テレビでも、ネットでも…

2014年6月5日( カテゴリー: 本部発 )

テレビでも、ネットでも、日本でも、世界でも
海岸林プロジェクトの様子が分かるチャンスです!!
NHK Worldで5月29日に放映されたものがホームページに掲載されました。
4分間の放送です。6月いっぱいご覧いただけます。
ホームページはこちら
もう1つ…
日本語 再編集版の放送日が決まりました!
6月5日(木)『てれまさむね』(18:10~19:00)にて放送されます!
放映後7日間は『てれまさむね』ホームページの
ピックアップ動画から見られます。
てれまさむねホームページ
どちらも植樹祭の様子とともに
名取市海岸林再生の会の第一育苗場班長の大友英雄さんが紹介されています。
テレビでも、ネットでも・・・ぜひご覧ください!!

今年度計画した15haの植林は、
おかげさまで無事完了しました。
それも多くの方のご尽力のおかげです。
心から御礼を申し上げます。

「海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画」の
大きな特徴の一つは、育苗~植栽~育林の一貫施業。

一手に引き受ける林業会社は全国的に見ても極めて稀だと思います。
震災復興の現場で、100ha再生の規模の規模で取り組むのは唯一の存在です。

プロジェクトは、育苗班:名取市海岸林再生の会と、
造林班:宮城中央森林組合が車の両輪として担います。
オイスカは運転手。コーディネーターです。
公的資金をいただかず、震災復興計画そのものに民間として協力し、
復興の一端を担う覚悟で文字通り一体となって取り組んでいます。

植栽の本格的準備は、3月17日に開始しました。
2年間丹精を込めて育ててきた苗を「トラクターによる根切り」から始まり、
掘り取り→選別→人力による根切り→本数管理→仮植を延々継続。

4月21日 造林講習会
4月28日 植栽開始
5月28日 15ha、75,000本の植栽完了

育苗班は毎朝7:00、
仮植床から苗を掘り取り、正確に本数管理した上で、
タップリ水に浸し、200本ずつ藁に包み、森林組合の車両に積み込みます。
これを「出荷作業」といいます。
それに加えて、来年植栽用の苗の世話、再来年植栽用の種播きが加わります。

そして造林班は一日300本/人目標に、休憩や植栽準備・後片付け等を除き
実質6時間植栽作業を行いました。山の植栽よりもキツイです。
平らだから。斜面で植えるのは植栽穴が近いので、平らな所より楽です。
腰に来ます。普通の人だと午前中でダウンするでしょう。
それを毎日ですから。

本当にチーム一丸になって、必死で働きました。

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プロは道具を大事にする。水洗いされ、干されている苗木袋

取材対応、行政等の視察も相次ぎました。
この3ヵ月で1,000人近い人が現場に来ました。
4・5月のボランティアの日等で200名以上に、大いに働いていただききました。

私自身、現在は東京の自宅に帰ってリセット。
また今週後半に出直します。
これからは昨年以上の往復の日々になります。

林業労働者の若い人に言われました。

「歴史的な大事業に自分が加われたことは本当に誇りです。

これからも僕らを使ってください!」

「誇り」という言葉を彼らから直接聞くことができるのは、
まさに担当者冥利そのものです。

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植栽最終日。
明日からはまた県内それぞれの仕事へ
施肥で会う人もいますが

植樹祭の前日(5月23日)夕方1時間、オイスカ、再生の会、宮城中央森林組合、名取市役所との
4者合同ミーティングを行いました。

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会議は50分で終了


誤解を恐れず申し上げますと、林業関係者全般に「植樹祭はお遊び」という気持ちが少なからずあるように思います。
参加者側もイベント感覚の人がいると思います(服装を見るとわかります。上着のチャックをせず、はだけて、しまりがない等)。
まずは、植付を指導する人、再生の会メンバー、行政、オイスカなどの裏方から、イベント意識・気の緩みを一掃し、しっかりした植付指導、安全管理に務めたいと考えました。
植付方法の再確認、歩行時の危険箇所(植栽現場付近は、復旧工事が休みなく続いていて、大型工事車両が行き交っています。ダンプカーとの接触の危険回避はもちろん、横断のために停車させることのないよう
工事車両優先の原則を確認)、参加者同士のよくある怪我などを「具体的」におさらいし、
「お遊びのような仕事に絶対しない」
「けが人を出さない」
「指導が悪ければ枯れる」
「もし指示を聞かずに勝手なことをする人がいれば、遠慮は無用。厳重注意する」と指示。
まず、森林組合の人たち、再生の会メンバーの表情が一気に変わりました。
当日は、指導者としての目的を明確に持って、粛々と分担を担っていただきました。
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当日朝。気の緩みは一切ない


終了後、1ha5,000本を全員で点検した結果、
植え直しは1本もなし!
名取の人は道具の扱いが上手。しかも早い。JA名取岩沼の女性部、産直グループ、農業委員会の方が大勢いましたし。
加えて、指導者の指示や説明をしっかり聞いていただいたのだと思います。
「植樹祭の後は、やりなおし」という話を宮城以外の各地でも何度も聞いています。
そんな現場に関わることは、プロとしての誇りを汚されると私は思います。
そして、汗水垂らして苗木を育ててきた人たちに対し、何よりも失礼なこと。
目的をもってボランティアを受け入れ、ボランティアが再生への一端を担ったと
プロからも評価される姿を目指します。
植樹祭が終わる時には二重の虹の祝福もうけて、会心の出来でした。
参加者のみなさん、裏方の皆さん、ありがとうございました。
 

仙台トヨペットは、「海岸林再生プロジェクト」が始まる前から
オイスカの活動に支援を続けてくださっている企業さんです。
東日本大震災では自分たちも店舗などがその被害に遭いながら
「自動車整備など本業を通じて地域の復興に貢献しよう」と
力を注いでこられました。完全に復旧するまでの約1年、
その過程では、全国からたくさんの支援を受けたのだそうです。
毎月プロジェクトに寄附をしてくださっているほか、仙台市内で開催の写真展の会場に、現場でのボランティア経験豊富な社員さんが終日説明に立ってくださったり、毎月開催されるボランティア活動には新入社員の皆さんが参加してくださったりと取り組みはさまざま。
CIMG5348印象的なのは、日頃事務をしているという女性新入社員の皆さん。この春高校を卒業したばかり! という若者もいて現場は華やかに!
4月のボランティアでは、すぐに砂埃で真っ白になってしまうプロジェクトの車両を隅々まできれいにしてくださいましたし(まだ寒い時期。冷たい水での洗車は大変なことなのです!)、5月のボランティアでも鍬を手に、ひたすら慣れない作業に没頭していただきました。
作業終了後、疲れは隠せないものの「楽しかった」と皆さん口にしてくださいます。他部署の社員と普段と違うことに集中して取り組み、それが海岸林の再生につながっているということへの喜びを素直に語ってくださる皆さん。 若者の力がプロジェクトの大きな力になっています。

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疲れたけど楽しかった~!!

広葉樹苗畑の床づくり:5月16日 播きつけ、床替え床は一般苗畑に準じて床幅1mで
6床を設け、化成肥料(8:8:8)を50g/m2を施した。
掘り取り山出し:5月16-17日、前年播種苗について苗長35cm以上を山出し・海岸林現地植栽用とし、コナラ、クリ各150本出荷した。徒長苗、直根については20cm前後に剪定した。
現地植栽苗:5月17日海岸林植栽地に植えた苗の調査を5月24日おこなった。なお植栽には培養土を一植栽穴に3lを投入し、基本的にコナラ、ヤマザクラ、クリ3本並びで同じ樹種が重ならないように並木上で1.8m(3000本/ha)間隔で約450本植栽した。
調査結果は以下のとおりである。新葉枯れは25%~31%で見られた。これは開葉後の植栽であったためである。今後回復の調査を行う必要がある。ヤマザクラが購入苗で2年生苗である。1mを越す苗長であったので1m以下に剪定した。植栽時の苗高、根元直径も表、図のとおりである。
無題

床替え本数および生長:以下のとおりである。5月17日

無題2

床替え苗の苗長m根元径は以下のとおりである。
無題3.

ポット苗の床替え苗は成長は落ちるものの、土付きであるため.新葉の枯れも無く、
時期を選ばず植栽可能となるため、ポット育苗も検討する必要がある。

今年度の広葉樹播種:今年の播きつけは5月17日に以下のとおり実施した。

無題4

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写真-1 海岸林広葉樹植栽樹高測定


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写真-2 海岸林広葉樹植栽根元径測定


 

クロマツのこと

2014年6月1日( カテゴリー: 本部発 )

広報の林です。
プロジェクトがスタートしてからというもの
ついついマツに目がいってしまいますが、まだまだ
マツのこと少しも知らないんだなぁ~と思うことだらけ。
先日、清藤先生と一緒に地方出張する機会があり、
そのときにいろいろ教えていただきました。
「マツ科マツ属」のクロマツの学名はPinus thunbergianaといいいます。
先生は「よくマツの名前を挙げさせるとカラマツなんていうのが
でてくるけどカラマツはマツ属じゃないんだよ」といわれました。
私はカラマツすら思い浮かばないほど植物のことを知りません。
(あとで調べるとカラマツは「マツ科カラマツ属」なのだそうです)

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だいおうしょうの長い葉! まさに松の大王です!!


先日ある庭園で「大王松(だいおうまつ/だいおうしょう)」を見た際、葉が3本ありました。これまでブログでも紹介したことがありますが、クロマツの葉は、根元で2本がくっついているため“枯れて落ちても二人連れ”などといわれています。
先生に「大王松は葉が3本ですね。ほかにも3本のマツはありますか?」と聞くと「二葉松(にようまつ)、三葉松(さんようまつ)、五葉松(ごようまつ)とあって・・・」と説明してくださいました。
思わず笑ってしまったのは自分の勘違い。“ごようまつ”とよく耳にするのに私の頭の中の漢字変換は“御用松”だったこと。なんだか高貴なマツを想像していたのに・・・・・・(笑)。
 
 
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見えますか?? 赤紫の小さな花が!


それから花のこと。
ここのところ現場で頂芽(ちょうが/マツの一番先端部分です)に花らしきものをよく見かけます。赤紫の、マツボックリの形の小さな花。
花といいながら、花だという確信が持てなかったので、清藤先生に聞いてみました。
やはりこれは花で、2年目にマツボックリになるのだそう。確かに頂芽の根元に茶色の小さなマツボックリがついているのを見かけました。花と同じ形だったので、なんだろう??と思っていたのです。
謎は解決! 今年頂芽の先端についた花のそのまた先に頂芽が伸び、来年はここが頂芽の根元になるのです。
マツの生態、おもしろい!
           ↓ 拡大しました。わかりますか??
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5月20日から25日まで仙台市内にある東北電力グリーンプラザで
写真展を開催しました。 6日間の来場者は975名。
たくさんの方に見ていただくことができました。
CIMG5437明るく広い会場。一枚一枚順番に説明をしっかり読みながらゆっくり歩を進めてくださる方が多かったので、質問されない限り、できるだけお声がけせず、ご自身のペースで見ていただくことにしました。ご年配の方の中にはカバンから眼鏡を取り出される方も多く、説明の文字はもっと大きくしないとなぁと反省してみたり・・・。
震災直後の写真は、名取市内のものだけではなくお隣の岩沼市のものなどもあります。現在は仙台にお住まいだけど出身が名取や岩沼だとおっしゃる方もいらっしゃいました。思い出の地がどんなふうになってしまったのか今も自分の目で見られないという方も。
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写真に思いっきり顔を近づけて、知人宅周辺がこんな風になってしまったと何かを確認するように見ている方も。
全国で写真展を行っていますが、やはり皆さんの反応はさまざま。地元で開催するとご自身が被災されている方も多く、その想いもさまざま。
写真パネルはニコンさんのご協力によってつくられました。これからも多くの方に見ていただきたく、全国で写真展を開催したいと思います。
 

広島で活動報告!

2014年5月30日( カテゴリー: 本部発 )

5月28日、広島の平和記念公園内にある国際会議場で
オイスカ広島県支部主催の環境講演会が開催されました。
CIMG5477清藤参事が「海岸林再生プロジェクト」の報告をし、会場には写真パネルも掲示されました。
平日の昼間の時間帯だったにもかかわらず、200名の方々が参加されました。
東北から離れた地域では特に震災の記憶が薄れていくのが早いのではないかと危惧していましたが、かえって皆さん冷静に、正しくプロジェクトの意義を捉えていただき理解を深めてくださっているのかなぁと感じました。質疑応答の時間も、林業や森づくりに関心を持った方から専門性の高い質問が出されていました。
遠方ゆえ、なかなか支援者の皆さんに現場までお越しいただくことはかないませんが、CIMG5490こういった機会に直接お礼とプロジェクトの進捗をお伝えすることができるのは大切なことだなぁと感じます。
ご参加くださいました皆さん、運営にご協力くださった皆さん、ありがとうございました!

初めまして

2014年5月29日( カテゴリー: 本部発 )

初めまして、浅野です。
オイスカ本部で4月からアルバイトをさせてもらっています。
基本は事務所で海岸林再生プロジェクトの事務関係をしています。
CIMG5312現場で何かがあるときは、名取まで行っています!
今月の第3土曜日ボランティアや植樹祭にも行かせてもらいました。
現場に行って、再生の会の方やボランティアの方と一緒に作業したりするのが本当に楽しいです!
楽しいだけではいけないこともありますが、楽しくなくてはできないこともあるかな…とも思うのでいろいろなことを楽しんで取り組めたらいいな。と思います。
これから、よろしくお願いします!
CIMG5303

今日で今年度の植栽は終了します。
15ha、7万5千本。
5月24日の植樹祭で植えた1ha、5千本を除くと
そのすべては森林組合や林業会社の職人のみなさんの手で植えられました。
繰り返しになりますが、貧栄養や厳しい乾燥、寒風などに耐え、
クロマツがしっかり根付いてくれるよう、手早く、正しく植えることが
求められるため、ボランティアの手ではなくプロの手で植えているのです。
どんなふうに植えるのか、ご紹介します。
 
まずは地被物(チップ)を取り除き、
40㎝四方のチップをかき分け、地表を露出させます
image2[2]
露出させた地面に鍬をまんべんなく打ち込んで、よく耕します。
この時、土塊があればできるだけ砕き、柔らかくするとともに、
土中にある石なども取り除き、植穴を掘ります
※穴は20㎝四方、深さは20㎝程度
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準備完了。やっと苗を植えるところまできました。
気を付けなければならないのは深さ。
唐鍬で土を押さえ、 コンテナ苗の土表面が
地面より2cm低い位置で 止め、片手で支えながら
土を7分目まで入れます。
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苗木を上に引き土壌と根の密着を十分にし、
さらに土で覆います。この時、チップが混入しないように注意。
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苗の上部を手で持ち、まっすぐにしながら
根元を体重をかけてよく踏み固めます
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チップで苗木の根元を覆い、凹地にならないよう
注意します。チップは乾燥防止効果があります!
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見ると簡単ですが、やってみると難しい!
職人さんはこうして1日に300本も植えるのです。

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