お花畑!?

2014年11月25日( カテゴリー: 現場レポート )

この夏格闘した植栽現場の雑草はだいぶ勢いを弱め、草刈り作業も必要なくなった。
CIMG6481そんな中でも青々と茂っているのはクローバーたち。
こんもりと島になっているの分かりますか?
まったく何も生えないところもあれば、こんな風にクローバーが繁茂しているところもあり、植栽基盤ごとの違いは大きい。
クロマツにとってクローバーは、憎き雑草ではないらしい。根元を乾燥から守ってくれたり、風で砂が舞うのを防いだりしてくれているのだろうか。
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風が吹きすさぶ、ただ茶色の乾燥地が広がる海岸で青々とした緑の存在はちょっと心をほっとさせます。
白やピンクの花が咲いてくれているお花畑はクロマツが心地よく育つためのふわふわのベッドの役目なのかもしれません。
 

広報室の林です。
プロジェクト担当の吉田は、名取での海岸林再生に役立てようと
地方出張のたびに各地の海岸林を視察して歩いています。
今回訪れたのは福岡県の海岸林。今回は柿沼部長と一緒です。
CIMG6536生の松原。「いきのまつばら」と読みます。いわゆる白砂青松の風景をつくり出していました。
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息子(1歳半)を遊ばせたら楽しいだろうなぁ・・・・・・と想像中


 
マツの木をじっくり見たり、植栽間隔を測ったりしている吉田に対し、部長の関心は海!
部長の出身は、日本に8つある内陸県、いわゆる海なし県である群馬県。やはり海は特別な場所らしい。
このあたりの海岸には元寇防塁が残されています。海岸警備の重要性などを話しながら歩きつつ、海岸でまったりとした時間を過ごしている人を見ると、「あの人、実はぼ~っとしているようで、警備にあたっている現代版防人」なのではないかとの憶測まで飛び出してきました。
何ヵ所か視察をした最後に見た海岸には小さな苗が植えられていました。
・・・・・・が海に近いところの苗はだいぶ砂をかぶっています。
そこで部長が救出に乗り出しました。
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砂に埋もれる苗を救出中


ここまで防風柵があればいいのにね・・・と部長

ここまで防風柵があればいいのにね・・・と部長


 
 
 
 
 
 
 
 
 
あちらこちらの視察につきあった部長。
「ホントに吉田さんって海岸林オタクだね」と嬉しそう。
オタクには及ばずとも、プロジェクトを通して得た知識から
「これはもっとこうしたほうがいいのかなぁ」
「この苗はこうやって育てられているんだろうか?」
と思いをめぐらすことができることにも喜びを感じていました。
海岸林オタクは、海岸林オタクのたまごを育成中です。

冬じたく

2014年11月23日( カテゴリー: 現場レポート )

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マツの先端を “頂芽(ちょうが)”ということ。
寒くなると白いふわふわの毛で防寒対策をすること。
以前緑化技術参事の清藤先生に教えてもらってからは
現場に行くたびに頂芽が気になって仕方ありません。
まさに馬鹿の一つ覚え!
もう冬の準備完了!
真っ白の毛をまとっています。
 

今年度のボランティアの日は、全日程が終了しました。
ご来訪いただいた皆さまに心から御礼を申し上げます。
森林組合の職人には植栽・施肥・下刈り・除伐などプロがやるべき仕事を。
名取市海岸林再生の会の農家には、播種から2年間の育苗、植栽出荷まで、
全国からのボランティアには、育苗から植栽後の保育まで上記を補完する役目を。
筋書き通りの大きな協働の輪ができました。
参加総数は目下集計中ですが、1,500人ほどが現場で格闘。
男女比は半々。83歳の方も愛知県から1泊2日で来てくださいました。
宮城県民は3割ほどか。47都道府県すべてから。
夏休みには親子連れもチラホラ。
リピーターは3割。この存在が全体の質を牽引する。CIMG6496
際立ったのは、企業・労組のご担当者。
単身参加して実体験してから、本体を引率する周到さ。
そしてほぼ毎月、また完全に毎月来る宮城県民。
現場に来たら、ビブスの色が違っても、みんなごちゃまぜです。
今月は3回以上参加の方に「腕章」をつけていただき
小隊長となっていただきました。
繰り返し来る企業や労組は、申し送りもして下さるので動作が機敏。
素晴らしい小隊長のおかげで、質の高い仕事ができたと思います。
私たちはボランティアを「戦力」と考え、お遊びでなく、
朝8:30~17:00までビッチリ仕事していただきます。
少々手荒です。お客様扱いは一切いたしません。
駅から25分歩いてくる方も多いです。
車で来られた方が、見知らぬ方をピックアップしてくださることも。
課題はまだ名取市民が少ないこと。
佐々木市長は半年で6回も現場に来ていますが。
ボランティアという雰囲気があまりない。
海を見たくないという気持ちもあると思う。
来年は名取市民にもっとアプローチしよう。
各月第3土曜日のボランティアの日の仕事内容はコチラCIMG6452
育苗場では、除草・石拾い、広葉樹苗の保育、洗車、道具のメンテナンス
植栽現場では、植樹祭の準備、根踏み、根元へのチップ寄せ、ツボ刈り(下草刈り)、
葛・つる草・ニセアカシアの除草・抜き取り、溝切り(排水)、モニタリング調査
仕事の終わりは、道具を洗って、毎回感想を伺う会をしてから。
「保育作業が、こんなに木に愛情が沸く仕事とは思わなかった」
10月にボランティアに来てくださった女性の感想です。
今年、最もうれしかった一言です。
植林にしか関心を持たない、植えた後は忘れてしまう人を増やすような仕事はしたくない。
「微力ですが」「私がちょっと手伝ったぐらいでは」「何年かに一度しか来れない」
皆さんそう言われます。でもそういう人が、みんなでバトンリレーしたら…
私はそれでイイのだと思います。
皆さんまた会いましょう!

はねっかえり娘発見!

2014年11月21日( カテゴリー: 現場レポート )

コンテナ苗の草取りをしている時、
“はねっかえり娘”を見つけました。

みんなはちゃんとコンテナの中に根を下ろしているのに、
自分だけぴょんと外の世界に飛び出ている異端マツ!?

一人でのびのびと空に向かって手を広げているのか、
一人で寂しくて、飛び出してしまったことを後悔しているのか。

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小さな種子ですから、播く人がうっかり一粒落としてしまった。
ただそれだけのことなのに、なんだかもう、彼女が自分の意思で
そこに根を下ろしているようにしか思えなくなってしまいました。

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CIMG6434毎回現場ボランティアには車両係が参加しています。
・・・・・・といっても、プロジェクト担当の吉田が勝手にそう呼んで、仕事を分担しているだけなのですが。
車両係を務めるのは仙台トヨペットの社員さんたち。トヨタの自動車ではなく、育苗場で使う“一輪車”を扱います。
車両係の仕事は、集合場所の事務所前から育苗場に歩いて移動する時から始まります。倉庫から一輪車を出し、育苗場へ。育苗場での草取り作業後、草を回収して一輪車に積み込み、廃棄するところまでが車両係の担当です。
 
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若き車両係たちの中には新入社員さんたちも多く、率先して動いてくださりとてもありがたいです。まだまだボランティアの多くは他県からの参加者という状況の中、地元の若者が毎回こうして現場で汗を流してくれていることは、プロジェクトにとってもたいへん貴重なことだと思います。
今年のボランティアはこれで終わりましたが、来年参加する社員さんたちに車両係のお仕事をしっかり引き継いでいってもらえたら・・・・・・と勝手に期待しています!
 

CIMG6486これ、何をしているところか分かりますか??
みんな下を向いて何かを探しているようです。そういえば、数ヵ月前、研修生がカバンをあの広い植栽地に忘れてきたといって探しまわったことがありました。なかなか見つからずたいへんでした(実は事務所に置いたままだったのですが・・・・・・)。
この写真、確かに探し物をしているのですが、探しているのは落し物や忘れ物ではありません。・・・・・・ん? ある意味忘れ物かもしれませんが。
 
探しているのは葛(クズ)。ツルが巻き付いて、クロマツの成長を阻害しますから、
根絶やしにしたくて、ボランティア活動のたびに刈り取ったり、掘り取ったりしてきましたが、
今回は最後のボランティアということで、取り残しがないかどうか、みんなで念入りに探しました。
もちろんない方がいいのですが、ないとなんだか物足りなくて、
姿を見つけると「あ~~、いた~~~!!」と嬉しそうに駆け寄ってやっつけるのです。
探し物、まったく見つからなかった人もいたようです。
作業としては達成感のないものとなりましたが、植栽現場としては安心できました。

CIMG6447今回、初めてコンテナ苗の草取りをボランティアさんに体験していただきました。
ずら~~~~~~っと並んでの作業。じっと座っているのでひざや腰が痛くなります。途中風が強くなって、おひさまも隠れてしまい寒く感じながら、ひたすら草を抜きます。
混みあった状態で苗が育っているコンテナの作業は少々コツが必要です。いつもは「名取市海岸林再生の会」の皆さんにお任せしている作業です。
小さなの苗を草と一緒に引き抜かないよう注意しながらの作業です。クロマツに加え、アカマツも育てていて、その違いも実感しました。クロマツは葉が硬く、チクチク刺さって痛いのですが、アカマツは痛くありません。作業をするには楽ですが、やはり海岸の厳しい環境で丈夫に育つのはクロマツなのかもしれません。
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←育苗場の隅の方から木の枝を探して来て道具にして作業をする方が!
ほかの皆さん道具があったほうが草を取りやすいということで、みんなで割り箸を使って作業をすることに。
(植樹祭のために準備した植栽場所の目印用割り箸です)
日頃、再生の会の皆さんがこうして手間をかけて苗を育ててくれているのだなぁということをあらためて感じた作業でした。

広報室の林です。
11月15日、今年最後のボランティア活動が行われ、40名が参加くださいました。
毎回ボランティアに来てくださる地元のMさんがいつもひざ当てを使っているのをみて
「いつか私も手に入れよう」と思いつつ、なかなか行動に映せず、結局作業ズボンの
ひざ部分を汚してしまう私。作業ズボンだし、いいか・・・・・・と思いつつ、やはり欲しい!
・・・・・・ということで、今回は写真を撮らせていただきました!!
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実は手づくり大好きな私。この写真を見ていると今度は「つくってみようかなぁ」という気持ちになってみたり。来年も春からボランティアの受け入れを再開します。それまでに完成しているといいのですが。
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そして、今回もう一つ紹介したい便利グッズはこちら。育苗場でじっと座って草取りをするのに最高!特にコンテナ苗は少し高い位置での作業になるのでこれはお役立ち!
効率よく仕事をするために体に負担のないよう工夫するのは大切なこと。
欲しいものが増えてしまった・・・・・・。
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植栽地に笹が繁茂?

2014年11月16日( カテゴリー: 広葉樹, 現場レポート )

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海岸林の現場にでてきたササ類 ヤダケ


 今回のボランティア活動の植栽地での作業は蔓のクズの除去がメインであった。広報室長の林久美子さんが笹を見つけてきた。
「先生これ増えてます」。
いい加減なことも言えないので、帰って種類を調べてみると「ヤダケ」であった。
笹か、竹かの見分け方であるが、イネ科の植物の内多年生で茎(稈)が木質化するものをタケ亜科に分類し、一般に木の仲間に入れている。タケ亜科は更に稈鞘(筍の皮)が茎から直ぐ剥がれ落ちるものをタケ類、そのまま茎に残るものササ類として分類する。 ヤダケは名前に竹の字がつくが、稈鞘が長く宿存するのでササの仲間ということになる。
北海道を除く日本全域及び朝鮮半島南部に自生し、低山帯から沿海部にかけて分布する。
稈高は2~5m、径は5~15mmで節は低く、節間が長いので古くから矢柄に利用され、
また神事、日用品、釣竿などにも広く用いられてきた。
一般的な門松は、斜めに切った孟宗竹に松の枝を組み合わせて作るが、
仙台藩では、高さ3mほどの栗の木を柱に笹と松を添えたという。
この門松は、代々藩有林の管理にあたっていた根白石の山守の家で製作し、
献上されていたとのこと。この伝統門松に使った笹の種類は明らかではないが、
材料はすべて地元産を用いたとされているので、
おそらく自生していたこのヤダケかアズマネザサであろうと推測される。
この海岸林にこの低木のササが優先してくるか、ニセアカシアが繁茂してくるのか、
いずれにしてもこの2種は今後危惧される植物であることは間違いない。
 

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