よく見るので、そのたびにボクらには「アッホー」って聞こえ、そのたびに室長にバカにされています。