ご当地看板

2012年8月30日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

プロジェクト担当の吉田です。
出張の機会を活かし、これまでも最寄りの海岸林を見てきました。
ところ変われば看板も変わる。
いくつかご紹介します。
これは敦賀・気比の松原。
4ヵ国語ですね。舞鶴・小浜等はロシア人も多いからですね。

ちなみに松林の中でバーベキューはしないでください。
燃やした場所から「ツチクラゲ」が発生し、周囲のマツは枯死します。
マツの大敵なのです。
福井県高浜町・和田浜海岸
拉致問題ですね。

静岡県湖西市・遠州灘海岸
春先の風と砂はすごいのです。

静岡県袋井市・同笠海岸
ブラジル人が多いからポルトガル語表記があります。

千葉県・九十九里浜
砂に埋もれる看板は皆さんの記憶にもあるかもしれませんね。

マツにはたくさんの外敵がいることは以前書いたと思いますが、
その一つがアカシンクイムシです。
 
アカシンクイムシはマツの木の芯を食べて、空洞にしてしまうため木を枯らせてしまいます。
これは今春植えた苗ですが、2~3本被害が見られました。ぽっかりと穴が開いていました。
今月上旬にはアカシンクイムシ対策としてスミチオンとディプテレクスという薬剤をまきました。
 
ところで、最近ずっと30℃以上の暑い日が続いていて、雨もほとんど降りません。
宮城北部や岩手南部ではダムの貯水量が大きく低下して問題になってるところもあるようです。
マツのためにもそろそろ雨が降って欲しいです・・・。

息子・娘と草取り

2012年8月28日( カテゴリー: 現場レポート )

プロジェクト担当の吉田です。

昨年に続き、中2の息子と小6の娘と犬を連れて宮城沿岸部に行きました。
一泊目は佐々木さんの自宅に泊まり、ご家族の皆さんと大歓談。
二泊目はオイスカ名取事務所に宿泊。
牡鹿半島全域と石巻市などなど。今年も基本、「海三昧」。

佐々木さんの弟さんと(石巻市牡鹿町十八成海水浴場)

 

ただ今草取り中

畝と畝の間のみですが、草取りを3人でしました。
頑丈で四方に這うような根の雑草があっという間に出ます。
「一列終わるまで」と、1時間ぐらい3人で休みなく集中してやりました。
(やらないと怒られるから?案外面白いから?)
毎月校庭の草取りをする学校なので耐性がありました。

草取り前

 

草取り後

帰路車内で二人に聞くと、
父:事務所に泊まったのどうだった?
息子:絶望した。マジ真っ暗な方に向かうし。
娘:ホテル的と思ってた。
父:今回の旅行で何が一番大変だった?
息子:草取り。道が遠い。佐々木さんの家でナスが出たこと。
娘:(事務所の)蚊。海にいた噛む虫。
父:驚いたことは?
息子:(去年も見た)焼失した小学校がカーナビから消えていたこと。
娘:大川小学校を初めて見たこと。
  あとー、ちょっと違うけどー、佐々木さん兄弟とパパがお酒を飲んでいるとき
  怒鳴っているみたいで面白かった(笑)
父:次はどうしたい?
娘:また来たい。(女川と東松島の)海で遊びたい。
  (女川の海で)また大きいワタリガニを捕まえて食べたい。
息子:また佐々木さんの家で泊まりたい。釣りしたい。
出張で事務所に泊まるとき、いつもこの夏を思い出すと思います。

変遷

2012年8月27日( カテゴリー: 現場レポート )

3月30日に播種を行い、4月28日に発芽したクロマツは、病害虫の発生を心配されながらも大切に育てられ、すくすくと成長中です。
彼らが育つ育苗場の移り変わりをご覧ください。上から3月30日、6月20日、8月20日に撮影したものです。
3年間はこの育苗場で育てられ、その後海岸に移植される予定です。
 今年は2キロしか播種していませんが、来年は倍に増える予定です。どんどん育苗場がマツの苗でいっぱいになって行きます。
海岸にもこうしてマツがいっぱいになる日が早く来ることを願って寒い中、暑い中、地元の皆さんが苗木のお世話をしてくださっています。
どうぞ、みなさん。これからも長く続いていく海岸林の再生に向けたこの取り組みをご支援ください。よろしくお願いします。


天橋立

2012年8月24日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

京都出張の後、ひと踏ん張りして「天橋立」に行きました。
「学校林・遊々の森」全国こどもサミットin京都とその反省会を終え、何とか日没前に駆けつけました。
まず、明るいうちに見れたことが嬉しく。見れば見るほど、離れがたくなります。

まず、低い位置から立派な枝が出ている充実した樹々に圧倒され、散歩する近所の人や自転車で帰宅する人が多く、親しみやすさを感じ、日没を過ぎた後は、波打ち際の青く細長く光る生き物にも、降るような星にも見とれます。
気比の松原と同様に湾の奥で、しかもここの背後は生活区域ではなく内海があり、強風・飛砂・飛塩・高潮・防霧から生活を守るインフラ、防災林ではなく、「特別名勝」であることが管理の重要なポイントと思いました。
美しさを維持するための長年の努力を想像しました。

全長3.6km、幅20m~170mにクロマツ5,000本、広葉樹1,300本。


また全国の海岸と同様、砂浜の浸食に対する対策(サンドバイス工法という)も成されていました。
「放置すれば50年後には広葉樹林化する」という京都大学の研究発表をTVで見た事が訪問の動機でしたが、
訪問客の来訪により林床が踏み固められ、根を保護する上で「客土」されてきました。
そのことが広葉樹や雑草を侵入させやすい状況を作っています。
古来からクロマツと広葉樹とゾーン分けして管理され、共存してきたのだと思います。

昔の絵にも天橋立神社周辺にはマツ以外の広葉樹と思われる木が。


夕方と早朝から約6時間かけた実踏を終え、次に向かいました。

やんちゃな・・・

2012年8月23日( カテゴリー: 現場レポート )

今年3月に播いたクロマツもここまで大きくなりました。

播種から約140日


大きさは様々ですが、だいたい15cmくらいです。
少し前までの可愛げはどこかにいってしまい、
今はかわいいというより、「やんちゃ」なかんじです。
「まだ小さいから」と思って甘く見てさわると、
マツの葉ですから意外とチクッとします。
それはそれで、マツらしくなってきたということですが・・・!

「海岸林再生プロジェクト」担当の吉田です。
明日、23日(木)J-WAVE「Heart to Heart」(環境省スポンサー)に電話での生出演をします。
プロジェクトについて話します。時間は、21:35から5分程度です。
皆さん、ぜひ聞いてください。

先日フィリピンの木についてブログで紹介しましたが、今日はもうひとつ。

 潮が引いている時間に海辺を1km以上歩いて、マングローブを見てきました。
 
マングローブはフィリピンの海岸林です!
まだ植えてまもない苗木から大きく育ったものまでさまざまな木があり、
人の入りようがないほど枝と根が張りめぐらせている場所もありました。
 
根がタコ足のように張る変わった木もありました。
この根が海辺の小動物の住家になったりするのでしょう。
 

 

苗の生育順調です!

2012年8月20日( カテゴリー: 現場レポート )

第一育苗場のクロマツたちです。
こんなに大きくなりました。

日本三大松原・気比の松原

2012年8月17日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

京都出張があり、思い切って足を延ばして、
福井県敦賀市「気比の松原」に行きました。
『白砂青松を作った人達』(北斗出版)には、
「日本三大松原の中で最も白砂青松の条件を揃えている」
との記述があります。
この機会をおいて、いつその見事な姿を見れるかわからないと強く思いまして。
海水浴場とマツ林の一体感があると思いました。
近所の人がうらやましい。

ビーチパラソルは不要な感じです。
マツがありますから。
 
しかし無粋だ。
日曜日。世間は海水浴。私はカメラと手帳を片手に松林の視察。
勘違いされて警察に突き出されないようにしなければ。
林床は見事に整備され、アカマツを中心とする一本一本は力強く、
枝も低い位置から充実して生えています。
外洋に面さず敦賀湾の奥に位置し、防潮堤がなく、樹形は直立しているので、
波と風はあまり強くないと想像しました。
黒い砂でなく、まさに白砂。
しかし砂浜の砂の粒が大きく、飛砂の害は少ないと見えます。

案内所のおじさんによると、元々は、山のアカマツの種が川で運ばれ砂州と共に、
自然にできた松原なのだそうです。平安時代には既に記述があるとのことでした。
海岸林はクロマツ人工林が多いので新鮮でした。

見事な姿の他に、ここで一番感じたのは、森の目的です。
人間の生活を自然から守るだけでなく、「特別名勝」(文化庁指定)として、
古くから森を健全かつ美しい状態を受け継いできたのだと思いました。
ここは、潮害防備保安林のほかに風致保安林に指定された国有林です。
日本中に海岸林はありますが、それぞれ存在目的や成り立ちは違うのですね。
何にウエイトを置いて造成や管理方針が決められます。
風の強さや向き、周囲や当地の地形条件、生活との関わりによって
一つ一つが違うのだと改めて思いました。
内陸側の広葉樹との混交林も丁寧に管理されていました。
作業道にもなる散策路は縦横に走り、誰にでも親しみやすい海岸林です。

冠雪害は一つの悩みだと思いますが、
日本海の波と、雪の松原の美しさは壮観なのだそうです。

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