防風ネットの設置①

2012年3月8日( カテゴリー: 現場レポート )

3月3~4日に北原東育苗場で防風ネットの設置作業を行いました。
津波で建造物や木々が流されてしまったため、この畑の周りには、風を遮るものがありません。
仙台平野は特に冬から5月にかけて北西からものすごい強風が吹くことがあります。
畑の土・播いた種が飛ばされないようにするため、また芽を出したクロマツが寒風害を受けないために防風ネットを建てる必要がありました。
スーパーハウスに引き続き、防風ネットの資材は全て前田建設の寄附なのです。
それだけでなく、東京と仙台などから30人の前田建設社員ボランティアが設置を手伝ってくれました。
前田建設はこれまでも各地でボランティア活動を行っており、陸前高田市でガレキ撤去などをやってきたそうです。
今回は富山から来た社員の方もいたようで、本来は休日にもかかわらずこれだけの人がボランティアでやってくることに感心しました。
作業の様子などはまた報告します。

クロマツお助け隊隊長Sさんの息子「しげさん」が、こんな取り組みを始めました。
しげさんのチャレンジ
これは、JustGivingという寄附サイトで「しげさん」が呼びかけているものです。
苗木づくりをがんばるお父さんの誕生日に、140本分の苗木代をプレゼントするというチャレンジです。
「しげさん」がこの取り組みを始める前に私は「しげさん」に会って話を聞きました。
「しげさん」は名取市の北釜で育ち、高校卒業後に神奈川の大学で学び、昨年の春、社会人になったばかり。
子どもの頃、マツ林で野球をしたり、肝試しをしたり、本当に海岸林が身近なものであったことを話してくれました。
そして、あの日「しげさん」は長野にいて、テレビで津波の映像を見て、家族の無事を願っていたそうです。
全く平穏無事に地震発生時刻を過ごした自分と、見覚えがある場所が津波に襲われているというテレビの中の
世界とで訳が分からなくなってしまったこと、そして、家族と連絡が取れるまでの2日間のことはあまり覚えてい
ないのだと話してくれました。
「しげさん」のように、ふるさとを離れていた人たちは、津波から命からがら逃げて生き延びたお父さんたちとはまた
違う苦しい思いに直面したのだと初めて知りました。後から「しげさん」の話を思い出していっぱい涙が出てきました。
でも「しげさん」は笑顔でこんなチャレンジを始めました。
「しげさん」のこの原動力はがんばるお父さんの姿とそんなお父さんに対する「しげさん」の思いだと思います。
皆さん、「しげさん」の思い、一緒に応援してください!!

堆肥をまきました!

2012年3月6日( カテゴリー: 現場レポート )

先日、海に近い方の北原東育苗場で堆肥をまきました。
クロマツお助け隊隊長で北原東育苗場班長の大友英雄さんを中心に
スコップを使って、約0.5haの畑に堆肥をまき散らしました。
4人の協同作業のおかげで午前中で終えることができました。

 
 
 
 
 
次の日見てみると、堆肥をまいた部分は雪解けが早かったみたいです。堆肥の持つ熱の力ですね!

違いがわかりますか??

あんどん松

2012年3月5日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

今回はちょっと一息。
プロジェクトの進捗ではなく名取市の「あんどん松」を紹介します! 

黄色い服の男性は約180センチ。松の大きさがよくわかります


 
仙台市と名取市の境に名取川が流れていますが、
その河口近くの南側の堤防沿いに「あんどん松」と
呼ばれるクロマツ並木があります。
伊達藩によって植えられた樹齢250年以上のクロマツ。
見たことのないくらい大きなものです。
幹周は3m以上もあるそうです。
国内でも有数の長寿のクロマツ並木で、名取市登録
文化財でもあります。
 
250年・・・今から250年後は2262年。
それまで生きている木を植えてみたいものだと、
尊敬の念を持って見上げます。

2月29日、フォーリンプレスセンターが主催する外国プレス向け「震災1年 宮城沿岸部プレスツアー」があり、
2月4日に続いて多くの外国記者の方が海岸林再生プロジェクトの現場を訪れました。
今回はイギリスBBC、中国、シンガポール、台湾、ベトナムなどから合わせて20人程やって来ました。 

ツアーではクロマツお助け隊長の鈴木英二さんと森清さんの他、子どもの頃に海岸のクロマツを植えた
体験があり、3月11日に被災した森かづ子さんらが取材を受けました。「津波はどの高さで来たのか」
「自宅はどこにあったのか」
「農業をあきらめようとは思わなかったのか」
など次々に質問が出ました。なかにはカメラを回してインタビュー取材を行う記者もいました。

 
今は沼地でクロマツのないところを指して「ここもマツ林だった」と説明すると、記者の方々は驚いた声を上げていました。
また、オイスカからは渡邉忠副理事長や清藤城宏緑化技術顧問も同行し、クロマツの特性や歴史なども含めたプロジェクトの説明を行いました。

 
「復旧から復興へ」とよく言われます。
震災から1年を前に各地で復興の動きが始まっており、海外は東北の新たな歩みに注目しているようです。

事務所ができるまで

2012年3月2日( カテゴリー: 現場レポート )
2月28日に圃場(育苗場)の一角に休憩所と事務所が完成しました!
今日はその流れをご紹介します。
①まず、地面を転圧して、その上に木材チップを敷き詰めます。
 
②鉄板を敷きます。
 
③鉄板の上に約30㎡のスーパーハウスを運びます。
 
④はい、できあがり!!
 
建物が完成したとはいえ、まだご覧の通り机もイスも運び込まれていない状態です。
 
なんと、このスーパーハウスは前田建設さんからの寄附です!
設置工事も三協フロンテアさんなどからご協力いただきました。
「クロマツお助け隊」隊員急増中です!
 
事務所だけではなく休憩所も設置しました。
春が近づいてきましたが、まだまだ冷たい蔵王おろしが吹きつけます。
これから本格的にスタートする育苗作業に携わる人たちが、冷たい風をしのげる休憩所が必要なのです。
 

人の思い

2012年3月1日( カテゴリー: 本部発 )

「海岸林再生プロジェクト」はいろいろな人に支えられて動いています。
プロジェクトを支えてくださっている「クロマツお助け隊」紹介ページもオープンしました。
ぜひご覧ください。→→隊員紹介

ここには登場していませんが、お助け隊の一員である建設会社の担当者の方からこんなお話を聞きました。
3月末から4月上旬にかけて、仙台空港周辺の排水作業に社員さんを派遣されていたのだそうです。
その後社員さんから集めた義援金は、仙台空港のある名取市に送りたいと考えていたところ、同市でオイスカが行っているこのプロジェクトのことを知り、支援を決めてくださったとのことでした。
3月末はまだ被災直後で、社員の皆さんもいろいろなご苦労があったのではないかと思います。だからこそ自分たちが見てきた名取の復興をと願い、それが義援金という形になったのでしょう。
お話を聞き、皆さんの思いが詰まったお金で堆肥を買い、種を買い、苗作りが始められることをうれしく感じると同時に、どの寄附金にも被災地の復興を願う人の思いがいっぱい詰まっていることを忘れることなく、プロジェクトの成功に向かってがんばろうと気持ちを引き締めたのでした。

この春からクロマツの種蒔きがはじまります。
クロマツの苗を育てる畑を私たちは「圃場(ほじょう)」と呼んでいますが、圃場は2ヵ所あります。
1つは、名取市の海岸近くで、津波をもろにかぶった場所です。
もう1つは同じく名取市内ですが、海岸から7~8km離れた津波の被害がなかった場所です。
2ヵ所で苗を育てる理由の1つが、リスクの分散です。
どちらかの圃場でなんらかの悪条件が生じて、苗の育成が困難になった場合に備えます。
クロマツの育苗は一筋縄ではいかない上、これらの圃場での初めての育苗なので2ヵ所で様子を見ながら育てていきます。

堆肥が運び込まれました!


 
海岸に近い方の圃場は、津波に土を持っていかれたため、遠くの山から持ってきた土を盛ってあります。
しかし、このままでは土の養分が少ないため堆肥を加えます。
先日4tの堆肥が運び込まれました!
着々と準備が進んでいます。


2月24日からの3ヵ月間、無印良品ネットストアから「海岸林再生プロジェクト」に寄附ができるようになりました!
「無印良品の募金券」から「被災海岸林再生支援」を選んでください。10円、100円単位で10,000円まで選べます。手数料は無料。(無印良品さんが負担してくださいます)
また、オイスカスタッフと同社の社員さんとの対談も掲載中。
ぜひご覧ください。こちら→→「社会貢献を知ろう!」

時間が惜しい・・・

2012年2月21日( カテゴリー: 現場レポート )

今日は「クロマツお助け隊長」である名取の地元の方と打ち合わせです。
主にこれからの動きについて確認を行いました。
というのも、これから名取の現場ではまたまた大きな動きがあるからです。
もちろんその都度報告します!
10時から打ち合わせをはじめて、お昼を食べながらも打ち合わせ。
内容は尽きません!

2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
月別アーカイブ

ページトップへ