吉田です。6月26日、現場の去り際、ちょっと「黄昏れタイム」してから帰ろうかと、車を降りて、石碑の向かいに行って見ると・・・
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ん?
なんだ?あれ。石碑の上。なにか乗ってる。
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石碑は2m以上。下からではわからないので、携帯で写真を撮ってみた。
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よく分からなかったので、背伸びしてなんとか手が届いたので、落としてみた。
ワタリガニです。
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これは、おそらく猛禽類の「ミサゴ」(絶滅危惧種)が、海で獲ってきたワタリガニ。石碑を食卓に。斬新。堤防の上を使っているのは知ってましたが。
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いつものことですが、徹底実踏の日は、最後の最後まで「Something New」を追求するから、帰るのが遅くなります。なん十年か先、この森が営巣地になるといいなあ。なるだろうな。
惚れ惚れするような~
吉田です。葛について連日書き続けたので、「現場の大半が葛なし」ということはわかる写真を。
ですが、写真ではわからないのですが、こういう中にも点々と、斑状に葛があります。出来る限りボランティアも突入します。もちろんプロも。写真を撮った6月26日は葛を探し回ったので、毎度のことですが、「美的」な写真を撮るのを忘れていました。
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葛との戦いを前に、徹底的に現場を歩きました
今年は葛の出足が早いと感じています。もう、4、5mに育った松のてっぺんまで登り切っている個所もあります。プロの下刈も始まりました。私自身も現場全体を把握しなければならず、やっと時間がとれた6月24日の午後と、26日に朝から晩までかけて、葛などの繁茂状況を「図面」に落とし、プロとシェアしました。私にとってこの実踏は、2014年から毎年続く、戦闘モードに入るための儀式。ただ、ドローンと同じ精度で把握したわけではないので、ざっくりした規模感と位置の確認ではありますが。以下、毎年感じることをいくつか、掻い摘んで。
①「全体のほとんどは、繁茂を食い止められている」
あの繁茂を見ると毎年うんざりを越えて、笑うしかなくなります。一人で本当に笑ってしまいます。ですが、繁茂してしまった場所をたくさん見る一方、葛など皆無で、芸術作品のように惚れ惚れするほど綺麗な場所が大半です。現場全体を納得いくまで歩いて、不完全ながらも図面化、頭を整理すると「的は絞れた」と毎年感じます。でも、その一つ一つの的を潰すのが大変なのですが。
②「今年も変わらず、タフな戦いを覚悟」
葛、藤、ニセアカシアは、本当にタフです。感心します。マツのように「人もかくあれ」とは、誰からも言ってもらえないと思いますが。
③「ン! 去年は生えてきた場所なのに、なくなった!」
そういう場所もあります。プロの手ではなく、ボランティアだけで手を下した場所でも。去年宮城県民10人だけで頑張った場所がありますが、駆逐出来ていました(いまのところ)。ですが、大半は、今年も生えてきます。ちなみに、私自身が一人で薬剤枯殺作業をして試した場所でも、たっぷり出てきました。ただ、葛の葉が大きく開かず、縮んでいて、開葉当初からダメージがありました。
④「頑張っているのはボランティアだけではない」
ここでは宮城中央森林組合、松島森林総合の2社が、6月中旬~9月末日まで、毎日毎日頑張ってくれています。プロに発注できるのは、これまでのご寄付、支援者のおかげ。プロとよく連携し、プロの動きを見ながら、抜かりなく、無駄のないように。そして病人・怪我人を出さぬようボランティアを投入せねば。しっかりしなければと思います。
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吉田です。目を見張るほど大きくなっていました。ようやく時間が取れて、ひとりでぽつんと、蚊に撒かれながら毎木調査してきました。去年11月に行って以来。楽しみにしていました。
2014年~2015年に植栽・2回の補植、2016年秋捕植後の最終成立本数は700本。90%はコナラ、3種のサクラ、ケヤキ。残り10%多い順に、国から提供された皇居産エノキ・タブノキ・アカガシ・スダジイ、私が仙台の山で拾ったクリ。合計10種類。そして、広葉樹ゾーンに風で飛んできて実生で育ったハンノキ5本(4mに生長)、ネムノキ1本。下刈されていない中での調査でした。見逃しはたくさんあると思います。ですが、植えて5年半たって、草の下にいるようではねー・・・
①名取1区国有林最西の全長500m・波打ち際から400m・山砂メイン 2016年10月最終成立本数462本
⇒最終植栽から5年半後:2022年6月 生育本数 263本(半年前は231本・1年前は344本)
②名取9区市有林最西の全長150m・波打ち際から400m・粘土メイン 2016年10月最終成立本数237本
⇒最終植栽から5年半後:2022年6月 生育本数 184本(1年前は193本・半年前も193本)
コナラは成績は良いが、先端枯れ⇒萌芽更新⇒ハイマツのように地べたを這う⇒樹高が伸びるのに時間がかかる。サクラ類も先端枯れを繰り返す。いまになっても半分近くは生長が悪い。ケヤキはサクラと特徴は同じだが、葉がかわいそうなぐらい小さく、さらに成長が悪い。クリは育苗場での枯損が多く、植栽数が少なかったが、そこからの打率が良かった。生長はゆっくりでまだ1m程度でも、葉に勢いがある。たった3本ながら、今後が楽しみ。皇居産4種はエノキ・タブノキだけ残っているが、1m以上になっているものはない。風で飛んできた実生では、ハンノキの生長は非常に速い(でも、毎年黒くて小さな毛虫が大量に付く)。ネムノキは区域内では初めて確認ですでに1m。桐の木は広葉樹ゾーンにはまだない。低木のハギは数えていないがたくさんある。これら数種はいつ飛んできて増えてもおかしくない。
去年、明らかに草丈を越えましたし、コロナ禍で余力もなかったので草刈りは初めて割愛しました。今年は内陸から押し寄せている葛の駆除と連動して、できれば草刈りもしたいと思っています。生物多様性配慮ゾーンと連動して、遠い将来に目指している「内陸側の複層林化」、中木・低木広葉樹の母樹となってくれたらと思います。また、サクラは半分は成績が芳しくないものの、2m~4mクラスのものもあり、差が激しいです。毎年生長を楽しみにしています。
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家族で月一ボランティア
本部・啓発普及部の林です。
今回のボランティア、吉田が報告していた通り、猛暑での活動になりました。
今年に入ってから、ご夫婦とお子さんでの参加が定着しつつある
2組の家族が今回もいらっしゃいました!
その内の1組はIBEXエアラインズにお勤めのEさんファミリー。
(右の3人です!)
小学4年生のお嬢さんは動物が大好きということで、
作業の合間にキツネの巣穴を見つけたり、鳥の巣を見つけたり。
まだ巣しか見ていないということで、今回はキツネに遭遇する確率が高い
吉田が運転する先頭車両の助手席に乗ってみましたが、残念ながら見られなかったそう。
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フライトレーダーで調べて「福岡便があと5分で来ます!」と。
皆さんにスタンバイしてもらい撮影しましたが、思いのほか飛行機が遠かった……
月に一度とはいえ、継続して家族でボランティアに参加するって
なかなかできないことのように思います。
小学4年生の女の子が、大人にまじって炎天下で作業をすることも
私からしたら考えられないこと。きっと遊びにだって行きたいだろうし。
以前、ボランティアに参加するのは大変じゃないかきいてみると、
「逆に、皆さんのおじゃまになっていないか心配です」と。
ぜんっぜんそんなことない!!! かわいらしい小学生が一緒に
作業をしてくれるだけで、おじさん、おばさんがどれだけ癒されているか……。
いつか、彼女がキツネやタヌキに遭遇できますように。
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もう1組のNさんファミリーは、もともとご主人だけ単身で名取にお住まいで、
お一人でボランティアに参加してくださっていましたが、今年に入って
ご家族も引っ越してこられたのを機に、皆さんで参加してくださっています。
そういえば、Eさんファミリーも今年引っ越してこられたご一家です。
新生活がスタートして間もない中で、月一のボランティア参加が
定着しているってホントすごい!!
これからも無理せずご参加いただければありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
猛暑のなか、ご協力ありがとうございました。
吉田です。「観測史上最も早い猛暑日」となった6月25日(土)、公募ボランティアの日に宮城だけでなく奈良、首都圏、山形、岩手からも34名の方が、葛・藤と戦ってくださりました。今回も確実かつ、無事に作業を終えることが出来ました。暑さに強い方は「休憩が長い・・・」という感想を持ったと思います。ですが、無事終わるということが最も重要。無事に一日を終えたこと、ご理解・ご協力のおかげです。
気象庁HPによると、名取(つまり現場に近い仙台空港)の最高気温は34.8度。翌日の河北新報では、県内最高気温は35.1度ということでした。まだ、カラダが暑さに慣れていない時です。大槻さんなど数人以外はデスクワーク、在宅勤務が基本だと思います。今すぐにでもやりたい仕事は山ほどありますが、①日陰に近い場所、②風が通りやすい場所、という考え方で作業場所を決めました。
今年も春から多雨期に向けてずっと溝切りに明け暮れましたが、今回から作業内容は一転しました。もう、ツルマメ抜き取りや、マツの周りの「つぼ刈り」という作業すべき場所は相当少なくなりました。これからは何年も何年も、葛・藤の刈り取りが大半になるはずです。先日のブログ「草との闘い ~あらためて基本方針を~」でもお伝えしました。
具体的には、日陰がしっかりあって風通しの良い、空港東の自然砂丘上残存クロマツ林周辺で多くの時間を使いました。①ドクウツギ、マメ科植物に被圧されてクロマツが見えない箇所の下草刈り、②防潮堤の裾や、③生物多様性配慮ゾーンの砂浜からクロマツ林内に侵入した葛の刈り取り、④自然砂丘の植栽地周囲等で藤を探して刈り取り。そして、夕方少しだけ、名取市海岸林中央付近の本数調整伐を終えた場所に移動して、一大コロニー化した葛に手を付けました。この日は東京都立大の川東先生と学生3名が調査活動をしていましたので、すこしだけ見学と説明を聞く機会がありました。この調査内容は、後日学生さんが報告してくれると思います。
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草との闘い ~あらためて基本方針を~
松島森林総合、宮城中央森林組合も、下刈、除伐、葛・葦・藤・篠竹・ニセアカシア対策に動き出します。「ボランティアはプロの動きを補完する」という原則で仕事をしています。「ここはボランティアで頼む!」という箇所で仕事します。
「オイスカ=ツルマメ」というイメージを持たれるぐらい、2014年以来、広大な面積でツルマメ、ツルマメ・・・を相手にしてきましたが、もう局所的になってきました。また、駆逐できなくても、背丈が大きく上回った2014年~2017年植栽地(約50ha)では、「相手にする必要がない」存在です。残るは、2018年~2020年植栽地にごく一部、斑状にあるのみです。まもなく卒業です。
これからボランティアに期待されるのは、葛を筆頭に、葦・藤です。名取では、プロ・ボランティアともに、とくに「藤」を見逃しがちです。コロナ禍の2年で、所々で見るようになりました。撮った藤の写真を見つけられなかったので、現場で説明します。
葛は、東北の海岸防災林再生地のすべてで、猛烈に繁茂しています。もう、プロ任せでは対処できません。これまで私も、プロと同じ方法の、刈った切り口のみに除草剤原液を1滴程度たらし、自分で目印をつけた場所を、後日見に行っていますが、うまくいく場合もあれば、いかない場合もあります。また、薬を使わず、ボランティアで完全駆逐出来た場所も多々あります。中途半端な仕事がダメなのはもちろんですが、仕事した後の天気にもよるという話も聞きます。
「一度出てきたら駆逐に7年」「夏には日に1m伸びる」などと言われてしまう葛です。「ボランティアで刈った後、再度出てくるものを、プロにとどめを刺してもらう」という考え方、つまり2段階方式で臨もうと、佐々木統括と話しています。あらためて、仕事し終えた場所の現場管理を、プロにしっかり伝達します。
6月3日の巡視でこの状態。今年は葛の出足が早いと感じています。今年もプロとボランティアで最善を尽くしたいと思います。
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2018年植栽地のうち、多湿区域3.81ha(全長600m)の改善が進んでいます。
吉田です。この4年ボランティアに来ていただいた約4,000人の多くには、名取市海岸林最北部の市サイクルスポーツセンターの近くでスコップを持ち、「溝切り」にも取り組んでいただきました。(完成は2020年10月なので、大半の方は、コロナ禍で宮城に来れず、建物の存在を見ていないと思います)
ここでは、植えたばかりのマツが根腐れを起こさぬよう、出来るだけ急ぎつつ、2018年の植栽直後からコツコツと「応急処置」を進めてきました。全長600m×平均幅63.5mを南から順々に。そして6月11日、とうとう端まで辿り着きました。私にとっては完全に記念日。コロナ禍の2020年、2021年は年間ボランティア人数が270人前後と従来の80%減となり、ずいぶん時間がかかりましたが、これまで頑張ってくださった皆様に、あらためて御礼とご報告申し上げます。大小の溝の総延長はとても調べられていませんが、数千mです。
今年も3月から、マツとマツとの間のM/Sサイズ溝、つるはしを使って排水口を15ヵ所ほど作る仕事、防風柵(幅2m・高1.6m/基)を300mほど6人~8人掛かりで持ち上げて外し、常に雨水でぬかるむLLサイズ溝を修復する仕事などを続けてきました。そのゾーンは盛土が沈下?して凹地のようになっていて、溝を掘ると水が染み出てきます。苔も湿地性植物も生え、クロマツの成長が悪い箇所の一つです。50㎝掘るとグライ化して水色になった山砂の下に、スコップでは掘れない固いものも出てきます。
「6月下旬からは、溝切りの手を止め、ツルマメ・葛対策に移らねばならないけど、また、終わらないかな・・・」と思っていました。ですが6月11日、今年も男子ばかり(笑)、野武士的に働く化学総連の皆さんが、一気に折り返し点まで詰めてしまいました。無理だろうと思っていたのですが。自分たちで休憩を切り上げてしまうノリの方も多数いて。わたしら、まったく煽ってないんですけど。
これから秋までは草との戦いに専念しますが、秋以降は、これまで急いだ分、より丁寧に改善を進めていきたいと思っています。そういう場所は、植栽現場全体に斑状に点在しています。まだまだ溝切りは終わりません。
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後世に伝えるべき治山60選 ~富山県入善町海岸防災林②~
吉田です。6月4日の海岸林ブログで①を書きました。技術面で印象に残った点を写真報告します。ここの海岸防災林は、東日本大震災の遥か昔、1985年(昭和60年)に着手されています。技術の変遷の跡やオリジナリティー、いまも参考になる点が多くありました。適期に本数調整伐を実施することの重要性を痛感した実踏でした。行政の方から説明を受けながら実踏したわけでなく、誤解もあると思います。ですので、私見を書きつつも、写真中心で。
名取と似通っているように思う条件は、2012年に行ったとき以来、海沿い最前列のマツが直立していることから、「風の強さ」と思っていました。沿岸部農家の海岸林に対する意識も、似ているような気がします。
それに対し、明らかに違う条件は、①名取の林帯幅が平均200mに対して、当地は平均30m。林帯幅30mでは、本数調整伐隣接する後背地は、名取が砂地の畑で、黒部川扇状地の最縁部の当地は、肥沃な土壌で多くが水田ですから用地買収はさらに難しいか?②冠雪害の有無。名取は奥羽山脈で湿りを落としてしまうため、晴れていても空っ風に乗った粉雪が舞うほど。ベタ雪は10年に一度あるかどうか。当地は耐雪性を念頭に置いた造林が求められる。③近年の海岸防災林のキャリア・経験値の違い。当地の沿岸は民有地です。したがって県が事業主体ですから、住民の理解促進、用地買収、育苗~植栽~保育技術の試行錯誤、知見と技術の継承に差があるのは当然です。作成するのに相当な年月(費用)が必要な、本数調整伐の密度管理図が富山にはあることを、2013年に当地に行ってくださった清藤城宏先生(元オイスカ緑化技術参事)が突き止めてくれました。
富山は東京から近いです。再訪の機会も遠からずあるでしょう。その時は、詳しい方から正確な話を教わりたいと思っています。
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6月上旬に見た「いきもの」 ~イノシシの足跡など~
吉田です。この春は、腰を据えて現場を歩く時間が取れずじまいでした。ですが、そのなかでも発見がいくつか。林久美子課長は、クロマツの中を歩く見知らぬおじさんに声をかけ、「貴重な水生植物が、滞水している排水溝にないか見に来ている。何度も何度も来ている。まだ見つかっていない」と聞いたそうで。
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