植樹祭レポート その2 舞台裏を少しだけ~前日編~
植樹祭前日。
前の週にボランティアの皆さんにいろいろとお手伝いいただき
ほとんどの準備は整っていたものの、まだまだやることはたくさん残っています。
「名取市海岸林再生の会」の皆さんは苗木の準備。
1万本のコンテナ苗がきれいに段ボールに並んでいました。
夕方、関係者が名取事務所に集まり、最終打ち合わせが行われました。
名取市役所のみなさんにはバスの運行管理を
(当日はバス4台で参加者の皆さんを仙台空港―会場間をピストン輸送)
森林組合の皆さんと森林アドバイザーの会の皆さんには植樹指導や苗木の運搬、
「名取市海岸林再生の会」の皆さんには苗木管理をお願いしました。
今年の春、宮城中央森林組合に就職したかわいい女性、Hさんは
「参加者として植樹イベントに参加したことは何度かありましたが、
運営側に立ってみて、こんなことにまで気を配って準備をしているんだと思うことが
たくさんありました」と驚いていました。
安全に配慮しながら、かつ苗木がしっかりと根付くようそれぞれの係が連携して
植樹祭を成功させようと気持ちを引き締めた打ち合わせでした。
植樹祭レポート その1 無事終了しました!
宮城県民、名取市民向けに開催した第2回植樹祭が5月23日無事終了しました。
約400名の市民、100名の指導者や関係者らが参加する盛大なイベントとなりました。
1万本のクロマツが植えられました。
今回の植栽は現在造成された盛土の最南端で行われ面積は約2ha。
親子・夫婦など家族で参加される方の姿も見られました。
この植樹祭は「長く市民に守り、育まれれる海岸林をつくりたい」との思いで
市民を対象に開催しています。
子どもたちが「あのクロマツは自分が植えたんだ」と大人になってからも
愛着を持ち続けてくれたらいいなぁとただただ祈るようなきもちです。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
当日の様子はNHKのニュースでも放送されました。
数日間はコチラからご覧いただけるようです。
明日は植樹祭開催を支える裏方の動きをご紹介します。
ハウスの中にあるもの
15日の夕方、みんなでしゃがんで割り箸に色を塗る作業をしていると
「名取市海岸林再生の会」の森幸一さんが「イス貸してやっから。楽だよ」と。
結局お借りしませんでしたが。
それからいつもにも増して嬉しそうな笑顔で「許可もらったからよ、スイカを植えるんだ・・・・・・」と。
翌日ハウスの中をのぞいてみると・・・・・・
こんなものを発見。
あ~、昨日幸一さんが言ってた“イス”はこれのことね……。
確かにしゃがんで仕事をするよりこれに座ったほうが楽かもしれない。
それからもう一つ。
スイカが植えられていました!
マツの成長も楽しみだけど、こちらの成長も楽しみ。
ちゃんと育ったら幸一さん私にも食べさせてくれるかなぁ・・・・・・。
甘くておいしいスイカが育ちますように!
広報室の林です。
16日の昼過ぎ、ボランティアの皆さんがお昼休憩の途中、
ハウスの前で菅野さんが出荷する苗木の本数管理をしていました。
育苗場で2年間育てられた苗木は、植栽前に掘り取られ、根元に土をかけて仮植した状態になっています。それをその日植える分だけ掘り取って50本ずつの束にして植栽地に持っていきます。それが出荷作業。
「名取市海岸林再生の会」の皆さんが2年間じっくり育ててきた苗木を掘り取って、丁寧に根切りをして、ここで森林組合にバトンタッチ。苗木のリレーです。
ほどなくやってきたのは午前中内陸防風林の植栽を担当していた森林組合のお兄ちゃんたち。
午前中の作業の進捗状況を確認し、午後の出荷本数を相談します。
「ちょっと多いかなぁ。少し置いていこうかな」
「じゃあこれだけ置いてこうか」
「そうしてください」
内陸防風林は海岸とはまた違う環境で、大変なのだとお兄ちゃんが言っていました。草も生えているし、津波で流されてきたのかがれきのようなものもあったりするのだそう。土は水はけがよすぎるのだとか。
トラックに苗木を積んで午後の作業に向かっていったお兄ちゃんたち。
私には到底できない重労働が毎日続きます。本当に頭が下がります。
ケガのないように、体を壊さないように、そっと祈って見送ることしかできません。
いろんな人たちがいろんな役割を担ってプロジェクトが進んでいます。私は育苗作業も手伝えないし、植栽はもっと無理。現場に行くとお役に立てることが少なくて申し訳なく思うことばかりです。
でも、こうして現場の写真をたくさん撮って、ブログでレポートして支援者の皆さんに進捗を報告するのも私の役割。
今日は植樹祭です。
来週しっかりレポートします。お楽しみに。
5月のボランティアレポート その7 もだら
いつもの通り、作業が終わるとボランティアの皆さん、特にリピーターの方々が
積極的に道具の片付けに協力してくださいます。
初参加の方もそれにつられて「私も手伝います」と。
でも今日注目してもらいたいのは右の写真のたわし。
道具を片付けるのにたわしが必要だという吉田の話を聞いて
「名取市海岸林再生の会」の方がわらで作ってくれたのです!
地元ではこれを「もだら」というのだそう。
ボランティアさんの中にも地元の方がいらっしゃいますので「これ、もだらって言いますか?」ときくと
「いや、これはたわしだよ」と、どなたも「もだら」だとは言ってくれませんでした。
ものすごく限定的に使われている言葉なのだろうか・・・・・・。
あ、そういえば事務所に名取の方言の冊子(名取市観光協会発行)があるから見てみよう。
あった!!
「わらで作ったたわし」と書いてある。
・・・・・・でもその横にある“もっきり”も気になってしまった。“もっきり”=コップ酒
名取の方言、奥が深い。
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5月のボランティアレポートはこれでおしまい。お付き合いいただきありがとうございました。
来週は明日開催される植樹祭をレポートします!
山形県新規採用職員研修「実地研修」 参加者の声
山形県新規採用職員研修「実地研修」に参加してくださった40名の方々から
いくつか感想をいただきましたのでご紹介します。
(以下ほぼ原文のまま掲載)
◇名取市のクロマツが防風林として成長するまでの期間、工程を知ることで、
被災地が復興するには長い年月がかかるということを思い知った。
そのような現場に足を運び、様々な方の話を聞くことは、
行政がこれからどのような姿勢でなければならないのか、
自分はどう行動していくのかということを改めて考えるきっかけとなった。
◇実際に行っている作業は大変地味でかつ途方もない年月を要するものであったが、数多くのボランティアと共に作業を行っている事を聞き、その情熱には感動した。また、公務員はそこで生活する人々を陰から支える事が大切であり、その距離感や接し方で物事を円滑に進められるかどうかに影響を及ぼす可能性があると感じた。
◇まだまだ海岸林の再生の道のりは長く何十年もかかるだろうということであったが、
その活動に私たちが少しでも役に立てたのかと思うと嬉しく思う。
◇行政、市民、名取市海岸林再生の会、公益財団法人オイスカの四者が進める
海岸林再生プロジェクトの取り組みに賛同する市民が活動を続けており、
オイスカの担当者の方の「活動する上で市民がやらされているという感覚ではいけない。
自分たちでやるんだという意識を持ってもらうことが大切。」という話が心に残った。
◇オイスカさんの活動実績の中で、自分達の技術に自信と誇りを持ち、
それを惜しげもなく地域の人々のために尽くしている点では、
全体の奉仕者である私たちに通じるものがあり、見習っていくべき姿勢であると感じた。
それだけでなく、被災者の方々の立ち直る姿勢や、その後の復興にも重きを置き、
公務員では立ち入れない領域から地域を考えている点では、
こちらが劣等感を感じてしまうほどの活力だった。
◇とにかく現場の皆さんからは真剣に復活させたいという思いが感じられた。
また、ただ植樹をすればいいのではなく、計画に基づいた戦略的な活動であることがわかった。
みなさん、ありがとうございました。
初の海岸林再生プロジェクト
みなさん、 こんにちは。国際協力ボランティアの川村です。
今回5/13~17まで初めて名取市の海岸林再生プロジェクトの現場を訪問し、
四国支部・化学総連の視察やボランティアの日の対応で、
多くの方々とともに作業を体験させていただきました。
16日のボランティアの日は、林業関係者待望の雨が正午まで降っていましたが、
午後からは天気も良く絶好の作業日和となりました。
今回はノコギリ鎌を用いて「坪刈」に挑戦しました。大豆や小豆等の収穫以外でしか鎌を使ったことがない私(しかも下手っぴなんです)は、何度か参加されているボランティアさんのご指導の下、マツの苗と背比べしているクローバーを刈り進んでいきました。ご指導くださいましたボランティアさん、ありがとうございました!!
作業とともに国ボラの私に課されたのは「記録係」。カメラを片手に、植栽現場を右往左往していました。そこは海岸のはずですが、アフリカのサバンナを彷彿させる大自然の光景が広がっていました。両側にはバオバブの木ではなく、風に揺らぐかわいいクロマツの苗がありました。
この小さなクロマツの子どもたちが数十年後には、暴風や飛砂から農地や未来の子どもたちを守ってくれると思うと、自然の力は本当にすごいと感じました。
でも一本立ちするには、まだまだ人間のお手伝いが必要ですね。
5月のボランティアレポート その6 スタッフ
15日の午後、化学総連の皆さんと仙台空港で合流。植栽現場に向かう前に北釜地区に一軒だけ残されている「名取市海岸林再生の会」の会長、鈴木英二さんの自宅跡地にご案内しました。
吉田が海岸林の機能やプロジェクトについて話をしている間、その横でパネルを持っているのはオイスカのスタッフの・・・・・・ではなく、化学総連の事務局、山本さん。
すっかりプロジェクトのスタッフのよう。
60名近いボランティアさんが来ても現場が動いていくのは、こうして事務局の方がスタッフのように動いてくださるから。
そして吉田の奥に見えるのが地元ボランティアの大槻さん。
御年73歳! にはとても見えない身のこなしでスタッフ以上に動き回ってくださっています。
こうした皆さんの支えがあってボランティアの受け入れができるのです。
ありがとうございます!
5月のボランティアレポート その5 雨のあとは・・・・・・
雨の中、化学総連の皆さんが割り箸でのマーキング作業を頑張ってくれましたが
少し残ってしまいました。雨が上がった午後、30名の方にご協力いただき残りの作業を。
(ほかの方には別のサイトの除草などをお願いしました)
作業現場に向かう途中、足下に気を付けながら下を向いて歩いていると、なんだか白くぼやけて見えます。目がおかしいのかなぁ・・・・・・と遠くを見ると、午前中に降った雨が太陽の光で温められぼわ~~~と白く蒸発していく様子がはっきりと見えました。
造成された盛り土には排水のための溝があったり、防風柵が置いてあったり、
平坦ではなかったり、直線ではなかったりします。
初めにまっすぐロープを張って決めた基準に従って作業を進めていくと、写真のように
溝と平行にならなかったりして、本当にこれで正しいのだろうかと不安になったりします。
でも何より不安なのは挿した割り箸が見えにくくて踏んだり蹴ったりして折ってしまうこと。
作業をしている私たち自身がちょっとした移動の際にあちらこちらで パキッ ポキッ っと、何本も踏みつけているのですから、植樹祭に参加される方たちがいくら気を付けてもきっと何本も踏んでしまうだろうなぁと。
われらが指導員佐々木勝義さんは「俺、5本折った」と。
その佐々木さんがこの日の作業をほめてくださいました。
「チームワークよく、きれいに仕事をしてくれた」と。
いつも厳しい指導員から及第点をもらうことは少ないのですが、今回は合格でした!
5月のボランティアレポート その4 頑張る新入社員
毎回ボランティアの日にはベテラン社員1名にと若手社員さん4名が
一緒に来てくれる地元企業、仙台トヨペットチーム。
普段営業や事務の仕事をしていてもこの日ばかりはおそろいのつなぎで参加。
とにかくみんな素直でかわいい!!
作業はもちろん、前回から定着したトヨペット女子による募金活動にも
ニコニコしながら協力してくれました。

ご協力くださいました皆さんありがとうございました!
「ボランティアって人のためにやるものだというイメージが強かったけど、
自分自身のためにもなることを実感した。仕事の進め方なども勉強になった」と
みんなの前で感想を発表してくれました。
ベテラン社員さんからは「ほかにも植樹活動に参加したことがあるが、
後の管理がなされていないような現場もある。そんな中このプロジェクトは
植えてからのことをきちんと計画の中に入れ、しっかり管理している。
お金での支援だけでなく、ボランティアも継続していきたい」とコメントをいただき、
深くご理解いただいていることを本当に心強く感じました。
先月募金ガールを務め、「早く腕章を付けられるようになりたい(リピーターの方には
スタッフと同じ腕章を付けていただきサポートをおねがいしています)」と言ってくれた
女子2名が週末の植樹祭に参加してくれることになっています。
来月も頑張る新人さんたち、お待ちしています!