再生の会「総会」にて

2014年7月14日( カテゴリー: 現場レポート )

名取市海岸林再生の会、第2回通常総会が7月4日に開催されました。

会場は名取駅から南に徒歩15分程度の、かつては結婚式も行っていたという90畳の大広間がある
料理屋さん。今日は皆さん若干さっぱりした格好で参集。

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関係当局や森林組合、種苗組合、オイスカの幹部も来賓として出席し、
事業報告・決算、事業計画・予算、役員全員の留任が承認されました。

県の森林整備課長様のご挨拶がとても印象に残りました。
正確性に欠けますが、記憶と若干のメモを頼りにご紹介します。

「担当者になる前から、名取市海岸林再生の会とオイスカの取り組みには強い関心を持っていました。
先ほど植栽を終えた現場を視察して納得しました。丁寧さと愛情のある植栽と感じました。
見た瞬間返ってくるものがありました。
私自身、たくさんの現場を経験してきましたが、このような現場は初めてです。
私自身も海岸林再生に携わる力をいただきました。関係者のご尽力に深く御礼を申し上げます。
2月13日に県・名取市・再生の会・オイスカで結んだ協定の名称は、
「みやぎ海岸林再生みんなの森林づくり活動協定」です。
ハイカラな名称ではありませんが、多くの職員で意見を出し合って考えたものです。
みんなの海岸林にしよう。津波で犠牲になられた方、まだこの世に誕生していない次世代のみんなのことも思って。
そういう気持ちをもって決めました。
村井知事は創造的復興として民間の力を活かし、みんなの力を活かして
新しい宮城を作ろうと常々申しておりますが、皆さんの活動は
その象徴と言え、心から敬意の気持ちをもっています。
これからもこの活動に我々県を交ぜていただきたいです。」

昨年と同様、今年の総会でも、県の方からあたたかいご挨拶をいただき、素直にうれしくおもいました。

103名のボランティア

2014年7月11日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。

7月5日(土)、ボランティアの日ではないですが
たくさんのボランティアの方が来てくれました!

UAゼンセンのみなさん、ANAのみなさん、ボーイングのみなさん
総勢103名の参加がありました。

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山口から参加していただきました


私は今回、1日中UAゼンセンのみなさんと作業させてもらいました。
ボランティアの方に私が最初に聞くことは…
「どこからですか??」
とりあえず、どこから来ていただいたのか聞いてみます。
山口・石川・富山…遠くから本当にありがとうございます。
「旅行もかねてるんで自費で来ました」や
「今日のために長靴とつなぎ買ってきました」
「実家の近くと風景が同じで懐かしいですよ」などなど。
色々な方が来てくださいます。

今回の作業は草取り・根踏み・チップ寄せ。
内容は先月のボランティアの日のブログにて。

初めて参加される方・リピーターの方
同じ作業をしても感じることはさまざまですが、
みなさん、“また来ますねー”と言って帰られます。
人好きな私にとっては
いろんな方と会えるこの現場、楽しい限りです。

そういえば!
今回、参加された皆さん…
まったく打ち合わせしてないのにユニフォームがみなさん青!でした。
「区別できるように準備したのにー」と担当の方々は困り顔。

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1つのグループみたいになりました

みなさん、本当にありがとうございました!!

現在オイスカ四国研修センターに海岸林のパネルが展示されています。
7月末まで展示予定ですので、お近くの方・お時間の取れる方は、ぜひお立ち寄りください!

展示の様子

展示の様子

時間は原則として9時~17時ですが、お時間の都合でそれ以降を希望される方は、
事前に研修センターまでご連絡いただければ対応できる場合もあります。

来所された際は事務所にお声掛けください。
誰もいない場合は申し訳ありませんが、改めて来所いただけると助かります。

場所 : 香川県綾歌郡綾川町陶5179-1
オイスカ四国研修センター 2階会議室

連絡先:オイスカ四国研修センター
Tel:087-876-3333  Fax:087-876-3334

センター入口

センター入口


会議室前

会議室前


 
 
 
 
 
 
 
 

海岸林再生の会 総会

2014年7月9日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。
7月4日に行われた「名取市海岸林再生の会」の総会に参加させてもらいました。
7月3日時点での枯損率は1.6%
ということは活着率は98.4%。
そんな単純に考えてはいけないかもしれませんが、一安心です。
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再生の会の鈴木会長のお話の中にあった
「苗木は血と汗の結晶」「1本1本に魂がこもっている」という言葉が印象的でした。
また、森林整備課の課長様からは
「こんなに愛情の感じられる現場を見たことがない」
「オイスカの現場をみて感動した」とのお言葉をいただきました。
育苗をしている再生の会の方々、
植栽・施肥をしてくれた森林組合の方々
ボランティアに来てくれる方々
全国にたくさんいる支援者の方々
それぞれがぞれぞれの役割に
真剣に、大切に取り組んだ結果なんだなぁ…と感じました。
私もみなさんに負けないよう、
自分の役割をしっかり果たせるように頑張ろうと思えた総会でした。

オイスカ中部日本研修センターの山田理絵です。

育苗場の記事に引きつづき、植栽現場の様子をお伝えします。

7月4日の「名取市海岸林再生の会」の総会で、
75,000本植栽した後の生育状況を報告するため、
前日に佐々木統括、吉田副部長と現場をくまなく歩いてきました。

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現場の平面図を片手に、
隅から隅まで歩き、丁寧にチェックしました。

植栽現場の様子です。

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植樹祭(4月28日)のときに植栽された場所です。

クロマツを一本一本見ていると、それぞれの特徴があることに気がつきました。

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コンテナ苗

「このマツは、なんだかスカートをはいているみたいだ」と吉田副部長。
風に揺れて、ダンスを踊っているようでした。
これはコンテナで育ったマツです。
活着率100パーセントですが、細いので生命力が心配だそう。

次の写真のマツは、

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畑の苗

畑に播種して育てたマツです。
芯が太くて、色も充実しています。
活着率は99パーセントだそうです。

育った環境でかたちや活着率まで変わってくると、佐々木統括に教えていただきました。

こんにちは!!
はじめまして、
中部日本研修センターの山田理絵です。

名取市下増田の第一育苗場に来ています。

ここを訪れたのは、二回目です。
前回は、一ヵ月前に、オイスカ豊田推進協議会の皆様(過去ブログ記事に紹介あり)
のボランティアツアーに同行し訪れました。
今回は、研修を兼ねて、数日間滞在しています。

さて、今日の第一育苗場の様子を、お伝えします

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本日の天気は晴れ。
心地よい風が吹いていますが、時々、
事務所内では書類が飛ばされ、みんなで追いかけています。
今朝、育苗場で撮ったクロマツの写真です。
まずは、2014年5月2日に播種した抵抗性クロマツの苗です。

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元気にすくすく育っております。

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広葉樹も元気に芽を出しました。

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NHK Radio Japanで16ヵ国語(英語を入れると17ヵ国語)で
放送された番組の日本語訳、②です。

                                                     

東京に本部を置くNGOのオイスカがこの海岸林再生プロジェクトの推進を支援しています。
オイスカは、苗木を育て、植林を行うために企業や個人の支援者から寄附を募っています。
育苗は重要な部分を占めており、地元の被災農民達がその仕事を担っています。
オイスカの吉田俊通氏は、震災の直後からこのプロジェクトを率先して促進してきました。
吉田氏は、海岸林が被災農民達にとってどのような意味を持っているか十分認識しています。

 (吉田氏):「農業の再生と自分の生活再建が第一ですが、次に来るのがクロマツです。
彼等は、何が何でもクロマツの海岸林を再生する覚悟です。
このことが、クロマツの林がいかに重要であるかを物語っています。

 この地域の方々は、家、農地、トラクターなどの農機具、
また家族の誰かを失っています。
我々は、何としてでもこのプロジェクトを推進して彼等を助け、
将来に対して何か誇れるものを残さなければなりません。」

震災前、農民達の多くは同じ地区に住んでいました。現在、2か所の育苗場で苗木の世話をしています。
このプロジェクトを推進することは、農民達が集まれる良い機会となっています。
津波で家を失った大友氏は、奥さんと一緒にかろうじて被災を免れた納屋に住んで、
野菜を育てて生計を立てています。大友氏は、以前にはクロマツの苗木を育てたことはありませんでした。
しかし、海岸林再生事業が新しいやりがい、目標となっていると述べています。

 (大友氏):「農家をやっていてクロマツを育てるなんてことはまったく考えていなかったね。
でも、マツの苗木は、髪にさわるように柔らかく、かわいらしいと感じるよ。」

オイスカは、プロジェクトのためにこれまで約300万ドル集めました。
この資金の一部が大友氏や他の農民達に対し給与として支払われます。
このプロジェクトは、震災で被災し、農業を諦めようと思っていた農民達に現金収入と希望をもたらしています。
オイスカは、今後、さらに690万ドルの寄附金を集め、
2020年までに5キロに及ぶ100ヘクタールの土地で約50万本の木を植え、
震災前にあった森林を復活させる計画です。
吉田氏は、被災住民達が海岸林を再生させることは、将来の世代のために保存することであると述べています。

 (吉田氏):「農地を取り戻すためには
木を植えて海岸林を再生することが必要ということです。
地元住民達に最初から参加してもらい、海岸林を再生することが非常に重要です。
将来、住民達は、海岸林を尊重し、良く維持したいと考えるはずです。」

若い苗木が1.5メートルに成長するまでには10年かかります。
海岸林の再生には多分30年以上かかるでしょう。
大友氏は、海岸林が立派に育ち、再び日常生活の大事な一部になるように願っています。

 (大友氏):「孫達が自分の年齢になった時には相当の大木となっているはずだよね。
孫達の孫達がマツ林の中で遊べる日が来るといいな。
私が亡くなる時には、どこか頭の片隅で自分が植えた木々が
自分の死後も残っていることを覚えているだろうな。」

震災前にあった海岸林は、400年前に植えられ、維持されてきました。
新しい海岸林がもっと長く、1,000年或いは2,000年間、維持されるよう願っています。
名取に隣接する仙台市では、来年の3月に国連の防災会議が開かれる予定です。
各国の閣僚達、政府代表団や国際機関の関係者が大勢集まり、
自然災害がもたらす被害をくいとめるための戦略について話し合いが行われることになっています。
吉田氏はじめオイスカの関係者は、
地元住民の復興に向けた並々ならぬ努力を国際的に広めたいと考えています。
海岸林が津波などの災害を減少させる効果がある点を強調しています。

NHK Radio Japan

小笠原よしお
北代ひろこ

6月26日にNHK Radio Japanで16ヵ国語(英語を入れると17ヵ国語)で
放送された番組の日本語訳が届きました。
長文なので、2回に分けてご紹介します!

                                                    
東北の沿岸にはかって海岸林が存在していました。
海岸林は砂や潮風から防護するために植林されたものです。
これらの海岸林は、2011年3月11日に東日本を襲った大地震の津波により壊滅的な打撃を受けました。
今年春、海岸林を再生するために植林が開始されました。
本日の番組では、海岸林再生プロジェクトとプロジェクトに関わっている地元の被災農民をご紹介します。
5月24日、名取の沿岸地帯で地元のボランティアが植栽をしていました。
この日、350人のボランティア達が5,000本の苗木を植えに来ました。高さが約30センチの苗木はクロマツ種です。
私達は、植樹イベントに参加しているボランティアの何人かに話を聞いてみました。

(女の子): 「初めての経験だったから楽しかった。」
(年配の女性): 「震災後から復興のために何かをしたいと思っていました。」

4月と5月に約75,000本のクロマツや他の樹種が地元の農民達及び森林組合関係者によって植えられました。
地元被災農民の一人、大友英雄氏は、震災1年後に種子から苗木を育ててきました。
5月24日、現場でボランティア達に交じって植栽をしながらこう語りました。

(大友氏):「こんなにたくさんの人達が来てくれるとは思わなかった。
こうして手伝ってもらえることが嬉しくて、涙がこぼれてくるね。」

名取周辺に拡がる平らな地域は、仙台平野と呼ばれています。
この辺では、16世紀に強い潮風を防ぐために木が植えられました。
当時この地域を統治していた大名が植林をして、農地を開墾することを命じました。
海岸林は、その後400年に亘って良く手入れされ、維持されてきました。
その間、海岸林では何回も再植林が行われてきました。
2011年の大震災前には、仙台平野や宮城県の他の地域が約880万本のクロマツに守られてきました。
地元の住民達は、これらの海岸林とともに育ってきました。
大友氏は、幼い時に友達と松のどんぐりや葉を集め、ストーブの燃料として使ったと述べています。
また、林の中で生育していたきのこを採って、家で食べたことを覚えています。

(大友氏):「この付近にはマツの木がたくさんあってね、採ってきたきのこは本当においしかったね。」

巨大な津波により海岸林のほとんどが破壊され、流されてしまい、ほんの少しのマツだけが残りました。
宮城県では、1,753ヘクタールもの海岸林が失われてしまいました。
海岸林の喪失により、名取は海からの冷たい風に曝されることになりました。
大友氏は、海岸林がなくなって春でも寒く感じると述べています。

「海岸防災林は、風から守っていてくれましたね。今は、一日中寒く、
例えば、10円硬貨を外で風に曝すと3日間で色が変色してしまいますよ。」

②に続きます…

こんにちは、昨日に引き続き海外事業部の廣瀬です。

個人的に気になった写真をもう一枚紹介させていただきます。

なにやら作業をしている方が…

なにやら作業をしている方が…

前日の現場視察を終え事務所へと戻る途中、植林現場のすぐ隣(内陸側)で、
一人作業をされている方がいらっしゃいました。
遠目からではありましたが、よく見るとネギのようなものが植わっています。
どうやら畑で野菜を育てている模様。

「農家復帰第一号じゃないか?」とは担当の吉田副部長。
ここ数ヵ月現場に付きっきりだった彼が言うのだから間違いないでしょう。

震災によって現在の植林地周辺にあったビニールハウスや農地は壊滅し、
今まで農家をされていた方の中には
なかなか農業を再開する気持ちが生まれないという方もいらっしゃるそうです。
そんな中、すぐそばを大型ダンプや重機が砂埃をあげながら通っていく、
まだまだ復旧途上のそんな場所で黙々と野菜を育てるその姿から、
農業に対する強い想いを感じました。

今回残念ながらお話を聞くことはできなかったのですが、
復旧工事が進み、こういった方がどんどん戻ってきて、
また以前のような農地の風景が戻ってくることを祈っています。

もちろん、その向こうに見える白砂青松とともに。

こんにちは、海外事業部の廣瀬です。
6月21日、名取での海岸林ボランティアのお手伝いをさせていただきました。
そこで撮影した写真をいくつか紹介します。

今回は前日の金曜日から現地入りし、まずは車に乗って現場の視察。
植わっている苗木の周りには、乾燥を防ぐなどの理由で木のチップが寄せられています。
ただ、風で飛ばされてしまっているのもあり、
それを根元に寄せてあげるのが今回のボランティア作業の一つと聞いていたのですが・・・

強風の影響でチップが飛ばされ、根元にも隙間が。

強風の影響でチップが飛ばされ、根元にも隙間が


これはチップというより枝?

これはチップというより枝?


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この謎のモニュメント(?)実は、プロジェクト担当の吉田副部長が建立。
なんとか苗を風から守ろうと木の枝を並べて挿したり石を置いたり、
個人的な研究のために色々やってみた結果、とのこと。
正直、最初に見たときは笑ってしまいましたが、
よく見るとちゃんと風を防いでいて、なんだか苗木も居心地が良さそうでした。

その後も現場を周っていると、今度はなにやら違和感。
きれいに並んでいる苗の中に、1本やたらと大きいのが・・・

写真右側、すごい存在感。

写真右側、すごい存在感

近づいてよく見ると、なんとクロマツではなくただの雑木!(※7/7追記あり)

右手前のクロマツ、分かりますか?

高台を作るために盛っている土は山から運ばれたものです。
その中には山の木から落ちた種子が入っていたりして、
それが芽吹くとこうなるのでしょうか。

それにしても完全にクロマツの居場所を奪っていて、
なんだか某漫画に出てくるガキ大将と主人公の少年みたいだな、
可哀そうに・・などと考えるまでは良かったのですが
写真を撮って満足してしまい、この木を抜いてくるのを
うっかり忘れてしまいました・・・。

次回現場に行ったとき、忘れずに助けに行ってあげようと思います。(それまで頑張れ~!)

※7月7日追記
あの存在感、完全に雑木だと思っていましたが、実は草でした!
帰化植物でアカバナ科のメマツヨイグサ(アレチマツヨイグサ)だそうです。
空き地の荒れ地に急激に増えるもので、風散布による種子での繁殖。
土に入っていた種子が芽吹いたわけではないことが判明しましたので追記いたします。

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