佐賀入りしました ~「海岸林の将来ビジョン形成調査」in虹ノ松原
11月17日、オイスカ西日本研修センター(早良区)の農場で頑張っている
同期の立石君が福岡市の西新で、有機野菜の配達のついでに、
店で僕を拾ってくれて、センターで昼食をいただいてから佐賀に向かいました。
センターには19日夜戻ります。
大相撲九州場所で髙田川部屋(金星16回の元大関の安芸乃島。オイスカ会員)の
宿舎になっており、名取の現場も落ち着くこの時期、
1年前からちゃんこを狙いすましていました。
この調査には虹ノ松原保全対策協議会、NPO法人唐津環境防災推進機構(KANNE)、
林野庁九州森林管理局、佐賀森林管理署、佐賀県、唐津市、
そして経済同友会にご協力をいただいております。
虹ノ松原には、先駆性、計画性、実践システムに注目しています。
自分でも呆れるほどの質問票を各方面に事前にお送りした上で、
私が1日早く入り、佐賀森林管理署では森署長ほか皆様から2時間もじっくりお話を伺い、
佐賀県くらし環境本部有明海再生・自然環境課にもお時間をいただきました。
そして、国・県・市・民間がそれぞれの役割を自覚し、緻密な計画性を持ち、
責任を果し続ける実践力を初日から感じました。
2年前の「えりも岬海岸林」調査で感じたような、においを感じます。
自助自立精神、郷土愛、大勢の体温を感じて帰ることでしょう。
2007年の「虹ノ松原保全・再生対策調査報告書」(基本計画)と、「虹ノ松原再生・保全実行計画」に関し、
聞き取り調査を先行し、本隊を迎えます。
今回の「海岸林の将来ビジョン形成調査」メンバーは、
東大名誉教授の太田猛彦先生、清藤城宏オイスカ緑化技術参事(元山梨森林総研)
プロジェクト立ち上げからずっと行動を共にしている佐々木勝義さん(松島森林総合)
菅文彦さん(コーズ・アクション代表、オイスカ広報啓発アドバイザー)
廣瀬兼明西日本研修センター所長と総勢6名。
本降りの雨。
ですが、徹底して松原を踏査します。
頑張りました。パンフ手渡し1,640部②
井上さんのイベントレポートの続きです。
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3.バラ苑開放期間の自宅前実生苗バザー(2015年10月9日~11月1日)
秋のバラ苑開放にあわせ、自宅前を大勢の人がとおるので、写真パネル(通算35回目)を出し、
無人の実生苗バザー(自宅前は3回目、通算7回目)を開きました。
在宅の日は路上で苗床からポットに移す作業をして、
バラ苑鑑賞の方々が通りかかると声をかけパンフを手渡しして、
時間のある人には写真を示しながらプロジェクトの話をしました。
寄付金パンフ手渡し920部、買っていただいた実生苗289ポット、
代金14,580円 寄付金17,960円 合計32,540円。寄付金の方が多い結果でした。
「去年買った苗、大きくなったわよ」の声も聞かれ、
今回もまた近所の方や市民アカデミーのお仲間から販売用の花や植木の無償提供が増えました。
熱心に説明を聞いてくださった方が、
「世のためになる良い活動だ。パンフを常時置いてもらうよう話すよ」と言ってくださり、
川崎市生田緑地ビジターセンターとコメダ喫茶店向ヶ丘遊園店の2箇所のパンフ設置が実現しました。
「大木の枝下ろしのことなら貴方に相談しなさいと近所に人に言われてきたんだ」という人が立ち寄りました。
昨年バザーで話し込んだ婦人に頼まれて柿の木を伐採したことを聞き及んだようです。
そのときの謝礼はその方の名前でプロジェクトに寄付しています。今度もそうなるかどうか。わくわくしています。
4.高校の同期会 (2015年10月14日)
卒業後50年の同期会、90名参加。

同期会本番の会場に写真パネルを展示(通算36回目)しました。
受付で寄付金パンフを渡してもらい、
代表幹事の開会挨拶の前にプロジェクト支援の
訴えをすることができました。
サプライズ企画のフォークダンスのあと
女性幹事に促されて、紙の手提げを持って
歩いた結果71,460円集まりました。
8割の人が協力してくれたのでした。
同期生に感謝です。
5.かわさき市民アカデミーフェスタ (2015年11月7日8日)
オイスカ顧問の太田猛彦東大名誉教授は、かわさき市民アカデミー(受講生6千人)の学長でもあります。
フェスタは学園祭のようなもの。海岸林再生プロジェクトの写真パネル展は4回目(通算37回目)です。
今回は実行委員会にお願いして寄付金パンフを入場受付で渡してもらうことができました。
基調講演に元宇宙飛行士の向井千秋さん(現東京理科大副学長)を招いたので大盛況。
140人定員の講堂では聴講希望者が入りきれず、2回講演をお願いしました。
講演終了時に出口で「太田学長が顧問をしているプロジェクトです」と言いながらパンフを手渡しました。


パンフを渡しつつ「説明を聞いていただけますか?」と声をかけて、かなりじっくり説明をしました。
市民アカデミーの理事長さんもいらっしゃって、
一番長い時間聞いてくださったと思います。
募金箱には3,700円入っていました。
パンフの手渡しは380部。
感心してくれた点を列記すると…
① 最初の話し合いが避難所の体育館で5月27日だった取り組みのスピード
② 最初の播種から今年8月撮影の雑草に負けない高さになった写真の時系列での説明
③ 植栽現場の写真にいつも遠景に写る砂丘上の松林と、毎日新聞社が撮影した巨大津波が襲っている松林が同じものであること。
根返りと生存の理由・3m盛土の根拠を話し、
クロマツの深根性を解説した点 「松って根が浅いんじゃないのですか」と驚いた声。
まだまだ、振りまかれた嘘「マツの根は浅い」の呪縛と戦わねばならないと思いました。
今、私個人は、来年の準備(実生苗用の種集めと播種、霜柱対策、挿し木床づくり等)で忙しくしています。
8月29日名取市の方からベニバナ、アケビ、ハスの種子をいただいたので播種・発芽が楽しみです。
里山ボランティアは年明けからの炭焼きのため、伐採に入ります。
来年もまた、春のお彼岸バザー、バラ苑開園時自宅前バザーがあります。頑張ります。
名取市の皆さん、また来年お会いできることを楽しみにしています。それではまた。
頑張りました。パンフ手渡し1,640部①
かわさき市民アカデミー・川崎市早野聖地公園里山ボランティアの井上文雄さんから
この秋に行ったイベントレポートが届いたので、掲載します。
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秋は5つイベントが続き、9月23日から11月8日までで、
寄付金パンフ1,640部を手渡しすることができました。
参加した8月29日ボランティアデーの模様を最新情報として追加した写真パネル展は通算37回目を数えました。
お預かりした寄付金は、合計112,700円となり、いままでにない額で自分ながら驚いています。
派生効果でパンフ置きを承諾してくださったお店などが3ケ所増えました。
1.里山ボランティア 秋のお彼岸バザー(2015年9月23日)
例年お彼岸の墓参の方々にむけて、冬に焼いた木炭・竹炭を提供するバザーを開いており、
私は海岸林再生プロジェクトの写真パネル(通算34回目)、寄付金を募るため庭の花木の実生苗を出品しました。
寄付金パンフ手渡し130部、出た実生苗74ポット、寄付金5000円でした。
海岸林再生プロジェクトへ寄付をしていることがバザーのステータスを上げているようだとの部内の声も聞かれます。
2.福島県浪江町視察・名取市海岸林再生現場見学(2015年10月4日5日)
かわさき市民アカデミーの受講生仲間28人、太田猛彦先生と一緒に見学が実現しました。
浪江町の請戸港からは福島第一原発のクレーンが見え、昼間だけ入域できます。
港のそばに住んでいた方にご尽力いただいて入域許可証を取得、ガイドもお願いしました。
さすが住宅によりかかる船や、田の中の自動車・船は撤去が済んでいましたが、
土台だけの町、床が落ちた小学校の体育館など慄然とするものでした。
翌日名取市に入り、苗畑・植栽現場を見学させていただきました。
「このスケールの大きさは想像以上だ」「緻密に計画され実行されていて、すごいと思った」
「いつも見ている写真の見方が変わった」などの感想が聞かれました。
事前学習用にパンフを50部用意し、宿舎にも10部置いてもらい、
昼食をとった閖上さいかい市場のすし店「浜や」さんは常時設置OKしてくださり12部置いてきました。
11月21日(土)ボランティアの日の「予告」
11月21日(土)今年度最後のボランティアの日の作業案をアナウンスします。
まず、温かい恰好、温かい飲み物などお持ちください。
日によっては、とんでもなく風が吹くし、寒いので。
【植栽現場】昼過ぎまで
1.モニタリング調査15か所(1か所50本)および
対象木目印の杭打ち・50本/1か所、防腐剤塗り
表示板設置(8人×4チーム)
*午後はPCへの入力も。
2.広葉樹植栽木約750本への目印設置
(10人、南北2か所)
3.植樹祭班番号札・割箸の撤去
4.2015年広葉樹植栽地の溝切り
【育苗場】午後
5.育苗場コンテナ苗の除草
6.来年度植樹祭用の目印割箸の本数管理
7.唐鍬150本の「くさび」点検など道具整備
8.倉庫・休憩室・車両の清掃
参加者はイイ感じで増えました。
すべて、こなせるんじゃないかと(笑)
日暮れも早いし、寒いし、今年度最終日だし、
目標16:00終了の早上がり。
朝、来年度の植栽地の土壌も見ていただくつもりです。
年賀状にマツの写真をどうぞ!!
視察対応が多くなる時期です。
林野庁、宮城県庁、業界人、国内外の大学生、
オイスカをよく知り、大きな寄附もいただいている「海外ボランティア活動支援会」。
そして、今日11月12日は、初めて中学生の職業体験を受け入れました。
松島町立松島中学校2年生の二人。
「森林・林業」に関心があるとのこと。
こういう仕事を選んだのは何故かと聞かれ、中学2年生の時に見た「炎熱商人」
(著:深田裕介)のテレビドラマがすべてのきっかけだったことを話しました。
まず、飛行機を見る機会はないみたいなので着陸直前の飛行機真下へ。
すると、防風垣の上に登ってる「ネコ」発見。
この前も見たけど、完全に住み着いた。
エサが豊富なんだな。ネズミ。
キツネもタヌキもいるけど、ネコとはね~
中学生はネズミの巣穴見て興味津々。
そして、階段設置施工中で、木の事なら何でもの阿部木材工業さん(仙台市宮城野区)に交ざって「作業体験」を。職人さんたちと1時間近く、一生懸命仕事してくれました。
育苗場の除草も初体験のようでした。
今年は小・中学生の受け入れを100人ぐらいしたのですが、まだ名取市からのオファーはなく、ちょっと寂しいです。
ちゃんと挨拶が出来る気持ちの良い子たちでした。
オイスカの工事あれこれ
冬場を迎え、小さな工事をあれこれしています。
植栽開始から2年、やっとそういう余裕が出来ました。
まず、看板設置。
協定内容、協定締結者、対象面積を記載し、頑丈なものを設置しました。
寄附者銘板設置。
すでに終わったのですが、耐久性が悪く、業者さんが負担を申し出てくださり
やり直すことになりました。「寄附いただいた方に申し訳ない」と。
約700名のお名前を、防風垣全長250mにわたり、掲示させていただきました。
盛土への階段設置。
去年と今年の植栽地25haに約40か所。
今日で完了します。約3mの盛土の上り下りが改善され、
格段に仕事しやすくなります。
モニタリング調査地への目印など設置。
現時点で15か所。年に2回、樹高と根元径を測り続けます。
遠くからでもわかる目印、表示板、対象木目印杭の設置は
プロと、11月21日のボランティアで分業します。
その他、名取事務所の看板修繕など。
連日職人さんにご尽力いただいています。
現場監督は終わった。さあ東京に帰ろう。
来週は佐賀、虹ノ松原に「海岸林の将来ビジョン形成調査」のために行きます。
名取の復旧工事の模様
11月10日、NHKで名取の話題が全国放送されました。
南貞山運河拡幅に関し、被災地初の土地収用法適用・・・
震災直後の航空映像が流れました。
NHK news→http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20151109/3377701
およそ400年前、資材や物資を阿武隈川上流から青葉城と城下へ、
波の激しい海路に出ずに安定して供給するため伊達政宗公の命で作られた、
日本一長い運河です。岩沼南部から石巻まで30km続いています。
またそれと同時に、低地で水捌けの悪い当地の排水機能を果たしており、
その機能をさらに強化するための拡幅工事ですが、震災で壊れた個所が多数で
宮城県土木課が復旧に当たっています。
オイスカ第一育苗場のすぐ近くを流れており、それを渡る飯塚大橋は既に2年近く
復旧工事のため閉鎖されています。
育苗場の近くでは依然として農地復旧工事が行われています。
TTPのこともあり、大規模圃場化、グループ化がすすめられており、
今日も朝6時半から重機が動き始めました。
海岸林の背後では、2つの農業法人約300棟のビニールハウス団地が軌道に乗っています。
そのうちの一つ「名取北釜ファーム」の記事が河北新報で取り上げられました。
河北新報記事→http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151111_12037.html
「多重防御」として第1次防御ラインの防潮堤に続く、第2次防御ラインの「かさ上げ道路」の工事もまもなく本格化します。居住区域は第2次防御ラインの内陸側になります。
オイスカの育苗場は1次と2次の間にあります。
育苗場の最寄り駅「美田園」近くには、戸建てと集合の災害公営住宅が建ち、先月街開きがありました。ですが仮設住宅にはまだ3割ほどが入居しています。
再生の会のOさんも、新築工事が遅れ年内入居が微妙です。
我々の2年後の植栽の舞台になる「植栽基盤(盛土)造成工事」の1日11往復というダンプの列は依然続いています。今年度植栽地への「防風柵」工事の資材が搬入されました。
私が思うに海岸林再生の中の最も重労働の「杭打ち」です。これは公共工事です。
一冬、来る日も来る日も続きます。
全国山林苗畑品評会への出品調査
11月5日、全国山林苗畑品評会に出品するよう種苗組合から初めて推薦を受け、
県庁4名、技術センター1名、種苗組合1名がお見えになりました。
1.まず、きっちり聞き取り調査
(担当のTさん、現場を知ろうと質問攻め)
2.2年生抵抗性クロマツを25台(24本/台)抽出
3.そこから各4本、合計100本抜き取り
4.それぞれ根元径(mm単位で)と、苗の高さをすべて計測
5.そのうち10本だけ抽出し、計測
6.その10本の重量を計測
7.さらに、根元から切断し地上部の重さ(充実度)を測る
「また根元径が太った」と感じました。
2週間前、県の植栽技術研修の際、モニタリング調査を私がしたので、
平均0.5㎜ぐらい太ったと見えた。
佐々木統括:
「秋太りしてる。来春は10㎜前後の太さになるね。でも、今年は上に伸びすぎたんだよなあ」
(今年よく言うコメント。苗の高さ平均25cm程か。あまり上に伸ばしたくない)
一方、再生の会の菅野さん、みなさんの審査基準の話を聞きながら、
「県の方と再生の会の方がもし代わったなら、冗談ばっかで審査なんかできないよね」
「私(がクロマツ)ならすぐ落選宣告だわ。見栄え、色つや・・・」
「(さっきのセリフ忘れて)でも、品評会に出れるなんて、すごいことしてるんだな~」
再生の会のTさんとKさんは、興味津々で、夢中で計測。
最後に、10本だけ切る時は、みんなちょっと複雑。
そこで佐々木統括がそれを振り払うようなブラックジョーク。
統括:「吉田~、全国で一番取ったらどうしようか」(笑)
「でも、そしたら全国種苗組合長を再生の会から出さなきゃいけないからそれは控えよう~」
みなさん「・・・・・」(無理矢理、空笑い)
その他に今日の仕事は
1.2014年植栽現場への階段設置工事(松島町の業者さん2名)
2.内陸防風林補植(宮城中央森林組合3名)
3.補植のための苗木出荷(再生の会3名)
4.公道から事務所への砂利道補修打ち合わせ
5.寄附者銘板の誤字など最終確認作業
6.閖上さいかい市場の鮨や「浜や」さんに寄付金チラシお届け
7.来年度事業計画打ち合わせ
10月の降水量2mm 観測史上最少
11月6日、名取では雨を待ち焦がれています。
ここでは「10㎜/日以上降らないと降ったうちに入らない」と言われてます。
*植栽した5月~7月、10㎜以上降ったのは、たった6日。14日連続降雨なしが3回。
25日連続雨なしも(4月中旬~5月中旬)
名取=乾燥というイメージが私にはあります。
降れば降ったで、水捌けが悪い湿地帯の沿岸部です。
内陸防風林の補植をする森林組合の作業班は
「(11月2日にまとまった雨が降ったのに)ここは植穴を掘っても崩れてくる。60cm掘ってもパサパサ」
「(わずかに残った)マツの日陰だけ少し湿っている」
補植のタイミングを計ってずっと待っていました。
今週末、雨が降るとの予報で、再生の会は苗の出荷、森林組合は植付に当たっています。
その真横でビニールハウス2棟を増築中の、再生の会の佐藤夫妻も、
「俺もツバキの苗をもらって植えてみたけど、乾燥続きで一部は枯れちゃった」
今年の天候を振り返ると、極端な数値が多かった。
●3月 多雨・高温 降水量・平均気温ともに観測史上最高
●4月 多湿→異常乾燥へ 例年と気流が異なり西風がゼロ、中旬から気温急上昇・乾燥
●5月 異常乾燥・高温 降水量平年比42%、平均気温は観測史上最高
●6月 乾燥 梅雨入り6月28日と大幅遅れ
●7月 乾燥 降水量過去5年最少63㎜ 14日・8日間連続降水なしを記録
●8月 多湿 11日以降は4分の3が雨
●9月 多雨・多湿 降水量過去5年2位(9月がもっとも雨の多い時期)
●10月 異常乾燥 降水量2mm 平年比7% 観測史上最少 日照時間史上最高
*観測は1946年~(仙台管区気象台仙台空港測候所)
秋植の、抵抗性コンテナ苗1,650本(新植)、広葉樹287本(補植)、
内陸防風林約1,500本(補植)はかなり厳しい状況になるでしょう。