国連防災世界会議in仙台(3月14日~18日)まで1か月。
身辺が騒がしくなってきました。
期間中の我々の予定はコチラです。http://www.oisca.org/kaiganrin/2482
この会議の存在を知ったのは2012年秋。
IMF・世界銀行の年次総会in東京でのことでした。
「観音寺松原」「津田の松原」視察を踏まえて、高松市で「オイスカ四国の集い」の500人を前にプレゼンし、直後、狭い夜行バスで急ぎ帰京して、クタクタで臨んだことを思い出します。

フィリピン中部台風被害地行政当局4名の現場視察・作業体験(2014年10 月17・18日)

フィリピン中部台風被害地行政当局4名の現場視察・作業体験(2014年10月17・18日)


私にとってこの年次総会で最も印象に残ったのは、「国際援助機関は、重点配分先を災害復旧から減災・防災重視にシフトする」という大きな潮流。
起きてからでなく、起きる前に。そりゃそうだ。
オイスカは緊急支援、災害復旧の畑ではないとしても、20年近く国際協力の仕事に携わりながら、私自身は全体が見えていなかったこともわかりましたが、
そんな当たり前のことが潮流になっていなかったんだ~と、びっくり。
今回の仙台の会議は、300以上のシンポジウムが開催されます。
それら通称「サイドイベント」は、どこの国際会議でもこういうものですね。
時間が許せば、興味あるテーマをのぞいてみようと思います。
私たちにとって3月は、いよいよ現場が動き出す時期。
3月15日の一連の行事は「定期活動報告会」にかわる行事として組織的に実施。
我々はあくまでも実戦部隊らしく、戦略的に行事を行う。
早くから、こんな姿勢で臨むことに決めていました。
OECD兒玉和夫全権大使、アメリカNGO「GrovalGiving」の視察(2014年12 月22日)

OECD兒玉和夫全権大使、アメリカNGO「GrovalGiving」の視察(2014年12月22日)


これまで、国際的発信については、そもそも国際協力NGOですから、理屈抜きで可能な限りの対応を行い、世界54ヵ国181人の視察対応をしました。
また、公益財団法人フォーリンプレスセンターと協働し、35ヵ国の報道機関を受け入れてまいりました。
今回3月15日のの「歩こうツアー」は、広くあまねく募集するのでなく、数は少人数でも、
目的をもって現場に来る人を積極的に受け入れたいと思います。
そして、主な参加者となる「名取市民」と触れ合い、1000年先まで生き抜くような松林を作ろうとしている人から、何かを得て帰っていただけるようにしたいです。
減災・防災への道は、住民の主体的参画なしには成り立ちません。

仙台ニコンにて

仙台ニコンにて


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宮城ニコンプレシジョンにて


2月6日、仙台ニコン(名取市・従業員1,000人弱)、宮城ニコンプレシジョン(蔵王町・約200人)の2拠点で、就業時間内に従業員向け活動報告会の場をいただき、村石社長、池田社長を筆頭に、本社ご担当3名を含む約70名がご参加くださいました。
2012年に続き2回目の開催です。
我々とニコン本社双方のの一貫した考え方は、「まず内容を知ったうえで、個々が自主的にボランティアに参加してほしい」ということ。
そのためにも、1年か2年に一度は報告会を実施しようと、強く後押ししてくださりました。
長いプロジェクトに欠かせない「人づくり」を考えると、この2拠点の戦略的重要性は非常に高いと考えています。
現場第一線で毎月活躍してくださっている数名がいるせいか、アウエー感が全くありません。
この70名の中から、新たに現場で活躍してくださる人が出てくると感じました。
ニコングループには、タイの「子供の森」計画、富士山の森づくり(2002年に病虫害によって大ダメージを受けた山梨県県有林の再生。2007年~、標高1,600m地点100ha)に加え、当プロジェクトをご支援いただいています。
なお、同社の協力で作成していただいた写真パネル(全110枚)は、今年度7県14ヵ所(これまで4年で10県47ヵ所)で展示をしました。
次回は3月16日(月)~20日(金)宮城県庁2階で開催します。
写真パネル展開催ご希望の方は、オイスカ本部海岸林担当まで、ご遠慮なくお申し出ください。

名取市は東西に長く、津波浸水地域は28%。
他市町村と同様、浸水しなかった場所が圧倒的に多いのです。
浸水しなかった地域にウエイトを置いて、ツアー告知を集中的に行いました。
市役所の2階から4階、別館、文化会館、学校、大学、農協、商工会、図書館、空港、駅、
全仮設住宅集会所、各町内会長、FMなとりなどを、本部の中西君と二人で手分けして。
こういう仕事は、「写真展」と並んで、「最新の市民感覚」を知るのに打ってつけ。

現場のクロマツの様子

現場のクロマツの様子


普段行くことが少ない、震災津波被害と全く無縁の地域住民と接しました。当プロジェクトの認知度、関心度も自然と分かります。独特の情報も入ります。良いことも、悪いことも。見たくない、聞きたくないことも・・・
今回は少しブルーになりました。
被災した人と、被災していない人の2極化なんてものじゃありません。もはや、「なんとなく海を見たくない」どころではありません。地元では風化というよりも、分断のようにも感じました。
当事者として関わる場所がなければ、そう思ってしまうのも無理もないと思います。「復興」という言葉に辟易し、関わろうという気力も萎えるのかもしれません。しかし、「郷土愛」のようなリアクションが希薄になったように思えます。
一日を振り返って思いました。被災地区では毎日交わされる「ごくろうさま!」って言葉が今日は記憶にないのは何故だろう...
とにかく、何よりも誰よりも、もっと名取市民に現場に来てほしいですね。
3月15日(日)「海岸林再生の現場を歩こうツアー」募集チラシはコチラです。

クレジットカードのポイントプログラムで
「海岸林再生プロジェクト」への寄附ができるのをご存知ですか??
一口200ポイントからの寄附が可能です。
nicos
もちろん私も寄附をしました!
「海岸林再生プロジェクト」で名取に出張する時にはクレジットカードで新幹線の切符を購入して、せっせとポイントをためてプロジェクトに還元。私のポイントは小さなものですが、日本中のポイントが積み重なると大きな支援になります。
ニコスカードの会員情報誌には毎回、頑張るクロマツの成長ぶりをご紹介いただいています。カードホルダーの皆さん、情報誌partnerもぜひご覧ください。
 
こちら(ウェブの商品カタログ)がご覧いただけます。

進化

2015年2月15日( カテゴリー: 現場レポート )

震災以降、被災各地で順次進められている海岸林再生に向けた植栽基盤工事。
よく見ていると、いろいろな違いがあります。
こんな大規模な工事は初めて体験することですから、
どんな方法がいいのかテストしているのかもしれませんし、
新しいところでは、別の現場の反省が活かされて、改善・進化しているのかもしれません。
以前見に行った岩沼の現場では、排水用の小さな溝が防風柵の下にも掘られていました。
これがあるだけで、ずいぶん水はけが違うんだろうなぁと思ったものです。
新しい盛土ののり面はこれまでよりもずいぶん進化しているように感じます。
左が新しいもので右が従来のもの(いずれも上から撮影)。
150124-25 (245)150124-25 (104)
 
 
 
 
 
 
より崩れにくい工法、より劣化しにくい素材を――。
そんな現場の努力があるのだろうなぁと想像しつつ、工事関係者の皆さんに感謝!
 

松脂

2015年2月14日( カテゴリー: 現場レポート )

これ、見てください!
松脂(マツヤニ)が、頂芽(チョウガ=芽の先端)から、幹からあふれ出しています。
CIMG6966 CIMG6969
 
 
 
 
 
 
 
 
 
温度が下がっている今の季節だからでしょうか、手で触ってもベタベタせず、
ぽろっと取れますが、しばらく手のひらに乗せておくとベタベタしてきます。
松脂を採取して簡単に何かに活用できたらいいのですが・・・・・・。

小さな小さな補植苗

2015年2月13日( カテゴリー: 現場レポート )

広報室の林です。
先日秋植えコンテナ苗の生育状況を吉田がブログで報告していました。
私が気になったのは、秋に補植をした苗の小さな姿。
枯れてしまった苗
補植は文字通り補って植えること。
どんなに一所懸命に世話をしてもこんな風に枯れてしまう苗がどうしても出てしまいます。そこを新しい苗に植えかえるのが補植です。
 
 
春に植えた苗と比べるとその姿の小さいこと!
わかりますか??
150124-25 (149)150124-25 (151)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この比較写真はどうでしょう。
横から見たところ。
150124-25 (165) 150124-25 (161)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上から見たところ。
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小さい姿で頑張るクロマツ。
周りの大きなマツに負けず、しっかり冬を乗り切ってもらいたいものです。

飛び越える!!

2015年2月12日( カテゴリー: 本部発 )

先日、ボランティアに参加を検討している方から連絡がありました。
「体力に自信がないけれど参加できるのでしょうか」というもの。
現場でのボランティアは確かに体力的にはハードなものです。
作業はもちろんですが、暑さ寒さも体に堪えます。
昨年、毎回ボランティアの日に作業に参加した私にとって、
現場でちょっとたいへんだなぁと感じているのは、これ。
これさえクリアできれば体力に自信がなくても
参加できるのではないかと思っています。
150124-25 (256)
それは、植栽現場に掘ってある溝をぴょんと飛び越えること。身長180㎝超の吉田だと“ひょい”と、またぐだけなのですが、150㎝の若干重めの私だと“えい!”っと気合を入れて飛び越えなければいけないのです。普段身体を動かしていないというボランティアさんの中には、ちょっと助走をつけて飛び越えたり、向こうから誰かに手を引っ張ってもらってジャンプしたりしている人も見受けられます。
この写真の現場はまだ工事をしているところで、作業用に橋を渡してありますが、植栽を終えた現場にはありません。
以前、“えい!”が負担に感じられ、溝の中を歩いていたところ、少し湿っているように見えたところが実はものすごい泥沼で、ひざ下までずっぽりはまってしまい抜けられず、ボランティアさんに上から引きあげてもらったことがありました。それ以来溝を歩かず、“えい!”っと飛び越えることにしています。
 
 
 
150124-25 (254)あるオイスカ会員さんがおっしゃっていました。「毎年富士山での森づくり活動に参加するのが楽しみで、そのためにボランティア時期が近づくとダイエットす るんだよ」と。私もこの溝を軽々飛び越えられる体重になるように、4月のボランティアに向けてダイエットをしなければいけないのかもしれませ ん・・・・・・とは言いつつ、この橋が欲しいなぁと思っている怠け者です。
 

今年度の「戦力募集」(ボランティア募集)を開始しました。
「ニコングループ」の社員さんの動きが際立ちます。
全国各地から一人また一人と、申し込みがコンスタントに続いています。
「自分で海岸林のホームページに目を通し、自主的に申し込む」ことが徹底されています。
企業団体全体に、ボランティア受け入れ原則として要望したことを、真正面から実行してくださっています。
そういうこともあってか、リピート率が極めて高い。50%以上でしょう。仕事の出来もイイ。
だから現場で我々から見ても「目立つ」。
この春も動員もかけず、現場来訪者の頭数が伸びています。
初夏には、新たな企画として、水戸工場の新人研修も予定。
企業側にとって、社内制度の点からも、なかなかできるものではありませんし、
戦力として足る人数が必要な私たちにとって、人数の票読みが出来る企業も重要です。
なんでも「社風」で片づける気はありませんが、
多くの企業、複数の従業員と時間をかけて接すると炙り出されてきます。
また、特にニコン社会貢献室の「気風」は大きな影響があると感じます。
一言で例えれば「真心」。

着任早々の畠山さん。中隊長への第一歩目。先輩小松さんから受講中。

着任早々の畠山さん。中隊長への第一歩目。先輩小松さんから受講中。


異動があっても、誰もが当初の趣旨を自分事として受け止めている。
誰が主担当になっても影響がない社会貢献室のチーム力。担当個人を放置しない。
現場に足を運ぶのはもちろん、各種会合への複数での出席率が高いので、極めて理解度が高く、写真展(パネル作成も全面協力)を仙台駅で開催した時も、私と共に立ってくださった社員さんが3名。どんな質問をされても動じず、我々に振らず、逃げずに自分で答える。
社内での「活動報告会」の場を2年に一度提供くださり、2月6日は、仙台ニコン(名取市)、宮城ニコンプレシジョンで開催し、今回もトップ自ら聞いてくださいました。
従業員の1割近くが、自分の意志で出席。
本社ご担当に不意に聞いてみました。
「他社よりも優れていることは何ですか?」
「・・・・」(謙遜)
上げ膳据え膳ではなく、自主性にこだわってコツコツ進める担当部署の姿勢は、ニコンの社風にも合い、多くの社員の本音の賛同を得ていることは、外部の私がよーく知っています。
ニコン以外の全体において、「一個人。初めてです」という方の申し込みも、明らかに続伸中。
1,500人×8時間、リピート率4割、女子率4割、宮城県民率3割が昨年の実績です。
昨年のように、全体として事故なく、ケガなく、イイ仕事を続けてゆくのに不可欠な、有力中隊長と思っています。これからもよろしくお願いします。

積雪の名取

2015年2月10日( カテゴリー: 現場レポート )

1月31日、南岸低気圧の影響で、湿った雪が降ったそうです。
仙山線は雪崩が起きて、車23台が立ち往生したり。
農業被害は聞こえてきませんでした。

植樹祭開催地。これから打たれる杭が用意されています

植樹祭開催地。これから打たれる杭が用意されています


2月5日、業務調整に来たニコンさんと、肥料寄贈の搬入打ち合わせに新潟県長岡市から来た緑水工業さんとともに現場に行きました。
育苗場のクロマツは、再生の会の手で雪かきをして下さいましたが、植栽現場は、比較的暖かい日が続いたので、雪が解けてクロマツが顔を出し、見る分には遠くまで見やすい。
仙台湾沿岸部は雪の少ない場所です。
冬は生長は止まっていても、死んでいるわけではないので、やっぱり適度な湿気が欲しい。
乾燥注意報が続いていましたし。
完成後こうなります

完成後こうなります


現場では、国有林部分の「防風柵」(静砂垣)の8,000本の杭打ちの天に届くような音が響きます。
国発注の公共工事です。建設会社さんが従事しています。人力です。おそるべし。
盛土は引き締まる(高い固相率)性質の土ですから、私の見る限り、海岸林工事の中で、最も過酷な仕事。今日は挨拶せず、心の中で頭を下げました。
私なんかじゃ、半日持たない。
この防風柵がクロマツを守ってくれます。
次の出張の時は、頼んで少しやらせてもらおう。
録画もさせてもらおう。こういう仕事が本当の縁の下の力持ち。
一日何本打っているのか聞いてみよう。

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