8月7日、オイスカ四国支部、池田次長の斡旋で、香川県内5か所で活動報告会と並行して
「津田の松原」で、「海岸林の将来ビジョン形成調査」を行いました。
2012年10月、高松で500人を前に活動報告するチャンスがあり、その際以来の再訪。
「私を5分間使ってください」の看板ともに、熊手がたくさん立っている松原です。
(過去に吉田・林ともに紹介)
何故こんなに「公園化」できるのだろうか? 保安林ではないのでは?
土地所有者がどこなのか? 地目は? 電話して聞いてもよい内容でしたがずっと疑問でした。
また、「津田の松原再生計画」が2012年に策定されたという四国新聞の報道を知りました。
その実施状況はもちろん知りたかったのですが、最も知りたかったのは、
多様な主体による森林の利活用と、森林保全の組織や、その仕組み、維持コストでした。
ビーチバレー大会に凧揚げ大会、林内では、文化協会の「吟行ポスト」、
陸上競技協会は「クロスカントリー大会」。
ロケ地としても年10件前後の利用。遊具もあり遠足の児童も多く、
道の駅もあり、駐車場も食堂もあり、観光地として十分。
以前、隅から隅まで歩いているので、今回は複数の方からの聞き取りに専念。
まず、県・市の担当課をそれぞれ訪問。いわゆる商工観光課です。
真っ先に大きな疑問が解決しました。
所有者は四国財務局。
廃仏毀釈の流れからか、明治初期に国有地になったのではないかという推測。
財務局から県が、公園として借りていました。
地目は「公園」。「森林」ではないので、保安林ではないということか。
だからこういう使い方ができるのか~ 納得。
名取はすべて保安林。それでも一部だけでも親しみやすさを加味できないか…
松くい虫薬剤防除の地上散布年間費用、公園維持管理費用とそれに含まれる
市シルバー人材センターへの管理業務委託費用なども、
詳細にわたり丁寧に教えていただきました。
年間維持コスト、シルバー人材センターを通じた雇用量など
大まかに推測する根拠、今後他の地区と比較するための情報を得ることができました。
これからじっくり、3年ほど時間をかけ、「海岸林の将来ビジョン形成調査」と題して、
Post2020年以降の計画を行政などに提案すべく、具体的な動きを始めました。
年間100万円強の費用は、新たに使途指定寄付を求め、すでに半額は快諾いただきました。
行政各方面とは、6月に情報共有・意見交換しており、
一緒に知恵を出し合うことで、前向きな回答をいただいています。
断続的にコツコツ、全国の官民連携の好事例を学び直そうと思います。
これまで4年半、東日本を中心に活動報告会と並行して現場を「下見」してあり、
掘り下げるべき注目ポイントは抑えています。
焦点は、官民連携の組織運営や、市民を巻き込む仕組み、利活用など。
また、長期費用積算の精度を上げること。
これも全国の事例を参考したいので、意識して情報収集します。
先日香川県では、「松くい虫対策を若齢林のうちから進めてほしい」という
専門家のアドバイスをいただきました。
また長期維持には、オイスカが中心になって集めた費用だけを原資にするのではなく、
官民ともに応分の負担が必要と考えています。
そして提言、提案。
奇をてらった突飛なものは一切なく、先行事例を宮城的に創造的模倣し、
ごく当たり前の提言、提案になると思います。
これまでの歩みの中でも一定の成果を出せたと考えていますが、
Post2020以降の軌道を引くにあたっては、オイスカの役割は非常に重要です。
まず2016年3月までに、協議も繰り返しながら「第1次提言」を行い、
3月12日(土)午後、名取市文化会館で「全国の好事例を紹介するシンポジウム」を行い、
提言内容を報告するとともに、好事例から将来像を炙り出したいと思っています。
今年上半期も現場では存分に頑張ったので、
割り切って、7月20日から1ヵ月現場に行っていません。
東京を起点に西方面で活動報告を行ったり
学校林など海岸林以外のことにも費やしました。
8月14日、大阪マラソンを走って下さる久我君との打ち合わせと併せ、彼のチャレンジを応援し、寄附していただいている方が多い掛川市で活動報告会を行い、男女比半々、幅広い年齢、オイスカの中野悦子新会長を含む40名以上の方が聞いていただきました。
静岡県沿岸には、東から西まで広大な海岸林があります。
震災以降、遠州灘や三保の松原を何度も歩きました。
富士市から沼津沿岸は、新幹線や第1・第2東名高速の車窓から、沿岸部が盛り上がって見えます。
その自然砂丘上に松林が延々と続き、東端には沼津の御用邸があります。
そして何といっても御前崎から浜名湖西の湖西市まで遠州灘全長100kmには、
150年かけて編み出されたと地元で言われる「人工斜め35度砂丘」が幾重にもあり、
その上に海岸林が造成されました。「遠州の空っ風」という西からの強風の飛砂対策です。
掛川市もそこに含まれます。
南海トラフへの危機意識が高い地域です。
「地震・津波が来たらすぐ退避」という看板、海抜の表示板が、すぐ目に入ります。
すぐ近くに高い場所がない個所も多く、袋井市や磐田市などには先人が「命山」と呼ばれる
円墳のような築山を築いてきたことに習い、国道沿いに新たに造成中の箇所や、
鉄骨の避難タワーがいくつも造られています。
活動報告会はだいたい1時間。
「宮城の現場報告」「寄附への御礼」が趣旨ですが、
そのご当地ネタを話すのは、あらゆる意味でとても大事だと思っています。
「地元なのに知らなかった」と言われることがとても多いのです。
ただ、全国各地の海岸林を見ていて共通して思うのは、
看板だけでももう少し設置して、「何のためにこの森があるのか」、
できれば先人の労苦や技術、松くい虫との戦いの現状に触れればいいのに…
と思ってしまいます。税金を使った説明責任として。
海外からご支援いただいた皆さんに
海外からの多くのご支援に対して、下記のような英文のメッセージをお送りしました。
グローバルギビング レポート
*オイスカ本部勤務のフィリピン人スタッフ、グラゼン(名取にはもう20回ぐらい行っているか?)、
ボランティアの鈴木昭さんが発信・報告を続けてくれています。
————【原文】——————————————————————
Global Givingのサイトを通じてご支援いただいた皆さまへ
震災以降、Global Givingのサイトを通じ、海外からご支援いただいた皆さまに
心からの感謝を申し上げるとともに、近況をご報告申し上げます。
被災地は連日30℃を超える真夏日が続いております。
津波浸水域では東日本大震災から4年半を迎えても、早朝からたくさんの重機の音が響き、
炎天下の中で復興事業に従事する人の姿があります。
2011年5月、「農業再生にとって不可欠な海岸林再生の担い手になりませんか」との
オイスカの呼びかけに応じた宮城県名取市の被災農家とともに、そして行政当局、
多くの市民、ボランティアの協働により、当プロジェクトは極めて順調に進んでおります。
2020年、東京でオリンピックが開催される年までが、行政が立案した復興達成の目標期間です。
当プロジェクトは、名取市の100haの再生に必要な苗木50万本を、被災農家自らが生産し、
その2020年までに植栽を完了。当面2033年まで管理を継続するプロジェクトです。
その実施に当たっては、復興交付金を頼らず、自助自立の必要性を重視し、すべて民間寄付金で、
被災地の雇用・生計支援を生み出すこととしており、2033年までに11,000人以上の雇用を創出します。
2012年3月、育苗に関する法律に則り資格を取った上で、初めてクロマツの播種を行い、
2014年4月、2年間育てた苗8万本を初めて植栽しました。
2015年4月、同じく5万本植栽し、これまで2年で26ha、計13万本を植えました。
潮風や乾風・寒風にさらされる防潮堤真裏の過酷な環境ながら、
生育率は運よくほぼ100%を維持しています。
年間1,400人の雇用、1日8時間除草などに従事するボランティアも年間1,400人。
活動報告会は年間30回、4,500人以上が聴講。
寄附金はこれまで4年で約4億円に達しています。
行政・民間ともに一丸となって復興を目指す日々は変わらぬものの、
全体の計画は順調に行っているものばかりではなく、
時が止まったままのような場所も、随所に見られます。
大地震に大津波が加わったことが、東日本大震災の大きな特徴であり、
極めて広範囲な被災地の、復興の道の大きな足かせ要因となっています。
土木・建築技術で世界のどこにも引けを取らないと自負する日本にとっても、
厳しい道のりを歩んでおり、技術者の不足、人件費の高騰、資材不足と価格の高止まりは
未だに続いています。
また、同じ市内においても、津波被害を受けた人とそうでない人、
仮設住宅を出て新居に移った人とそうでない多くの人などという生活格差は際立ち、
旧来のコミュニティーが崩壊したことにより、高齢者など生活弱者がとくに孤立化している
問題視されています。復興を目指す気持ちは一つでも、状況は決して単純なものではありません。
津波を目にし、まさに黒い波をかぶった多くの方たちは、未だに海に行く気になれないのが
正直な気持ちで、好きだった海釣りを封印している人をたくさん知っています。
その中で、私たちは100年、1000年先のためにも、海からの潮風から農業や生活を守る
古からの日本人の知恵の結晶である海岸林を、官民連携で再生させることで、
東北の創造的復興の一端を担いたいと考えております。
このプロジェクトは必ず成功させます。
これまでのご協力に深く感謝するとともに、ごれからもご支援いただきますよう
心からお願い申し上げます。
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「名取市海岸林再生の会」のメンバーは海外向けメッセージを手に持って写真撮影。
おい吉田君、これは『私は馬鹿ですって書いてあるんじゃないの?』(ご本人談)
香川県産抵抗性クロマツを採種した方と会えた
8月3日~9日まで岡山・香川に出張しました。
偶然にも、この2県から「被災地への協力」で、
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツの種子が宮城県に送られ、
県と種苗組合を通じて払い下げられ、今春オイスカの育苗場でも播種。
しっかり育てられています。
残念ながら岡山県庁職員や、母樹林を管理し、種子を生産するいわゆる「県の林業試験場」
(県によって名称は違う。宮城の場合、林業技術総合センター)職員にお目にかかる機会は
ありませんでしたが、香川では、活動報告会に2度も職員が参加、
苗木生産農家の方も誘ってご参加くださいました。
民間に払い下げられた後、その後の様子を報告されるということはあまりないと思います。
「発芽率は90%以上。抜群の質の苗を目指して、被災農家の皆さんが本気で育てています」と
直接お伝えしたく、今回の出張間際に、育苗場の写真を収め持参しました。
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツは、非常に長い年月を費やして、各県で開発しています。
いつ香川県の方が育苗場に来ても、2年後植栽された後も、
「これです」と指をさして報告できると思います。
岡山~四国~東京+1・5日の休日
吉田です。
先週末はブログを休んでしまいました。
岡山・四国に出張しており、今日はそのレポートです。
オイスカ四国支部はインドネシア・ロンボク島植林ツアー中に
火山の噴煙の影響で帰国フライトが飛ばず、足止め。帰国が危ぶまれましたが予定通り無事帰国。
オイスカ四国研修センターでは、JICA四国から委託されたアフリカ5ヵ国の行政マンへの短期研修、
それに加えて、地元の子どもたちのキャンプ受け入れ。水田のポンプも壊れたし。忙しい。
私は忙中閑あり。ハンモックが気持ちよかった!
下記のような充実した行程を組んでいただきました。
会員、職員の皆さん、そして担当いただいた池田さん、本当にありがとうございました。
プロジェクトを知り尽くしている人は、出張の意図もよくご存じ。
そうでないとこれは組めません。
8/5(水)
「学校の森・子どもサミット」in岡山市・西粟倉村のあと、
オイスカ四国支部事務所経由で四国研修センター入り
8/6(木)
9時 海外研修生8名への講義
11時 四国森林管理局香川森林管理事務所訪問
15時 香川県交流推進部交流推進課、みどり推進課を訪問。「津田の松原」について聴取
17時半 オイスカ高松推進協議会にて活動報告会16名・懇親会
※香川県森林センター(育苗担当)からも出席
ここの母樹林から採種されたクロマツ種子を名取でも育てています。
8/7(金)
9時半 「八八松蘇会」代表に面会。「津田の松原」について聴取
11時 さぬき市建設経済部商工観光課を訪問し「津田の松原」について聴取
13時 「松原をよくする会」メンバー6名、増田拓朗香川大学名誉教授に面会
「津田の松原」(さぬき市)、「白鳥神社の松原」(東かがわ市)視察
18時~ 長尾ライオンズクラブで活動報告会・懇親会34名
8/8(土)
10時 会員&支援者向け活動報告会 15名
※香川県森林センター所長、森林組合からも出席
14時 四国電力総連青年委員会にて活動報告会20名
18時 綾川推進協議会主催懇親会 15名
8/9(日)
9時 島経由で帰京
10・11日と1.5日休みました。
地方巡業の季節。「10人以上集まるならどこにでも行く」というつもりです。
今週は静岡県掛川市。来週からは宮城。来月は愛媛・広島かもしれない。
ブログ休んじゃいましたが、また頑張ります。
2012年10月に、オイスカ四国の集いで500人を前に活動報告させていただいた際、
津田の松原を訪問しました。再訪の理由もまた書きます。
(その報告書が大変だ…)
全日本社会貢献団体機構より助成金をいただきました!
先日、全日本社会貢献団体機構より当プロジェクトに
290万円の助成金をいただきました。
「10年間で10億円!」を目標に、民間からの募金や寄附、助成で活動を進めています。
震災から時間がたち、人々の「何とかしなくや」「何かお役に立ちたい」という気持ちが薄れていく中、資金獲得は年々難しくなっていくことが予想されます。
そんな中、こちらの団体では、“東日本大震災の被災者を元気づける助成”という特別枠を設け、さまざまな活動を支援してくださっています。
大事に使わせていただきます。ありがとうございました。
香川で活動報告会を集中開催!
こんにちは。四国支部の池田です。
学校の森・子どもサミットに参加した本部の吉田副部長が、
海岸林再生プロジェクトの今後の参考にするため、
度々ブログで取り上げられている香川県の「津田の松原」
視察調査に8月6日から8日まで当地に滞在。
そこで、これは絶好の機会!と思い、
会員や支援者への御礼訪問も兼ねて、活動報告会を5回開催しました。
8月6日(木)高松市:16名
8月6日(木)オイスカ四国センター:研修生など8名
8月7日(金)長尾ライオンズクラブ例会:32名
8月7日(金)津田の松原:7名
8月8日(土)綾川町:15名、四国電力総連青年委員会20名
吉田にとっては、ミニ集会のような報告会でしたが、
5回で98名、中には香川県森林センター関係者や
名取市のプロジェクト地を視察された方も参加して下さったので、
気合いの入った会となりました。また、不思議な御縁ですが、
今春は香川県産抵抗性クロマツを播種したこともあり、
参加者それぞれ熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
こちら→→http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=10959
一番の目的であった「津田の松原」視察調査も、香川県や地元さぬき市、
そして日頃から松原の整備活動を行っている住民ボランティアグループ等にヒアリング協力いただけ、
これからの活動展開に手応えを感じていたようです。
調査に協力いただいた方々へ厚く御礼申し上げますとともに、公園や海水浴場として一般に
開放されている、全国でも稀有な松原を維持管理され続けていることに、深く頭が下がる思いです。
なお、10月25日(日)開催の大阪マラソン2015チャリティランナーに
元オイスカ四国研修センター所長の小野泰司(現オイスカ西日本研修センター副所長)がエントリー。
現在、出場権獲得に必要な7万円を募っており、報告会の会場で募金を呼び掛けたところ
7千円余りを協力いただきました。この場を借りて、募金に応じて下さった皆様に御礼申し上げます。
昨年は、JR高松駅や高松空港、そしてJR岡山駅等でパネル展示を行いましたが、被災地からの情報が
あまり入って来なくなった上に相次ぐ自然災害の発生により記憶の風化が進む中、このような活動報告会と
パネル展示を引き続き行い、各地で啓発活動に取り組んでまいりますので、今後とも応援をよろしくお願いいたします。
チャリティランナー紹介 その2
今日ご紹介するのは、フィリピンから参加する渡辺重美バゴ研修センター所長です。
ネグロス島から4名(写真)、ルソン島から2名の研修生OBを引き連れて来日します。
以前もご紹介しましたが、渡辺所長はフィリピンで40年以上活動するベテラン職員。
20代前半からフィリピンで活躍しています。
現在ネグロスでは、このバゴ研修センターを拠点に
養蚕の普及に力を入れています。蚕種製造から機織りまで
一貫した生産体制が築かれています。
40年以上も情熱を持って国際協力活動の最前線を走り続けてきた所長が
60を過ぎてフルマラソンにチャレンジしようというのですから
これは応援しないわけにはいきません!!
チャリティランナー紹介 その1
広報室の林です。
7月31日に大阪マラソンのチャリティランナー受付けが締め切られました。
オイスカのランナーは26名。
今日はその中の一人、中島さんをご紹介します。
先週末オイスカ本部で行われた夏祭りでは、募金箱を持ってフルマラソンへのチャレンジを応援してくださるよう声かけをしている中島さんの姿がありました。
中島さんの勤務する長門屋商店は、紙を扱う会社。そんなこともあり、社会貢献活動としてオイスカが進めている海外の子どもたちの手による森づくり「子供の森」計画を長く支援してくださっています。
海外の子どもたちが来日した際には、中島さんが調整してくださり、会社見学をさせていただきました。
同じ年の私のお腹はぶよぶよしてきているのに、中島さんのお腹はカタイ腹筋に覆われています。鍛えていることがよく分かる体型。努力の賜物です。
そして、中島さんはそれを自慢し、私のたるんだ体型をバカにするイヤな奴でもあります(笑)。
先日の夏祭りでは、鍛えた腹筋に思いっきりパンチをしても大丈夫だというので3発ほど、思いっきりパンチをしてみました。ちょっとスッキリ。
そんなイヤな感じの中島さんですが、今回は同じ年のおじさんが走るのだから
私も精一杯応援させてもらいます。どうぞ、皆さんもご支援よろしくお願いします。
中島さんのチャレンジページ