中学生も活躍!

2014年7月17日( カテゴリー: 現場レポート )

先日、7月5日のボランティアの報告をしましたが、その中に
お父さんと一緒に活動に参加してくれた中学生がいました!
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関東からの参加。被災地でのボランティアは初めてとのこと。津波で海岸林が失われてしまったことを知ってショックだったけど、こうして再生のための活動が進んでいること、そして自分がこうしてそのお手伝いに参加できたことがうれしいと話してくれました。
周りはみんな大人たち。その中で大人と同じように作業に取り組んでくれていました。普段はお父さんと一緒に出掛けたりすることは少ないそうですが、こうしてお父さんの声掛けに応じてボランティアに参加したことはとても貴重な体験となったのではないかと思います。
夏休みに入ったら“親子でボランティア参加” が増えたらいいなぁとちょっぴり期待しています。

最強の雑草「葛」への対応

2014年7月16日( カテゴリー: 現場レポート )

当プロジェクトを深くご理解いただいているリーダーに率いられた「住友化学労組」が
委員長以下全国各地から23名、朝8時過ぎから5時まで作業してくださいました。
終日、手加減なしの現場実務。(ただし、昼寝付き)
作業内容は、いつも通りの育苗場の除草、植栽地での根踏み、チップ寄せに加えて、
最強の雑草「葛(くず)」の刈り取りに着手。
DSC_0005繁茂はまだ部分的ですが、盛土工事完成から日もたたないのに、範囲は広くありませんが法面に生え始めました。放置すれば植栽した苗を覆ってしまいます。
タイ南部のマングローブ植林に長く関わってくださっている住友化学の皆さんですので、プロジェクトサイトでの、葛に似た太いつる草との戦いについても、少し説明しました。
私自身、100mを優に超えるつる草の刈り取りの厳しさ、使いにくく慣れない現地の大鎌、強烈に高い湿度の中で熱中症になりかけたことなど思い出しました。
今後は佐々木統括の言う「山芋理論」に基づき、
毎年7月と8月は集中的に、葛の刈り取りを行うことになるでしょう。
プロとボランティアの併用でも、相当な作業量になるかもしれません。
薬品で駆除することも検討しましたが、草が盛土法面の崩れを防いでいることも考えて、
薬品駆除は見合わせました。
今回は早目の着手ができました。やっぱり先手必勝です。
何より機動力のある体育会系メンバーが繁茂している場所にさっと分散し、
実質一時間で刈り取りは終了。鎌と剪定鋏で根元をきっちり攻めました。
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≪「葛」 出典:ウィキペディア≫
つるを伸ばして広い範囲で根を下ろし、繁茂力が高い。
かつての農村では、田畑の周辺に育つクズのつるを作業用の材料に用いたため、
定期的に刈り取られていたが、刈り取りを行わない場合は短期間で低木林を覆い尽くすほど成長が早い。
伸び始めたばかりの樹木の枝に巻き付くと、それによって樹木の枝が曲がってしまうこともあるため、
人工林においては、若木の生長を妨げる有害植物と見なされている。
クズは根茎により増殖するため、地上部のつるを刈り取っても地下に根茎が残り、
すぐにつるが再生する。抜本的に除去する方法として、除草剤のイマザピルを使う手法がある。
薬剤を染みこませた楊枝状の製品であり、根株に打ち込むことにより効果を発揮する。

植栽を開始したのは4月28日。植栽を終えたのは5月30日。
それに続いて、住友化学㈱と同労組から寄贈いただいた20kg×150袋の有機化成肥料の施肥は
6月2日に開始、6月30日に終了しました。全長1km以上、15haの広大な現場の75,182本に1本づつ。
「施肥は梅雨明けまでに完全に終えよう」と雨の日も続けました。体力的にも極めて厳しい仕事に従事した
宮城中央森林組合作業班の皆さま、本当にお疲れさまでした。
DSC_0097私が東京にいるとき、名取事務所の皆さんや、森林組合の佐々木君との電話では、天気の話題が出ないことはありません。
台風の襲来などまだまだ、厳しさはこれからも続きますが、名取市海岸林再生の会の農家の皆さんにその後の植栽現場のデータ速報を伝えるべく、全員が集まる「総会」の前日7月3日に、佐々木統括が括着率を調べました。
カウンターを手に、ランダムにたくさんサンプルを採って短時間で割り出す、現場の「職人」の方式で。
98.4%が活着(枯損率1.6%)!
「補植が必要」と言われるのは3%以上ということなので、非常に優良な成績であるといえます。
しかし、わずか2カ月後の単なる通過点です。
3ヵ月で1,000人以上のボランティアが、プロによるスピード施業の後を追跡するように、
根踏みとチップ寄せを繰り返し、1本でも多くの生育を助けるべく、丁寧さで勝負する日々です。
プロとボランティアのこれらの分業は「当プロジェクトならでは」と自負しています。
ここまで現場に来てくださったボランティアの皆さま、私の強引なリードをお許しいただき、
気持ちのこもった仕事をしていただき、本当にありがとうございます。
今後年3回、いわゆるモニタリング調査を行うための標準地は、6月第3週に決めました。
初回調査は7月19日(土)のボランティアの日に、参加した皆様にも一部協力いただいて実施します。
たくさん歩いていただくことになるでしょう。
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再生の会「総会」にて

2014年7月14日( カテゴリー: 現場レポート )

名取市海岸林再生の会、第2回通常総会が7月4日に開催されました。

会場は名取駅から南に徒歩15分程度の、かつては結婚式も行っていたという90畳の大広間がある
料理屋さん。今日は皆さん若干さっぱりした格好で参集。

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関係当局や森林組合、種苗組合、オイスカの幹部も来賓として出席し、
事業報告・決算、事業計画・予算、役員全員の留任が承認されました。

県の森林整備課長様のご挨拶がとても印象に残りました。
正確性に欠けますが、記憶と若干のメモを頼りにご紹介します。

「担当者になる前から、名取市海岸林再生の会とオイスカの取り組みには強い関心を持っていました。
先ほど植栽を終えた現場を視察して納得しました。丁寧さと愛情のある植栽と感じました。
見た瞬間返ってくるものがありました。
私自身、たくさんの現場を経験してきましたが、このような現場は初めてです。
私自身も海岸林再生に携わる力をいただきました。関係者のご尽力に深く御礼を申し上げます。
2月13日に県・名取市・再生の会・オイスカで結んだ協定の名称は、
「みやぎ海岸林再生みんなの森林づくり活動協定」です。
ハイカラな名称ではありませんが、多くの職員で意見を出し合って考えたものです。
みんなの海岸林にしよう。津波で犠牲になられた方、まだこの世に誕生していない次世代のみんなのことも思って。
そういう気持ちをもって決めました。
村井知事は創造的復興として民間の力を活かし、みんなの力を活かして
新しい宮城を作ろうと常々申しておりますが、皆さんの活動は
その象徴と言え、心から敬意の気持ちをもっています。
これからもこの活動に我々県を交ぜていただきたいです。」

昨年と同様、今年の総会でも、県の方からあたたかいご挨拶をいただき、素直にうれしくおもいました。

103名のボランティア

2014年7月11日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。

7月5日(土)、ボランティアの日ではないですが
たくさんのボランティアの方が来てくれました!

UAゼンセンのみなさん、ANAのみなさん、ボーイングのみなさん
総勢103名の参加がありました。

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山口から参加していただきました


私は今回、1日中UAゼンセンのみなさんと作業させてもらいました。
ボランティアの方に私が最初に聞くことは…
「どこからですか??」
とりあえず、どこから来ていただいたのか聞いてみます。
山口・石川・富山…遠くから本当にありがとうございます。
「旅行もかねてるんで自費で来ました」や
「今日のために長靴とつなぎ買ってきました」
「実家の近くと風景が同じで懐かしいですよ」などなど。
色々な方が来てくださいます。

今回の作業は草取り・根踏み・チップ寄せ。
内容は先月のボランティアの日のブログにて。

初めて参加される方・リピーターの方
同じ作業をしても感じることはさまざまですが、
みなさん、“また来ますねー”と言って帰られます。
人好きな私にとっては
いろんな方と会えるこの現場、楽しい限りです。

そういえば!
今回、参加された皆さん…
まったく打ち合わせしてないのにユニフォームがみなさん青!でした。
「区別できるように準備したのにー」と担当の方々は困り顔。

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1つのグループみたいになりました

みなさん、本当にありがとうございました!!

現在オイスカ四国研修センターに海岸林のパネルが展示されています。
7月末まで展示予定ですので、お近くの方・お時間の取れる方は、ぜひお立ち寄りください!

展示の様子

展示の様子

時間は原則として9時~17時ですが、お時間の都合でそれ以降を希望される方は、
事前に研修センターまでご連絡いただければ対応できる場合もあります。

来所された際は事務所にお声掛けください。
誰もいない場合は申し訳ありませんが、改めて来所いただけると助かります。

場所 : 香川県綾歌郡綾川町陶5179-1
オイスカ四国研修センター 2階会議室

連絡先:オイスカ四国研修センター
Tel:087-876-3333  Fax:087-876-3334

センター入口

センター入口


会議室前

会議室前


 
 
 
 
 
 
 
 

海岸林再生の会 総会

2014年7月9日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。
7月4日に行われた「名取市海岸林再生の会」の総会に参加させてもらいました。
7月3日時点での枯損率は1.6%
ということは活着率は98.4%。
そんな単純に考えてはいけないかもしれませんが、一安心です。
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再生の会の鈴木会長のお話の中にあった
「苗木は血と汗の結晶」「1本1本に魂がこもっている」という言葉が印象的でした。
また、森林整備課の課長様からは
「こんなに愛情の感じられる現場を見たことがない」
「オイスカの現場をみて感動した」とのお言葉をいただきました。
育苗をしている再生の会の方々、
植栽・施肥をしてくれた森林組合の方々
ボランティアに来てくれる方々
全国にたくさんいる支援者の方々
それぞれがぞれぞれの役割に
真剣に、大切に取り組んだ結果なんだなぁ…と感じました。
私もみなさんに負けないよう、
自分の役割をしっかり果たせるように頑張ろうと思えた総会でした。

オイスカ中部日本研修センターの山田理絵です。

育苗場の記事に引きつづき、植栽現場の様子をお伝えします。

7月4日の「名取市海岸林再生の会」の総会で、
75,000本植栽した後の生育状況を報告するため、
前日に佐々木統括、吉田副部長と現場をくまなく歩いてきました。

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現場の平面図を片手に、
隅から隅まで歩き、丁寧にチェックしました。

植栽現場の様子です。

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植樹祭(4月28日)のときに植栽された場所です。

クロマツを一本一本見ていると、それぞれの特徴があることに気がつきました。

image3

コンテナ苗

「このマツは、なんだかスカートをはいているみたいだ」と吉田副部長。
風に揺れて、ダンスを踊っているようでした。
これはコンテナで育ったマツです。
活着率100パーセントですが、細いので生命力が心配だそう。

次の写真のマツは、

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畑の苗

畑に播種して育てたマツです。
芯が太くて、色も充実しています。
活着率は99パーセントだそうです。

育った環境でかたちや活着率まで変わってくると、佐々木統括に教えていただきました。

こんにちは!!
はじめまして、
中部日本研修センターの山田理絵です。

名取市下増田の第一育苗場に来ています。

ここを訪れたのは、二回目です。
前回は、一ヵ月前に、オイスカ豊田推進協議会の皆様(過去ブログ記事に紹介あり)
のボランティアツアーに同行し訪れました。
今回は、研修を兼ねて、数日間滞在しています。

さて、今日の第一育苗場の様子を、お伝えします

image1 (2)

本日の天気は晴れ。
心地よい風が吹いていますが、時々、
事務所内では書類が飛ばされ、みんなで追いかけています。
今朝、育苗場で撮ったクロマツの写真です。
まずは、2014年5月2日に播種した抵抗性クロマツの苗です。

image2 (2)
元気にすくすく育っております。

image3 (2)
広葉樹も元気に芽を出しました。

image4 (2)

NHK Radio Japanで16ヵ国語(英語を入れると17ヵ国語)で
放送された番組の日本語訳、②です。

                                                     

東京に本部を置くNGOのオイスカがこの海岸林再生プロジェクトの推進を支援しています。
オイスカは、苗木を育て、植林を行うために企業や個人の支援者から寄附を募っています。
育苗は重要な部分を占めており、地元の被災農民達がその仕事を担っています。
オイスカの吉田俊通氏は、震災の直後からこのプロジェクトを率先して促進してきました。
吉田氏は、海岸林が被災農民達にとってどのような意味を持っているか十分認識しています。

 (吉田氏):「農業の再生と自分の生活再建が第一ですが、次に来るのがクロマツです。
彼等は、何が何でもクロマツの海岸林を再生する覚悟です。
このことが、クロマツの林がいかに重要であるかを物語っています。

 この地域の方々は、家、農地、トラクターなどの農機具、
また家族の誰かを失っています。
我々は、何としてでもこのプロジェクトを推進して彼等を助け、
将来に対して何か誇れるものを残さなければなりません。」

震災前、農民達の多くは同じ地区に住んでいました。現在、2か所の育苗場で苗木の世話をしています。
このプロジェクトを推進することは、農民達が集まれる良い機会となっています。
津波で家を失った大友氏は、奥さんと一緒にかろうじて被災を免れた納屋に住んで、
野菜を育てて生計を立てています。大友氏は、以前にはクロマツの苗木を育てたことはありませんでした。
しかし、海岸林再生事業が新しいやりがい、目標となっていると述べています。

 (大友氏):「農家をやっていてクロマツを育てるなんてことはまったく考えていなかったね。
でも、マツの苗木は、髪にさわるように柔らかく、かわいらしいと感じるよ。」

オイスカは、プロジェクトのためにこれまで約300万ドル集めました。
この資金の一部が大友氏や他の農民達に対し給与として支払われます。
このプロジェクトは、震災で被災し、農業を諦めようと思っていた農民達に現金収入と希望をもたらしています。
オイスカは、今後、さらに690万ドルの寄附金を集め、
2020年までに5キロに及ぶ100ヘクタールの土地で約50万本の木を植え、
震災前にあった森林を復活させる計画です。
吉田氏は、被災住民達が海岸林を再生させることは、将来の世代のために保存することであると述べています。

 (吉田氏):「農地を取り戻すためには
木を植えて海岸林を再生することが必要ということです。
地元住民達に最初から参加してもらい、海岸林を再生することが非常に重要です。
将来、住民達は、海岸林を尊重し、良く維持したいと考えるはずです。」

若い苗木が1.5メートルに成長するまでには10年かかります。
海岸林の再生には多分30年以上かかるでしょう。
大友氏は、海岸林が立派に育ち、再び日常生活の大事な一部になるように願っています。

 (大友氏):「孫達が自分の年齢になった時には相当の大木となっているはずだよね。
孫達の孫達がマツ林の中で遊べる日が来るといいな。
私が亡くなる時には、どこか頭の片隅で自分が植えた木々が
自分の死後も残っていることを覚えているだろうな。」

震災前にあった海岸林は、400年前に植えられ、維持されてきました。
新しい海岸林がもっと長く、1,000年或いは2,000年間、維持されるよう願っています。
名取に隣接する仙台市では、来年の3月に国連の防災会議が開かれる予定です。
各国の閣僚達、政府代表団や国際機関の関係者が大勢集まり、
自然災害がもたらす被害をくいとめるための戦略について話し合いが行われることになっています。
吉田氏はじめオイスカの関係者は、
地元住民の復興に向けた並々ならぬ努力を国際的に広めたいと考えています。
海岸林が津波などの災害を減少させる効果がある点を強調しています。

NHK Radio Japan

小笠原よしお
北代ひろこ

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