宮城・福島で見た「今」
皆さんこんにちは!前回に引き続き、本部の濵﨑が9月7日(日)宮城と福島での体験をお伝えします。
その日は日曜日。ゆりあげ港朝市に行ってきました!市場には新鮮な海産物、乾物、フルーツ、出店、たくさんの物が販売されていて、新鮮な海産物を購入しその場で焼いて食べることもできます。せり市も有名で、参加者は番号のついたうちわをもって、せりに参加することができます。

名取市から福島県の双葉町まで海岸沿いを通りながら、他のエリアの海岸林の状況を視察しました。そこには、水はけが悪くて成長が良くないクロマツや、松くい虫の被害にあっているクロマツ、そして葛に覆われたクロマツなどが多くありました。

その途中、震災遺構の請戸小学校に行きました。海岸から300m、福島第一原子力発電所の北約5キロという非常に危険な地域にありましたが、全員が無事に避難できた奇跡の学校として知られています。

地震が起きた時間、5年生は3月23日(水)に行われる卒業式に向けた準備をしていたそうです。体育館には式幕が飾られたままでした。津波によって曲がった窓枠、剥がれ落ちた内壁、厨房機器が折り重なった給食センターなど、被害の大きさに言葉を失いました。

さらに福島第一原発の近くには、一部、帰還困難区域があります。かつては、多くの人の生活があり、地域の行事や子供たちでにぎわっていたであろう地域の中に、震災後に手が付けられていないような住宅や施設等がありました。その風景を見たときにすごく寂しく悲しくなりました。

今回初めて宮城と福島を訪れ、多くのことを感じ、学ぶことができました。ですが、私がこの4日間で見て学んだことはほんのわずかだと思います。ゆりあげ港朝市のように、活気があり明るい雰囲気を感じるところもあれば、十分に手が加えられていない海岸林や帰還困難区域近隣の現状など、大きく異なっている状況に心が浮き沈みしました。次回の活動でも、多くの人の話を伺い、自分の目で見て感じたいなと強く思っています。
厄介者の葛!!
皆さんこんにちは、本部の濵﨑です。9月4日~9月7日までインターンの八木さんとともに、名取市で行っている海岸林の現場に行ってきました。熊本出身の私にとって初めての東北でした。今回は、9月6日(土)のボランティア公募日の活動についてお伝えしたいと思います。
今回のボランティアは、第一三共さん、仙台トヨペットさん、アイベックスエアラインズさん、ホーチキさん、東京海上日動火災保険さん、オイスカ関西の皆さんなど、総勢54名の参加がありました。指導者の方々の指示を仰ぎながら、活動がスタートしました。
1人ひとつずつ、鎌と除草剤が入った醤油さしをもって、葛刈りの準備万端で海岸林に入っていきます。それぞれの列に入ると、海岸林の効果を感じます。風の通りが悪くなり、作業する私たちにとっては、暑くて大変ですが、海岸林が果たすべき効果を体感できました。

葛は、葛餅や葛きり、葛根湯の原料として知られています。体にいい植物なのですが、ここでは、厄介者です。クロマツの成長を妨げて、光が届かないほど覆いかぶさると、クロマツは枯れてしまいます。なので、オイスカの葛刈りは徹底的です。つるをたどり、根元を鎌で刈り、その断面に除草剤をたらします。葛は地下茎でつながっているため、完全に除去することが非常に難しいそうです。

最初は、松の葉もチクチクするし、つるがどこまでも伸びている葛に呆然としました。ですが、やり始めると楽しく、気が付くと松林の中に入って、つるを追いかけて作業に没頭していました。上を見ても先を見ても葛だらけなので、「やばい」と思いながらも、取り除いて山のようになったつるを見て少しずつ進んでいることを感じました。

作業後に堤防に行くと、気持のいい風が通っています。強い海風とやませから、田んぼや畑、インフラ、私たちの命まで守ってもらうには、海岸林が必要不可欠であると感じました。もし、海岸林がなかったら20㎞内陸まで潮が飛んでいきます。海岸林の大切さをもっと多くの人に伝えるにはどうしたらいいのか、これからも考えたいと思います。

長時間の作業にもかかわらず、積極的に作業に取り組んでくださり、ありがとうございました。終礼後、ボランティアの皆さんが帰っていくときに、ベテランの石見さんが「このボランティアに参加する人は、帰るときに生き生きしたように帰っていく。その姿を見ることが好きなんだよな」とおっしゃっていました。この気持ちはうまく説明できませんが、出身や会社、年齢など何も関係なしにみんなで汗を流して、一生懸命作業した充実感や達成感を感じているのかなと感じました。
私は、東日本大震災の時は、小学4年生でした。テレビの中の映像が信じられなくて、すごく怖かったことを覚えています。震災から14年が経ちましたが、これから自分ができる形で海岸林の再生に携わることができることを嬉しく思っています。また、ボランティアに来てくださる方々や、支援してくださる方々、地元の方々、多くのサポートと熱い想いでできているプロジェクトだと感じました。今回が初めての海岸林の現場でしたが、年齢や組織の垣根を越えて多くの人と出会うことができました。次の海岸林の現場では、今回参加してくださった方々との再会と、新しい出会いがあることを楽しみにしています!また行きます!
【インターン】宮城県名取市に4日間行ってきました!~2日目 海岸林の現場②~
東京本部の啓発普及部でインターンをしている八木です。前回に続き、現場での活動をレポートします。

マツが枯れる原因である「松くい虫」いついては、海岸林のHPや本を読んだりして少し知識はありましたが、実際に現場に足を踏み入れると、他にも土壌であったり、病気やネズミなど様々な要因が関係していることを改めて学びました。


土壌の主な栄養素である「窒素」、「リン」、「カリウム」のうち、窒素が不足していると写真(左)のように葉の途中からオレンジ色になってしまうそうです。また、水はけが悪くジメジメした土のところでは、葉や茎が黒いすすのような粉で覆われてしまう「すす病」にかかりやすくなり、成長を妨げてしまうそうです。マツを健康的に育てるには、土壌の問題であったり、害虫や病気であったりといろいろな面で配慮しなければいけないため、一筋縄ではいかないことを改めて理解しました。
また、海岸林の中には、キジがたくさん歩いていたり、たぬきが走り抜ける姿も見かけました。私は見ることができませんでしたが、キツネもいたそうです。プロジェクトを担当する吉田部長から、事前に写真や動画でどんな動物や生物がいるか教えてもらっていましたが、実際に自分の目で確認できたことがとても嬉しかったです!
現場視察を終え、近くの堤防に行きましたがそこにもクズが山のように生えていました。クズは生命力や繁殖力が強く、好条件であれば1日で1m伸びることもあるのだとか、、、クズについて知った時は、ゴキブリに近いものを感じるなと思いました。初めてクズの豆も見ましたが、ひとつの花に大量に豆ができていて、その繁殖力の強さに改めて納得しました。

ここまで1日目と2日目の様子をお届けしましたが、いかがだったでしょうか?私自身、この4日間で震災のことやクロマツのことなど、さまざまなことを学びました。この経験を通して得た知識をさらに深め、また海岸林の現場を訪れたいと思いました。
3日目と4日目の活動の様子は、今回一緒に活動した海外事業部の濱崎さんがお伝えします!また、学生インスタグラムの方では、海岸林再生プロジェクトのボランティアに参加した際の様子も投稿する予定ですので、ぜひそちらもチェックしていただけると嬉しいです!
【インターン】 宮城県名取市に4日間行ってきました!~2日目 海岸林の現場①~
東京本部の啓発普及部でインターンをしている八木です。前回に続き、宮城県での活動をレポートします。
9月5日(金)2日目は、午前中に名取駅の東西通路に「海岸林再生プロジェクト」の写真・パネルを展示しました。名取駅での写真展は今回で14回目だそうで、市民の方に見てもらいたいという思いで継続しているとプロジェクトを担当する吉田俊通部長がおっしゃっていました。展示作業をしている際も、立ち止まって見てくださっている方が数名いらっしゃいました。この写真展を通して地域の方々が海岸林に少しでも関心を深めてもらえるきっかけになればいいなと思いました。

名取駅をご利用の際はぜひご覧ください!
午後は、翌日のクズ刈り作業に向けて海岸林の現場視察を行いました。

まず、名取の現場を見る前に、近隣の市や国が管理している海岸林を見に行きましたが、クロマツがクズで覆われてしまっている部分が多く、管理を行き届かせることの大変さを改めて実感しました。吉田部長が「育てると決めたなら、最後まで責任を持って育てなければならないし、そうしないと森林を作ることはできない」とおっしゃっていたことが、とても印象的でした。オイスカがどれだけ力を尽くして名取市の海岸林を育て上げたとしても、もし再び津波が発生した場合、しっかりと森が管理されていないと、海岸林で守れる範囲は限られてしまうのではないかと思いました。

また、労力や予算、限られたリソースの中で管理が難しい部分もあるかもしれませんが、県や国のみならず、地域住民の方々も防災林の重要性をより理解し、関心を持ち続けることが非常に大事なことだと感じました。オイスカの海岸林再生プロジェクトを通じて、海岸林の大切さをより多くの世代に伝えていくことも必要だと思いました。
②へ続く
【10月4日(土)午後 全国育樹祭シンポジウム in名取市文化会館】私、登壇します。ぜひご来場ください
吉田です。全国育樹祭の関連行事シンポジウムについて、森林業界の方以外の宮城県民の集客に苦戦していると県庁から聞いています。とても重要な行事と考えています。私も登壇して、プロジェクトのいま、そして将来について説明します。350名の会場です。地元県民はもとより、一人でも多くの支援者の皆さんで、会場が満席になるようギリギリまで努力します。ご来場いただけたら本当に嬉しいです。

【インターン】現場での作業再開!&報告会のご案内
みなさん、お久しぶりです。CSOインターン生の柚原です。
8月末に入り、ついに現場での作業が再開しました‥!
今回は9月5日の活動、そして、“9月末の報告会”についてご紹介します。
9月5日は曇り時々雨。名取駅の東西連絡通路において「海岸林プロジェクト」写真展の準備と現場の視察を行いました。
この日は、9月6日のボランティア受け入れと葛刈り作業へ向けて、本部からいらっしゃった同じくCSOインターン生の八木さん、職員の濵﨑さんと共に活動しました。
写真展では、プロジェクト開始から現在までの現場の姿を撮影した上空写真や、海岸林に住む動物、ボランティア活動の様子などの写真を見ることが出来ます。9月末まで展示していますので、名取駅を利用する時は足を止めてぜひご覧下さい!
現場付近の視察では、マツ食い虫の被害を受けた松の観察を行いました。7月に確認した時よりもさらに枯れた松が広がっており驚きました。

現場の視察では、ポツンと枯れた松に注目し、その観察を行いました。
幹にネズミの食いあとや虫の侵入後はあるか、幹の断面は詰まっているか、根の張りはどうか、根量や方向はどうか…
様々な視点から枯死した原因を考察していきます。


黒松の直根性については吉田さんの記事でも知ることができます!ぜひ!
https://oisca.org/kaiganrin/blog/2013/06/14/よくある質問 クロマツは根が浅い?/
さて、ここで9月末の報告会についてご連絡します。
吉田さんより既にご紹介して頂きましたが、改めまして宣伝します。
9月28日日曜日の午前10時より、名取駅1階の名取コミュニティプラザ会議室にて、ウズベキスタン留学体験記&オイスカインターン報告会を行います!

テーマは「アラル海から始める」
初めて海外で生活した、初めてアラル海で活動した私の視点から、1年間の活動の報告を行います。
オイスカの「ウズベキスタン沙漠化防止プロジェクト」は、縮小、砂漠化してしまったアラル海をテーマとしたプロジェクトです。ウズベキスタンでの活動報告や現地の紹介はYouTubeや講演会、ブログ等で何度か行いましたが、今回はそこでも話せなかったとてもレアな情報や考察を取り上げていきます。加えて、私の留学先の大学生活や研究生活も取り上げたいと考えております。
今回は少人数規模を予定していますので、参加者の皆さんの興味に基づいて、実際に会話しながら進めていきたいと思っております。
ぜひいらして下さい!申し込みはこちらから↓
https://forms.gle/fMNkgMq717JZ8gia8
【インターン】宮城県名取市に4日間行ってきました!~1日目 中浜小学校を訪れて~
こんにちは!東京本部の啓発普及部でインターンをしている八木です。9月4日から7日まで宮城県に行ってきました。震災遺構の見学や名取駅での写真・パネルの展示、海岸林再生プロジェクトのボランティアに参加するなどさまざまなことを体験でき、とても充実した4日間を過ごしました。今回は、1日目と2日目の様子を皆さんにお伝えしたいと思います!
9月4日(木)1日目は、宮城県の山元町にある震災遺構の中浜小学校を訪れました。

中浜小学校は、海岸から約400mと海のすぐそばにあり、東日本大震災の際には、高さ10mを超える津波に襲われました。しかし、奇跡的に児童や住民など90人は、屋上にある屋根裏倉庫に避難し全員無事だったそうです。

震災時に避難した屋根裏倉庫を見学した際、倉庫には当時のまま残された備品などがあり、薄暗く静かな空間にはその時の緊迫感がひしひしと伝わってきて、胸が詰まりました。寒さや余震の中、冷たいアスファルトの床で一夜を過ごした90人の方々はどんな気持ちだったんだろう、もし自分がその場にいたらどう感じただろうか、とさまざまな思いが込み上げてきました。

私は震災後ですが、小学生の頃1年間だけ宮城県に住んでいた経験があります。その際、校外学習で訪れた仙台市の荒浜小学校では、震災から数年しか経っていなかったため、がれきや土砂がまだほとんど撤去されていない校舎を見学しました。その時、自分が知っている机や椅子の形とは全く異なる姿を見て、思わず息を呑んだことを今でも覚えています。

震災の記憶を風化させないためにも、伝えることの大切さはもちろん、当時の状況を知ることも同じように重要だと改めて実感しました。
2日目に続く
葛刈りあと1ヵ月 ~9月6日(土)公募ボランティア54人~
吉田です。5月末から開始した今年の葛刈りは後半戦。先週の仙台トヨペット269人で始まり、9月末まであと1ヵ月。この日の公募で54人、19・20日の住友化学労組20人、27日のUAゼンセン20名、28日の公募日70人ぐらい?(東京海上35人・鹿島建物東北支店10人・東洋紡労組6人・仙台トヨペット10人など)本当は10月第1週までやりたいところですが、今年は全国育樹祭in宮城(10月4・5日)の対応があって切り上げざるを得ません。
今迄ほどではなく、海に近いため南東の風が届きやすい場所でしたが、それでもも暑かったです。20分仕事・10分休憩のペースでした。用心していたハチに刺されてしまった方もいました。皆さん、本当にありがとうございました。とても精度の高い仕事が出来たと思います。
これから来られる方は、こちらの作業説明をご覧ください。*この時期は毛虫はいませんhttps://oisca.org/kaiganrin/blog/2025/06/11/%e8%91%9b%e5%88%88%e3%82%8a%e4%bd%9c%e6%a5%ad%e3%81%ae%e6%b3%a8%e6%84%8f%e4%ba%8b%e9%a0%85%e3%80%80%ef%bd%9e%e6%af%9b%e8%99%ab%e3%81%ae%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%aa%e3%81%a9%e3%82%82%ef%bd%9e/

葛の繁茂-768x1024.jpg)
(手前はオイスカ協定区外。葛に覆われ日光を奪われているクロマツ林)











(四つん這いで進む)


(JR連合会長)

大阪マラソン2026 チャリティランナー募集中(締切10月16日)
7月25日、大阪マラソン組織委員会より「大阪マラソン2026」(2月22日(日))のチャリティパートナー(寄附先団体)に認定されたとの通知をいただきました。2014年から連続認定いただいています。
https://www.osaka-marathon.com/
あわせて、チャリティランナーの募集も開始しました!締め切りは10月16日です。今年は40名の出走を目標に募集します。ぜひお知り合いの方にもお知らせください。
https://www.osaka-marathon.com/2026/runner/entry/apply_c/
第14回JR名取駅東西通路写真展 ~9月28日(日)まで
吉田です。いつも、とっても簡素な写真展ですが、震災から15年で14回目の名取駅写真展です。市民の皆さんに見てもらいたく、ずっと続けています。通りがかることがあれば、ぜひご覧ください!




