2年前、700人を投入して葛を刈った場所は、1日で完了 ~マルエツ労組33名~
吉田です。6月9・10日、マルエツ労組に3年連続で同じ場所の葛刈りをしていただきました。もう10年を越えましたね。毎年、幹部が総出で来てくれます。つまり、リピーターが一定数いる。⇒精度が高い?(笑)本当に頼りにしてます。
思い返せば、コロナ禍での間に広範囲かつ強力に繁茂させてしまった名取市海岸林最北端3.6ha(うち葛の侵入は約半分)でした。2023年は700人を投入して葛刈りをしました。2024年は公募日1日とマルエツ労組さん合計100人ぐらいで済むほど勢いは止まりました。今年は、33人+助太刀リピーター2人だけで完了。人海戦術の賜物、激減したと言って良いと思います。でも、葛はしぶとい。残党は仕方なし。ここで手を抜かず、頑張り続けたいと思います。
冬の間に港側から林内に風で飛んできたたくさんの漂流ゴミも、例年通りしっかり拾っていただき、気持ちもスッキリしました。では、写真報告します。


撮影:2023年8月










吉田です。おかげさまで、非常に多くの葛刈り経験者に恵まれ、声掛け・アドバイスのおかげで15年連続無事故ではあります。ですが、現場でも繰り返し説明していることを、あらためて確認したいと思います。
まず、去年のように毛虫大発生ではありません。去年の6月はラジコンヘリで23ha殺虫剤散布したことで、探すのは難しい状況です。事前巡視で毛虫のいない場所を選んでいます。それでも、先週末は私と数名が刺されたようで、私の場合は痒みは軽いけど、腫れがあまりに酷く病院に行きました。
話を戻します。そもそも、なぜ葛刈りをするのか?
およそ草刈り、つる切り、除伐対象となる草木というもの、すべてが悪いわけではありません。葛も葛餅、葛根湯で知られているように有用植物です。しかし、造林の世界から見れば、「Green Monster」、「葛は1回出ると7年駆除できない」というほど厄介です。1年生ではなく、とても強い生命力で生き続け、その場所を占拠し、マツの生長点から日光を奪って、生長を阻害し、最終的には枯死させます。ですから断固戦わねばなりません。また、繁茂した場所は、風雨を避けるようにスズメバチなどが巣をつくることが多いと言われています。

クロマツ200本ほどが枯死

①安全面
・軍手、長袖・長ズボン、十分な飲み物必携。毛虫もハチもいると思ってください。避けられません。松脂がつくことも覚悟ください。
●松葉や枯れ草などが目に刺さらない様に!これが一番あり得ます。保護メガネの側面から松葉が入ってくる時があります。作業中も、移動の歩行の際も、互いに近づきすぎぬ様に!移動中は、前の人が振り払った枝が目に飛んでくる時があります。作業中は、ターゲットを見すぎて、目の前、目の横に松の葉が迫っていることもあります。
●足場が悪い場所もあります。マツとマツの間にも段差がある場所も。捻挫しない様に。
●防風垣は風化して、折れる時があります。2・30mごとに防風垣を越えずに通過できる場所もあります。移動中、休憩時など、防風垣を越える場合は、ボルトの上を進んでください。手足を使って、体重が分散するように。ボルトとボルトの真ん中に体重が集中しない様に。
・「マツカレハ」の毛虫を殺虫剤で殺す場合、風下に人がいないことを確認し、風上から使用のこと。ドクガ類がいたら、周りに声をかけ、(殺虫剤をかけるなら風上から)早々に立ち去る。
・アシナガバチが飛んでいないか注意のこと。たびたび目に入る場合、周りに声掛けを。巣が近くにあり。目の高さから下、とくに地面から数10㎝の高さに、松ぼっくりに似た大きさの巣をつくります。巣を見つけたら、即、周りに声をかけ、殺虫剤を風上から一吹きかけること。
②技術面
●葛の根元を探す仕事ですから、作業の基本姿勢は「四つん這い」。
●土ごと切るように鎌の刃を入れるのがコツ(地上部を切るのでなく、土ごと根を狙う)
●鎌は、自分のカラダの中央に向かって、まっすぐ「両手で引く」。大概のものは一引きで切れます。
●根はゆく先々で着地し、分枝します。着地した場所を辿り、途中で止めてしまわず、周囲の方と声を掛け合い協力して、延々と追及してください。刈り残しがないよう、鎌の先で落葉の下の土の表面を探すのがコツ。葛の根があれば手ごたえがあります。
●葛の根の切断面が1㎝前後の太さがあれば、例えば十字状など傷を多く付け、除草剤の浸透面が増えるように。太い根が露出したら、切断面のみならず、皮を削ぎ傷も入れて除草剤を塗布。ただし、除草剤は一吹きで十分(かけすぎ禁物)。
●葛は伸びて着地、伸びては着地し、着地の都度、四方に分岐します。それを見逃しては元も子もありません。高をくくって見逃さない様に。
・殺虫剤は、風下に人がいないのを確認して塗布すること。
●刈った葛は、葛がない場所に山積みに。葛がある場所に積めば、元も子もありません。
●マツに絡んだ葛は、根元が切断されているなら自然に(1・2時間後には萎れ始めます)枯れますので、原則構うことはありません。


潜って、どこまでも根を追いかける

マツの根元に四つん這いで潜って





③作業後
・休憩時などに、肌の露出部分を流水で洗い流すのが最も良いと思います。多少のプツプツが腕などに出て少しだけ痒いときもあります。それは、草に肌が負けたか、松葉が刺さっただけということも多いです。毛虫の場合は、数時間前後から激しい痒みが生じます。
・毛虫は風で毒毛針を飛ばします。痒みが出た場合は、薬局で相談するか、皮膚科の診察を。


左:ドクガ類(1~2cm)黒色基調にオレンジ色でとても目立つ。マツ以外の低木(特に日本3大毒草のドクウツギ)に多くいます。とくに毒毛針を風で飛ばします。刺されるとしばらく(1~3週間)痒みが止まりません。
右:マツカレハ(5cm以上)マツの幹・葉にいる。


名取市海岸林にいる代表的なハチ「フタモンアシナガバチ」。巣は(風雨を避けるためか)下のほうの枝につくることが多い。傾向として林縁部で見かけることが多い。6月頃の巣はとても小さい。
高校生・大学生の新たな探究がはじまりました
吉田です。今年も仙台トヨペットの若手社員がすべての公募日に来てくれていますが、全体的に若い人の出入りが増えそうな予感です。新しい探究もスタートしましたので紹介します。
一つは、東京農大森林総合科学科4年生によるアンケート調査(お若いときから永くオイスカとご縁がある佐藤孝吉教授の研究室)。「海岸林再生プロジェクトへの参加の現状と傾向」について卒業論文と学会での発表を目指すそうです。分析は早速始まっています。ボランティア活動の経済効果なども数値として見えてくるでしょう。オイスカとしてもこの機会を活かし、1年を通じてアンケートを継続して今後に活かしたいと思います。
もう一つは、名取北高校2年生5名による総合学習での探究「守ろう!クロマツと生物の笑顔」。昨年の総合学習フィールドワークや、仙台未来防災フォーラム出演をきっかけに、海岸林の存在や重要性が市民に伝わっていないことを知り、探求テーマとして選んだそうです。7月12日には「2025なとりこどもファンド」助成金の公開審査会(審査員がこども)、9月1日~月末は名取駅東西通路でのオイスカ活動写真展にも参加、10月4日(土)午後の全国育樹祭併催行事シンポジウムでの展示や成果物配布、尚絅学院大学学園祭出展など意欲的なアウトプットを思案中。ボランティアにも参加し。独自で現場を歩いてくれることでしょう。
今年は、SOMPO環境財団からの学生インターンが復活すると思います。東京本部の私の部署の学生インターンさんも、海岸林HPの整理整頓・リニューアルを計画中。
それぞれが別モノではなく、リンクするよう努力します。来春には、みんなの発表会ができるといいなと思ったり。



ご披露できたらと思ってます
6月7日のボランティア公募日 総勢82名
吉田です。6月7日(土)、公募ボランティア日はリピーターの皆さんに加え、第一三共、仙台トヨペット、宮城倫理法人会、仙台東RCと交流中のアメリカ高校生一行、全国ガス労連から総勢82名が葛刈り作業にあたりました。写真報告します。




この日も名取市海岸林の最南端、仙台空港真東(2018年植栽地)がターゲット。

プロに参加してもらえて嬉しいです


中に潜ってでも刈る


わかりやすいです



複数名での直前下見では、毛虫を発見しませんでしたが、トヨペットの8名と私だけは刺されたらしく、医者にかかる羽目になりました。申し訳ありません。私は、痒みは去年ほどでないものの、全身に発疹が出て、指を使わないと開けられないほど右目瞼が腫れたので、日曜でも見てもらえる病院を探しました。市内の皮膚科はすべて休業。開いている内科でも断られ、急患センターも「皮膚科の先生がいない」と断られ、「#7119」の「宮城大人の病院」に問い合わせると、総合南東北病院を勧められました。外科の先生と、看護師さんたちが即座に親身になってくださり、内服薬、顔・顔以外それぞれの塗り薬を処方されました。さすが総合病院と思いました。
快適な気温の時は毛虫・・・暑くなるころには蛾になって飛んでいきます。秋になって涼しくなると「バカ」(アレチヌスビトハギ)がまとわりつく・・・阻害要因がない季節はありません。
仕事自体は快調に進みました。次回は最北端での作業になります。


(再生の会鈴木会長の息子さん)


1年ぶりに参加した柚原さん(東北大農学部3年)
雨だったので ~オタクたちの休日~
吉田です。6月1日の公募ボランティア日は雨とみて、2日前に中止を決めました。奈良と大阪の56歳の助っ人たちは、名取行きをモチベーションに、多忙な本業をしっかりこなし、計画的に来てくれました。雨で中止となると夜の飛行機の時間まで、困ってしまいます。そういう我々の様子を悟って、「仙台で飲もうよ!」と誘ってくれる方もいて、まず金曜夜を楽しみました。Sさん、ありがとうございます!!(私も日曜日の朝、どうしても窓口手続きしなければならない仕事があって帰京できなくて・・・)
56歳の吉田「明日どうする?」「午後から温泉に行く?行きたいなら」「(奈良56歳と)相談しといて」
大阪の56歳「気を遣わんでいいよー。何とかなるから」・・・
(その後)奈良の56歳「温泉って方向で!」
おなじく行き場がない台湾大学の黄君も一緒に。野郎だけで温泉・・・(笑)行先はナイショ。こういう日でないと行けません。あー楽しかった。背中の張りも取れました。ではでは。






もう何回目かな・・・

瞬殺
葛刈り開幕の2連戦 ~カネボウ労組34人、UAゼンセン38人~
吉田です。葛刈り開幕3連戦のはずでしたが、6月1日の公募日は雨で中止。今年は名取市海岸林最南端からスタートしました。まずは5月29日、カネボウ労連34人+助っ人2人の活躍を写真報告します。

カネボウさん到着前、海岸林背後の畑で。

ボクと一緒に最終下見を手伝ってくれた

空港真東の2020年植栽地にて


この中にクロマツあり。

*施工後を撮るの忘れました・・・


*だいぶわかりにくいけど


植林地の中で発見してくれました

2017年植栽地にて





次は5月30日、UAゼンセン38名+助っ人4名(大阪・奈良・岩手・台湾から)。台湾大学から明治大に1年留学中で、東京本部ボランティアに来てくれている黄君が、「オイスカHPブログ」(6月4日)で報告してくれています。

最低あと1回は来てほしいですね






ここにも行かねばならない



「声掛け」を何度も聞きました

切ってみれば根が生きていることがわかる

さすが!と思いましたこれは凄い人です。





でないと、次が困りますよね

地で行くこれぞ仕事人。
この2日間の場所は、最低でもあと1回は刈る必要がありそうです。1回やったぐらいじゃ、とてもとても…あと2回は刈れたらと思います。来年も来るでしょうけど。
みなさん、ありがとうございました。この2日で約1ha(間伐後のクロマツ3,750本のお世話をしたことになります)。協定面積約100ha、植栽実面積約73ha(全部葛の海ではありません)から比べると…と思うかもしれませんが、人海戦術のバトンリレーはこれまで10年。最強の海岸防災林への道のり、葛との根競べは、あと10年以上続くでしょう。
太田猛彦先生が「みどりの文化賞」を受賞されます
吉田です。太田猛彦先生(オイスカ顧問・東京大学名誉教授)が、国土緑化推進機構の「みどりの文化賞」を受賞すると聞き、また、この受賞の紹介文が素晴らしいと思って、お祝いの電話をさせていただきました。
「今年は(5年ぶりに)名取に行ってみたい。ボランティアの作業を見てみたい。(同い年の)大槻さんにも会いたいし、ボランティアの皆さんと食事したい」と言っておられました。実現するようお膳立てします!ぜひ、奥様といらしてください。
先生と初めてお話しさせていただいたのは、震災直後の2011年5月、宮城県庁で開催された林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会」(第1回)を傍聴させていただいたときでした。まさに情報戦幕開けの頃でした。私は最新の情報・資料が得られる本当に重要な会合と考え、緊張しながら事務局の方たちが受付を準備する頃に会場入りし、即資料をいただいて会議前に一気に目を通しました。「傍聴は最大80名まで」と記憶していますが、満席でした。白熱した議論の中心は、座長の太田先生。単なる進行役とはまったく違う「気迫」を感じました。会議の後、なんとか名刺交換だけでもと思って待機しました。委員の皆さんたちの輪が薄くなったのを見計らい、恐る恐る先生のもとに駆け付けると、「僕は昔、オイスカの内モンゴルの沙漠化防止プロジェクトを見させていただいたことがあります。オイスカが発足した時のことも覚えています」と思わぬ会話に。海のものともわからぬ、私のような者に温かい言葉で・・・感激しました。以来、「平成の森林三大論争」の一つと呼ばれる東北の海岸林再生で、先生も、私たちオイスカも、その渦中に立つことになりました。
そして6月9日のオイスカ中野良子会長の現場視察にご一緒いただけないか相談し、その場で快諾いただき驚きました。その視察の際、先生は車を停めるとすぐ、カメラを手にどんどん歩いて行ってしまいました。案内なんぞ、まったく待ってません。登っちゃいけない復旧工事の砂山にも登ってしまい(笑)清藤城博 緑化技術顧問もそうでしたが、本物の方たちはこういう動きなんだなと感心しました。
その後、ありがたいことにオイスカの「顧問」にご就任いただきました。いよいよ海岸林での植栽開始を前にしたときは、オイスカ本部職員に対して90分×3ラウンドの講義をしていただいたこともあります。名著「森林飽和」のライブ版でした。全国各支部などで幾度となくご講演いただきましたが、昨年11月のトークイベントと、今年1月の講演会は、Youtubeに残すことが出来ました。
この15年、何度ご自宅にお電話させていただいたか、わかりません。まさに「秘書」のような仕事の中身がわかる奥様が、いつも確実に伝言くださり、本当にお世話になりました。私にも幾度となくお電話いただきました。いつも先生が知りたがっていたのは、現場最前線や行政当局の最新の動向。埼玉の喫茶店で「抹茶ラテ」を飲みながら、情報交換したことも幾度か。我々の会合にも必ずご出席いただき、去年の海岸林支援企業・団体の情報交換会では、予告なく飛び入り参加してビックリ(笑)長年第一線で活躍する秘訣は、幅広い人脈との対話姿勢だったと思います。今回の「みどりの文化賞」の紹介の文章は、まさにそのような先生の人となりや、歩みを感じる見事な紹介文と思いました。とくに先日、オイスカで企画したご講演を聞いた方には、なお一層ご理解いただけると思います。(冒頭の「国土緑化推進機構HP」に記載あり)
できれば今年度、「名取の海岸林再生発足から15年」「太田先生を囲む会」などと称して、ボランティアや支援者の皆さんに、フルバージョン講演を聞いていただく場を作れたら・・・と自分勝手に妄想しています。先生、本当におめでとうございました!

2011年10月30日

2022年6月9日


2011年7月11日

2011年10月30日



2011年5月24日

2020年10月6日

鈴木課長と一緒に

全国育樹祭inみやぎ 式典参加者募集~締切5月23日
全国育樹祭の式典行事参加者募集が開始されました。全体の参加者規模は5,000人。公募は400名。締切は5月23日です。
詳細・申込用紙はコチラ
オイスカ枠を設けることが出来る行事ではないので、ご希望の方は、各自でお申し込みください。募集多数の場合は抽選となります。なお、今後、前日10月4日(土)AM:県主催海岸林視察バスツアー、PM:県主催シンポジウム(名取市文化会館)の公募も予定されています。
ご不明な点がありましたら、オイスカ吉田まで。携帯:070ー5550ー7394

2025年度の見通し ~「全国育樹祭in宮城」のことも~
吉田です。新年度初日、冬に逆戻りしたような東京にいます。葛と戦い始める5月末を、ウズウズしながら待っています。
あらためて、無事故継続を意識しています。昨年は初めてスズメバチに巣をつくられてしまいました。海岸林クロマツの樹高2.5mの位置に、ハンドボールぐらいの大きさでした。これを見つけるのは非常に難しいと思いました。いままで以上に作業直前の実踏巡視、下見を重ねる必要を感じています。今年も暖冬でした。ですので、例年より1ヵ月早い3月に、女王蜂に巣をつくられぬよう「ハチトラップ」を9個設置済みです。
今年も順調にボランティア申込をいただいています。5月末~7月中旬の土曜日はすべて葛刈りボランティアで埋まりました。葛刈りはこの「上半期」が勝負。7月中旬~8月末は酷暑のため作業を停止します。2018年以降、黒潮の蛇行が仙台湾にまで北上する傾向が続いていて、これが猛暑の原因になっています。9月は葛刈り「後半戦」。長年ボランティアに参加し続け、リピーターが多数いるている地元企業さんと一緒に、はじめての怒涛の葛刈り計画を温めています。10月は作業を停止し、11月は生長モニタリング調査。
そして、今のところ、冬の間伐は1年お休みする予定です。次に伐るのは2019年・20年植栽地合わせて約7haですが、さすがにまだ伐るタイミングではないと思っています。つまり、2025年12月~2026年5月末は、ほぼ半年仕事なし(笑)せっかくなので、こういう時しかできない企画(海外ボランティアツアーなど)を考えようか?という気持ちもあります。ですが、もうしばらく様子を見たいと思います。
今年は、10月の「全国育樹祭」の宮城県開催を意識して、行政当局と協働することも多くなるでしょう。4日(土)午前:一般市民向け海岸林視察バスツアー(県主催)、13時~16時:育林交流集会(県など主催シンポジウム)名取市文化会館にて300人規模を予定。5日(日)午前:公式式典、利府市の宮城県総合運動公園(グランディ・21)セキスイハイムスーパーアリーナで5,000人規模。参加者は公募。
全国育樹祭のHPはコチラ https://ikujusai2025-miyagi.jp/ *式典参加申込の締切5月23日です!
長く続けてきたこのHPも、一部が破損してしまっています。オイスカHPの体裁に合わせてリニューアルする方向です。空撮映像も今までにないものを撮りたいと思いますし、撮り貯めした動画や写真を活かし、生き物に特化した動画も作ってみたいと思ったり。
皆さんと楽しい1年にしたいと思います!


2024年度を振り返って
吉田です。2024年度も年間を通じて無事故で終わることができ、ほっとしています。時々思うのですが、自分の気力を維持できているのは、震災から14年も経っているにも関わらず現場に来てくださる多くの皆さんの存在、励ましがあってのこと。狙って展開したとはいえ、さすがにこれほど多くのボランティアに恵まれ続けるとは思いませんでした。今年度は1,223人(14年間累計のべ15,247人/8時間従事)でした。皆さん、本当にありがとうございます。
本数調整伐に着手して4年目。今期の16.25ha(2018年度植栽)は無事完了しました。プロ220人・14.15ha(一人あたり106本/日)、ボランティア136人・2.1ha(事前準備含む・一人あたり30本/日)という勘定です。5月末まではあまり名取出張しない方向なので、完了を見届けに歩きました。
これで名取市海岸林の90%は、1回目の間伐を終えたことになります。全体の成長ぶりと間伐ペースは、被災地全体において圧倒的なスピードと自負しています。順調な成長の理由は、徹底した管理にあると思います。名取市海岸林の北半分の溝切(排水)を8年がかりで終え、植栽直後からニセアカシアの繁茂をほぼ抑えきり、徹底して葛と戦い続け、そして、間伐を迅速に進めているからです。それらの甲斐あって、クロマツの根、枝葉、幹の成長のみならず、林床の乾燥(多湿化を防ぐ)にもつながっていると思います。


葛との闘いも存分に展開しました。プロも、ボランティア(葛刈りに950人)も、稲刈り鎌と除草剤を持って、四つん這いで格闘する「オイスカ方式」で。多くの人にお世話になって、ほんとうに幸せな松たちだと思います。森林にも「幸福度指数」という評価方法が欲しいなと思います。
ですが、マイナス点がつくとすれば、残念ながら地元市民、県民からの認知度が非常に低いことと思います。ゴミ拾いをする人が増えたのは嬉しいですが、それでも頻繁に捨てられます。その都度とても悔しい思いをしつつ、まだ我々の誠意が足らないからと思うようにしています。愛される森に辿り着くのは至難の道だと思います。来年は全国育樹祭が宮城で開催されます。海岸林の理解者をを増やす大事な機会と思っています。
避けようがない本物の危機も迫っています。東京との往復の際など、県外も含め、他市町の海岸林も見に行きましたが、しかるべき筋から「植栽クロマツにマツクイムシ病が発生している」と聞きました。太田猛彦先生(東大名誉教授・オイスカ顧問)はこの危機のことを「エボラ出血熱と同じ」といつも例えます。しかし、防除方法は確立されています。秋田の夕日の松原、風の松原、佐賀の虹の松原など、極めて最小限に食い止めている現場に倣って、行政当局との連携をしっかり行いたいと思います。すでに2024年度、名取海岸林では、松葉を食べ尽くす毛虫「マツカレハ」が異常発生し、自己資金でラジコンヘリ2台で薬剤駆除を行いました。23haを4時間で、自己負担で200万円もかかりました。マツクイムシ対策の予行練習というイメージでしたが、マツクイの場合はさらに費用が掛かります。
いまはまだ、震災から14年が経過しただけです。道のりは長く、まだ何も成し遂げたわけではありません。ですが、本当に多くの方たちが名取に来てくれます。その方たちの期待を裏切らない様に頑張ります。明日は、2025年度の事業の見通しを書きます。

