宮城県主催「海岸林再生キックオフ植樹」
プロジェクト担当の吉田です。
神奈川県出身のくせに、近くて遠い湘南海岸に『仕事』で行きました。
ほんとに随分高い木になったと、つくづくそう思いました。
名取では防風林と口々に言いますが、ここ湘南海岸のクロマツは、元県民の個人的な印象は『砂防林』。
江ノ島辺りから大磯までの全長11.4km、85.2haに、県土木事務所が管理し、上層木がクロマツ、中層がマサキ、トベラ等を主とする海岸林があります。
前浜には堆砂垣と低木、その背後に5m程の防風ネットに囲まれた海岸林があります。
まず、防風ネットがあること自体が驚きです。(相当効果があるでしょう)
海岸林の幅は狭いです。
飛砂と強風の凄さを子供の頃、親によく連れて行ってもらいながら感じていました。
砂に埋もれる堆砂垣。防風ネットのみならず、木の幹にも雨と共に吹き付けられた砂がこびり付き、歩いていると、木の上から砂が落ちてきたことにも驚きました。
今年4月初めの暴風の折は、箱根駅伝往路3区、復路8区で登場する砂防林の真ん中を走る国道一号線に、道路には飛ばされた砂や、風で折られた松の頂の新しい穂が一面覆ったそうです。
昭和40年代と、60年代にクロマツの下層に導入された広葉樹がその後どうなっているのか視察するのがそもそもの目的でした。(さすが清藤先生。目の付け方が違う)
マサキとトベラは九十九里でも三重県、和歌山県でも、宮城県でも海岸林に適していることを確認済みですが、40年を経ても上層たるクロマツを越えて育つことなく、中層を吹き抜ける風や砂を遮る効果をみせます。
昭和60年代、その他諸々の広葉樹を植えた場所では、今は一本一本、木の頭を飛ばして
(伐って)上に伸びないよう止めてあり、私には造園の世界に見えました。
管理に働く方達の努力、県の現職の方が今存在するものを最善の努力をされていることは、歩けば目に入る様々な跡からよくわかります。
しかしながら、広い面積を扱う造林と、造園は違うと私は思います。やはり一本一本頭を飛ばすなどのコスト高が気になりました。将来設計の大切さ。どういう姿になるのか、したいのか。イメージを持ってこれからもこの仕事に臨みたい。
ちなみに、海岸林丸ごと、伐って欲しいと言う意見もあるような。
某有名大作家もかつて文句を言いに来たようです。伐ったら周囲はどうなるでしょうか?
広葉樹導入の構想を清藤先生と練りに練り、家族が驚く程早い、日の入り前の帰宅でした。
本日の昼飯は、名物『しらす丼』。今日もいずれも悪くない。
現場事務所に電話とパソコン、プリンターを設置!
以前も実生のことは紹介しましたが・・・。
潮風に吹かれ、栄養に乏しい海岸の厳しい環境でも、人の手でではなく、自分の力で生きている小さな木を見かけます。
海岸最前線にて
クロマツ(2年生)
クロマツ(5年前後か)
海よりだいぶ内陸にて。
ウワミズザクラか?
コナラ
津波の後、去年はまだ樹勢があっても、今年は花も葉も少ない広葉樹も
見られます。ウワミズザクラの花も、種も、今年は少ないように感じました。
ウワミズザクラ?
振り返りブログ3 曲がり角で、いつも女性が立っていた
プロジェクト担当の吉田です。
昨年1年間を振り返ると、この事に触れざるを得ません。
プロジェクトを起案した3月から半年過ぎたころでしょうか、
この事に気付きました。
あの混乱の時期、我々オイスカのこの決断を後押しし、道に迷わぬよう、
良い道を行けるよう、四つ角に立っていてくれたのは何人もの女性でした。
まだまだ、毎日が崖っぷちで、多くの方に支えられ、ようやく立っています。
阪神大震災の時、現場を共にした女性お二人にも、
また今度は本部でご縁をいただいております。
かつて「やるっきゃない」との名言もありましたね。
女性の本質を垣間見た気がします。
ちなみに、これはその一人から、突きつけられた?写真です。
目に付くように保存され、オイスカのHPブログでも公開されていたような。
全てがなくても十分わかります。
振り返りブログ2 第1育苗場のBefore&After
プロジェクト担当の吉田です。
記録でもありますので、お付き合い下さい。
2011年
7月25日 育苗場候補地を探し始めました
11月24日 すこしだけ転々として、今のところに初めて来ました
2012年
1月10日 塩分・土壌調査
1月26日 賃貸契約
2月29日 前田建設工業㈱の協力で事務所となる「スーパーハウス」納入
名取市海岸林再生の会設立
3月1日 堆肥散布開始
3月3・4日 前田建設工業㈱の協力で防風ネットのための単管パイプ1,200本などの大量の資機材が届き
その作設を社員ボランティア30名と、積雪の中、防風ネット作設
3月7日 配合肥料、尿素散布
3月9日 種苗組合を通じて県から種子を受け取る。講習会受講。種子は冷蔵保存。
3月12日 防風ネット完成
3月22日 床づくり、殺菌、自主講習会開催
3月29日 種子冷水処理
3月30日 播種
4月26日 育苗場お披露目式
4月28日 発芽確認
現場は海岸林再生の会の皆さんやプロジェクト責任者の佐々木廣一さん、秋山君が担ってくれています。
北アメリカ原産で明治初期に日本に入った落葉高木。
マメ科で、「ハリエンジュ」というのが正式名称。
いつか植林した木を守るために「戦う」事になるだろう大敵です。
生命力がとても強く、海岸林造林現場の貧栄養性の砂地でも生えてくるため、
植えた木の上に覆いかぶさり、制圧してしまいます。
およそ木と言う木に悪意を持って生きている木ではなく、
肥料木でもあり、蜜源となる木でもあります。
とても大きくなるのですが、強風の後に倒れたり折れたりしているのを多々見かけます。
棘があります。
林業会社に勤めている時も、ひっかきました。
秋田の能代、「風の松原」の保全活動では、「芽かき」と呼んで、
下刈・除伐に経済団体や学生、市民が毎年辛抱強く参加しています。
そう言えば、風の松原ではこのような看板を見ました。
「根っこの様子を見比べてください。
クロマツ ニセアカシア
強い風にも耐えられるのはどちらでしょう」
と書かれています。
看板の意味、お分かりになりますか?