第1の山場を整理すると
おかげさまで、視界のはるか先まで植栽が進みました。
必要な人材をダイナミックに投入できたのは、全国の支援者の皆さんのおかげです。
多くの支援者の方が植栽をしたいとの思いを抱いているのは分かりますが、
“必要な人材”とは、天候と苗の様子を差し引いて、非常に限られた日数の中、
休憩などを除き、一日6時間以上鍬をふるい続けることができる人のことなのです。
それでさえ、作業員同士「植え穴が浅い!」「(植えた木の根元への)踏みが甘い!」と声が飛びます。
現に、暴風が吹き荒れた翌日、風で飛ばされた苗もあり、森林組合ですら点検に回りました。
今年度予定の3分の一、約5ha。
それぞれの献身的な努力がありました。29・30日は雨の中。
その第一の山場が終わり、それを整理すると下記のようになります。
4月21日 造林講習会(30名)
(名取市海岸林再生の会、宮城中央森林組合、仙台市森林アドバイザー会)
4月27日 苗掘り取り(6名×半日)
4月28日 植栽5,200本と苗掘り取り(66名)
4月29日 植栽7,200本と苗掘り取り(55名)、第2育苗場1年生苗床替(27.5名)
4月30日 植栽6,650本と苗掘り取り(50名)、第2育苗場1年生苗床替(20名×2時間)
*2日合計15,600本
5月1日 植栽5,950本と苗掘り取り(50名)
5月2日 宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ 第1育苗場コンテナ播種27,792本分(21名)
5月3日 岩手県産マツノザイセンチュウ抵抗性アカマツ 第1育苗場コンテナ播種16,272本分(19名×半日)
*各人数にオイスカ関係者は除いています。
*この間の取材8件。ともに苦労してきた行政当局の皆さんの視察19名。
岩手県産マツノザイセンチュウ抵抗性アカマツ?
なぜ岩手県産?、なぜアカマツ?
今年は、我々に必要な抵抗性クロマツの種子が足らないのです。
県庁森林整備課とも相談の上、この様な措置を取りました。
クロマツよりも内陸側に植栽することを想定しています。
5月3日、再生の会一同で、植栽箇所を観に行きました。
メンバー以外にも、腕に覚えがある地元の方も、連日加わっています。
2年育てた苗が巣立った姿を見る誇らしい顔が、私達オイスカにとっての支えです。
来週12日~第二の山に入ります。
それに向けて、今日から第1育苗場の1年生クロマツ・アカマツ床替、
第2育苗場の2年生クロマツ掘り取り・仮植、播種準備など、準備が続きます。
今週もがんばります。
帰京することができない休日、「休まなきゃ」という一心で、塩竈市の浦戸諸島を定期船と無料渡船を駆使し、存分に「歩いて」きました。
松島の島々が防波堤になったことはよく知られていますが、その最前線です。 塩釜港から1時間で一番遠くの朴島に。カモメが着いてきますが、餌をやってはいけません。
島の人口は、桂島200 人、寒風沢(さぶさわ)島150 人、野々島70 人、石浜40 人、朴島20 人。 残念ながら3年前の津波では、寒風沢島で2名の死者と1名の行方不明者が出てしまったとのこと。
一見、何もなかったかのようにも思えます。船員さんに聞くと、元々空き家をこの機会に更地にした家も多いそうです。 しかし、港の沈下は1m近く、まさに復旧途上です。
港でいただいた、とても分かりやすい島の案内図を手に 朴島、寒風沢島、野々島、桂島の4つを無心でちょっとしたトレッキング。 無料渡船の連絡先も書いてあります。椿、水仙、菜の花、満開の桜、春蘭も、キツネも見つけました。 一日中昼寝しているような、のんびりした猫もいっぱい。島の名物。彼女たちも無事生き残ったのでしょうね。
ここでは「ソイ」も釣れるようです。 でも「まだ釣り糸を垂れる気にはなれない。暇そうにしているみたいで」と言う人も。 一方で、渡船の船頭さんは「65歳まであと5年は働かなきゃ。今はフグが卵を産みに近くに来るから、それを網ですくうんだ。 旨いもんばっかり食べてるから、太っちゃって」と。
寒風沢島の海水浴場に、チリ地震津波に関する石碑がありました。 今から54年前の昭和35年(1960年)5月22日の15時11分にチリで地震が起こり、 22時間後の日本時間5月24日未明に最大6mの津波が三陸海岸沿岸部を襲い、142名が亡くなったものです。
5月24日…我々の植樹祭の日。奇遇なものです。
石碑の前は、まさに白砂青松。
樹齢150年近い見事なクロマツがそびえ立ちます。
伐採された木の年輪を数えると、やはりチリ津波の後は、相当のストレスによって年輪幅が本当にわずかしかない。
チリ津波にも、3年前の津波にも耐えて今も生きている。
クロマツの背後には、離島にもかかわらず広大な農地。休日返上で農地復旧に当たる作業員さんたちが。
桂島の海水浴場は今夏から再開されると聞きましたが、ここの重厚なクロマツの多くは今回の津波には耐えられなかったようです。
4月半ばですから往路復路ともに凍てつく風。歩き疲れて、暖かい船内でも、仙石線でも熟睡してしまいました。
歩数計は22,000歩。
心強い支援者 トヨタ部品宮城共販㈱の皆さま
仙台港の近くに本社がある同社は、会社の復旧を遂げて早々に当プロジェクト支援を、会社と社員有志のマッチングで決めていただき、社員さんの自主的な発意の募金なども行っていただいております。各種行事には常に誰かがご参加いただき、当プロジェクトの趣旨を深くご理解いただいている長年の法人会員さんです。4月19日(土)ボランティアの日には仙台トヨペットの18歳の3人とともに、相澤さんの18歳の息子さんも。帰り際の若者らしい表情が、私たちにとっても励みになりました。ここに来て作業をする前に、お父さんから話をきちんと聞いていたのでしょうね。また来てくださいね。写真など感想をお寄せいただいたので、「こどもの日」にあわせてご紹介いたします。
トヨタ部品宮城共販㈱総務室の相澤です。
4月19日(土)はじめてボランティア活動に参加させていただきました。
当日、オイスカ事務局の吉田さんから作業の説明を受け、いざ作業開始!
鍬を使って地面を掘り起こし、大きな石などを手で取り除くものでした。
今回、息子(高校3年生)も一緒に参加さていただきましたが、
次回も 一緒に参加してみたいと思っています。
「お彼岸バザー」での宣伝は庭木の苗で
クロマツお助け隊員の井上文雄です。
神奈川県川崎市の市立早野聖地公園で恒例の春のお彼岸バザーが3月21日開催されました。私たち早野聖地公園里山ボランティアはクヌギ・コナラの木炭・木酢液・竹炭・青竹の花いれなどを出品しました。お彼岸の墓参の方々が立ち寄っていきます。
ここに、海岸林再生の寄付をお願いするための無償提供のものを並べました。マツボックリの炭・竹の枝の炭、花の苗。植木の苗は、実生のセンリョウ・挿し木のサツキ・オオムラサキツツジ・挿し木のアジサイ・柏葉アジサイ・ちりめんアジサイ、実生のイロハカエデ・アマナツミカン・ヤブツバキ、花を咲かせる桜草などなどです。
早野で育てた苗は、希望しても名取市の海岸に植えられません。私は気持ちを切り替えて、墓参の方々のお持ち帰り用の庭木の苗を育てることにしました。海岸林再生の寄付金につながると昨秋のバザーで気付いたからです。
宣伝は、大型写真パネル3枚で、海岸林再生プロジェクトの3年間と今年植栽が始まることを訴えました。苗を手にとる方々に「無償には訳が。」と声をかけて、寄付金パンフを手渡し、写真パネルを使って説明を聞いてもらいました。「絆」と書いた太い竹筒に、ご自分の判断で硬貨を入れていただきました。この「絆」から1万円をオイスカに送金することができたと役員から聞いています。
郵便振込みで寄付をお願いして手渡したパンフは70部でした。「個人からの寄付」が増えることを願っています。
震災・津波から4年目、「風化」が言われています。が、今回、海岸林の説明者が、昨年名取の苗畑を訪問した4人以外にも2人以上増えました。パンフの受取りを拒否した人はひとりもいません。応えてくれる人ばかりです。中には仙台や福島出身の方もいらっしゃいました。要は訴えを継続していけるかどうかだと思っています。
今年は植栽が始まります。秋のお彼岸バザーには植栽を写真パネルにします。昨秋採集の庭木の種は、今、芽吹き始めています。クロマツの発芽と同じく「めんこい」です。秋のバザーには出品できるでしょう。「庭木の播種・育苗・バザーで募金」このサイクルを楽しみながら続けていきます。
写真パネルは、職場のOB会で展示して「自分で作ったの?写真があると伝わるね」と好評でしたので、同期会や様々な集まりに持ち込みます。昨秋に続き、近くの市営バラ苑が公開されたら、自宅の前に寄付金パンフを設置して写真パネルを展示します。
「名取市海岸林再生の会」のみなさん、いつもエネルギッシュなお顔を思い浮かべながら、私個人は微力ですけれど、私のできることで、みなさんを応援し続けていきます。
3度目の播種開始 ~八十八夜の別れ霜~
「きょうは立春から数えて88日目に当たる。
『八十八夜の別れ霜』と呼んで気候が安定し、農家は種まきに精を出す。」
昨日の河北新報の1面コラムで、このように紹介されていました。
穀雨の二日から一転しての好天。
5月2日、第一育苗場では、宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ27,792粒(650g)を300ccコンテナ1,158ケースに、名取市海岸林再生の会メンバー21人工で播種しました。2012年、2013年に続く3度目の播種です。
再生の会メンバーは疲れもピークなはず。しかし、大友班長は、朝一番から腹を抱えて笑わせるトークを連発。
「今日は種蒔き。楽しんでやりましょう」と佐々木統括。本当に目標に向かってまさに燃えています。
これから2年の育苗の初日です。
この5日、行政関係者と報道関係者の来訪も連日続いています。
今日は名取市復興まちづくり課の中堅5名の熱心な視察や、
地元ラジオ局なとり災害エフエムの取材も。
5月9日(金)12:00、再放送10日(土)6:00、16:00で、30分ほど紹介されます。
播種初日はゆっくり出勤の9時から16時まで。
翌日は、岩手県産抵抗性アカマツの播種。
「皆で休もう」という意見はまったく出ないのです。
広報「なとり」 市長コラム「粋 庵」より 佐々木一十郎 名取市長
昨日発行の『広報なとり』にある市長コラムで、佐々木一十郎市長が
海岸林再生について触れてくださっています。
昨日、激励に来ていただきました。
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「失われた海岸林の再生」
H26.05.01 広報「なとり」
伊達政宗の時代(約400年前)に仙台平野一帯に海岸林が造成され、
震災前には白砂青松のクロマツ並木がどこまでも続いていました。
そのおかげで仙台平野に暮らす人々の生活は、
塩害や強風、砂、高潮などから守られてきました。
ところが、そのほとんどがあの震災によって根こそぎ流されてしまい
「海ってこんなに近くにあったのか」と思うほど直接海が見える状態になってしまいました。
人々の暮らすまちや農地の復興には全力で取り組んでおりますが、
仙台平野は海岸林の再生なくしては真の復興になりません。
世界中で農村開発や環境保全活動を通して活躍している
「公益財団法人オイスカ」の呼びかけに応え、
被災した北釜や下増田の人々が、失われた海岸林を自らの手で再生しようと
「名取市海岸林再生の会」を立ち上げ、活動を続けております。
名取市の海岸部にはすでに防潮堤が完成しており、
その内陸部分に海岸林を再生しようと計画しております。
海岸に生えていたクロマツは、地下水位が高いために根が浅く、
横に伸びた根っこごと津波に流されてしまいました。その反省を踏まえて、
林野庁では現在、海岸林植栽地を3メートルほどかさ上げする工事に取り組んでおります。
オイスカと再生の会では、名取海岸の県有地と市有地、それに国有地の一部、
計約93ヘクタールの植栽と管理を担当することになり、現在試行錯誤しながら、
クロマツ12万4千本の種苗育成に取り組んでおります。
最終的には補植分を含め50万本の種苗育成を目指す
この膨大な事業を、オイスカでは行政を当てにすることなく、
民間からの寄附金を募りながら活動を続けております。
現場での作業は各企業や団体、学生さんや
有志のボランティアに支えられて展開しております。
これまで下増田の広浦など各地で育苗を行い、
4月末から気候を見ながら植栽を始めており、
今月の5月24日(土)には海岸林再生植樹祭が現地で行われます。
実に、素晴らしい取り組みです。
どんな形でも結構ですので応援いただけます方は、オイスカまでご連絡をお願いします。
植栽4日目 ~まず25,000本植栽完了~
緊張したというよりも、開き直っって臨んだ4日がおわりました。
植栽用の苗には適期があります。作業人員も確保しなければならない。その上、天候に左右されます。
乾燥注意報続き。県内で1日16件の山火事という日もあり、祈るように雨を願った4日間。
苗の出荷から植栽と、それに伴う諸業務に対し、延べ240人を投入して
25,000本の植栽を一気に完了できました。
しかし、またこれから。今年度植栽予定の3分の一です。
天気予報よりも優しい雨で、
4日間の目標より5,000本多く植え、ほぼ一日分短縮できました。
豪雨を予想していたので、予想を超える物凄い上方修正につながりました。
昨日今日は、雨中作業を続行した作業員の皆さんに2日間1時間早帰り。
元林業労働者の経験から言えば、「この後、今日は何をしようか」と心が躍る帰路だったでしょう。
「飽きる―」と言いたくなるほど鍬をふるいました(本音で言っているの聞きました)。
早帰りは心の底から嬉しい賞与みたいなものです。
そういう真っ只中、佐々木市長と熊谷生活経済部長、
加えて、宮城県仙台地方振興事務所の皆さんも視察に。
植栽だけでなく、再生の会の皆さんの裏方作業である出荷を、見て下さいました。
作業員の皆さん、再生の会の皆さんは、公共工事と同様の質をこなしていただいています。
それ以上のものをと皆で目指しています。
再生の会の皆さんは森林組合のペースに負けない出荷ペースを維持。
予定より前倒しで、初めて植栽現場を生で観に行く余裕ができました。
皆、自分たちが育てた、根元径の逞しい苗に自信を持っています。
ですから、視察も腰が据わっている。余裕を感じました。
今日現場作業をした50人は、もうみんなクタクタで休んでいるしょう。
作業はずぶ濡れでしたが、恵みの雨。
幸運は自分たちで引き寄せるつもりの一同です。
苗の掘り取り・出荷、植栽、床替の同時進行、順調です!
小雨ですが、すべての仕事は迷いなく続行。
植栽は宮城中央森林組合を中心に。 、 最小でも一日2,000回以上は唐鍬をふるうのだと思います。 基礎体力がなければ、鍬をふるいながら、工夫も続ける頭の回転も気力も生まれません。 森林組合に負けじと、仙台市森林アドバイザーの会の皆さまが無償シニアボランティアとして 気持ちと体力の限りを尽くし、休まず、連日の加勢をしていただいています。
そして、植栽の裏方「掘り取り・出荷」は名取市海岸林再生の会。 苗を植えるということは、育苗場で支度をしないと、現場に苗が供給されません。 木を植えるとき、誰の手でここにあるのかを想いを巡らすことは案外難しいと思いませんか? 掘ったばかりの新鮮な苗が一番いいのです。地元農家の皆さんは誰より早く出勤しています。 通勤時間10分の優位性で。しかも出荷先も10分。
植栽初日、仙台森林管理署と宮城県庁、名取市役所の視察がありました。 「本当にいい苗ができましたね」という海岸林復旧工事責任者の方のコメントを伝えた時の嬉しそうな顔。
さらに、第2育苗場では1.5日かけて、37.5人工かけて、来年植えるための1年生苗の「床替」15,600本を。 こちらには名取市海岸林再生の会の会と、海岸林背後の北釜地区農地所有者などが。
「Behind the camera」 私、オイスカ・タイの見原アイサ事務局長にこの言葉を教わりました。 カメラに映らないものを見なさいという意味と受け取りました。 そういう日常を皆さんに伝え、「名取市海岸林を守る会」以降への記録に残したいと思います。
28日:5200本。29日は7200本。30日は6,650本。 明日を含め4日の初動で一気呵成に20,000本植栽目標に臨みました。 それに伴う3つの大きな業務合わせ3日合計193.5人工を投入。 このような人員の投入が出来るのも、たくさんの方の寄付のおかげです。 しかし、我々は2020年まであと7年。こういう繰り返しを行わねばなりません。
盛土の土は採取した場所によってさまざま。
大きな石がごろごろしていたり粘土質だったり砂地だったり……。
硬いところは植えるのに手間がかかりますが、柔らかいところは作業がはかどります。 「1m毎に硬さが違う」「粘土はきつい」(作業員さんの声)
また今日は、新聞社、雑誌、テレビ・ラジオ局の取材も。
今年度の植栽は約15ha、7万5千本の予定です。
今夜は東から、すなわち海からの暴風雨。名取事務所が揺れるほど、怖いほどの強風です。 植えたばかりのクロマツに、ものすごい海のしぶきが混じった強風が吹きつけていることでしょう。 雨乞いの思いが強すぎましたかね。でも、クロマツですから。信じています。
29日の作業
植栽2日目。今日の植栽は45人で7200本!
どうしても植栽に目が行きがちですが、
現場ではあちらこちらであれもこれも作業が同時進行。
第一育苗場では植栽現場に苗木を持っていくための掘り取り、根切りが行われていました。
小さくて、海岸林に植えられない苗はそのまま畑に残し、それ以外は掘り取ってハウスに運びます。ハウスの中では根切り隊がはさみで根を切りそろえます。
50本ずつにまとめるのですが、マツですから葉がチクチクと腕に刺さります。作業後の腕には赤いブツブツが……。
根が乾燥しないよう気を付けながら、軽トラックで植栽現場まで運びます。昨日より植栽現場の土がよく、作業がはかどっていたようで、掘り取り作業は植栽のペースに間に合わせようと必死。
ここでの作業員は10名。
第二育苗場では、1年生の苗の移植作業が行われていました。
再生の会のメンバー以外にも声をかけ、今日は28名で作業を行いました(1名は半日のみ)。
この日お手伝いに来てくださった皆さんももともとは海岸沿いの北釜地区に住んでいた方たちだそう。
ここの土は乾燥してポロポロと固まっていました。
穴を掘っても崩れてきてしまい、難しい作業となりましたが、
苦労しながらも12,800本を移植しました。
そして夕方。すべての作業を終えたあと事務所では佐々木統括が新しい作業をはじめました。
アカマツ350グラム、抵抗性クロマツ650グラムを水につけます。
5月2日の播種に向けた種子の準備です。
植栽とあわせ、来年以降の植栽のための移植や播種が同時に進んでいますが
どの作業を担当する人たちも「元気に育ってほしい」というクロマツへの思いは同じ。
しばらくそれぞれの作業が続きます。
今日から植栽開始
「5万本規模の植栽は魔物」
そんな実話をこれまでも聞いてきました。苗は生き物、天候は毎日違う。
ある決定的なミスやアクシデントがあると、一転して大規模に喪失するリスクがあるという意味です。
HPインフォメーションにも、本日からの植栽開始を記載しました。
http://www.oisca.org/kaiganrin/1860
おかげさまで、ここに至ることができました。
これまで3年もの間、多くの皆さまの、あたたかいご支援に心から御礼を申し上げます。
昨日4月27日(日)名取市海岸林再生の会メンバーは、28日以降の植栽に備えました。
森林組合の植栽のペースに遅れてはいけないと、先手先手で仕事を進めようと、
自主的に出勤を申し出て下さったと佐々木統括から電話連絡がありました。
統括も昼には合流し、昨年10月にも視察でお世話になった
種苗組合のSさんの指導・確認のもと、初日用の苗5,000本分の梱包作業を行いました。
①2年生苗5,000本の苗の掘り取り・出荷(「山出し」と言います)by再生の会
②植栽 by宮城中央森林組合
③1年生苗の床替(あと1年育てます)by再生の会
④クロマツ・広葉樹の播種 by再生の会
⑤植樹祭準備
⑥各種渉外・広報啓発業務
以上が同時進行する、クロマツ暦の中の最も繁忙期です。
種苗組合の太田組合長が「苗木屋さんにはゴールデンウィークはない」と言っていましたが、
もとより皆、その覚悟。東京本部も課長以上が各自自主出勤していますが、
広報室長も我々のお昼ご飯を用意してくれました。
名取事務所では、統括といつも笑い合っています。
「3歩歩くと忘れる」。
この前は二人同時に、社会の窓が開いていました。
「ハインリッヒの法則」※ を思い出しました。
チャック全開の「ヒヤリ・ハット」が事故の予兆とならぬよう、
やるときはやる、しめるときはしめる、抜く時は抜く
安全第一、メリハリつけて。
業務は粛々と、爆発的にすすめてまいります。
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※一件の大きな事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害、そして300件のヒヤリ・ハット(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)があるとされる。
重大災害の防止のためには、事故や災害の発生が予測された
ヒヤリ・ハットの段階で対処していくことが必要である。
(出所:ウィキペディア)