吉田です。葛刈りは12年目。協定面積103ha、植栽実面積72.5haのうち、コロナ禍を経て拡大した葛。その侵入面積は植栽実面積の20%前後(むろん、植栽地に含まれない盛土法面や管理道なども葛枯殺の対象地です)。今年も5月下旬から開始し、7月中旬~8月末は酷暑のため作業停止し、9月末までプロ数百人(まだ集計を終えていない)と1,167人のボランティアで全力で臨み、9月27日をもって今期の作業を終えました。

 9月は最後の追い込み。今期からボランティアが受け持つことになった飛行機誘導灯南のハイレベルな現場(約4.5haの50%以上が葛に覆われた場所)に、475人(9月)で挑みました。先日紹介した9月2日の仙台トヨペット269人、5日の公募日(第一三共、ホーチキ、仙台トヨペット、IBEXなど)、19・20日の住友化学労組、26日のUAゼンセン、27日の公募日(東京海上&仙台支店、仙台トヨペット、鹿島建物管理東北支社、東洋紡労組、矢崎エナジー仙台支店など)。宮城県民率、女性率、リピート率、U22率・・・いずれも、とても良い数字だったと思います。

 若い人、一気に増えたなあ~。一番うれしいことです。老壮青の全年代が満遍なく参加することを目標にしてきました。東京本部から来た大学生インターンや若手職員も、オイスカ本部HPブログでレポートしてくれています。

 最終日となった9月27日の公募日は、98人で2.25ha(クロマツ8,400本)のエリアの葛を枯殺。各社にもリピーターが多かったせいか、想定よりも1haほど多く前進。こんなに進むとは思わなかったです。

 今年の葛刈りはこれにて終了。プロとボランティア全体として、一度も手を入れられなかった場所は、ごくわずか。達成の満足度は過去最高。私としては90点!いや、99点を付けたいです。なによりも良かったのは、適正人数を募集でき、多くの方との新しい出会いがあり、そのうえで無事故も続伸できたこと。心底ホッとしながら帰京しました。

 11月は、生長モニタリング調査や現場管理と、溝切り、ゴミ拾い(たくさん捨てられてます)をボランティアとの仕事にするつもりです。臨時のボランティア日を決めて、来年の葛刈りの準備や、また、マツクイムシ病の勉強会なども計画したいと考えています。

 完全冬眠しないことにしました。

 

5年?7年?見逃した葛の根元。松と変わらない太さ。

9月27日に東洋紡労組の女性が発見。見つけたことが凄い!

【施工開始】9月6日 公募ボランティア54名

(手前はオイスカ関西支部会長・JR連合会長の上村さん、奥は第一三共の社員さん)

【施工開始】9月6日 公募ボランティア

 そして翌々週、住友化学労組20名+オイスカ学生インターン・ボランティアリピーター7名が続きを。

【施工中】9月19日 防風垣を倒してクロマツ根元を攻める
【施工6日後】9月25日 見逃しゼロ。
かつて見たことがないほどの会心の出来

こんにちは、CSOインターン生の柚原です。
今回は9月19日、20日の活動について一部報告します。

9月19日はボランティアとして住友化学労働組合の方々がいらっしゃり、葛刈りを行いました。
この日の夜はボランティアの方々と一緒に名取サイクリングセンターにて温泉に入り、夕食を食べた後、オイスカの報告会を行いました。

報告会では吉田さんより海岸林の話を、私からはウズベキスタンのプロジェクトの話をしました。
吉田さんの話を聞いて改めて、海岸林プロジェクトの目的や過程の布石の明確さとその発信力を実感しました。なぜ海岸林なのか、どんな海岸林にしたいのか、そのために何をするのか、必要なのか‥
そういったプロジェクトの基盤的考えをボランティアさん達に丁寧に共有すること。
これは、ボランティアとして多くの方々が関わるプロジェクトだからこそ、重要なことだと感じました。

そしてまた、発信の仕方についてもどの情報をどう共有するか。的確でありながらも、受け手を考えた工夫を感じました。

ウズベキスタンの話については、想像以上にみなさん興味を持ってくださり、非常に多くの質問が上がりました!

ウズベキスタンの現場は、プロジェクトの基盤的部分がまだ明確ではない、固まっていない状況であり、なかなかに厳しいですが、その中でも報告する、共有することは続けなければなりません。そういった部分も含めて何をどう伝えるか改めて考えさせられました。

20日午後は少数人数での葛刈り作業。
今回は吉田さん、浅野さん、インターン生4人とベテランリピーターの森さんの7人で行いました!
今回の作業場は図太い葛の蔓が地面を張り巡っているような場所で、やりがい抜群でした!

実はインターンの柴崎さんと一緒に作業するのはおそらく今回が初めてであり、この日は同世代の学生も多かったため、いつもとは少し違った空気感で新鮮でした。

みなさん何を考えてインターンに来ているのか、プロジェクトをどう捉えているのか、色々と話をすることが出来、刺激的な2日間でした!

皆さん、こんにちは。インターン生の柴﨑翔吾です。

今回は9/19、9/20の2日間、クズ刈り作業をして参りました。私はこれまで約3ヶ月ほどインターン活動をしてきましたが、イベントの準備や下見などに同行させていただくことがほとんどで、実際のクズ刈りをするのは今回が初めてでした。

正直、自然の力を甘く見ていました。

外から見ていた時には、そこまで広い範囲ではないし大して時間もかからないだろうなと感じていた範囲のクズ刈りを終わらせるのに、予想の5倍は時間がかかりました。地上に出てきて私たちの視界に入ってくるクズはほんの一部で、地面ではクズの枝が複雑に絡み合い、とても広い範囲を横断しながら繁茂していました。さらにマツの枝や他の草木に遮られ奥まで進めない時もありました。

2日間、体力と時間を注いでクズ刈りをやり切ったエリアもマツ林全体に比べたら見えないくらい小さなエリア。これを全てのエリアでやり切ると考えると気が遠くなりました。

オイスカの担当区域以外では完全にマツがクズに覆われてしまい、取り返しのつかない状況になってしまっているエリアもありました。何も知らない私たちはマツの苗を植えることに価値を感じ、その行動にスポットライトを当てて賞賛し賞賛されようとします。でも、マツを植える人は、植えた苗が大人になるまでのとてつもなく長い期間のお世話をして育て上げる責任を負います。やると決めたのであれば、その責任を背負って最後までやり抜く覚悟が必要なのだと感じました。

クズ刈り作業は大変であると同時に楽しくもありました。今回は住友化学労働組合の方々と一緒にクズ刈り作業をさせてもらい、大学のことやお仕事のことを話すことができたり、作業後のお風呂では人生の先輩としてのありがたいお話をしていただいたりと、ものすごく楽しく貴重な時間でした。クズ刈り作業を通じて沢山の今まで出会わなかった人と出会えて、知らなかったことを知ることができるのもまた一つの価値だと感じました。またどこかでお会いできたら今日話しきれなかったことを沢山お話したいです!

今回の活動で感じたこと、学んだことは、大学の机の上では決して学べなかったことだと思います。これからもそのような学びを積み重ねていきたいです。

機窓 ~写真報告~

2025年9月26日( カテゴリー: 現場レポート )

 吉田です。飛行機で来た9月のボランティアの方たちが、機窓からの写真を提供くださりました。葛の繁茂状況がわかるので、業務としても、記録としてもとてもありがたく思っています。以下、ご紹介します。

「名取市海岸林の全景」

住友化学労組執行委員の鈴木さん撮影。今までにない角度。とってもレアです。

オイスカ関西支部役員の宮本さん撮影。手前はオイスカ協定外ながら、葛の酷さに驚きました。

大阪万博を見に行った足で、飛んできた東京本部大学生インターンさんが動画と静止画を撮影

【番外】 名取市海岸林北端付近「名取市サイクルスポーツセンター」屋上より吉田撮影

このたび、オイスカではご支援をいただいている企業・団体の皆さま、そしてこれからご検討くださっている皆さまとの交流と学びの情報交換会を開催いたします。

海外の現場で活動するスタッフの生の声や、海岸林再生プロジェクトを中心とした国内での取り組みをご紹介するとともに、参加者の皆さまからの支援事例を共有いただき、他の企業・団体の実践を知る貴重な機会ともなります。社員参加型のボランティア活動や情報発信の工夫など、日頃の取り組みやお悩みを気軽に相談いただける場としてもぜひご活用ください。
皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

<開催概要>
■日時:11月20日(木)15:30~17:00
■会場:コングレスクエア日本橋 3階 ルームA
    (東京都中央区日本橋1丁目3−13 東京建物日本橋ビル)
    アクセス►https://congres-square.jp/nihonbashi/access

■参加費:無料
■使用言語:日本語
■主催:公益財団法人オイスカ

■プログラム(予定)
・海外からの活動事例紹介
 ― 「子供の森」計画(※)インドネシアスタッフが語る 森づくりの現場と想い
・海岸林再生プロジェクト近況報告
・企業・団体による活動・支援事例のご紹介
・参加者同士の情報交換

申し込みほか詳細はコチラ
https://oisca.org/events/e251120/

皆さんこんにちは!前回に引き続き、本部の濵﨑が9月7日(日)宮城と福島での体験をお伝えします。

その日は日曜日。ゆりあげ港朝市に行ってきました!市場には新鮮な海産物、乾物、フルーツ、出店、たくさんの物が販売されていて、新鮮な海産物を購入しその場で焼いて食べることもできます。せり市も有名で、参加者は番号のついたうちわをもって、せりに参加することができます。

名取市から福島県の双葉町まで海岸沿いを通りながら、他のエリアの海岸林の状況を視察しました。そこには、水はけが悪くて成長が良くないクロマツや、松くい虫の被害にあっているクロマツ、そして葛に覆われたクロマツなどが多くありました。

その途中、震災遺構の請戸小学校に行きました。海岸から300m、福島第一原子力発電所の北約5キロという非常に危険な地域にありましたが、全員が無事に避難できた奇跡の学校として知られています。

地震が起きた時間、5年生は3月23日(水)に行われる卒業式に向けた準備をしていたそうです。体育館には式幕が飾られたままでした。津波によって曲がった窓枠、剥がれ落ちた内壁、厨房機器が折り重なった給食センターなど、被害の大きさに言葉を失いました。

さらに福島第一原発の近くには、一部、帰還困難区域があります。かつては、多くの人の生活があり、地域の行事や子供たちでにぎわっていたであろう地域の中に、震災後に手が付けられていないような住宅や施設等がありました。その風景を見たときにすごく寂しく悲しくなりました。

今回初めて宮城と福島を訪れ、多くのことを感じ、学ぶことができました。ですが、私がこの4日間で見て学んだことはほんのわずかだと思います。ゆりあげ港朝市のように、活気があり明るい雰囲気を感じるところもあれば、十分に手が加えられていない海岸林や帰還困難区域近隣の現状など、大きく異なっている状況に心が浮き沈みしました。次回の活動でも、多くの人の話を伺い、自分の目で見て感じたいなと強く思っています。

皆さんこんにちは、本部の濵﨑です。9月4日~9月7日までインターンの八木さんとともに、名取市で行っている海岸林の現場に行ってきました。熊本出身の私にとって初めての東北でした。今回は、9月6日(土)のボランティア公募日の活動についてお伝えしたいと思います。

今回のボランティアは、第一三共さん、仙台トヨペットさん、アイベックスエアラインズさん、ホーチキさん、東京海上日動火災保険さん、オイスカ関西の皆さんなど、総勢54名の参加がありました。指導者の方々の指示を仰ぎながら、活動がスタートしました。

1人ひとつずつ、鎌と除草剤が入った醤油さしをもって、葛刈りの準備万端で海岸林に入っていきます。それぞれの列に入ると、海岸林の効果を感じます。風の通りが悪くなり、作業する私たちにとっては、暑くて大変ですが、海岸林が果たすべき効果を体感できました。

葛は、葛餅や葛きり、葛根湯の原料として知られています。体にいい植物なのですが、ここでは、厄介者です。クロマツの成長を妨げて、光が届かないほど覆いかぶさると、クロマツは枯れてしまいます。なので、オイスカの葛刈りは徹底的です。つるをたどり、根元を鎌で刈り、その断面に除草剤をたらします。葛は地下茎でつながっているため、完全に除去することが非常に難しいそうです。

最初は、松の葉もチクチクするし、つるがどこまでも伸びている葛に呆然としました。ですが、やり始めると楽しく、気が付くと松林の中に入って、つるを追いかけて作業に没頭していました。上を見ても先を見ても葛だらけなので、「やばい」と思いながらも、取り除いて山のようになったつるを見て少しずつ進んでいることを感じました。

作業後に堤防に行くと、気持のいい風が通っています。強い海風とやませから、田んぼや畑、インフラ、私たちの命まで守ってもらうには、海岸林が必要不可欠であると感じました。もし、海岸林がなかったら20㎞内陸まで潮が飛んでいきます。海岸林の大切さをもっと多くの人に伝えるにはどうしたらいいのか、これからも考えたいと思います。

長時間の作業にもかかわらず、積極的に作業に取り組んでくださり、ありがとうございました。終礼後、ボランティアの皆さんが帰っていくときに、ベテランの石見さんが「このボランティアに参加する人は、帰るときに生き生きしたように帰っていく。その姿を見ることが好きなんだよな」とおっしゃっていました。この気持ちはうまく説明できませんが、出身や会社、年齢など何も関係なしにみんなで汗を流して、一生懸命作業した充実感や達成感を感じているのかなと感じました。

私は、東日本大震災の時は、小学4年生でした。テレビの中の映像が信じられなくて、すごく怖かったことを覚えています。震災から14年が経ちましたが、これから自分ができる形で海岸林の再生に携わることができることを嬉しく思っています。また、ボランティアに来てくださる方々や、支援してくださる方々、地元の方々、多くのサポートと熱い想いでできているプロジェクトだと感じました。今回が初めての海岸林の現場でしたが、年齢や組織の垣根を越えて多くの人と出会うことができました。次の海岸林の現場では、今回参加してくださった方々との再会と、新しい出会いがあることを楽しみにしています!また行きます!

東京本部の啓発普及部でインターンをしている八木です。前回に続き、現場での活動をレポートします。

マツが枯れる原因である「松くい虫」いついては、海岸林のHPや本を読んだりして少し知識はありましたが、実際に現場に足を踏み入れると、他にも土壌であったり、病気やネズミなど様々な要因が関係していることを改めて学びました。

土壌の主な栄養素である「窒素」、「リン」、「カリウム」のうち、窒素が不足していると写真(左)のように葉の途中からオレンジ色になってしまうそうです。また、水はけが悪くジメジメした土のところでは、葉や茎が黒いすすのような粉で覆われてしまう「すす病」にかかりやすくなり、成長を妨げてしまうそうです。マツを健康的に育てるには、土壌の問題であったり、害虫や病気であったりといろいろな面で配慮しなければいけないため、一筋縄ではいかないことを改めて理解しました。

また、海岸林の中には、キジがたくさん歩いていたり、たぬきが走り抜ける姿も見かけました。私は見ることができませんでしたが、キツネもいたそうです。プロジェクトを担当する吉田部長から、事前に写真や動画でどんな動物や生物がいるか教えてもらっていましたが、実際に自分の目で確認できたことがとても嬉しかったです!

現場視察を終え、近くの堤防に行きましたがそこにもクズが山のように生えていました。クズは生命力や繁殖力が強く、好条件であれば1日で1m伸びることもあるのだとか、、、クズについて知った時は、ゴキブリに近いものを感じるなと思いました。初めてクズの豆も見ましたが、ひとつの花に大量に豆ができていて、その繁殖力の強さに改めて納得しました。

ここまで1日目と2日目の様子をお届けしましたが、いかがだったでしょうか?私自身、この4日間で震災のことやクロマツのことなど、さまざまなことを学びました。この経験を通して得た知識をさらに深め、また海岸林の現場を訪れたいと思いました。

3日目と4日目の活動の様子は、今回一緒に活動した海外事業部の濱崎さんがお伝えします!また、学生インスタグラムの方では、海岸林再生プロジェクトのボランティアに参加した際の様子も投稿する予定ですので、ぜひそちらもチェックしていただけると嬉しいです!

東京本部の啓発普及部でインターンをしている八木です。前回に続き、宮城県での活動をレポートします。

9月5日(金)2日目は、午前中に名取駅の東西通路に「海岸林再生プロジェクト」の写真・パネルを展示しました。名取駅での写真展は今回で14回目だそうで、市民の方に見てもらいたいという思いで継続しているとプロジェクトを担当する吉田俊通部長がおっしゃっていました。展示作業をしている際も、立ち止まって見てくださっている方が数名いらっしゃいました。この写真展を通して地域の方々が海岸林に少しでも関心を深めてもらえるきっかけになればいいなと思いました。

9月28日(日)まで展示を行っているので
名取駅をご利用の際はぜひご覧ください!

午後は、翌日のクズ刈り作業に向けて海岸林の現場視察を行いました。

まず、名取の現場を見る前に、近隣の市や国が管理している海岸林を見に行きましたが、クロマツがクズで覆われてしまっている部分が多く、管理を行き届かせることの大変さを改めて実感しました。吉田部長が「育てると決めたなら、最後まで責任を持って育てなければならないし、そうしないと森林を作ることはできない」とおっしゃっていたことが、とても印象的でした。オイスカがどれだけ力を尽くして名取市の海岸林を育て上げたとしても、もし再び津波が発生した場合、しっかりと森が管理されていないと、海岸林で守れる範囲は限られてしまうのではないかと思いました。

クズで覆われてしまっているクロマツ

また、労力や予算、限られたリソースの中で管理が難しい部分もあるかもしれませんが、県や国のみならず、地域住民の方々も防災林の重要性をより理解し、関心を持ち続けることが非常に大事なことだと感じました。オイスカの海岸林再生プロジェクトを通じて、海岸林の大切さをより多くの世代に伝えていくことも必要だと思いました。

②へ続く

 吉田です。全国育樹祭の関連行事シンポジウムについて、森林業界の方以外の宮城県民の集客に苦戦していると県庁から聞いています。とても重要な行事と考えています。私も登壇して、プロジェクトのいま、そして将来について説明します。350名の会場です。地元県民はもとより、一人でも多くの支援者の皆さんで、会場が満席になるようギリギリまで努力します。ご来場いただけたら本当に嬉しいです。

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