いよいよ本に! –その2–

2020年9月10日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは 
海岸林担当の鈴木です。
昨日のつづき
小林さんが火だるまになりながら原稿執筆をしている横で、
近くでお尻を叩いていただけ!? まぁそんなようなものですが・・・
『よみがえれ!海岸林』を書籍にするにあたり、
「海岸林って必要なの?」
「何か効果があるの?」
「クロマツばっかりだけど、他の木じゃだめなの?」
など、素朴だけれど核心をついた質問に解答しようと、イラスト入りの解説ページを設けています。
どんなイラストが伝わりやすいか、イラスト内で伝える内容は何か?などを考え、イラストレーターさんとのやり取りを通じて、
あーでもないこーでもない、
こうした方がわかりやすい、
このイラストはもっと右にあった方がわかりやすい、
ここの表情は笑っていたほうがいい
などなど、細々した調整をしてイラストを完成させていきました。
イラストレーターさんは、いつもお世話になっているico.さん。
ico.さんは、こちらの要望を汲んで、どんぴしゃのイラストにしてくださるすごい方なので、なくてはならない存在です。
数種類のイラスト作成で苦労したのは、
○海岸林の防風効果は何キロ先まであるのか?
○海岸林を通り抜けると塩分減少率はどのくらいになるのか?
を調べること
まったくの専門外で、何を参考にすればいいのかすらわからない状態
手さぐりで論文を何本も読みました。最初のうちは、書いてあることの半分も理解できず、ちんぷんかんぷん。それでも、ガマンして読んでいると、何となくわかってくるものですね
やっと適当な論文を探し当て、イラストに反映させました。
でも、イラスト内で反映するのは「375」と「1500」たったこの2つの数字のみ。この数字の後ろに何十時間もの苦労が隠れています!
楽しかったのは、
松くい虫の被害拡大についてのイラスト制作!
こちらも訳が分からない論文を何本も読みました。
「マツノマダラカミキリ」と「マツノザイセンチュウ」の絶妙な共生ぶりに驚き、
「マツノマダラカミキリ」の蛹の芸術性の高さにまたまた驚き、
「マツノザイセンチュウ」10000匹を体の中にかかえた「マツノマダラカミキリ」を妄想して笑い、
驚きと笑いの連続でした。
でも、このたった1㎜の体長のセンチュウに感染して、枯れてしまうマツの大木を思うと、笑ってもいられず、深刻ですが・・・・・

触角がお腹のあたりで見事に渦巻いていることに芸術性の高さを感じてしまいました ~島根県HPより~

触角がお腹のあたりで見事に渦巻いていることに芸術性の高さを感じてしまいました
~島根県HPより~


そして、研究を続けたいのは
宮城県の海岸林は本当に伊達政宗が命じて作られたものなのか?
というギモン
いまのところそのような史実はないという説ですが、地理学に長けていたといわれる政宗が仙台市や名取市の海岸に立ち、農地を守るため、津波から命を守るために
「このあたりに雄松(クロマツ)を植えよ!」
と、本当に命じていたらかっこいいな~
と、これまた妄想しています。
何をどう調べたら、こんな史実は出てくるのだろうか??
このギモンにつまづき、「名取の海岸林史」をつくるのに相当な時間がかかってしまいました。
相当な時間がかかったものの、
これまで知らなかったことを知る楽しさを味わいました。
~ また明日へつづく ~

いよいよ本に! –その1–

2020年9月9日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは 海岸林担当の鈴木です。
しばらくのご無沙汰でした。
事務所の下の階に保育園があるのですが、ちょうど1歳児ちゃんのお部屋を見ることができます。
まだ歩くのもおぼつかない子もいて、見ているだけで幸せ気分です。窓際にいるベビちゃんたちに手を振り、癒されています。手を振り返してくれる子がいると、その日は一日幸せ気分です(^^♪ ・・・・このところの私の楽しみです。
前置きが長くなりました
ここしばらく、元日経新聞論説委員でオイスカアドバイザーの小林省太さんが執筆している冊子「よみがえれ!海岸林」の書籍発行のための準備にかかりっきりでした。
冊子「よみがえれ!海岸林」は、小林さんご自身の視点で見たプロジェクトを綴ったもの。
2018年6月から発行を始め、現在Vol.12まで発行されています。
聞きなれない林業専門用語が出てくるような林業の技術書ではありません。
プロジェクトの正当性を証明しようと、独自に取材先を選び、丁寧に取材を重ねて綴った「プロジェクトX」的とも言えばわかりやすいでしょうか。
これまでの取材先は、50人近くになっているはずです。
近くで仕事ぶりを見ていて、新聞記者で培われた記者魂、まさにプロを感じます。
冊子「よみがえれ!海岸林」は、オイスカ会員さん、プロジェクトの支援者さんにお届けしていますが、この内容は決してオイスカの内輪だけに留めておくものではなく、広く世の中に送り出して、多くの人の目に触れて欲しい内容です。
海岸林を再生する道のりでの人々の葛藤
プロジェクトの原動力
地元住民の想い
ボランティアさんの想い
など、かかわる人々の心の内も綴っています。
災害が発生し、同じように何かを再生しようとした時、交錯する「想い」を同じ方向へ向ける難しさを「感じる」内容です。次世代を担う中高生にも手に取ってもらえるように、簡単な言葉で語っています。
冊子の内容を書籍として世の中に送り出したいと願っていた時、
偶然にも陸前高田市出身の編集者と出会い、書籍化が実現することになりました!
発刊時期を検討し、最終的に11月中に落ち着き、
逆算して、原稿締切は8月末・・・・・・お尻に火が付くどころか、体中が火だるまだよ と言いながら、小林さんは書籍用の原稿を書き進めていきました。冊子では、誌面の関係上、書ききれなかった内容を、「膨らし粉を入れてるところ~」と言いながら書き加え、締切の1週間前まで名取市に出向き、取材をし、2年前の内容を「いま」に書き直し、書き上げていかれました。
そして(締め切りを4日延ばしてもらい)9月4日に原稿を提出し終えました。
KIMG1245 (1)
原稿執筆はすべて小林さんのお仕事で、私は近くでお尻を叩いていただけ!
というわけではなく、何をしていたかというと・・・明日へ続く

こんにちは!インターン生の嶋村です。
私は、国際基督教大学の三年生で、開発学を専攻しております。オイスカでのインターンに応募したきっかけも開発学を実践する方法を学びたいという想いからでした。開発学では困難に直面している国や人々をいかに豊かにしていくかを学んでいます。そこで、実際に海外開発協力など開発に直結する活動を行っているオイスカで、その学びを実践に活かす力が身につけられると考えたのです。
オイスカで行われている様々な取り組みに関わらせていただく貴重な機会を沢山頂きました。海岸林再生プロジェクトの仕事にもご縁がありましたので報告させていただきます。
東日本大震災が発生した2011年、私は11歳でした。テレビで放送される津波の様子を目にし、状況を理解できないままに恐怖を感じたことを覚えています。11歳の私にとってその映像は衝撃的で、約10年たった今でも鮮明に思い出すことができるほどです。震災発生当時、これほど大きなショックを受けた私でしたが、振り返ってみると記憶に残っているのは震災それ自体の衝撃ばかりで、被災後のことをしっかりと考えたことはありませんでした。テレビでの放送を見て、復興支援のことはなんとなく知っている、その程度でした。
そんな私ですが今回、クロマツ植栽地の生物多様性についてのブログへの掲載を手伝わせて頂くことになりました。これをきっかけに、被災地の復興についても、改めて多くの学びを得ることができました。
「2019年度 名取地区生物多様性調査報告書」( 仙台森林管理署)より、プロジェクト開始して間もない2013年から2019年までの生物の種数の遷移が掲載されている箇所を抜粋しました。ものすごく分厚い報告書です。「公式な調査が名取でおこなわれたことは、ものすごく光栄だし、幸運。このような調査は、オイスカのような民間団体単独ではとても出来ない。毎年、結果をとても楽しみにし、仕事の励みにしてきた」と吉田さん。
【名取地区全データ】

2013 2019 増加数
植物 299種 369種 70種
昆虫類 286種 362種 76種
鳥類 36種 48種 12種
哺乳類 5種 3種 -2種
両生類 3種 3種 ±0種
爬虫類 2種 1種 -1種
魚類 8種 4種 -4種
底生動物 4種 15種 11種

*鳥類、哺乳類、両生類、爬虫類、魚類、底生動物の2019年データは、内陸側保護スペースの調査。
*最終調査報告(要旨)は、今秋、林野庁東北森林管理局のHPで公開される予定です。
全体を見ると、生物種数がかなり増加しています!
これまで現場で確認した生き物の話題(ブログカテゴリー「いきもの」)
本プロジェクトの担当部長である吉田さんのお話によると、正しい施業を心がければ多様な生物がそれに伴って育つそうです。この調査結果から、クロマツが丁寧に育てられていることが一目でわかります。防災林としてだけでなく、生物多様性を保全する役割も担っているのです。
今回、このように海岸林再生プロジェクトに関わらせていただきましたが、オイスカで活動させていただく以前は、このような活動が行われていることすら知りませんでした。そこで、プロジェクトについて丁寧に教えて下さったのが、担当部長の吉田さんです。何も知らない私にとって、驚きの多いものでした。特に印象的だったのは、このプロジェクトが被災された方々にとって、「防災林の植栽」以上の意味を持つというお話です。活動が現地の被災された方々のコミュニケーションの場所になっていることや、震災により壊滅的な打撃を受けた場所に種から緑を育てること自体に、復興の希望が感じられていることを知り、意義の大きさを感じました。
また、吉田さんの言葉の一つ一つには熱がこもっていて、関わっている皆さんが強い想いを持って活動されていることが伝わってきました。「月面に植物を植えるようなもの」とも言われた被災地でのクロマツの植栽ですが、約10年でここまで立派なクロマツが成長したのは皆さんの強い想いがあってこそだと感じさせられました。
このように、私のように「何も知らない」という人もいると思います。少しでも多くの人にこの大切なプロジェクトが伝わればと思います。

眼が光っているのわかります???タヌキです。8月26日20時ごろ、親子がウロウロ。子どもは2匹はいました。

眼が光っているのわかります???タヌキです。8月26日20時ごろ、親子がウロウロ。子どもは2匹はいました。


ネズミが多いせいか、猫もいます

ネズミが多いせいか、猫もいます


報告書にはアオダイショウしかありませんでしたが、シマヘビも確認しています。めったに見れませんが、今年も林業会社の人たちが見たそうです。

報告書にはアオダイショウしかありませんでしたが、シマヘビも確認しています。めったに見れませんが、今年も林業会社の人たちが見たそうです。カナヘビもいます。


キツネのこども

キツネのこども

近々ドローン撮影を計画しています。皆様への報告用はもちろんですが、隅から隅まで現場の施業状況を確認したいので。撮影は早ければこの週末にも。本当は木々が分かりやすく、天候が安定している5月に撮影したかったのですが、コロナで身動き取れず。松島町の「三立重建」さんにお願いしています。先週26日にテスト撮影をしていただきましたので、最新の写真と過去の写真を比較ください。

2020年8月26日:名取市海岸林「最北端」閖上漁港付近から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「最北端」閖上漁港付近から南を望む


2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から北を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から北を望む


2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から南を望む


拡大してみると

拡大してみると


内陸側を見ると

内陸側を見ると


2020年8月26日:名取市海岸林「仙台空港誘導灯」付近から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「仙台空港誘導灯」付近から南を望む


以下、2014年・2015年植栽地27haの定点観察(名取市海岸林「中央」から南を望む)
2020年8月26日:名取市海岸林「中央」から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「中央」から南を望む


2019年7月20日

2019年7月20日


2018年5月19日

2018年5月19日


2017年5月20日

2017年5月20日


2016年5月20日

2016年5月20日


2015年5月24日(植栽1年後)

2015年5月24日(植栽1年後)


2013年9月18日(植栽1年前)

2013年9月18日(植栽1年前)


2011年9月5日(津波から半年後)

2011年9月5日(津波から半年後)


2011年5月25日(津波から2か月後)

2011年5月25日(津波から2か月後)

ボランティア再開します!!

2020年8月25日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは、浅野です。
7月4日のボランティアの日を最後に中止をしていたボランティア受入れですが、9月12日より再開します!!
7月、8月と予定されていた受入れは全て中止となり、3月からの中止期間も含めてのべ1050人のボランティアが
キャンセルとなりました。中には年に1度だけしか来られない方や遠方からの参加を予定してくださっていた方もいて、中止の連絡をするのが本当に心苦しかったです…。
6月末のボランティアは宮城県民限定での開催だったため、全国からの受入れは昨年の11月以来9か月ぶり。
その間はプロに草刈りを委託し、背丈が伸びるタイプの雑草はきれいに刈ってくれました。
多くの方が気になっているツルマメは、地元のリピーターの皆さんが自主ボランティアとして
抜き取り作業をしてくれています!(すでに2回終了、3回目も予定してくれているようです)

8月2日、宮城県民自主的ボランティア4名によるツルマメ抜き取り

8月2日、宮城県民自主的ボランティア4名によるツルマメ抜き取り

8月22日、自主的に集まった宮城県民11名による「ツルマメ抜き取り」

8月22日、自主的に集まった宮城県民11名による「ツルマメ抜き取り」


もちろん、コロナ禍であるということを忘れずに三密を避け検温や消毒作業は徹底します。
参加される方は下記にご協力ください!
【参加者へのお願い】
・作業時以外はマスクを着用ください。
・ご自身が使うための消毒用品をご持参ください。(アルコールジェルなど)
・自宅を出る前に検温をし、平熱より1℃以上高い方は参加をご遠慮ください。
・宮城県民の方は、極力自家用車でご参加ください。
・宮城県民の方は、極力着替えの必要がない恰好でご参加ください。
・ごみは回収できませんので、全てお持ち帰りください。
ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。
皆さんにお会いできるのを楽しみにしてます!!

海岸林で鳥見ing(2020/8/15)

2020年8月17日( カテゴリー: いきもの )

地元のボランティアの三浦隆です。
名取市の海岸林で観察した生き物、主に野鳥を中心とした情報、話題の6回目を発信したいと思います。

今回紹介するのは鳥版アニマルトラッキング(直訳:動物追跡)です。現在その野鳥が見えなくても、いなくても野鳥が居た痕跡(フィールドサイン)から何をしていたか行動を推測するという遊びです。方法としては、落ちている羽根、使った巣、吐き出したペリット、足跡等を探し、その持ち主と何をしていたか等に思いをはせることです。8月2日に、黒松の植栽地を見に行った時に、巣を2個、羽根を1枚、見ることができましたので紹介します。
巣1 ホオジロの巣

巣1 ホオジロの巣


巣1

巣1


巣1は、巣の近くでさえずり、警戒鳴きをしていたホオジロの物と思います。
ホオジロ幼鳥

ホオジロ幼鳥


巣2 オオヨシキリの巣

巣2 オオヨシキリの巣

DSC_4482
巣2は、巣の近くのヨシ原の中で警戒鳴きをしてしていましたのでオオヨシキリの物と思います。
下の写真の羽根は、形や模様からキジの右側の翼から換羽の為に自然に抜け落ちたものと思います。
キジの羽

キジの羽


DSC_5015
普段の散歩などでも痕跡を見つけたら、そこに存在した状況を推測するのもおもしろいものですよ。巣が空でしたので、今年生まれの雛は既に巣立っています。まだ遠くまで飛べないので、巣の近くで親がエサを持ってくるのを待っている様な状態です。自分でエサ取りもしているかもしてません。ヤブこぎしていると、目の前を一瞬横切る雛の影が見えることがあります。見つけたら、手は出さずにそっと見守ってください。
Ps. 赤い排水路

Ps. 赤い排水路

 現在広浦湾側の排水路は、一面楽天カラーぽい赤色になっています。正体は水草でした。

現在広浦湾側の排水路は、一面楽天カラーぽい赤色になっています。正体は水草でした。

(吉田より:たしかに楽天カラーですね。いままで、海岸林内の排水路でこうなることはありませんでしたが、最寄りのビニールハウス団地内の排水路は、毎年一時的にこの状態になる時があります。何年も前、市内各地の排水路で、はじめてこの「楽天カラー」を見たときは、なにか悪いことが起こっているのかと思いました。それにしても、この満水の排水路(遊水池・・・)。7月末の大雨から数日後ですね。大雨の後の満水は、いつものことです。けれども、来年以降は「遊水池」ではなく、「排水路」になるよう検討しています。ちなみに、もう一本の海側の排水路(広浦側と同様のサイズ。全長1km×幅5m×深さ1.5m)は、名取市にお願いして、夏前に排水口を設置していただきました。もう、ほとんど貯まらないはずです。完成をまだ自分の目で見ていません。大改善へ1歩前進です。それでも、人力で溝切りをやらねばならない箇所はたくさん残っています)

海岸林オタク、富士山に登る

2020年8月14日( カテゴリー: 本部発 )

広報室の林です。
オイスカは「海岸林再生プロジェクト」以外にも
国内各地でさまざまな森づくりに取り組んでいます。

同プロジェクトと同じ100ha規模(植栽は約4万本)
の植林を行っているものに「富士山の森づくり」の活動があります。

そのプロジェクト名の通り活動地は富士山。

CIMG5051

残念ながら富士山頂は拝めず

「海岸林再生プロジェクト」と同様に、富士山の活動地でも今年は
ボランティアさんを受け入れての活動ができずにいます。

そんな中、担当スタッフが調査活動を行うというので、
吉田と一緒に参加してきました。

後ろの4名が担当スタッフ

後ろの4名が担当スタッフ

この日の道具はこちら。
「海岸林再生プロジェクト」の現場でも調査を行いますが、
この中には、私は使ったことのないものも。

CIMG5078
 

今回の調査は、風などで倒れた苗木の本数を調査するので、
健全な木と倒れた木に色付きテープで印をつけ、それぞれの本数を
2つのカウンターで数えていくのです。

こちらは健全な苗木。
ピンクのテープをつけています。

CIMG5066

こんなふうに倒れてしまったものには黄色のテープ。

CIMG5074
※ちなみに黒いネットはシカなどの獣害対策用。
途中、こんなふうに林内に落ちている枝の皮が
シカに食べられた跡をみて、ネットの必要性を実感。
周りにはシカのフンが大量に落ちていました!!!!

CIMG5107

吉田は作業着のポケットにこのテープを入れて作業へ。

CIMG5059

……が、ここでも何かを見つけて写真撮影。
キノコではありません。キツネでもありません。

CIMG5094

カメラの先にいたのはちょうちょ。
アサギマダラだと担当スタッフから教えてもらいました。

CIMG5096

羽根を広げると本当にキレイ!
CIMG5083
私が一番面白かったのはこれ。
CIMG5111

何だと思いますか??

実はこれ、吉田の靴の底。
CIMG5113
久しぶりに履いた靴で劣化が進んでいたようで、
両足とも底がはがれてしまいました(笑)

そんな吉田が最後に見つけたのは……
CIMG5121
なんと、シカの頭蓋骨!
越冬できずに死んでしまったシカでしょうか?
海岸林の現場でも動物の骨を発見しては嬉しそうにしている吉田。
ここでも最後にシカと遭遇できて満足そう。
CIMG5122

富士山で進む森づくり活動。

今日は吉田の活動の様子を中心にお伝えしましたが、
現場の様子をぜひ知っていただけたらと思います。

富士山の森づくり推進協議会Facebook

2013年に巨大サイクロン「ハイエン」がフィリピン中部を襲ったこと、ご記憶にあるかと思います。レイテ島タクロバン市の名前が知られました。

オイスカの「子供の森」計画実施校、養蚕プロジェクト、マングローブ、水源地造林など1970年来のプロジェクトが、無数というぐらい集中している地域です。

オイスカの「子供の森」計画実施校、養蚕プロジェクト、マングローブ、水源地造林など1970年来のプロジェクトが、無数というぐらい集中している地域です。


これまで日本でも苦労して造った海岸防災林が、継承力のなさや無知により、機能をわざわざ弱めるように開発された例は多々あります。世界と同じです。海沿いギリギリまで人は土地を求め、マングローブは切り倒されました。荒れ地になったいまも、土地の権利関係はとても複雑で、タイでは、悪質な不法占拠者に対しては裁判を起こしででも、あるべき姿に戻そうとしています。防災機能を高めるために造林出来る「公有地」は限られるのが実態なのです。
そんななか、東京本部海外事業部の長部長や清藤先生たちは、マングローブを植えられない砂浜海岸でも、小砂丘かつ貧栄養土壌のわずかなスペースでも「海岸林」なら出来るのではないかと考えました。
オイスカフィリピン会長は名取に2度来訪。毎回作業参加。被災地域の首長で、フィリピン市長会会長。

オイスカフィリピン会長は名取に2度来訪。毎回作業参加。被災地域の首長で、フィリピン市長会会長。


実務担当者のみなさんも名取で現場参加。

実務担当者のみなさんも名取で現場参加。


2015年からのNGO連携無償支援事業で、海岸林の前にマングローブを植え、厚い林帯幅をつくった。

2015年からのNGO連携無償支援事業で、海岸林の前にマングローブを植え、厚い林帯幅をつくった。


試験植栽施工後

試験植栽施工後

大きくなるとこういう樹形と根になります。地下水位が高くても、横の粘りが広いので、沿岸防災林として強いそうです。

大きくなるとこういう樹形と根になります。地下水位が高くても、横の粘りが広いので、沿岸防災林として強いそうです。


折しもサイクロンの後、1980年代後半にオイスカがモロカボック島(セブ島の西の小島)に植えたマングローブ林が漁村を守ったことが確認されました。マングローブ林の林帯幅が狭い個所でも、砂丘にわずかでも森林があれば防災機能はその分だけ強くなります。マングローブを植えられない場所もたくさんあります。潮流の影響など・・・理由は実にさまざま。海岸林の幅が確保できる場所も少ない。1列、2列・・・という世界も多いと思います。しかし、「これまで行ってきた沿岸部造林はすべて失敗した」(フィリピン天然資源環境省レイテ島担当者)とのこと。まずは、育苗が大事で、その次に植栽方法を確立しなくてはなりません。オイスカでは2015年から3年間、外務省のNGO連携支援無償を活用し、災害に強い森づくりを行うとともに、2016年から2019年まで国際緑化推進センターからの助成をいただき調査研究しており、その成果が公表されております。
資料公開:森林再生技術普及セミナー「3.ヤシ殻等を利用した海岸砂丘林造成技術開発」
砂浜での仕事は暑くて大変とよく言ってました。傘のような帽子が地元で手に入ります。

砂浜での仕事は暑くて大変とよく言ってました。傘のような帽子が地元で手に入ります。


この前、長部長にいくつか質問をしたのですが、造林としてはまだ未解明な点があると知りました。林産物による収益性にも課題がある。ですが、探すのに困らないものを有効に使った低コスト・高生存率の苗木生産方法、植栽方法の解明は有効。この次の展開が楽しみです。

吉田様
地元の三浦です。
公募のボランティアが中止になり、海岸林の黒松の様子が気になっていた昨今、偶然、想いを同じにする方々がいることを知りました。ご連絡差し上げていた通り、8月10日、個人の自己責任での作業として自主的ボランティア(自主ボラ)という形で、黒松に絡んでいるツル類取り作業をしてきましたので代表で報告します。
今回参加はイニシャルを取って3密ならぬ4M(森、松浦夫婦、三浦)のリピーター4名です(松浦父さん命名)
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8/10(月、山の日)ハウス群のなかにある北釜ファーム8時集合で、地元ボランティアの大槻さんに現場の様子や優先作業等をお聞きし開始です。前日までの雨から一転、青空広がる作業には良すぎる天気でした。ひっきりなしに汗が出て、防風柵の上の風がなおさら心地よく感じられました。事前に下見をしたサイクリング道路がある北方面を見て、ある程度の大変さ(楽さ)は把握していたつもりでしたが、実際作業したのは岩沼市境~南半分の北釜残存林南端~防波堤の3.5Kmポイント付近までで、多少もくろみと違いました。ツル類以外はプロの方が草刈りした場所の様で背の高い草はありませんが、黒松にからんだり、からもうとしているツル類がある場所でした。多くは手のかからないいい状態でした。一部クズ畑、ツルマメ畑状態の様な箇所があり、作業しながらこれがいつも通リの人がいたらあっという間に終わるんだろうなと懐かしく思いやってました。

クズの海。毎年プロが頑張っても・・・今年はひどい。呆れ果てて笑うしかない(by吉田)

クズの海。毎年プロが頑張っても・・・今年はひどい。呆れ果てて笑うしかない(by吉田)

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松浦父さんが終わり際にフタモンアシナガバチと巣を見つけましたが被害はありませんでした。
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作業はそんなこんなでいつも通り自分ができることをできる範囲でやり、予定の範囲を当初注意いただいた熱中症、フタモンアシナガバチの被害もなく無事終わることができました。さらにおじさん、おばさんで、たそがれタイムもして心地良い風を感じました。
大人数で作業できる機会はまだ先の気がしますので、再開までは細々ですが個人の自己責任での作業という形で関りたいと思っています。宮城県内在住の方のみになると思いますが、黒松の様子が気になり、作業をやりたくてうずうずしている方は、自主ボラの関わり方をご理解いただいたうえで、連絡いただければ案内を差し上げることは可能です。窓口は東京本部の吉田さんたちまで。kaiganrin@oisca.org 03-3322-5161 (吉田より:次回は22日土曜日9時からで予定くださっているとのこと。県外含めた全体として、9月12日の公募ボランティアは出来るだけ実施したいと考えていますが)
作業は岩沼市側の境から防波堤表示の3.5kmポイントを実施しました。(つまり、名取市海岸林の南から1.5㎞×200mを点検いただいたことになります)
(北釜ゲートの北側の残存林の北端付近)のツル類の除去
ちゃんと目印を伝えてくださるあたり、さすがです!じつは閖上からの距離が記されています。

ちゃんと目印を伝えてくださるあたり、さすがです!じつは閖上からの距離が記されています。


北釜ゲートの北側の残存林はチェック、作業できませんでした(吉田より:ここは篠竹の切断面が鋭利で怪我しやすいため、ボランティアを入れないことにしています)
北釜ゲートの南側の残存林隣の防風柵側のクズについて、黒松に絡んでいるものを中心に除去しカットしましたが、かなり密なのでたどって元からのカットはしていません。次に伸びてきたら薬剤処理必要と思います。(吉田より:ここは佐々木勝義さん率いる松島森林総合の担当箇所。9月末まで連日クズ処理をしますが、今年の繁茂は今までにないほどひどく、薬剤を使っていてはスピードが間に合わず、刈り取りに専念しています)
DSC_5175[1]
北釜ゲートの北側の防風柵側はツル類はほとんどありませんがオヒシバ、メヒシバが、肥料を横取りするかの様に黒松に近接して繁茂しています。以前別な場所で壺刈りした状態と同じ状態に見えました。(吉田より:かつてはこれら1年生イネ科植物を優先刈り取りしていましたが、いまはツルマメ、クズ、ニセアカシアを優先させています)
イネ科単年草のオヒシバ、メヒシバの繁茂。ここは2020年5月植栽地だと思います(by吉田)

イネ科単年草のオヒシバ、メヒシバの繁茂。ここは2020年5月植栽地だと思います(by吉田)


そちこちにありますが写真の目印が何の目印かわかれば教えて下さい。(吉田より、私たちも知らないんです。ドローン空撮・測量の関係かと)
DSC_5186[1]
前日まで雨が降りました。作業した場所は最奥の車道は冠水、植栽地は溝切り内に水はありますが、他は多少ぬかる程度で問題なしと思います。
吉田より:皆さんありがとうございました!最新状況、たすかります。クズ以外は、今のところ大したことない。でも、みるみるうちに、笑うしかない状況になるのがお盆明けの現場。8月中に東京本部チームも行きます。今日は在宅勤務しています。

気象庁長官が定例記者会見で「(梅雨前線のこれほど長期間の停滞は)記憶にない」と話したことも報道されました。毎年何らかの観測史上最多があることに慣れっこになりました。
「ハウスの野菜が根腐れしちゃってさー」(7月中旬:再生の会副会長の櫻井さん)
「今年はツルマメが全然伸びてこない」(7月下旬:佐々木統括)
「クズは何があろうと伸びてくるし、今年は今までで一番スゴイ」(8月4日:松島森林総合佐々木代表)
名取市の仙台空港観測所では、7月は雨が降らなかったのは7日だけ、9日間連続降雨が2回。2011年以降(7月平均109㎜)でも最多降水量の342㎜。7月28日の大雨で、日降水量が100㎜を越えた場所がたくさんあり、山形県西川町は215㎜、最上川は氾濫して大きな被害がありました。名取では日降水量91㎜(去年10月12日は240㎜)。
仙台空港観測所 降水量データより抜粋
「東北地方の7月の月降水量は平均の2倍。1946年の統計開始以降の記録を更新。月間日照時間は平年の約半分にとどまり統計開始以降最少の記録と並びました」(仙台管区気象台 報道発表)仙台の日照時間平均比は仙台で41%(かなり低い)で、合計49.5時間(観測史上3番目の短さ)。平均気温平均差-0.9℃(低い)、降水量平均比222%(かなり多い。観測史上2番目の多さ)
気象庁仙台管区気象台HP「新着情報」8月3日:(東北の7月、降水量は過去最多。日照時間は過去最少)
このような天候ですが、現場のプロ諸氏の意見を総合すると、「クロマツにとっては、今のところ影響ない」とのこと。急な暑さに耐えて頑張っている皆には、数日のお盆はどうかゆっくり過ごしてもらいたいです。

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