初お一人様、名取出張 第2弾 「the 第2育苗場!」
国際協力ボランティアの木村です。
初お一人様、名取出張の第2弾です。初めて行ってきた第2育苗場について書きたいと思います。
第2育苗場はあまり広くはなく、点在しているのが特徴です。
第1育苗場から車で20分ぐらい。田んぼのど真ん中にあり、たどり着くのに苦労しました(汗)
今回は再生の会メンバーの高梨さん、森さんのインタビューが目的でしたが、
もちろんクロマツの様子も見てきました!
ここでは、少し趣向を変えてマツの育苗に取り組んでいました。
森さんは「マツの育苗は野菜の苗を育てるのと同じ」と考え、自ら、土の配合を調整し、それを写真に収め、記録しながら育苗をしています。
また、これからの草取りの作業が欠かせない季節を前に、発芽した苗の近くにもみ殻を播き、草を抑えたり、コンテナ苗が発芽しなかった場合に備えて、 小さい種苗箱に予備を作っていたりとさまざまな工夫をされていました。
そして高梨さんから面白いことを聞きました。
「木村君みたいな苗が必要だ。マツも人間もライバルがいて競争して強くなっていく。だから、コンテナ苗よりも露地播きで競わせて強くて、太い苗を作らないといけない。マツの種は貴重だが、間引きをして捨てる覚悟も必要だ」とおっしゃっていました。育苗でも植林でも間引くことが増えるとなると多くの種が必要になります。コスト面では大変ですが、しっかりとしたマツの苗、そして海岸林を作るには「捨てる」覚悟も必要だと知りました。

今まではまだ、春到来という気があまりしませんでしたが、 さすがに6月。市内でも半袖の姿を見かけます。
仙台空港駅から降りると、目に緑(雑草)が飛び込んできました。
防潮堤・盛土工事も、目を見張るほど進んでいます。

育苗場に来るたびに、草取りに精を出す地元の皆さんの姿。
6月3・4日は終日10人態勢で。
床替移植のストレスに、マツが対抗できるよう、 活性剤を撒いたことが雑草を助長しているのです。
これから10月頃まで、一にも二にも草取り・観察です。
雇用時間数は昨年の6倍以上の見込みですが、 その大半が、畑の使用面積が広がったことに伴う、草取りです。
視察いただく方にも、短時間でもお願いし、
なりふり構わずということになるかもしれませんね。
吉 田:草取りするとき、注意しなければいけないことは?
Mさん:「草と一緒にマツも抜けたり、浮いたりするんだよね~
それを忘れたままにしないことだなぁ。ただそれだけ。
やっぱりしっかり植えてあげることだね~」
仙台の他団体の海岸林再生の仕事も拝見しましたが、
それぞれの団体ごとにさまざまな肥料が撒かれていました。
すでに苗の周りから、草が出ていました。
まとめレポート⑤ 収支概況
平成24年度の収支概況を少し早目にお伝えします。
寄附金・民間助成金収入総額は約8,500万円(平成23年度約5,500万円)
育苗実務初年度の支出総額は約3,000万円(平成23年度約1,500万円)
そして、今後の大規模な海岸林植栽と育林に備えるため、内閣府に提出した計画である
「特定資金準備金」として、計画通りの5,000万円を積み立てることができました。
2年間の活動レポートと収支報告は、当法人決算理事会後、6月下旬までにHPにて公開いたします。
今年度は震災の風化に正面から向き合うことになるのは間違いありません。
これは元より覚悟していたこと。
そのなかで、育苗事業について被災地住民の就労の観点で言えば、
雇用時間数は6倍以上増、育苗使用面積で言えば約6倍増、
雇用者として関わる人の数も既に増えております。
そして、平成26年度からは本格的な植栽が開始されることでしょう。
その上、平成28年頃から県有林の植栽が開始され、事業量ピークを迎えると想定しており、
種苗組合の一翼を担う我々には、育苗においても最大の期待が寄せられることでしょう。
キャッシュフローとの闘いはまさに現実化することになると思います。
先を見て、先を見て、必死に資金獲得も行います。
これまでの多くの皆さまのご厚情に深く感謝するとともに、
今後、信頼を裏切らぬよう、日々の実務を着実に行ってまいります。
道のりは長いですが、必ずできるんだ!と、毎日強く思い続けて。
これからもご支援のほど、よろしくお願いします。

ここの会場も会員です
6月4日、宮城県支部幹事会と活動報告会があり、 東京から永石専務理事と我が部署のフレッシュマン中西君、 現場統括の佐々木さんと出席しました。
会合は最低年2回あり、会員110件のうち常に5割が出席する盛況です。
もう2年毎回出ていますが、とにかく「賑やか」。
オイスカには全国15の支部があり、宮城は30年を超える歴史があります。
特に、海外からの農業・工業の研修を受ける青年(オイスカでは研修生と呼ぶ)や、 台湾からの短期農業視察団の受け入れを続けてきました。
現在も素晴らしい受け入れ農家「日向養豚」さんのおかげで、養豚研修生が毎年学んでおり、今はフィリピンの青年がお世話になっています。
震災後は、海岸林再生プロジェクトの最前線で、まさに陰に陽に 支えていただき、我々と「ともに」歩んでいる実感があります。
空港関連会社の社長さんと部長さんが、一緒に外回りして下さったり。
仙台中心街を歩いていても声を掛けられたり。
ふらっと訪ねた居酒屋で、ここで熱心に海岸林を語った会員さんの噂も聞きました。
その居酒屋さんは、ご寄附を手に、育苗場まで来てくださいました。
正直なところ、会員ほど心強い存在はありません。
プロジェクトだけでなく、我々の50年の歩みも、 オイスカの国際協力も、いわば、全体をご理解いただいているから。
海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画をきっかけに、 自然に会員が増えたかどうかが成績表と思っています。 (究極の目標の一つ)
やはり、そういう一群ですから、基本的に底力があります。
事務局長の小野さんは、宮城テレビ放送の副社長をされた方ですが、 幾年も完全手弁当で、ほんとうに高齢にもかかわらず、毎日フルタイム。 小野さんを筆頭に、多くの方が、コツコツと協力してくださっているのは 東京に居てもよくわかるのです。一体感、感じます。
当プロジェクトの寄附者数は、宮城県がトップ独走、続伸中です。地元に理解者が増えるのは、本当にうれしいです。
ついで、東京・愛知・香川・福岡など。東京は金額では圧倒的。いずれも、オイスカの会員が多い地区です。
初お一人様名取出張 第1弾 それぞれの思い…「混ざらねーんだ」
国際協力ボランティアの木村です。
5月30日~6月1日、名取市で海岸林再生の会のメンバーへのインタビューをしてきました。
4月からこのプロジェクトに携わるようになり、
これまで3回現場に行きましたが、今回が初の一人出張でした。
インタビューの目的は今後の広報活動への活用ということもあるのですが、
大きな目的としては現時点の思いを忘れないための記録です。
と、同時に自分自身としては、勉強という意味合いもあり、これが一番大きかったと思います。
出張の報告をシリーズ編でお届けします。
第1弾はこの出張の仕事であるインタビューのことです。
今回は会長の鈴木英二さんをはじめ7名の方にお話を伺いました。
その中で第一育苗場の班長、大友英雄さんの話が自分にとって、とてもインパクトがありました。
大友さんは誰もやりたくない班長という立場を引き受けた頼もしい方です。
再生の会のメンバーはそれぞれ、自分たちの農業、生活があって、それで精一杯です。
そのためなかなか育苗の作業日程が合わないし、それぞれの農家としてのプライドで
育苗に関しても意見をぶつけ合いながら作業をしているそうです。
大友さんは「混ざらねーんだ」ということが課題だとおっしゃっていました。
それでも、飲みの話になるとすぐにみんな、集まるそうです(笑)。
実際には、気心の知れたメンバー達なので、
おしゃべりしながら、作業していると疲れないし楽しいと感じているそうです。
インタビューを通じて、メンバーの思いを強く感じることができました。
作業に向かう皆さんの背中を見て、何か奮い立たせるものが湧き上がってきました。
メンバーは口だけではなく、作業を通しても語ってくれているのだと感じました。
来年の大仕事に向けた準備は、やはり自分の身の回りから。
マジメなハナシ。
我がことですが、どうも体調が思わしくなく……
一気に体力が落ちてしまいました。
かつていた林業会社では、腕はともかく、
脚力だけは褒められました。
「うりぼう」(猪のこども)を
障害物だらけの山の中で捕まえる寸前まで追い詰めたし。
「あれだけ」は親方を唸らせた。
今は平らな所の仕事ばっかりで、
その面影はどっかに消えてしまった……
植栽をする場所は、砂の上。
前に進みません。
疲れます。
今のままでは、先頭切れないなあ。
まず毎日1万歩歩いて、少しずつ鍛えよう。
とりあえず階段は「一段飛ばし」で。
体力でもリードできるように、
よく寝て、よく食べて、強い体を取り戻そう。
今日も、一駅手前で降りました。
初めまして。今年4月に「名取市海岸林再生の会」に入会した菅野です。
入会したきっかけは、自分も大震災の被災に遭い、名取市に引っ越ししてきたのが始まりです。仕事場が被災し、仕事を失いハローワークに行ったときにこのプロジェクトの事務員募集を目にして、引っ越し先から近いことから応募しました。来てみてびっくり、ちょうどその日がクロマツの種播きとは!!生まれて初めてマツの種を見ました。五十数年生きていて初めてです。
5月9・10日には、第一育苗場で、コンテナへの抵抗性クロマツの播種作業が行われました。
コンテナ1台に24個穴がありますから、565台で13,560粒の播種作業です。すべて手作業のため、時間がかかりました。
種まきに参加したメンバーが、「マツの種は大きい方だ。レタスより播きやすい。何でもおんなじで手がかがるがあどは、めんこぐなんのしゃ(手がかかるけど、その分後からかわいくなるんだよ)」とおっしゃいました。
本当にその通り! 農家出身ではない自分にとっては初めての体験だったので、楽しくて、芽が出るのが本当に待ち遠しくて、今朝、現場責任者の佐々木さんに「今日、こも、はがすがら(上に掛けていたわらを取り外す)」と言われた時はうれしかった~!
そのコンテナ苗が発芽しました。場所によっては芽が出ていないところもあり、ちょっと心配なところもありますが、土がこんもりしてきているので大丈夫かも。今後そんなところも見ながら、楽しみながら見守りたいと思います。
国際協力ボランティアの木村です。
三井物産環境基金様の助成金によって、今年度広葉樹の意育苗を開始します。 先週の出張で広葉樹の播種(種まき)を地元の方、 宮城中央森林組合の方とともに、
今後の練習を兼ねて行いました。
種子は前年の秋に、名取と仙台市内で拾い、一冬冷蔵保存しました。
本当は採り播き(採種直後に播種)する方が、15%以上発芽率が良い様です。
クロマツに加えて、なぜ広葉樹を植えるのかという疑問がありました。
そもそも海岸林は、海岸の最前線で必死に風、砂、津波などから人、建物、農作物を守る
「社会インフラ」であり、そこに植える木として先人が数ある樹種を試した中で、
消去法でクロマツが「先駆樹種」として選ばれたと教わりました。
幅200m以上にわたって植えられたクロマツ林があると、大半の砂や空中塩分が内陸に及ぶのを阻止するそうです。
植栽後、数十年たつ中で、クロマツがあることで沿岸部の植生は多様性を増し、
広葉樹なども育つようになり、ゆっくりと自然豊かな森へと移り行くということです。
宮城県南部の海岸林再生の植栽樹種としては、クロマツに加え、
塩などのストレスが比較的少ない内陸部に限り、
クリ、ケヤキ、ヤマザクラ、コナラなどの広葉樹も選ばれております。
海岸林の大半は国、県、市の土地です。すべての関係者とじっくりと話を進めて、最終的に素晴らしい森を目指したいと思います。
まず、広葉樹の種蒔きの結果は、以下のようになりました。
|
種類 |
Kg,本数 |
面積(㎡) |
|
コナラ種 |
3.6kg/約3,600粒 |
7.0㎡ |
|
クリ種 |
3.5kg/約1,000粒 |
7.0㎡ |
|
コナラ苗(土付き) |
35本 |
1.6㎡ |
|
コナラ苗(ポットなし) |
63本 |
3.0㎡ |
|
コナラ苗(ポット付き) |
70本 |
3.2㎡ |
|
コナラ苗(無肥料、山砂) |
数本 |
|
|
コナラコンテナ(種) |
0.072kg |
24ポット×3コンテナ |
|
クリコンテナ(種) |
0.072kg |
24ポット×3コンテナ |
※ケヤキは、昨年が不作で、入手できず
※マザクラ種子は、今後仙台・名取市内などで採種予定。
露地の種まき、コンテナへの種まき、苗木の植え替え、それに加えて、少し時期が早いのですが、
ヤマザクラの挿し木を試しにやってみましたので大忙しでしたが、だいたい半日で仕事を終えました。
各、作業の要点だけまとめました。
露地の種まき
種は基本的に一晩、水につけておき、浮いた種は捨てます(選種)。
種をまく、路地はレーキでならして踏み固めます。
そこに均等になるように種をまき、土を種の二倍以上になるようにやさしくまきます。
その後は敷き藁をしてたくさん水をまきます。寒冷紗をかけて終了です。
コンテナへの種まき
コンテナに土を入れて、4cm程沈めて、固めます。
その後、種を入れ、土をかぶせ、水を与え、もう一度、土をかぶせ、完了です。
苗木の植え替え
試験的にポット付き、ポットなしで行いました。
要領としてはクロマツの床替え移植と同じで、深く、土を掘り、そこに苗木を埋めます。
最後はクロマツのように踏みつけはしません。代わりにネキリ虫予防としてネキリアースという農薬をまきます。
ヤマザクラの挿し木
第一育苗場から歩いて50mのところにある、ヤマザクラの枝を使いました。
まず、半熟枝か熟枝のヤマザクラを選定し、水につけておきます。
その間に台所用品である水切り容器のようなものに水はけの良い土を入れます。
なければ、発泡スチロールなどで代用。水が下の穴から染み出すぐらいに水を入れます。
挿し木の方は枝底に切り込みを入れ、基部の葉は切り落とし、先端の葉を半分切ります。
挿し木するときは挿し木する位置にあらかじめ、穴をあけてから挿し木をします。
挿し木後はミスト状態を作るために、ビニール袋をかぶせておきます。後は毎日、水をかけます。
つたない説明でしたが、以上、ご報告とさせていただきます。
クロマツの発芽 第2報
今日は草取りと水遣りにお二人が。
いつも本当に熱心に来て下さる。
*HPの動画(最上段)「芽生え」にも、二人の気持ちは紹介されています。
「仮設(住宅)に居ても、しょうがないからねー」
「今年は草取りが大変だぞー」
年に一度の種蒔きは4月20日。
それから24日が過ぎ、5月13日に発芽を確認したとの連絡を受けました。
私自身は5月17日に自分の目で確認しました。
こういう時は、何もかも忘れ、本当に無心になります。 なーんにも考えない。
二人は次々に仕事を進めます。
次は、コンテナ苗に水遣りを。
この下には、300ccの土が入った24つ穴があるトレイのような「コンテナ」が 565台あります。第2育苗場には375台あります。
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ約75,000粒・500gを連休明けに播種しました。
今年は水遣りも大変です。
お二人の服装見て下さい。名取は、まだ少し冷えますね。
従来から、スギ、ヒノキという日本の木材を担ってきた針葉樹を植栽するための苗は 畑に直接播種する「露地栽培」で育苗されております。
露地栽培の場合は、完全に気候・天候に100%向き合う必要があります。
日本の林業は各方面からダメ出しばかりされてきましたが、技術者はそれでも より良い方法、低コストの方法を全国各地で模索し、研鑽を重ねているのも事実なのです。 林業も全産業の例外ではありません。
例えば育苗。
露地栽培に代わる更に良い方はないものかと。
私、オイスカを一度退職した2007年、三重県でヒノキの苗をどこの家庭にもある ビニールホースで育苗しているのを見ました。それまでは、根が裸で山に来た苗か、 ポットに入った苗しか知らなかったため、意味が分かりませんでした。 宮崎県などでも独自の方法を模索しています。
これから東日本大震災からの海岸林復旧は、マツノザイセンチュウ(松くい虫に対する)
抵抗性クロマツを、コンテナで育てるという方法が大きな位置を占めてくると予想しています。
東北地域では特に、その過渡期に突入するタイミングと、東日本大震災がぶつかりました。
名取市海岸林再生の会の代表3名が属する、宮城県農林種苗農業協同組合もすでにコンテナ育苗に取り組んでおり、従って、我々も、コンテナでの育苗に取り組みます。
技術改良の過渡期です。
露地・コンテナの両者を比べると一長一短。
使用する設備も異なります。クロマツ育苗自体初めての我々。
流動的要素や読めない点も多く、不安はもちろんありますが、
国や地方自治体の計画に協力するのが、基本スタンスです。
実践部隊として、独自の情報や知識を常に入手し、 果敢に挑むつもりです。
コンテナって何?
それはまた、明日以降のブログにて。































